Video: ‘The Coup Turned Honduras into Hell’: Interview with President Manuel Zelaya on the 10th Anniversary of Overthrow by the US
マヌエル・セラヤとアニヤ・パランピル
グローバル・リサーチ 2019年7月4日
グレーゾーン 2019年7月1日
(翻訳:新見明 2019年7月24日)
<記事原文>
https://
www.globalresearch.ca/coup-turned-honduras-hell-interview-president-manuel-zelaya-10th-anniversary-overthrow-us/5682633 グレーゾーンのアニヤ・パランピルによる、ホンジュラス大統領マヌエル・セラヤの独占インタビュー。彼を倒したアメリカ支援の右翼軍事クーデターの10周年で。
インタビューのテーマは、極端な暴力、麻薬売買、経済不況、移民危機、フアン・オルランド・エルナンデス、ウィキリークス、ベネズエラ、その他。
全インタビューの書き起こしは以下に
***
アニヤ・パランピル:大統領、お越しくださってありがとうございます。あなたが見事にホンジュラス大統領に選ばれましたが、その地位をアメリカ支援のクーデターで追いやられて10年になります。その時以来アメリカは何を成し遂げ、あなたの国をどう変えたのでしょうか。
マヌエル・セラヤ*1:社会契約、それを我々は共和国憲法、国の憲法と呼ぶのですが、その社会契約が壊されたとき、次に来るものは必然的に強者の法(適者生存)です。犯罪、殺人、拷問。いつも反対派に対して強者の側が勝ちます。
それでホンジュラス人民が犠牲になりました。権力を持った側はアメリカの支援があったからです。アメリカはクーデターで大きな利益をえました。そして犯罪の受益者が主要な容疑者であると言われる刑法の原則です。
アメリカはどのように利益を得ているのか。アメリカは、ほとんど完全にホンジュラスを支配しています。米州機構(OAS)を通じて司法を支配しています。アメリカ南方軍を通じて安全保障を支配しています。経済を支配しているのはIMF、世銀、米州開発銀行(IDB)を通してです。
アメリカはホンジュラスの大手メディアを支配しています。大手メディアの意見に大きな影響力を持っています。多くの教会に資金援助しています。教会は北アメリカのNGOから基金を得ています。そしてアメリカはホンジュラスのNGOに資金援助しています。アメリカは国家権力を支配しているのです。
このように、ホンジュラスのような貧しい国の決定にかなり介入してきます。支配者達は保護を受けているので、全てを北アメリカに捧げます。
VIDEO アニヤ・パランピル:最近の平均的ホンジュラス人への影響はどうでしょう。
マヌエル・セラヤ:貧困は増大しました。人々はさらに貧しくなっています。貧困率は既に住民の70%を超えています。犯罪は増加しました。麻薬取引も増加しました。アメリカ国務省の報告によれば、クーデター後のホンジュラスの麻薬取引はほぼ2倍になりました。さらにその報告は、ホンジュラスは「麻薬取引天国」になったといっています。
対外債務は増加しました。彼らが私を銃口で追い出したとき、対外債務は30億ドルでした。今10年たって、140億ドルになりました。それでこの国は経済成長の欠如、投資の欠如、人権侵害の深刻な問題を抱えています。
では一つだけ証拠を出しましょう。アメリカに向かう[移民]キャラバンは、ホンジュラスからです。アメリカ支援のクーデターが、ホンジュラスを地獄に変えたからです。
アニヤ・パランピル:この状況はどうなんですか。この10年で、何があなたのリブレ党の発展に貢献したのですか。
マヌエル・セラヤ:私達はクーデターに対する反対党です。そしてこの10年間、クーデターを実行した人々が支配してきました。彼らはクーデター派の落とし子です。
アニヤ・パランピル:そしてこのことが、ここでの社会運動を強化することにつながったのですか。
マヌエル・セラヤ:そうですね、社会運動は党派的政治理由では成長しません。それらは電気が民営化され、電気代を支払うことができないから成長したのです。それらは民営化されたのです。そして問題は、それらは私企業のものになっただけではありません。私企業は効率がいいのですが、値段が高いのです。
