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ホワイト・ヘルメットを認めないロックスターのロジャー・ウォーターズが人権保護団体のアムネスティとべリング・キャットから受けた侮辱。


<記事原文 寺島先生推薦>How rock star Roger Waters was hung out to dry by Amnesty and Bellingcat for his views on Syrian ‘chemical attack’

RT 論説面
キット・クラレーバーク
2020年10月14日

By Kit Klarenberg, an investigative journalist exploring the role of intelligence services in shaping politics and perceptions. Follow Kit on Twitter @KitKlarenberg

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年11月28日



 入手された電話音声(ニュースサイトのグレイゾーンが最初に明らかにした)によると、人権団体のアムネスティは、音楽バンドのピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズの人権に関する活動を無視するよう圧力をかけられたとのことである。ロジャー・ウォーターはシリアのドゥーマでの「化学兵器による攻撃」に疑念を示していた。その化学兵器攻撃が西側諸国によるシリア爆撃の理由にされていたのだ。

 今年(2020年)8月、環境に関する圧力団体のアマゾン・ウォッチが放映したのは、スティーブン・ドンジガー弁護士を中心としたオンラインでのパネルディスカッションだった。ドンジガー弁護士は活動家であり、米国のエネルギー関連企業の大手シェブロン社を相手に、アマゾン川流域で環境破壊を広げたことについて訴訟を起こした人物である。その結果、ドンジガー氏は、生活と自由のために生涯をかけて戦わざるを得なくなっている。

 2011年2月、シェブロン社はエクアドルの裁判所において、環境破壊の責任があるという判決を受けた。それは同社の子会社であるテキサコ社が1964年から1992年までに行っていた原油生産のために引き起こされたという判決だった。その法廷闘争を起こし、導いて来たのがドンジガー氏だった。

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 しかしシェブロン社は示談金を一銭も払っていない。というのも、この画期的な判決が2014年の3月に、証拠不十分として米国連邦裁判所で覆されたからだ。判決にあたり、ルイス・A・カプラン裁判長が大きな根拠にしたのは、裁判でドンジガー弁護士が嘘の証言をしたという事実を、エクアドルの元判事が裁判後に認めたことだった。 それ以来、ドンジガー弁護士は、法廷侮辱罪の罪に問われ、自宅で軟禁状態におかれ、もう1年以上も裁判を待っている。

 そのドンジガー弁護士自身が参加していた8月のある夜のアマゾン・ウォッチのネット会議には、彼以外にも著名な活動家たちが多数参加していた。具体的には、非営利団体のグローバル・ウィットの創始者であるサイモン・テイラー氏やロックバンドのピンク・フロイドの創設者の一人であるロジャー・ウォーターズ氏たちだ。

 この会議は、前もって数多くの人権活動家たちや非営利団体に向けて広報されていた。その中でも特に有名な団体は、アムネスティ・インターナショナルである。

 しかし、アムネスティによる広報活動がSNS上での批判の洪水を招くことになった。それはシリアの政権転覆を目指している数多くの著名な活動家たちからの声だった。そのためアムネスティの米国支所は、公式ツイッターでこの会議を広報するツイートをしていたのに、なんの断りもなしになぜかそのツイートを削除する、という事態が発生した。



 ある批判者からのツイートを受けて、アムネスティ英国支所クリスティアン・ベネディクト所長は、このネット会議のことを広報するのは「全く良いことではない」とツイートし、そのネット会議を広報するツイートは「削除された」ことを確認した、ともツイートした。




グレイゾーンとRTは、ある電話音声を入手した。その電話は9月25日のウォーターズ氏とアムネスティ・インターナショナル米国支所の2名の幹部の間で行われたものだ。その2名とは、芸術家部門担当部マット・ボーゲル部長と開発部タマラ・ドマウト部長だ。彼らの電話は、この話題に大きな光を当てる内容になっている。

 この電話での会話の冒頭で、ウォーターズ氏が語ったのは、彼が「アムネスティからこのパネルディスカッションについてツイッターを使って前もって広報することを知らされていた」だけではなく、「アムネスティが出したパネルディスカッションの広報ツイートを自分のアカウントでリツイートした。つまり、現時点で37万5000人いるフォロワーにアムネスティが出した情報が伝わった」 ということだった。

