貫井徳郎 単語

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貫井徳郎(ぬくい とくろう)とは、日本推理小説。妻は同じ推理作家加納朋子

概要

1968年東京生まれ。1993年、『慟哭』で第4回鮎川哲也賞の最終選考に残るも落選(選考委員の鮎川哲也が、オチが理解できなくて落としたという伝説がある)。しかし予選委員だった北村薫推薦によって本作でデビューを果たす。のちに本作は書店員推薦活動によって、2002年頃に文庫版が大ベストセラーになった。

基本的に作は暗く、重く、後味が悪い。あと話は長く、本が厚くなりがち。
新本格ミステリ作家ひとりに挙げられるように、初期はいかにも新本格という作品を書いていたこともあるが、最近はもっぱら社会ミステリーの部類に入る作品を発表している。ミステリ的な趣向を凝らした上でその仕掛けから作品のテーマを描き出すのがパターン
本人く短編は苦手で、短編集はなかなか出さないため単行本未収録となっている短編が多い。

に反して本人は非常に爽やかな人柄だそうである。妻の加納朋子の闘病記『菌病棟よりをこめて』からも、その人柄をうかがい知ることができる。

代表作は『慟哭』『プリズム』『殺人症候群』『乱反射』『後悔と真実の色』『灰色』など。

賞の類にはなかなか縁のなかった作家だったが、2010年に『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞長編部門、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞を受賞。どちらも選考委員に入っている北村薫のおかげ? なお本人的には『後悔と真実の色』で推協賞を狙っていたらしい。直木賞では東野圭吾の後釜として『愚行録』『乱反射』『新譚』『私に似た人』で4回補になるも、4回ともボロクソに言われて落とされている。

集英社と何か揉めたのか、文庫も含めて集英社で出た作品は全て絶版になっている。『崩れる』『天使の屍』は角川文庫、『の誘惑』『明日』は創元推理文庫、『悪党たちは千里を走る』は幻冬舎文庫に入っており、そちらでも読むことができる。

作品リスト

  1. 慟哭1993年東京創元社1999年、創元推理文庫
  2. 烙印1994年東京創元社
    → 迷宮遡行2000年新潮文庫[改題・大幅改稿]→2022年朝日文庫
  3. 失踪症候群1995年双葉社1998年双葉文庫2014年双葉文庫[新装版])
  4. 天使の屍1996年角川書店2000年角川文庫2009年集英社文庫
  5. 修羅の終わり1997年講談社2000年講談社文庫2017年講談社文庫[新装版・上下巻])
  6. 崩れる 結婚にまつわる八つの風景1997年集英社2000年集英社文庫2011年角川文庫
  7. 誘拐症候群1998年双葉社2001年双葉文庫2014年双葉文庫[新装版])
  8. 流殺生祭1998年講談社ノベルス2001年講談社文庫
  9. の誘惑1998年集英社2002年集英社文庫2010年、創元推理文庫
  10. 転生1999年幻冬舎2003年幻冬舎文庫
  11. プリズム1999年実業之日本社2003年、創元推理文庫2022年実業之日本社文庫
  12. 妖奇切断譜1999年講談社ノベルス2003年講談社文庫
  13. 神のふたつの貌2001年文藝春秋2004年、文文庫2021年、文文庫[新装版])
  14. 殺人症候群2002年双葉社2005年双葉文庫2014年双葉文庫[新装版])
  15. 被害者誰?2003年講談社ノベルス2006年講談社文庫
  16. さよならの代わりに2004年幻冬舎2005年幻冬舎ノベルス2007年幻冬舎文庫
  17. 追憶のかけら2004年実業之日本社2006年ジョイノベルス2008年、文文庫2022年実業之日本社文庫[現代語版])
  18. 悪党たちは千里を走る2005年光文社2008年集英社文庫2011年幻冬舎文庫
  19. 愚行録2006年東京創元社2009年、創元推理文庫
  20. 空白の叫び2006年小学館[上下巻]→2010年、文文庫[上中下巻])
  21. ハスの落日2007年新潮社2010年新潮文庫2016年、創元推理文庫
  22. 2007年文藝春秋2009年、文文庫
  23. 乱反射2009年朝日新聞出版2011年朝日文庫
  24. 後悔と真実の色2009年幻冬舎2012年幻冬舎文庫
  25. 明日2010年集英社2013年、創元推理文庫
  26. 灰色2010年新潮社2013年新潮文庫
  27. 2012年文藝春秋2015年、文文庫
  28. 微笑む人2012年実業之日本社2015年実業之日本社文庫
  29. ドミノ倒し2013年東京創元社2016年、創元推理文庫
  30. たち2013年角川書店2016年角川文庫
  31. 私に似た人2014年朝日新聞出版2017年朝日文庫
  32. が心の底の2015年双葉社2018年双葉文庫
  33. 女が死んでいる2015年KADOKAWA2018年角川文庫
    ※単行本は藤原一裕の写真集小説をつけたもの、文庫版は小説のみを収録し未収録短編7編を増補
  34. の男2016年文藝春秋2019年、文文庫
  35. 宿命と真実の炎2017年幻冬舎2020年幻冬舎文庫
  36. 罪と祈り2019年実業之日本社2022年実業之日本社文庫
  37. 悪の芽2021年KADOKAWA2024年角川文庫
  38. かなり2021年新潮社[上中下巻])
  39. ハーシュソサエティ2022年文藝春秋
  40. の墓2023年双葉社
  41. ひとつの祖国2024年朝日新聞出版

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