支配者にとって最も居心地がいいことは、「安全保障は、私達のためにアメリカ南方軍によって管理されるだろう」ということです。「兵士達は私のために国内の安全を守ってくれるだろう。」「そして私企業は私のためにお金をどうにかしてくれるだろう」。だから、支配者は何をするのか。何もしない。ただ儲けを彼の手下に配るだけです。
アニヤ・パランピル:ホアン・オルランド・エルナンデス(JOH)とはどんな人物ですか。そしてなぜ、クーデター後10年の今、街頭で混乱が再燃し、フアン・オルランド・エルナンデスの退陣を要求しているのですか。
マヌエル・セラヤ:彼(JOH)はクーデターの子です。彼は重大なパーソナリティ障害があります。例えば、私は大統領でした。そして私は街頭を歩いていました。そして人々は私を迎え入れてくれました。そして彼らは私に言うのです。「やあ、メル!やあ、大統領!」と。しかし、彼(JOH)は装甲自動車で、ヘリコプターで行くのです。彼(JOH)は大勢の保安要員と共に行動するのです。
私の考えでは、彼は精神障害を抱えているのではないか。彼は大統領である事は、たいしたことだと思っている。そして牧師がやってきて、彼は神に選ばれたと告げる。だからさらに悪くなる。そして彼は現実とかけ離れた人物のように行動し始めるのです。
人々は、飢えのため抗議しているのです。そして政治のためにも抗議していると思うのです。そして彼は、アメリカや右派、保守支配階級が聞きたくなるようなスピーチをアメリカに向かって話すのです。「ホンジュラスでは、テロがある。[ベネズエラ大統領ウゴ・]チャベスの輩が、ホンジュラスにいるのだ。そして彼らは我々に影響を与え、麻薬取引をしているのだ」と。
彼は精神病を病んでいると思う。
アニヤ・パランピル:では、腐敗の告発についてはどうですか。私が今日話したホンジュラス人の何人かは、JOHはホンジュラスで最も裕福な人間の一人だ、と話してくれました。
マヌエル・セラヤ:腐敗は蔓延しています。彼らは社会の保安システムを壊しました。ご覧なさい、不法な政府をどのように維持しているかを。人々を買収するのです。もしそれらが合法なら、彼らは買収する必要はないのです。それらは社会契約の成果なのですから。
しかしクーデターがあるときは、不正行為があります。だから彼らは自分たちが生きながらえるためには、制度を腐敗させる必要があるのです。アメリカがクーデターを支援していることは、独裁者を支援していることになるのです。
アニヤ・パランピル:ホンジュラス人たちはこうも語ってくれました。ほんの少数の家族グループが、産業や特にメディア部門で、国の大部分を支配しているのです。クーデターにおける、またあなたが言う独裁制を維持するためのメディアの役割について話していただけますか。
マヌエル・セラヤ:それが資本主義が機能するやり方なのです。アメリカやフランスやどこでも。資本主義はたった一つの原則に基づいています。つまり、富の蓄積です。それがここで、また世界中で機能しているやり方なのです。
多国籍[企業]の少数エリートが、彼らのために儲けてくれる国の人々と結びついているのです。彼らはビジネスをし、そしてそのビジネスが、彼らのための安全を保障する必要をつくり出すのです。
READ MORE:Action Alert: NYT Claims US Opposed Honduran Coup It Actually Supported (さらに読む)「抜け目ない行動:ニューヨーク・タイムズの主張:アメリカはホンジュラスのクーデターに反対したが、実際はアメリカが支援していた。」
彼らは競争を許容しない。私は、ウゴ・チャベスのベネズエラから、石油を輸入しました。そして彼らは自分たちの合意を維持しなければならないと主張したのです。だから彼らはベネズエラを受け入れなかった。それがクーデターの背後にある動機の一つでした。
アニヤ・パランピル:そして当時のアメリカ大使チャールズ・フォードがあなたに話していたと思うのです。「あなたが、これをすることは許されない」と。まるで彼が外国大使として、こうする権利があるかのように話していました。
マヌエル・セラヤ:アメリカは忠告する。もしあなた方が従わないなら、報復手段によって応える、と。アメリカ大統領ジョージ・W・ブッシュはそう私に言った。ジョン・ネグロポンテは私にそう言った。フォード米大使は私にそう言った。そして他の政府役人も。
ブッシュが私にこう言った。「あなたはウゴ・チャベスと関係を持つことはできない」と。ブッシュの国務副長官ジョン・ネグロポンテも私にこう話した。「もしあなたがALBA(ボリバル同盟)*2に署名するなら、アメリカと問題が生じることになる」と。
