パンデミック中、ほぼ半数の子どもが社会的および感情的な技能が悪化。経済的な混乱が一因。
<記事原文 寺島先生推薦>
Almost half of children saw their social and emotional skills worsen during the pandemic – and economic turbulence played a role
筆者:サラ・カタン他
出典:ifs 2023年8月1日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年9月14日
(訳注:筆者たちの略歴は以下で)
Sarah Cattan
Christine Farquharson
Sonya Krutikova
Andrew McKendrick
Almudena Sevilla
ほぼ半数の親(47%)が、COVID-19パンデミックの最初の年において、自分の子供の社会的および感情的な技能が悪化したと報告した。
対照的に、この期間中に社会的および感情的な成長が改善したのは6人に1人に過ぎなかった。これらの統計は、パンデミックが子どもたちに与えた影響が失なわれた学習に限らず、広範囲にわたることを示している。
これらの結果は、2021年2月にIFSとUCL教育研究所が実施した特別な調査から得られたもので、ナッフィールド財団からの資金提供を受けている。研究者たちは、親に対して子どもの行動に関する13の質問をした(たとえば、親の目から見て①子どもが悩んでいる、②自信を失いやすい、または③かんしゃくを起こす回数)。この質問は、2021年2月と、1年前を振り返って行なわれた。
どんな背景を持つ子どもたちでも社会的および感情的な技能が悪化するが、一部の集団は他よりも影響を受けやすかった。4歳から7歳の子どもたちは、社会的および感情的な成長が悪化した可能性が、12歳から15歳の子どもたちよりも10パーセントポイント高かった(52%対42%)。そして、学業の学習損失に関する以前の研究とは異なり、この研究では困難な状況にある家庭の子どもたちが悪影響を受けたという証拠は見当たらない。
特に注目すべきは、COVID前の両親の雇用状況が変化した子どもたちは、その社会的および感情的な技能が悪化する可能性がはるかに高かったことだ。これは、両親が自宅待機であった場合でも発生し、親の職場の不安定さが子どもに対して重要な否定的影響を持つことを示している。たとえ、それが収入の大幅な減少がなかった場合でもそうだ。
この研究は、経済的不安定さが子供の発達に影響を与えることを示している。この関係は他の共有される原因だけに影響を及ぼすだけではない。このつながりにはいくつかの説明が考えられる。①仕事が不安的になることで、収入が途絶したり、途絶しそうになること。そして②職場の不安定さが親の健康に悪い影響を与えること、などだ。これらの結果は、経済的な混乱が働き手だけでなく、子どもにも連鎖的な影響を及ぼすことを浮かび上がらせる。
IFSの研究経済学者であり、この報告書の筆者であるアンドリュー・マッケンドリックは次のように述べている。:
「COVID-19パンデミック中、どんな背景を持つ子どもたちであっても、社会的および感情的な技能がかなり悪化した。子どもたちはこの期間に多くの変化を経験した。学校の閉鎖、友人や家族との接触の欠如、そして愛する人たちの中の、表面からはわからない周囲に重大な影響を与える病気または死、など。私たちの研究では、子どもの技能の衰退の別の重要な要因が、親が経験した経済的な混乱であることを示している。それが大きな収入の損失につながったかどうかに関係なく。現在、多くの家庭の予算に打撃を与えている生活費の危機が進行中だが、私たちの調査結果は経済的な不確実性が多世代にわたる影響を持つ可能性があることを知らせてくれる」。
ナッフィールド財団の教育部長であるジョシュ・ヒルマンは次のように述べている:
「この重要な研究は、パンデミックが子どもや若者に与えたさらなる悪影響と複合効果を浮き彫りにしている。特に、親が働かなくなったり休業したりした子どもたちに対してだ。子どもの社会的および感情的な発達は、それ自体重要なだけでなく、学校での学習と成果を支援する重要な要素であり、それが長期的な結果を強化することにもつながる」。
Almost half of children saw their social and emotional skills worsen during the pandemic – and economic turbulence played a role
筆者:サラ・カタン他
出典:ifs 2023年8月1日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2023年9月14日
(訳注:筆者たちの略歴は以下で)
Sarah Cattan
Christine Farquharson
Sonya Krutikova
Andrew McKendrick
Almudena Sevilla
ほぼ半数の親(47%)が、COVID-19パンデミックの最初の年において、自分の子供の社会的および感情的な技能が悪化したと報告した。
対照的に、この期間中に社会的および感情的な成長が改善したのは6人に1人に過ぎなかった。これらの統計は、パンデミックが子どもたちに与えた影響が失なわれた学習に限らず、広範囲にわたることを示している。
これらの結果は、2021年2月にIFSとUCL教育研究所が実施した特別な調査から得られたもので、ナッフィールド財団からの資金提供を受けている。研究者たちは、親に対して子どもの行動に関する13の質問をした(たとえば、親の目から見て①子どもが悩んでいる、②自信を失いやすい、または③かんしゃくを起こす回数)。この質問は、2021年2月と、1年前を振り返って行なわれた。
どんな背景を持つ子どもたちでも社会的および感情的な技能が悪化するが、一部の集団は他よりも影響を受けやすかった。4歳から7歳の子どもたちは、社会的および感情的な成長が悪化した可能性が、12歳から15歳の子どもたちよりも10パーセントポイント高かった(52%対42%)。そして、学業の学習損失に関する以前の研究とは異なり、この研究では困難な状況にある家庭の子どもたちが悪影響を受けたという証拠は見当たらない。
特に注目すべきは、COVID前の両親の雇用状況が変化した子どもたちは、その社会的および感情的な技能が悪化する可能性がはるかに高かったことだ。これは、両親が自宅待機であった場合でも発生し、親の職場の不安定さが子どもに対して重要な否定的影響を持つことを示している。たとえ、それが収入の大幅な減少がなかった場合でもそうだ。
この研究は、経済的不安定さが子供の発達に影響を与えることを示している。この関係は他の共有される原因だけに影響を及ぼすだけではない。このつながりにはいくつかの説明が考えられる。①仕事が不安的になることで、収入が途絶したり、途絶しそうになること。そして②職場の不安定さが親の健康に悪い影響を与えること、などだ。これらの結果は、経済的な混乱が働き手だけでなく、子どもにも連鎖的な影響を及ぼすことを浮かび上がらせる。
IFSの研究経済学者であり、この報告書の筆者であるアンドリュー・マッケンドリックは次のように述べている。:
「COVID-19パンデミック中、どんな背景を持つ子どもたちであっても、社会的および感情的な技能がかなり悪化した。子どもたちはこの期間に多くの変化を経験した。学校の閉鎖、友人や家族との接触の欠如、そして愛する人たちの中の、表面からはわからない周囲に重大な影響を与える病気または死、など。私たちの研究では、子どもの技能の衰退の別の重要な要因が、親が経験した経済的な混乱であることを示している。それが大きな収入の損失につながったかどうかに関係なく。現在、多くの家庭の予算に打撃を与えている生活費の危機が進行中だが、私たちの調査結果は経済的な不確実性が多世代にわたる影響を持つ可能性があることを知らせてくれる」。
ナッフィールド財団の教育部長であるジョシュ・ヒルマンは次のように述べている:
「この重要な研究は、パンデミックが子どもや若者に与えたさらなる悪影響と複合効果を浮き彫りにしている。特に、親が働かなくなったり休業したりした子どもたちに対してだ。子どもの社会的および感情的な発達は、それ自体重要なだけでなく、学校での学習と成果を支援する重要な要素であり、それが長期的な結果を強化することにもつながる」。