「シーガニズム」――
次々と紹介される食事法にどう対処するか?
The rise of 'Seaganism': As another diet fad enters the market so does food propaganda
RT Home UK News 2019年11月8日
(翻訳:寺島メソッド翻訳ニュースo. 2019年12月13日)
<記事原文>寺島先生推薦
chttps://www.rt.com/op-ed/472862-seaganism-diet-media-misinformation/https://www.rt.com/op-ed/472862-seaganism-diet-media-misinformation/
Brötchen © imago stock&people
私たちが触れるニュースは、情報戦争と地政学が騒々しく入り交じった背景を持っているのかもしれない。 そんな中、酪農産業、海産物産業、食肉産業などもまた「誤情報」について自分達の主張を打ち出したいと考えている。
テレビや高級雑誌で、毎月新しい食事法の勧めが放映され、特集されているようだ。最新の流行は「より痩身に、健康に。そして世界の救済へ」だ。 お題目の数は増すばかり。 一例を挙げると、ラクト菜食主義者、フレキシタリアン、ケトダイエット、卵菜食主義者、フルーツ愛好家、パレオラバー、フリーガン、ビーガン、ベジタリアン、ペスカリアン等々。うんざり。
一応ここで止めておく。 Waitrose Food&Drink(英国のおしゃれなスーパーマーケット)の新しいレポートによると、人気が高まっている新しい食事法は「シーガニズム」だ。 別にこれは「目にする(see)ものは何でも食べる」ことができる時のお題目ではない。 植物ベースのビーガン(完全菜食主義)料理を食べたり、オメガ3の吸収を高めるために奇妙で怪しげな魚料理を食べるというのでもない。
多分、「シーガニズム」は悪いことではなさそう? ourworldindata.orgによると、温室効果ガスの排出量の4分の1は食品から発生し、その排出量の半分以上は動物性食品から発生している。ハンバーガーより魚を食べる方がよさそう、ということか?
しかし、これらの一方的な雑誌の記事やネット上の「食事法」サイトを少し深読みすると、何か怪しいことが起こっているように見える。そこで展開される一群の「倫理的攻撃志向」の中身は少し詳しく見る必要があるかもしれない
ALSO ON RT.COM Meat tax will take food off poor people’s tables so that wealthy eco-socialists can feel virtuous
このような「ビーガン・ミート・シーフードダイエット」(訳注:meetとmeatが同音?)には、脂肪性シーフードにビタミンDと体にいいオメガ3脂肪酸が含まれているため、心臓病のリスクを軽減し、炎症を軽減する可能性がある・・・
だが、魚の乱獲もその養殖も温室効果ガスである二酸化炭素の排出量が無視できない。 消費者主導の乱獲も混獲も水産業界では深刻な問題だ。 私たちが未だに動物性食品を食べていることは言わずもがなだ。
これはまた、「赤肉反対!」運動のテーマ全体につながる。 英国の企業Compare the Market Ltd.による2018年の報告書は、英国のビーガン人口が2016年以来600パーセント増加していることを指摘した。
先月のオックスフォード大学の研究では、健康的な食事が環境に最適であると結論付けたようだが、そのことは貧しいペルー人とボリビア人にも伝えていることになるのかもしれない。 彼らは自分達の主食であるキノアが手に入らなくなっている。 西側の需要の増加でキノアの価格が高騰したせいだ。
食肉業界は反撃の構えだ。今年の秋、Quality Meat Scotlandは、ビーガンのプロパガンダに対抗するために「Meat with Integrity(品性を持って肉食を!)」キャンペーンを開始した。ハイランドの農民たちは、人々が間違った情報を伝えられていると主張している。
肉食主義者、ビーガン、そして今や「シーガン」が一連のデマ情報に批判的な意見を展開しているので、人々は混乱状態だ。 慈善団体と活動家達は、事実と作り話を区別したいと考えているが、私たちが食べるものについての誤情報には二面性があるようだとの気づきもある。
Fish market in Bergen, Norway © Hans Lippert/imageBROKER.com/Global Look Press
ビーガンは常に正しいとは限らず、肉が健康的なこともある。言い換えれば、南米のアボカドやインドのカシューナッツを食べるよりも、地元産の肉を食べる方が環境と二酸化炭素排出量の点では優れている。
実際のところ、私たちの棚にあるビーガン食品は、自然食とはほど遠く、高度に工業化され、もっぱら工場で生産され、大体は巨大な多国籍企業の所有だし…需要が高まると熱帯雨林が破壊される。だから、おそらく、その場合、私たちが何千年もの間行ってきたように地元産の魚や肉を食べることが、安定して持続可能だ。 ほどほどに、という条件はあるが。
たぶん、私たち全員が私たちの裏庭やバルコニーで自分の食べ物を育てるのが最善だろう。
多くの人がより環境に優しい生活を送りたい、動物の幸せを気遣う、または二酸化炭素排出量を減らしたい、と考えているため、環境への問題意識は高まっている。 しかし色々な情報を正確に受け止めることは重要だ。
とは言っても、このマスメディアの狂気と混乱した情報戦争の世界では、それはちょっと難しいかもしれない。あらゆる誤情報が私たちを取り巻いていても、シーガニズムや新しい流行はひとまず置くとして、私たちが何を食べるかだけでなく、食べ物がどのようにして私たちのテーブルにたどり着くのかを問うことは健康的と言える。
