経歴を書こうとすると、デビューがいつなのかというのが非常に難しい作家。1958年大阪府生まれ、高校時代から筒井康隆主催の同人誌「ネオ・ヌル」の常連投稿者で、初めて商業書籍に載った小説は1975年の『'74日本SFベスト集成』に収録された掌編「ミユキちゃん」。その後、牧野猫・牧野ねこといった名義で短編・掌編でいくつかの賞を受賞するが、本格デビューにはなかなか至らなかった。
1992年、『王の眠る丘』で第1回ハイ!ノヴェル大賞を受賞、本人的にはここで作家デビューという認識らしい。初期はノベライズの仕事が中心だったが、1996年、「S-Fマガジン」掲載の連作『MOUSE』を刊行、SF方面で高い評価を得る。1998年の『屍の王』でホラー作家としても評価され、以降SF・ホラー作家として活躍。
1999年、『スイート・リトル・ベイビー』で第6回日本ホラー小説大賞佳作受賞(応募したのではなく、書き下ろしのつもりで渡した原稿がホラー大賞に回されたらしい)。SF方面では、2002年、『傀儡后』で第23回日本SF大賞を受賞。2016年には『月世界小説』で第36回日本SF大賞特別賞を受賞した。
作風は非常に多彩だが、基本的にSFとホラーが中心。SF系では現実認識の変容がテーマに置かれることが多く、それがホラーに転がっていくことも多い。ホラーでは非常に性格の悪い、邪悪な話運びが身上。独特の言語感覚による造語や台詞回しがそれに拍車を掛け、奇妙な世界を読者の前に現出させる。
その一方、メディアワークス文庫などではライトノベル・青春小説系の作品も書いているし、『乙女軍曹ピュセル・アン・フラジャーイル』『アシャワンの乙女たち』のような一見そう見えない中で特撮パロディをやる作品や、『バイオハザード』映画版などのノベライズも手がけ、栗本薫『グイン・サーガ』の外伝も書いている。また我孫子武丸・田中啓文とともにゲーム『かまいたちの夜2 監獄島のわらべ唄』のシナリオも手がけ……と、まあ色々やっている。
小林泰三、田中啓文、田中哲弥とあわせて「まんがカルテット」と呼ばれるそうな。
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最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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