井上夢人(いのうえ ゆめひと)とは、日本の小説家。推理作家ユニット「岡嶋二人」の執筆担当だった方。
1950年12月9日生まれ、福岡県出身。多摩芸術学園映画科中退。本名・井上泉。
徳山諄一とコンビを組み、「岡嶋二人」として1982年に『焦茶色のパステル』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。全作品の本文執筆を担当した。1989年に実質井上の単独作である『クラインの壷』を刊行したのち、ユニットを解消(その顛末は『おかしな二人』に詳しい)。
1992年、『ダレカガナカニイル…』で「井上夢人」名義で再デビュー。「岡嶋二人」時代は誘拐ものを中心にしたミステリー作家だったが、井上名義になってからはSFへの傾斜が強まり、SF的な特殊設定のミステリーやホラー、サスペンスが多い。また岡嶋時代から代表作の『99%の誘拐』のようにコンピュータ・ハイテク機器を題材にとった作品があったが、井上名義でもまだインターネットがさほど普及していない時代に『パワー・オフ』のようなコンピューターウィルスを題材にした小説を書いたり、web上で99人の登場人物間を自由にザッピングできるハイパーテキスト小説『99人の最終電車』を発表するなどしていた。公式サイト「夢人.com」では作品の冒頭の立ち読みなども可能。
軽妙な会話にも定評があり、地の文が一切存在しない会話のみの作品集『もつれっぱなし』のような作品もある。長編はわりと分厚い作品が多いが、非常に読みやすい文章を書く作家なので、厚さに尻込みせず読んでみるといいだろう。
井上名義での代表作は『ダレカガナカニイル…』、『プラスティック』、『オルファクトグラム』、『ラバー・ソウル』など。
「岡嶋二人」時代は8年間で26冊+αとコンスタントに作品を発表していたが、再デビュー後は非常にのんびりしたペースで仕事をしており、再デビューから30年以上経つのに著作は14冊と、ようやく岡嶋時代の半分を超えた程度。『あわせ鏡に飛び込んで』巻末の大沢在昌との対談によれば、100枚とか200枚とか書いた原稿を気に入らないからと全部消して頭から書き直したり、締め切り日に原稿を全部消したりとかいうことをよくやっているらしく、大沢から「それはアマチュアだよ」とか言われている。
2015年の『The SIX』以降新刊の刊行が途絶えており、たまにアンソロジーに短編の発表がある程度。
「四十四年後の証明」(『もつれっぱなし』収録)は「2040年のメリークリスマス」のタイトルで『世にも奇妙な物語』でドラマ化されており、ドラマとしても評価が高い。他、「風が吹いたら桶屋がもうかる」はテレビ朝日『幻想ミッドナイト』内で、『オルファクトグラム』はWOWOWでドラマ化されている。
(「2040年のメリークリスマス」の本編動画がありますが貼らないでおきます)
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1 ななしのよっしん
2014/04/01(火) 21:47:35 ID: qF512tu1r7
ラストで次元軸をねじ曲げて本編をパラレルな世界にする手法を好む、
あるいは一周目と二周目で感想が変わる作家
今、『ダレカガナカニイル』…を二周目しようか悩み中
なんというか、夢オチで終わらない夢オチというか
受け取り方は読者に任せてほっぽっとくのは当たり前というか
そんなことはともかく『もつれっぱなし』は時代を先取りしてたな
2 ななしのよっしん
2021/11/08(月) 14:27:37 ID: 6c2O381xT5
「メドゥサ、鏡をごらん」はゾクっとする展開だった
3 ななしのよっしん
2022/08/25(木) 16:53:58 ID: iZ+5O32zb8
メドゥサは今まで読んだホラー小説の中で一番怖かったかもしれない、あとこの人文章上手くて読みやすいから好き
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最終更新:2024/12/23(月) 10:00
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