内田幹樹(うちだ もとき)とは、日本の小説家・パイロット。内田樹とは関係ない。
1940年東京生まれ。1965年に全日空に入社、国内線・国際線の機長、後に訓練教官を務めた。在籍していた会社のことをエッセイでは「A社」と表記しているが、JALやJASは実名で出てくるし、現役時代に乗った航空機の写真にはっきり「ANA」の文字が映ってるので隠している意味がない。小説では「NIA(ニッポンインターナショナルエア)」というどう見てもANAな会社が登場する。
1997年、第14回サントリーミステリー大賞に処女長編『パイロット・イン・コマンド』を応募し、優秀作品賞を受賞(とはいうものの、サンミスでは最終候補のうち「大賞」「読者賞」のどちらにも選ばれなかった作品が「優秀作品賞」という扱いなので、実質的には最終選考落選と同義)。1999年、同作が(サンミス主催の文藝春秋ではなく)原書房から刊行され、内田モトキ名義でデビュー。現役機長の書いた航空サスペンスとして話題になった。
2001年に本名の内田幹樹名義で発表した航空エッセイ『機長からアナウンス』がベストセラーとなり、以降は小説の名義も「内田幹樹」に一本化された。
作品は基本的に航空サスペンスで、世界一不運な副操縦士・江波順一がエンジン爆発、ハイジャック、盲目飛行などのトラブルに巻き込まれた航空機を救うため奮闘する『パイロット・イン・コマンド』シリーズがメイン。本職のパイロットならではの緻密に書き込まれたディテール描写のもたらす臨場感が作品の最大の特徴で、現実に起きた航空事故に関する言及も多い(たとえば旅客機が盲目飛行に陥る『操縦不能』では同種の事故であるアエロペルー603便やバージェン航空301便の事故が言及される)。ニコニコ的に言えばメーデー民にオススメの作家である。
2004年に『機長からアナウンス』が新潮文庫で文庫化されたのを機に作品が続々と文庫化され始めるが、その最中の2006年、前立腺癌のため死去。享年66。
僅か7年の作家生活で、残した作品は長編小説5作とエッセイ集2冊のみ。現在は全作品、新品では入手できなくなってしまっている。とはいえ電子書籍では入手可能だし、古書でもそう入手は難しくない。作品が9.11前後にまたがることもあって、現在では記述が古くなってしまった箇所も結構あるが、特にメーデー民諸氏には一読をオススメしたい。
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最終更新:2024/12/23(月) 11:00
最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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