乾くるみ(いぬい くるみ)とは日本のミステリー作家である。女性のような名前だが、男性。名前の由来は『匣の中』の登場人物「以縫くるみ」(さらに言えばその名前の元ネタは”ぬいぐるみ”)である。
「竹本健治の代表作『匣の中の失楽』を全く同じ設定で色物にしたら」という作品『匣の中』をメフィスト賞に応募するが、落選。次作の『Jの神話』で1998年にめでたく受賞&デビューを果たす(浦賀和宏、積木鏡介と同時デビュー)。
ちなみに『Jの神話』は「全寮制女子高を舞台にした本格百合ミステリと見せかけたエログロバイオホラー」というかなりのトンデモ作品であり、『コズミック』『六枚のとんかつ』に続き「メフィスト賞はイロモノ」という評価を不動のものにする。なおデビュー後に『匣の中』も刊行され、2015年に出た『匣の中の失楽』の文庫新装版に解説を寄せている。
2004年に発表した『イニシエーション・ラブ』と『リピート』が高く評価され代表作となる。その後『イニシエーション・ラブ』は2007年に出た文庫版が大ベストセラーとなり、人気作家になった。デビューからしばらくは寡作だったが、『イニシエーション・ラブ』が売れ出して以降は短編集を中心にコンスタントに新刊が出ていた……が、近年はまた寡作に戻り気味。
作風は言葉にできないがなんとなく後味が悪いものが多く、作品によっては幸福なバッドエンドを体験することができる。また、短編ではやたら凝った暗号ネタを好んで書き、短編集にはたいてい1本は暗号ネタの話が入っている。
表紙にタロットカードを1枚ずつあしらった一連のシリーズがある。共通して「天童太郎」という人物が登場し、カードによって内容が暗示されているが、作品同士に深い関連はない。
市川尚吾(いちかわ しょうご)名義で評論活動も行っているが、そっちの名義の知名度が高くないせいか評論系の仕事を乾名義でしていることもある。
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最終更新:2024/12/23(月) 11:00
最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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