だが、私はALBAに署名した。そして私は、もし機会があるなら、もう一度署名するだろう。なぜなら、それはホンジュラスの発展に役立つからだ。
私はブラジルから支援が必要だった。ベネズエラからも、アメリカからも、ヨーロッパからも支援が必要だった。我々はアメリカだけに頼るわけにはいかない。アメリカは、自分の利益しか考えないからだ。アメリカは一つの国にすぎない。
アニヤ・パランピル:ウィキリークスの意義についてコメントをいただきたい。あなたの国の歴史において、もちろんその地域においても。エクアドル政府の助力の面で、ジュリアン・アサンジに現在起こっていることをどう思われますか。
マヌエル・セラヤ:ジュリアン・アサンジは、今日、明日、そして永遠に、世界の自由の象徴です。彼は将来、偉大な予言者のような人になるでしょう。当時彼らは、ずっと抑圧されていました。そして後に彼らはシンボルとなりました。ジュリアン・アサンジもそうなるでしょう。
ジュリアン・アサンジは秘密のない、開かれた世界、自由な世界を宣言したのです。もちろん彼は今日の[権力]側に影響を及ぼしました。しかし将来、私や他の世代も、アサンジの例に倣うでしょう。
アニヤ・パランピル:フォード大使の話に戻りましょう。彼がここの大使館の仕事を終えた後、彼はアメリカ南方軍(SOUTHCOM)の仕事につきました。軍隊です。米軍があなたに起こったことに対してどのように中立であり得るか、またあなたが追放された後、国内での米軍の存在がどのように増大してきたかについて話していただけますか。
マヌエル・セラヤ:[ホンジュラスの]兵士は、スクールオブアメリカ*3で訓練されています。全ての訓練はアメリカと共に行われます。兵士達にとって彼らの人生の目標はアメリカ海兵隊のようになることであり、アメリカの兵士のようになることなのです。
そしてここでアメリカは軍隊と警察を支配している。彼らは、アメリカがさせたいことをしている。彼らは占領軍なのです。
アニヤ・パランピル:私はこの地域、特にニカラグアについて少し話したい。彼(ダニエル・オルテガ)が去年直面したアメリカ支援のクーデターの試みについてどう思われますか。今月で、ニカラグア政府がアメリカ支援の体制転覆作戦を打ち破ってから1年になると思うのですが。
マヌエル・セラヤ:私が[クーデターの後]戻るとき、私はホンジュラスへ帰る試みを何度かしました。ワシントンからホンジュラスへ戻るとき、私は着陸できませんでした。軍隊が私を阻止したからです。だから私はニカラグア国境のラス・マノスから戻らなくてはなりませんでした。その時、私は密かにブラジル大使館に入りました。2年後、私はドミニカ共和国からニカラグアへ、ニカラグアからホンジュラスへ戻ったのです。
(訳者挿入地図)
[
ニカラグア大統領]ダニエル・オルテガを倒そうとするアメリカとの関連で、以前1980年代にも既に同様のことが行われました。アメリカはニカラグアと闘うためにここホンジュラスのコントラを武装させました。その時以来、私はいつもニカラグア人と闘おうとするここホンジュラスのアメリカ占領に抗議しました。そして人々は[今日]、オルテガ政府に賛成投票をしたのです。彼は選挙で選ばれました。
今、アメリカは彼を倒すことはできていません。今、彼は強固です。今、オルテガは多くの人民の支持があります。そして彼らが過去にホンジュラスから支援したようには、オルテガを倒すことができると私は思いません。
アニヤ・パランピル:あなたは、あなたのリブレ党とサンディニスタ運動*4はどう関連していますか。そしてサンディニスタ運動からどんな教訓を得ましたか。
マヌエル・セラヤ:それらは二つの異なった歴史的局面です。サンディニズモは、軍隊の下士官から発展し、20世紀初頭に山にこもった。そして彼は、サンディニスタ国民解放戦線(FSLN)と呼ばれる反帝国主義勢力の党を創設した。この党は闘いに勝利し、ソモサ独裁政権を倒した。そして今は民主的に組織されて、権力を維持している。
我々(ホンジュラスのリブレ党)は、武力闘争から出てきた党ではない。我々は戦争から出てきた党ではない。我々は革命的で、民主的な、しかも平和的な運動から生まれたのです。クーデターに反対して。そしてクーデターを支援する人々に反対して。アメリカはクーデターを支援した。
アニヤ・パランピル:私はあなたの個人的は政治的進化についてお伺いしたい。どうしてかというと、あなたが選挙で選ばれたとき、あなたは中道左派的運動をする党の一員と考えられていたが、今は社会主義について語っておられる。何故あなたは変わったのか、そして今、あなたは自分をどのように位置づけますか。