 しかし、ある関係者がウォーターズ氏に伝えたところによると、そのパネルディスカッション開始直前に、そのサイトに行こうとしたが場所が分からなかった、ということだった。パネルディスカッションが終了してから、ウォーターズ氏はアムネスティのツイートが削除された原因を探し始めたという。

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 「ちょっとした捜索」の後、ウォーターズ氏が突き止めたのは、アムネスティがツイートを削除したのは、数多くの人々からの圧力に耐えきれなくなったからだという事実だ。その人たちの中で特筆すべき人物をあげると、ウォーターズ氏の「旧敵」であるエリオット・ヒギンズ氏だ。彼はウェブサイトのべリング・キャット(このサイトには賛否両論がある)の創設者である。そしてエリオット氏が圧力をかけたのは、「シリア民間防衛隊」すなわちホワイト・ヘルメットに対するウォーターズ氏の見方についてだった。 回答を求めて、ウォーターズ氏はアムネスティと連絡を取ろうとしたが、何度も邪険に扱われたらしく、やっとのことでボーゲル氏とドラウト氏と電話で話せることができたようである。

 ウォーターズ氏に応えて、ドラウト氏が確認したのは、ツイートを削除した理由は、ホワイト・ヘルメットに対する「様々な意見」を考慮したためだとした。「我々は、ホワイト・ヘルメットは人権活動におけるチャンピオンであり、自国民たちの保護と自由の為に闘ってきた組織だと考えています。あの広報ツイートをあげた時に、あげるべき内容なのかをきちんと吟味できていませんでした。するとすぐにホワイト・ヘルメットのメンバーから連絡が来ました。彼らが聞いてきたのは“なぜウォーターズを広報するのか“ということでした。あなたがホワイト・ヘルメットについて何を語っているか知っているからです。他のシリアの人権活動家からも連絡が入りました」。トラウト氏は、ウォーターズ氏が話を遮るまで話し続けていた。ウォーターズ氏がその後尋ねたのは、ウォーターズ氏のホワイト・ヘルメットに対する見方と、「北エクアドルの熱帯雨林に住む人たちが抱える苦境」との間にどんな関連があるのか?ということだった。

 「我々が行ったパネルディスカッションの広報に口出しをしてきた人々の主張は、あなたがホワイト・ヘルメットに対する見方を広く伝えている点についてです。私はこの件の対応では後手後手に回ってしまいました。あのツイートを削除するべきではありませんでした。そんなやり方はしたくありません。この件に関してもっと開放的な論議をし、真摯に対応しておくべきでした」。トラウト氏はそう釈明した。

 ウォーターズ氏が世界中の新聞の見出しになったのは、2018年4月のことだった。ウォーターズ氏がバルセロナでのコンサート中に曲の演奏を中断し、シリアのドゥーマでの化学兵器による攻撃について語り始めたことが見出しになったのだ。その攻撃はコンサートの6日前に起こったとされていた。

 ウォーターズ氏は、ホワイト・ヘルメットのことを「聖戦士とテロリストの喧伝を広めるニセ組織」だと名指しした。さらにウォーターズ氏は、西側諸国の世論は操作されており、「我々はシリアに侵攻して爆撃を開始するよう自国政府に圧力をかけるように仕組まれている」と主張した。 ほんの数時間後にウォーターズ氏の予見は現実のものになった。フランスと英国と米国がシリアの複数の政府施設に対して軍による攻撃を加えた。

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 2019年5月、ウォーターズは再度激しい攻撃を受ける対象になった。それは、ウォーターズ氏が自身の公式フェイスブックにおいて、漏洩文書により自分の嫌疑が晴れた旨の投稿をした時だった。その文書とは、化学兵器禁止機関(OPCW)の事実解明チームが出した専門的な報告であった。そのチームは攻撃があったとされた数日後にドゥーマを訪れていた。同チームの出した結論は「高い可能性がある」というものだった。その可能性とは、ドゥーマの2箇所で見つかった化学兵器の欠片とされた円筒については、ホワイト・ヘルメットによれば、シリア軍のヘリコプターが投下したものだということだったのだが、「手作業で置かれたものであり、飛行機から落とされたのではない」という可能性だ。

