<記事原文 寺島先生推薦>
Sweden Is the Modelグローバル・リサーチ
2020年5月6日
By Mike Whitney
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年6月2日
現在、コロナウイルスのワクチンはない。つまり、2つの免疫経路のうちの1つが遮断されていることになる。もう一つは「集団免疫」。これはリスクの低い集団の中で臨界集団感染を起こし、最終的に感染を阻止するというものだ。
集団免疫が現在のところ取り得る唯一の道だ。少し考えてみよう。ヒトという種が効果的に感染に抵抗する唯一の方法は、特定の抗体、つまり感染白血球を増殖させることだ。言い換えれば、感染に打ち勝つ唯一の方法は、人口の大多数が感染し、それによって将来の感染症に対する免疫力をつけることなのだ。
そうであれば、政府の政策は、可能な限り痛みを伴わない方法で集団免疫を達成するということになるだろう。(若くてリスクの低い人は、自分が選択するのであれば仕事に戻るべきだ)。しかし、それは政府の政策とはなっていない。実際、普通の政府の政策はそれと真逆だ。米国の政策は、政府が封鎖を解除して一部の人が仕事に復帰できるようにすると決定するまでは、自宅に留まり自己隔離することを奨励している。この政策は、それまでに感染が消滅することを前提としているが、もちろん、その可能性は極めて低い。人々が仕事に復帰すれば、また感染者と死亡者が急増するという可能性の方が高い。この曲線を将来へと先延ばしにしただけで、別に平坦にしたというわけではない。将来の経済に壊滅的なダメージを与えることになるし、得られるものは皆無だ。これはどこにも行き場のない愚かな政策だ。
この無意味な6週間を経て、多くの人々はうんざりしており、ロックダウンの終了を要求している。国民の声に応えて、多くの知事が経済を再開し、規制を解除することを計画している。これが意味するのは、失敗した戦略で1ヶ月半を無駄にした後、多くの州がスウェーデンの足跡をたどることに前向きになっていることだ。1つだけ決定的な違いがある。つまり、これらの州は優秀な疫学者グループを持とうとしていない。この疫学者グループが州政府の社会との関わりを注意深く観察し、新種のコロナウイルスの波が襲ってきた時ヘルスケアシステムが崩壊してしまうかどうかを見極める。つまりそれは手に負えなくなる事態が早々とやってくることを意味し、そうなると私は予想している。先週のコラムで述べたように、ロックダウンの解除はゆっくりと行わなければならない。それが極めて重要なことだ。
「一度に一段ずつ梯子を降りていかなければならない」とスウェーデンの上級疫学者であり、欧州疾病予防管理センターの元主任研究員でもある
ヨハン・ギェセッケ氏は述べている。
つまり、規制を少しずつ緩和して、少しずつ仕事に復帰できるようにする。それが最良の進め方ということだ。
また、再感染を撃退するのに集団免疫で十分なのかどうかという疑問もある。この疑問が、最近のインタビューでギェセッケ氏に投げかけられた。
「集団免疫が国民を再感染から守るというのはあなたの賭けではないのですか?」
ギェセッケ氏の答え:
「
今回のウイルスから再感染したと証明された事例はただの一つもありません・・・これまでのところ再感染は0なのです。一度感染したら再感染はありません・・・あとは集団免疫ということになるでしょう。それは明らかです。そして、それはこの流行の期間中続くでしょう」
さらにインタービュアはギェセッケ氏に、「感染を何とかくぐり抜ければ後は集団免疫になる、とあなたがそれほど確信を持って言えるのはどうしてですか?」と質問した。
「
なぜなら今回のウイルスもコロナウイルスだからです」とギェセッケ氏は言う。「そして他にも6種類のコロナウイルスについて私たちは知っています。なぜこれが特別ということになるのですか?・・・現在、ストックホルムの人口の30%が免疫を持っているか、すでに感染しています。現在まだ集団免疫にはなっていませんが、感染率が30%から50%になるのに数週間しかかからないでしょう」ギェセッケ氏は率直に認めているが、感染を何とかくぐり抜けたヒトが免疫を持っていることを100%確信することはできないが、そうであることはほぼ確実だと彼は考えている。(録音された
インタビューの書き起こしが断片的になっていることはお許しください)
再びギェセッケ氏:
「
(アメリカや他の国々で)ロックダウンが緩和されると、死者数は増えるでしょう・・・スウェーデンではそれほど多くの死者は出ません。なぜなら他の国がロックダウンを解除し始めるまでに、スウェーデンでは集団免疫が出来上がっているからです。どういうことかと言うと、スウェーデンでの感染拡大が収まるころに、他の国々では感染者も死者もさらに増え続けるということです」