マヌエル・セラヤ:実際は中道右派です。(中道左派ではない)。それは進化です。なぜなら右派は終わったからだ。彼らは武器を持ち、クーデターをし、汚職や詐欺をし続けている。
人類の未来は社会主義であらねばならない。あなたは社会的存在です。アリストテレスは、我々は理性的な存在だといっています。人間は理性的な動物です。しかし現在、人間は全般的に社会的な存在であると思います。社会なしには男も女も生きながらえることができません。我々が考え、感じることは全て、我々の社会環境と関連しています。
だから人類はどこへ向かって歩んでいくべきなのか。個人主義へか、利己主義へか。個人的利害へか、または社会的利害へか。人類は、社会的利害へ向かって歩んでいかなければなりません。
人類の未来は社会主義者です。我々は1万年か、それ以上戦い続けなければならないかもしれない。しかし将来、もし人類が社会的に進歩しなかったら、我々は洞窟で生きることになるかもしれません。適者生存の法則に従って。人間は発展し、進歩して、社会的になっているのです。
私は進歩的政治哲学の中で育ちました。しかし今、私は新しい政治に進化しました。最初リベラルで、親社会主義でしたが、今は民主社会主義者です。
アニヤ・パランピル:あなたは、「ピンクの潮」*5、特にベネズエラのウゴ・チャベスの政府からどのような影響を受けましたか。
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画像:マヌエル・セラヤ+ウゴ・チャベス
マヌエル・セラヤ:そですね、まずどのようにして兵士のチャベスが、社会主義者になったかを問わなければならないでしょう。もしあなたがこの説明を見つけるなら、どうやって地主の私が、資本主義者から社会主義者になったかを説明できるでしょう。それは精神の高まりです。それは人間への確信です。
資本主義は、非常に野蛮です。資本主義は人類の未来ではありません。もし資本主義が人類の未来であるなら、人類は破壊されます。人類は打ち負かされます。資本主義は失敗する運命にあるのです。地球も同様です。
人類の未来は社会的でなければなりません。簡単です。お金ではないのです。商業ではないのです。人類を導くのは単に経済活動ではないのです。いや、それらは社会に従属するべきなのです。
私企業が存在するのはいいでしょう。私的イニシアティブがあるのもいいでしょう。資本がある事もいいでしょう。しかし資本が世界を指図することはよくないのです。いや、資本を導くのは世界であるべきなのです。これは逆転させた世界です。
私が、国の最高の政府の地位に就いたとき、ホンジュラスのような小さな国でさえ、その時私は学びました。資本を扱うには、資本を人民主権に従属させるほかないのです。資本は存在し続けるでしょうが、それは人民の主権に基づく計画に従属させるべきなのです。
人民の声は神の声です。それを信じなければいけません。
アニヤ・パランピル:クーデター当時、チャベスのように、あなたの国で 憲法制定会議のプロセスを追求していました。ここでの国家の特性を変えるために。なぜそれが、ここのオリガルヒやアメリカ政府を脅かしているとお考えですか。
マヌエル・セラヤ:問題はうまく公式化されていない。トーマス・ジェファーソンを知っているでしょう。ジョージ・ワシントンを知っているでしょう。彼らはアメリカ合衆国を、憲法と共につくり出した。
どうしてチャベスのことを言及するのか。チャベスは21世紀の人です。ジェファーソンとワシントンは1776年の人です。アメリカ独立戦争は反帝国主義、反大英帝国との闘いだった。彼らは憲法制定議会をつくり出した。そしてアメリカには憲法があります。憲法制定議会を発明したのはチャベスではないのです。それはジェファーソンとワシントンです。だからなぜ国家が形成される方法を恐れる必要があるのでしょうか。
社会的協定が破られたとき、貧困があり、多くの飢餓があり、多くの人が困っていて、大多数が経済的、社会的状況に我慢できないとき、憲法の対話に戻らなければならない。これは社会の基本事項だ。
アメリカの中ではクーデターはない。いや、そこの大統領たちは、いつ何時殺されるかもしれない状況に備えなければならない。ここではクーデターがある。そしてこれらのラテンアメリカの国々では、170回クーデターがあった。そしてそれらの大部分はアメリカによって支援されていた。
