別名義に碇卯人(いかり うひと)があり、そちらではドラマ『相棒』のノベライズをSeason1から現在に至るまで書き続けており、杉下右京を主人公にしたスピンオフのオリジナル作品も書いている。
また、本名の鳥飼久裕(とりかい ひさひろ)名義でも野鳥観察や自然保護に関する本に原稿を執筆している。
1960年福岡県生まれ。九州大学卒。編集者を経て、現在は奄美大島に在住して自然保護活動を行っており、野鳥観察などのフィールドワークを行っている。NPO法人「奄美野鳥の会」会長。
2001年、『中空』で第21回横溝正史ミステリ大賞の優秀作を受賞しデビュー。先輩(第14回佳作)の霞流一、後輩(第34回最終候補)の白井智之とともに、横溝賞からなぜかたまに出てくるマニアックな本格ミステリ作家のひとり。G・K・チェスタトンを敬愛しており、チェスタトン流の逆説を扱った作品を得意とする。また本業(?)の知識を活かした、動植物をテーマ・題材にした作品が多い。
デビュー作から始まる《観察者》シリーズは、本業(?)の自然観察を題材にした(この作者の作品としては)比較的オーソドックスな本格ミステリだが、どちらかといえばこの作家の本領は(横溝賞の先輩の霞流一と同様に)バカミスである。特に《綾鹿市シリーズ》の作品群に見られる、異様な奇想に彩られた「なんじゃそりゃ!」的な設定や謎解き、無駄に壮大すぎたりすぎなかったりする結末は、良くも悪くも一読忘れがたいものがある。2009年には『官能的 四つの狂気』で第2回世界バカミス☆アワードを受賞。
2016年、『死と砂時計』で第16回本格ミステリ大賞を受賞。念のため申し添えておくと、本作はバカミスではない。死刑囚のみが収容された監獄内で起きる奇怪な事件を死刑囚探偵が解決する連作短編集で、設定は奇抜ながら中身はチェスタトン流の逆説を軸にしたオーソドックスな本格――なのだが、しかしあまりにも衝撃的な結末は、人によってはバカミスに分類するかも。
どう考えても一般ウケはしないマニアックな作風なのでかなり読む人を選ぶが、ハマると癖になる作家。文庫化されていない作品も多いが、古書も含めれば入手自体はそれほど難しくない。
比較的オーソドックス(?)な奇想系本格が読みたい人は『樹霊』『死と砂時計』『紅城奇譚』、バカミスが読みたい人は『痙攣的 モンド氏の逆説』『官能的 四つの狂気』『絶望的 寄生クラブ』、「なんじゃそりゃああああ!」と叫びたい人には『隠蔽人類』あたりがオススメである。
……え、もうちょっと普通の小説はないのかって? 昆虫ミステリの『昆虫探偵』か、マラソンミステリの『激走』をどうぞ。
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最終更新:2025/01/09(木) 07:00
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