西村賢太 単語

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受賞のときは?                              

自宅で、そろそろ風俗行こうかなと。
行かなくて良かったです。

                                    ――西村賢太(第144芥川賞受賞会見にて)

西村賢太(にしむら けんた、1967年7月12日 - 2022年2月5日)とは、日本の私小説家である。東京都江戸川区出身。ワタナベエンターテインメント所属。

経歴

作風

西村賢太の作品は、ほぼ全てが小説であり、西村賢太本人の実体験に基づいている。初期は「私」という一人称で書かれた作品が多かったが、おそらくエッセイとの区別のためか、途中から「北町貫多」という名前での三人称に切り替えられた。

作中の「私」もしくは「北町貫多」は、日雇い労働で稼いだ金を風俗代で浪費し、数少ない友人に金をせびり、風俗嬢に入れあげた挙げ句に金をだまし取られ、ようやく交際にこぎ着け同棲まで持ち込むことに成功した女(「私」の一人称ではただ「女」としか呼ばれず、「北町貫多」の三人称では「恵」という名前がついている)に対して細なことでキレて暴力を振るう、ぐうの音も出ないほどのクズである。

作中ではそのクズぶり、りぶりをどこまでも滑稽に描いており、心酔する作家藤澤清造に関する事柄への真剣な態度との落差も含め、ある種のコメディ小説のように読める。そのため、純文学と聞いてむ人でも読みやすく、が呼んだかエンタメ小説とも称される。実際に「野性時代」のようなエンターテインメント系の小説誌でも作品を発表した。

作中では『藤澤清造全集』の刊行に向けて作業をし、資金繰りに奔走する場面がたびたび描かれているが、芥川賞受賞で一躍有名になり年収も大幅に増え資金繰りの問題は解決したにも関わらず、結局全集が出ることはなかった。その代わりにか、代表作である長編『根権現裏』の復刊(新潮文庫、のち角川文庫)と、自ら編集した『藤澤清造短篇集』(新潮文庫、のち角川文庫)と『吐息憎一念 藤澤清造 負の小説集』(講談社文芸文庫)を出している。

著作リスト

小説

  1. どうで死ぬ身の一踊り2006年講談社2009年講談社文庫2012年新潮文庫2019年角川文庫
  2. 暗渠の宿2006年新潮社2010年新潮文庫
  3. 二度はゆけぬ町の地図2007年角川書店2010年角川文庫
  4. 小銭をかぞえる2008年文藝春秋2011年、文文庫
  5. 瘡瘢旅行2009年講談社
    → 疾かかえて2011年新潮文庫[改題])
  6. 人もいない2010年角川書店2012年角川文庫
  7. 苦役列車2011年新潮社2012年新潮文庫
  8. 2011年新潮社
    → ・腐泥の果実2013年新潮文庫[改題])
  9. に跨がる2013年文藝春秋2016年、文文庫
  10. んだ忌日2013年新潮社
    → 相弔・んだ忌日2015年新潮文庫[改題])
  11. けがれなきのへど 西村賢太自選短篇集2013年幻冬舎文庫
  12. (やまいだれ)の歌2014年新潮社2022年新潮文庫
  13. 銭横町2015年文藝春秋2017年、文文庫
  14. 痴者の食卓2015年新潮社
    → 夢魔去りぬ2018年講談社文庫[改題])
  15. 蠕動で渉れ、汚泥の2016年集英社2019年角川文庫
  16. 公園六角堂跡2017年文藝春秋
    → 公園六角堂跡 狂える藤澤清造の残2020年、文文庫[改題])
  17. 更けのに落葉は流れて2018年講談社
  18. 羅針盤は壊れても2018年講談社
  19. 瓦礫の死2019年講談社2022年講談社文庫
  20. 滴は続く2022年文藝春秋

エッセイ

  1. 随筆集 一私小説書きの弁2010年講談社2011年新潮文庫
  2. 随筆集 一日 (2012年文藝春秋
    → 小説にすがりつきたいもある2015年、文文庫[改題])
  3. 一私小説書きの日乗2013年文藝春秋2014年角川文庫
  4. 一私小説書きの日乗 憤怒の章2013年KADOKAWA2022年角川文庫
  5. 随筆集 一私小説書きの独語2014年KADOKAWA2016年角川文庫
  6. 下手に居丈高2014年徳間書店2017年、徳間文庫
  7. 一私小説書きの日乗 野性の章2014年KADOKAWA
  8. 東京者がたり (2015年講談社
    → 藤澤清造追2019年講談社文庫[改題・増補])
  9. 一私小説書きの日乗 の章2016年KADOKAWA
  10. 一私小説書きの日乗 不屈の章2017年KADOKAWA
  11. 一私小説書きの日乗 新起の章2018年、本の雑誌社)
  12. 一私小説書きの日乗の章2021年、本の雑誌社)

対談集

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  • 22 ななしのよっしん

    2023/03/14(火) 18:27:54 ID: 7ojmbJffsj

    5ch文学がほとんど西村賢太スレしか動いてない辺り一と言ってもいいたち側の作家だったんだなって

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  • 23 ななしのよっしん

    2024/04/10(水) 01:41:52 ID: Q1OAGWfvHJ

    小説が好きで、文章が上手いだけの、すがすがしいほどクズでダメな底辺人間
    最近は作家でも毛並みが良く品行方正がめられる中で、それと逆な彼は孤高の天才だよ。

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  • 24 ななしのよっしん

    2024/10/04(金) 20:13:04 ID: roIguUf+re

    ただし本人が語っている自分史にウソが入っているって話もあるので、もしかしたらある程度は演出していた可性はある。
    なんとなく品が良い感じも一筋縄ではいかない人格に思える。

    風俗嬢の話とか聞いてみたい。

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