そして契約が破られたときどうしますか。憲法制定議会から始めるのです。
アニヤ・パランピル:あなたがクーデターに直面しているとき、マドゥーロはベネズエラの外務大臣でした。そしてあなたは当時彼と緊密に連携していました。彼をどう思いましたか。ニコラス・マドゥーロの印象はどうでしたか。そして今ベネズエラで起こっていることをどう思われますか。
マヌエル・セラヤ:二つのことがあります。一つはチャベスは私を救出しなかった。チャベスはホンジュラスのような極右の国に見向きもしなかったでしょう。ホンジュラスはアメリカによってほとんど支配されていましたから。そして今は嘗てよりさらにひどいです。そして私は、中道右派である大統領でしたが、チャベスは一度も私を救出しなかった。
私はチャベスに手をさしのべた。私はそれをはっきりさせなければいけない。チャベスは一度もホンジュラスに興味を示さなかった。これはアメリカのオットー・ライッヒ、ロバート・キャメロン、ロジャー・ノリエガのような右翼活動家の発明だ。私はチャベスにここに来て私達を助けるように納得させなければならない。石油やALBA同盟やペトロカリブ*6などで。
*6ペトロカリブ 英語から翻訳-ペトロカリブは、優先支払いの条件で石油を購入するための、 多くのカリブ海諸国とベネズエラの石油同盟です。同盟は2005年6月29日 にベネズエラのプエルトラクルスで始まりました。 2013年、ペトロカリブは、 石油を超えて経済協力を促進するために、アメリカのボリバル同盟との 連携に合意した。 ウィキペディア(英語) 二つ目に、ニコラス・マドゥーロ、そう彼は根っからの社会主義者だ。彼は労働者で、労働者階級出身だ。資本から搾取されてきた階級の出身だ。労働力を売る階級の出身だ。そして資本家が喜ぶような権利を拒否する。彼はチャベスのような社会主義者だ。
そしてさらに、チャベスによって始められたボリバル革命は社会主義的確信をもってニコラス[・マドゥーロ]に受け継がれた。そして彼は偉大な能力と、感受性と、良心を持って指導している。
彼らは、それをあなた方にわからせたくない。しかしニコラス[・マドゥーロ]は大きな国際的威信のあるラテンアメリカの指導者なのです。
アニヤ・パランピル:私達はクーデターから10年がたちました。一歩一歩他の進歩的な政府が摘み取られ、アメリカの手先に戻っています。我々がいつか進歩的政府がラテンアメリカに戻ってくる日を見る希望はどうやったら訪れるのでしょうか。
マヌエル・セラヤ:どの帝国も永遠ではありません。永遠の神のみが例外です。アメリカは第二次世界大戦の終結以来、世界の多くを支配しました。しかしそれは深刻な矛盾を抱えています。かなり大きな貧困層を抱えた国なのです。国内的に深刻な矛盾を抱えているのです。
そしていつか近いうちに、北アメリカの支配階級は、世界で生き残るためには、軍事費を減らし、医療や健康保険や教育やよりよい生活を人民に与えなければならないでしょう。いつか彼らは世界の兵隊であること、つまり世界の警察である事が、彼らか考えるほど多くの利益をもたらさないことがわかるようになるでしょう。
そしてある日彼らは、軍事独裁より民主的国家のほうがいいことがわかるようになるだろう。彼らが変わるとき、それは遅すぎないことを願おう。
世界は拍手するだろう。そして一方彼らが我々の国にファシストや、独裁者を据え付ける帝国主義的秩序を植え付けている。私達の川や海や森や大地や労働者階級から搾取する超国家企業を据え付けている。その時彼らは彼らは非難され、それは私達の国には適さない行いだと言われるだろう。
私は北アメリカの人々に反対する理由は何もない。まして北アメリカの社会に反対する理由もない。私はリンカーンやケネディやジェファーソンやワシントンを称える。彼らはアメリカを代表してきた。しかし私が非難するのは、我々のような小さな国対する帝国主義的行いである。
民主主義を強化するのではなく、アメリカは軍事独裁を強化している。そしてそれが我々の国を貧困にして、移民がアメリカに移動しているのです。そして移民がアメリカに移動すると、彼らは不平をこぼし始める。
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アニヤ・パランピルは、ワシントンDCを拠点とするジャーナリストである。彼女は以前デイリー・プログレッシブ・アフタヌーンニュース番組の「RTアメリカへの質問」でホストを務めたこともある。彼女は数々のドキュメンタリーをつくり、報道した。その中には朝鮮半島やパレスチナからの現場報告もある。