もしギェゼッケ氏が正しいとすれば、スウェーデンは「正常」への道を歩んでいることになる。そして米国はまだスウェーデンの尻尾を追いかけ、明らかに逆効果である政策に従い、ビル・ゲイツ氏を始めとする自称教皇たちの言葉から耳が離せないことになる。彼らが明らかに欲しているのは今回の事態を永続させ、「ワクチンを使った監視円形刑務所」を作り上げることだ。こんなことは変える必要がある。アメリカの人々の安全と幸福は、現在の政策を作り上げてきたさまざまな、ごちゃ混ぜの競合する利益相反的課題より優先されるべきである。さて、ナショナルレビューの記事抜粋:
「春の気配が漂っている。そして春はますます多くのスウェーデンの人々の自信に満ちた足取りにも見られる。フランス、スペイン、イギリス、ベルギー、イタリア、および他の欧州連合諸国よりも死亡率が大幅に低いため、スウェーデンの人々は、パニックや新たな流行病の再燃を恐れることなく、ほぼいつもと変わらない毎日を過ごしながら、春を楽しむことができる。
世界保健機関(WHO)の緊急事態プログラムのエグゼクティブ・ディレクターであるマイク・ライアン博士は次のように述べている:「もし私たちが新たな正常状態に到達しようとするなら、多くの点でスウェーデンは未来のモデルだと思います。もし私たちがロックダウンのないような社会に戻りたいと願うならば、ですが」
スウェーデンの駐米大使カリン・ウルリカ・ウロスドッテは、「首都ストックホルムでは、早ければ 5 月のある日には集団免疫に到達する可能性があります」と述べている。そうなれば、新型コロナウイルスの拡散は劇的に制限されるだろう。
・・・スウェーデンの主任疫学者であるアンダース・テグネル博士は、・・・勇敢にも他国の常識を覆し、社会的隔離を伴う統制がCOVID-19拡散の全過程で死亡者数を減らすのに役立つという根拠のない証拠を慎重に調査した。
テグネル氏は4月上旬に NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)に語った:「COVID-19ということになると、科学的なコンセンサスが本当に何かあるのかについて確信はありません。その基本的な理由として、私たちが現在取っているどんな手段もそれほど多くの証拠に基づいているわけではないからです・・・
私には、議論されている出口戦略の多くはスウェーデンがすでにやっていることに非常に似通っているように見えます」と彼はカナダのGlobe & Mailに語った・・・
スウェーデンの人口100万人当たりのCOVID-19症例報告数は約2,200件である。これは、米国(人口100万人当たり3,053人)、英国、フランス、スペイン、イタリアよりも低く、他の多くのEU諸国よりも低い。COVID-19へのアプローチで称賛されているドイツの数字をわずかに上回っている・・・
スウェーデンでは、人口100万人当たりのCOVID-19による死亡者数が265人と報告されている。これは米国(100万人当たり204人)よりはやや高いが、他の多くのEU諸国の数よりは低い・・・年齢調整ベースでは、スウェーデンは100万人当たりの症例数と100万人当たりの死亡者数の両方で米国よりも有意に優れた実績を残している。しかもロックダウンはまったく行われていないのだ。
北欧の隣国や他の国と違って・・・スウェーデンは社会的孤立をいつ、どのように終わらせるかを心配する必要がない。誰を監禁して誰を外に出すかを決める必要もない。外から制限を加えられることや、マスクや手袋をしていない人に罰金を科すかどうかについて、市民的自由からしてどうなのかという議論をする必要もない・・・ 現在、
多くの国や米国の多くの州がスウェーデンに倣い始めている。しかし、カリフォルニア州や他の州は、孤立によって引き起こされた医療費のかさ上げが止まらず、ロックダウンに伴い予算に巨大な穴を開けつづけている。それが原因でアメリカ全土では3、000万人以上の新たな失業者が生み出された。(「
スウェーデンは従来の常識を覆し、他の国も追随している」-ナショナル・レビュー)
これは、全文を読む価値のある素晴らしい記事だ。そして、この記事が示しているのは、スウェーデンがモデルであるということだ。スウェーデンでは、適材適所で人員を配置した上で研究を行い、データを読み込み、公衆衛生上の重要な問題について正しい決定を行った。その後、社会的、経済的な移行がはるかに容易になるような正しい政策が実行に移された。
スウェーデンは、回復への道を歩んでいる。米国は自分が掘った穴から出ようと未だに苦労している。