井上真偽 単語

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井上真偽いのうえ まぎ)とは、日本ミステリー作家

概要

神奈川県出身、東京大学卒ということ以外、プロフィールを一切表していない覆面作家SNS等もやっておらず、インタビューの類いもあまり多くない。

2014年、『と禁忌の述語論理(レディケット)』で第51回メフィスト賞を受賞、翌2015年1月に同作が講談社ノベルスから刊行されデビュー名探偵の推理を数理論理学で検証するという趣向のデビュー作はやや賛否両論という感じだったが、続いて同年9月に発表した第2作『その可性はすでに考えた』が、「奇蹟の存在を明するために奇蹟以外のあらゆるトリックの可性を検証し否定する」多重解決ミステリとして評判になり、「本格ミステリ・ベスト10」5位、「ミステリ読みたい!」5位などランキングでも上位にランクイン。翌2016年の第16回本格ミステリ大賞補にもなった(鳥飼否宇『死と砂時計』に敗れ得票数3位で落選)。

続いて2016年に発表した『聖女杯 その可性はすでに考えた』は多重解決ミステリとしてさらに深化した内容で「本格ミステリ・ベスト101位き、翌2017年本格ミステリ大賞補となり(竹本健治迷宮』に2票差で敗れ落選)、新世代の本格ミステリ作家として大きな注を集める存在となった。

その後は狭義の本格にこだわらず作の幅を広げ、2017年発表の「事件を未然に防ぐ倒叙ミステリ」である『探偵が早すぎる』は2018年日本テレビ系列テレビドラマ化(2022年にはシーズン2も放映)。SFミステリの『ベーシックインカム』、パニックホラーの『ムシカ譜』、災害救助ものの『アリアドネの』など、本格ミステリテクニックを用いたエンターテインメント性の高い作品の方向にシフトしている。

作品リスト

  1. と禁忌の述語論理2015年講談社ノベルス2018年講談社文庫
  2. その可性はすでに考えた2015年講談社ノベルス2018年講談社文庫
  3. 聖女杯 その可性はすでに考えた2016年講談社ノベルス2018年講談社文庫
  4. 探偵が早すぎる2017年講談社タイガ[上下巻])
  5. ベーシックインカム2019年集英社
    → ベーシックインカムの祈り2022年集英社文庫[改題])
  6. シカ2020年実業之日本社2023年実業之日本社文庫
  7. アリアドネの2023年幻冬舎
  8. ぎんなみ商店の事件簿 Brother/Sister編2023年小学館[2分冊])

作品別の各種ミステリーランキング順位(判明分)

1位ベスト5。

作品名 このミス 週刊文春 本格ベスト10 ミス読み
と禁忌の述語論理 圏外 圏外 圏外 圏外
その可性はすでに考えた 2016年版14位 2015年15位 2016年5位 2016年5位
聖女 2017年版11位 2016年10位 2017年1位 2017年9位
探偵が早すぎる 圏外 圏外 2018年版11位 2018年版16位
ベーシックインカム 圏外 圏外 2020年版18位 圏外
シカ 鎮虫 圏外 圏外 圏外 圏外
アリアドネの 2024年5位 2023年5位 2024年版30位 2024年6位
ぎんなみ商店の事件簿 圏外 圏外 圏外 圏外

ほか、『ベーシックインカム』が「SF読みたい!」2020年版18位。

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