The original source of this article is The Grayzone
Copyright © Manuel Zelaya and Anya Parampil, The Grayzone, 2019
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[訳注1:エマヌエル・セラヤ] 2009年にクーデターで国外に追われたホンジュラスのセラヤ大統領が本国に帰還した時のインタビューです。ホンジュラスは1980年代、レーガン政権によるニカラグアのサンディニスタ政権転覆計画の拠点となり、中米ではコスタリカとならんで対米関係を重視する国とされていました。セラヤ大統領も就任当時は前体制を踏襲していましたが、2007年の原油高騰をきっかけにそれまでの親米路線を転換し、2008年、ベネズエラ主導の石油価格協定ペトロカリベ(Petrocaribe)と米州ボリバル代替構想(ALBA)に加盟すると発表 しました。 ホンジュラスは世界でも最貧国の1つで、国連の2011年度人間開発指数も179カ国・地域中121位、 外務省の資料によると一日1ドル以下で暮らす人口割合は14.9% となっています。セラヤ大統領は2008年に最低賃金を引き上げ、国内の富裕層との対立を深めていました。セラヤはこのインタビューの中で、当時の駐ホンジュラス米大使ロレンスの前任者チャールズ・フォードがクーデターの中心人物だとしています。米国務省が関与していた可能性は高いとみられています。(桜井まり子) Democracy Now Japan より http://democracynow.jp/video/20110531-4 (ここでセラヤのインタビュー映像も見られる) [訳注2:米州ボリバル同盟(ALBA)] 後藤政子
2004年にベネズエラとキューバの合意により成立したラテンアメリカの地域協力機構。アメリカ主導の米州自由貿易圏(FTAA)構想がラテンアメリカ諸国の経済社会状況の悪化や多国籍企業による経済支配を招いているとして、ボリバル思想に基づき、公正と平等を原則とした地域の協力と連帯により持続的経済社会発展を目指す。(中略) 単に経済統合だけではなく、貧困問題解決や下層大衆の復権、加盟国間の経済的社会的格差の是正も目的としている。加盟国はベネズエラのほか、キューバ、ボリビア、ニカラグア、ドミニカ、エクアドル、セントビンセント・グレナディーン、アンティグア・バーブーダ。ホンジュラスはセラヤ政権時代に加盟したが、ロボ現政権下の10年1月に国会において脱退を決定した。09年10月には域内の決済通貨として米ドルに代えて域内通貨スクレ(sucre)を創設することが決定され、10年1月末から使用が始まった。 https://imidas.jp/genre/detail/D-117-0020.html [訳注3:スクールオブアメリカ、西半球安全保障協力研究所(旧「アメリカ陸軍米州学校」)] 1946年、在パナマのアメリカ南方軍本部内にSOAとして置かれる。親米ゲリラに拷問技術・尋問法などの教育を施し、西半球すなわち中央アメリカ、南アメリカで親米軍事政権・独裁政権と、「反米」左翼政権の転覆を支援した。“修了者”たちは「反米」運動・レジスタンス運動の有力指導者の暗殺に関わったとされ、SOAも“School of Assassin”(暗殺学校)と蔑まれた。ただし、卒業後に反米路線に転じた者もいる。 2001年1月、ラテンアメリカ諸国の軍幹部に訓練を施す名目で、ジョージア州フォート・ベニングに移転、機関名も改められた。(中略) なお、「研究所」と改称しただけで、その存在目的はSOA当時と全く変わっていないとされている。 (ウィキペディアより) [訳注4:サンディニスタ運動] ニカラグアの革命運動の呼称。正式名称はサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)で,1934年に暗殺された革命家サンディーノA.C.Sandinoにちなむ。キューバ革命の影響を受け,1961年カルロス・フォンセカ(1976年暗殺)の指導のもとに独裁的支配を続けてきたソモサ体制に反対して起こった。国境地帯や山岳部でのゲリラ活動を主としていたが,1974年ごろには反ソモサの動きが広まった。1978年ホアキン・チャモロの暗殺を契機に支持基盤が広がってソモサ体制を揺るがし,大規模な軍事攻撃やゼネストで1979年7月A.ソモサを亡命に追い込み,民族再建政府を樹立。