By Martyn Andrews, RT
RT Home UK News 2019年11月8日
(翻訳:寺島メソッド翻訳ニュースo. 2019年12月13日)
<記事原文>寺島先生推薦
chttps://www.rt.com/op-ed/472862-seaganism-diet-media-misinformation/https://www.rt.com/op-ed/472862-seaganism-diet-media-misinformation/
Brötchen © imago stock&people
私たちが触れるニュースは、情報戦争と地政学が騒々しく入り交じった背景を持っているのかもしれない。 そんな中、酪農産業、海産物産業、食肉産業などもまた「誤情報」について自分達の主張を打ち出したいと考えている。
テレビや高級雑誌で、毎月新しい食事法の勧めが放映され、特集されているようだ。最新の流行は「より痩身に、健康に。そして世界の救済へ」だ。 お題目の数は増すばかり。 一例を挙げると、ラクト菜食主義者、フレキシタリアン、ケトダイエット、卵菜食主義者、フルーツ愛好家、パレオラバー、フリーガン、ビーガン、ベジタリアン、ペスカリアン等々。うんざり。
一応ここで止めておく。 Waitrose Food&Drink(英国のおしゃれなスーパーマーケット)の新しいレポートによると、人気が高まっている新しい食事法は「シーガニズム」だ。 別にこれは「目にする(see)ものは何でも食べる」ことができる時のお題目ではない。 植物ベースのビーガン(完全菜食主義)料理を食べたり、オメガ3の吸収を高めるために奇妙で怪しげな魚料理を食べるというのでもない。
多分、「シーガニズム」は悪いことではなさそう? ourworldindata.orgによると、温室効果ガスの排出量の4分の1は食品から発生し、その排出量の半分以上は動物性食品から発生している。ハンバーガーより魚を食べる方がよさそう、ということか?
しかし、これらの一方的な雑誌の記事やネット上の「食事法」サイトを少し深読みすると、何か怪しいことが起こっているように見える。そこで展開される一群の「倫理的攻撃志向」の中身は少し詳しく見る必要があるかもしれない
ALSO ON RT.COM Meat tax will take food off poor people’s tables so that wealthy eco-socialists can feel virtuous
このような「ビーガン・ミート・シーフードダイエット」(訳注:meetとmeatが同音?)には、脂肪性シーフードにビタミンDと体にいいオメガ3脂肪酸が含まれているため、心臓病のリスクを軽減し、炎症を軽減する可能性がある・・・
だが、魚の乱獲もその養殖も温室効果ガスである二酸化炭素の排出量が無視できない。 消費者主導の乱獲も混獲も水産業界では深刻な問題だ。 私たちが未だに動物性食品を食べていることは言わずもがなだ。
これはまた、「赤肉反対!」運動のテーマ全体につながる。 英国の企業Compare the Market Ltd.による2018年の報告書は、英国のビーガン人口が2016年以来600パーセント増加していることを指摘した。
先月のオックスフォード大学の研究では、健康的な食事が環境に最適であると結論付けたようだが、そのことは貧しいペルー人とボリビア人にも伝えていることになるのかもしれない。 彼らは自分達の主食であるキノアが手に入らなくなっている。 西側の需要の増加でキノアの価格が高騰したせいだ。
食肉業界は反撃の構えだ。今年の秋、Quality Meat Scotlandは、ビーガンのプロパガンダに対抗するために「Meat with Integrity(品性を持って肉食を!)」キャンペーンを開始した。ハイランドの農民たちは、人々が間違った情報を伝えられていると主張している。
肉食主義者、ビーガン、そして今や「シーガン」が一連のデマ情報に批判的な意見を展開しているので、人々は混乱状態だ。 慈善団体と活動家達は、事実と作り話を区別したいと考えているが、私たちが食べるものについての誤情報には二面性があるようだとの気づきもある。
Fish market in Bergen, Norway © Hans Lippert/imageBROKER.com/Global Look Press
ビーガンは常に正しいとは限らず、肉が健康的なこともある。言い換えれば、南米のアボカドやインドのカシューナッツを食べるよりも、地元産の肉を食べる方が環境と二酸化炭素排出量の点では優れている。
実際のところ、私たちの棚にあるビーガン食品は、自然食とはほど遠く、高度に工業化され、もっぱら工場で生産され、大体は巨大な多国籍企業の所有だし…需要が高まると熱帯雨林が破壊される。だから、おそらく、その場合、私たちが何千年もの間行ってきたように地元産の魚や肉を食べることが、安定して持続可能だ。 ほどほどに、という条件はあるが。
たぶん、私たち全員が私たちの裏庭やバルコニーで自分の食べ物を育てるのが最善だろう。
多くの人がより環境に優しい生活を送りたい、動物の幸せを気遣う、または二酸化炭素排出量を減らしたい、と考えているため、環境への問題意識は高まっている。 しかし色々な情報を正確に受け止めることは重要だ。
とは言っても、このマスメディアの狂気と混乱した情報戦争の世界では、それはちょっと難しいかもしれない。あらゆる誤情報が私たちを取り巻いていても、シーガニズムや新しい流行はひとまず置くとして、私たちが何を食べるかだけでなく、食べ物がどのようにして私たちのテーブルにたどり着くのかを問うことは健康的と言える。
By Martyn Andrews, RT
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