革命政府は土地改革,識字運動,ソモサ家の財産没収などの政策を実行。1980年代に入るとアメリカが経済援助を停止し,反革命派(コントラ)を支援し,経済封鎖を続けた。1984年総選挙でD.オルテガが大統領に就任,非同盟,混合経済などをうたった新憲法が発布される。1988年コスタリカ大統領アリアスの和平提案が中米5ヵ国の大統領によって調印されたが,完全には実行されず,長引く戦闘の重圧と経済疲弊の中で行われた1990年の総選挙で反サンディニスタ側のチャモロ女史が勝利。 (コトバンクより) https://kotobank.jp/word/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%8B%E3%82%B9%E3%82%BF%E9%81%8B%E5%8B%95-838791 オルテガ政権の復活 1990年の総選挙ではサンディニスタは多数を取れず政権を失うことになった。その後、中道・保守政権が三期続いたが、汚職が広がり、格差が拡大して再び左派政権への期待が強まり、2006年11月の大統領選挙でダニエル=オルテガが16年ぶりに大統領に復帰した。アメリカはここでも選挙に干渉し、オルテガが当選すれば経済援助を停止すると脅したが、国民は内戦中にアメリカの経済封鎖に耐えた経験からその脅しに屈しなかった。<伊藤千尋『反米大陸』2007 集英社新書 p.25-26> オルテガ大統領は、ラテンアメリカ諸国で反米姿勢を明確にしているキューバのカストロ、ベネズエラのチャベス、エクアドルのコレア、ボリビアのモラレスなどと協力態勢を組んでいる。 (世界史の窓より) https://www.y-history.net/appendix/wh1703-079_1.html [訳注5:ピンクタイド] 「ピンクの潮流」、又は「左傾化」という言葉は、現代の21世紀の政治分析でメディアなどで使用され、ラテンアメリカの民主主義における左翼政権への転換の波を表している。新自由主義から離脱したこの経済モデルの変化は、より進歩的な経済政策への動きを表しており、数十年にわたって不平等が続いたラテンアメリカの民主化の潮流である。 ウィキペディア(英語版より翻訳) [訳注6:ペトロカリブ] フラッシュ217 2014年12月26日
ベネズエラの援助力低下で危惧されるカリブ海諸国の財政破綻 内多 允 (一財)国際貿易投資研究所 客員研究員 ベネズエラでは1999年2月に就任したチャベス大統領が、国内政治と外交関係にわたって、過去の歴代政権と大きく異なる政策を展開した。その政策の特徴は社会主義体制の構築と、米国が主導する市場経済体制に批判的な各国との関係強化であった。ベネズエラが反米的な立場の各国との連携を強化する手段として、石油収入を活用した。チャベス大統領は国内の石油資源を独占している国営石油会社(PDVSA)が輸出から得た外貨収入を、反米的な立場をとる諸国への経済支援に投入した。チャベス大統領のこのような外交姿勢は中南米で2000年代に顕著になった米国を除外した地域統合の推進にも影響を与えた。米国流のネオリベラリズムでは貧困や経済格差の解決に、貢献しないという批判の高まりも米国への批判を高めた。チャベスの外交も、米国を外した中南米の統合推進を重視した。 その具体例として、Petrocribe(以下、英語発音のペトロカリブと表記)を本稿で取り上げる。ペトロカリブはベネズエラの石油(原油と石油製品)をカリブ諸国に優遇的な価格で供給する石油協力機構の名称である。これらの機構を利用してベネズエラはカリブ地域(一部は中米諸国も含む)との関係を強化した。 しかし、近年はベネズエラが反米同盟のネットワークを構築する上で、活用してきた石油収入が減少していることによって、その外交戦略の前途が危惧されている。原油の国際相場の下落が、ベネズエラ経済の停滞に拍車をかけている。ベネズエラ原油の平均価格(1バレル当たり)は2012年平均103.42ドルが、2014年(12月1日―19日平均)には51.26ドルに50%も低下した(表1)。 このような状況を反映してカリブ諸国が依存度を高めているベネズエラからの低金利融資による外貨供給の打ち切りも取り沙汰されている。ベネズエラの経済援助の断絶が、カリブ諸国の財政破綻を招きかねない事態を国際金融界も警戒している。 http://www.iti.or.jp/flash217.htm
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