 西側メディアやSNS上で化学兵器の欠片とされた円筒の写真が広く伝えられ、シリアが化学兵器を使用したという主張が広まることになった。その写真や、ドゥーマで病院に運び込まれる住民たちの映像や口から泡を吹いているように見える子どもたちの映像や、団地に死体が並べられている映像。これらすべてはホワイト・ヘルメットが捏造し広めたものだ。 それは「シリア政府がシリア市民を化学兵器の使用対象にしている」というありえない事実の証拠として提出されたものだ。そしてその証拠がフランス政府、英国政府、米国政府がシリアに軍事侵攻する根拠とされたのだ。

 化学兵器禁止機関の事実解明チームが出した「化学兵器の欠片とされた円筒は空から来たものではない」という指摘は、理由が不明のままドゥーマに関する同機関の最終報告書には全く記されなかった。その報告書が出されたのは、ウォーターズ氏がフェイスブックに投稿する2ヶ月前のことだった。

 シリアで進行中の危機に関するホワイト・ヘルメットの役割については、ほとんど公表されてこなかったのに、ウォーターズ氏はネット上で洪水のような激しい攻撃をホワイト・ヘルメットを支持する西側諸国の支持者から受けた。

 電話の話に戻ろう。憤怒したウォーターズ氏は、既に削除されたエリオット・ヒギンズ氏のツイートについて話し始めた。そのツイートは、アムネスティ・インターナショナルに対して、「ロジャー・ウォーターズが人権問題について語る語り手として適切な人物である理由を説明すべきだ」ということを問いただす内容だった。 ウォーターズ氏はこう語った。「ヒギンズの疑問に対して建設的な反応をせず、アムネスティは、彼から受けた批判の圧力に屈するだけだったじゃないか!」 

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 ウォーターズ氏は続けた。「僕が人権問題を語る人物として適切である理由は、だと?僕はこれまでの人生でずっと人権について強く訴えかけてきたよ。ホワイト・ヘルメットが何か本当に邪悪なことに加担していることは明白な事実だ。それなのにアムネスティは今まで決して認めてこなかった。“ホワイト・ヘルメットがドゥーマで作った動画は嘘八百だ“ということをね」

 「現地の医師が言っているのは、その日彼らが知る範囲では、死者は誰もいなかったということだけではなく、病院にいた患者が言っていたのはホコリを吸い込んだことであり、ガス攻撃を受けたことではなかった、ということだ。君たちは未だにあの動画を信じているのか?真実を伝えたものだと思っているのか?」

 ドラウト氏はこう答えた。「あなたが自説を擁護したいお気持ちは理解できます。しかしこのような話し合いは建設的だとは思えません。私がお答えできるのは、あなたが問い合わせている“ツイートをなぜ削除したか“ということについて、“ツイートを削除した理由は、ツイートした直後に我々が受けた反論のためであり、その反論の内容がホワイト・ヘルメットについての我々の理解と一致していたからであり、我々に刺さる内容だったから“ということだけです。アムネスティとしては、あのパネルディスカッションにおいて、あなたが人権問題について語る権利や専門知識や資格がないとは考えていませんでした」。

 ウォーターズ氏はそれに対してこう答えた。「なぜあなたは僕が適切な人物であるという説明を批判者にしなかったのか?それに“あのツイートを削除するつもりはないです。このパネルディスカッションはとても重要なものですから“となぜ告げなかったのか?」 

 「僕が若い頃は、あなた方アムネスティは曲がりなりにも、人権をきちんと考えている団体だったと思っていたよ。今日の私との対話であなた方が見せた姿は以前とは違うことが分かった。だって僕の簡単な質問にさえ答えられないのだから。ホワイト・ヘルメットがドゥーマで作成した動画についての、ね」。ウォーターズ氏はこう語った。

 これに答えて、ボーゲル氏が急いで割って入り、アムネスティがドンジガー氏が提起している「非常に重大な問題」を支持していることを確認した後、ボーゲル氏の個人としての意見を表明した。すなわち、このパネルディスカッションは「とても重要で行う価値のあるものである」と。

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 「ということは、今回の件は、ただただ僕を排除しようとしただけなんだな!?エリオット・ヒギンズのようなとんでもない人物が言ったことを真に受けて。そういうことになるね」。ウォーターズ氏はこう主張した。

 「僕のことに関してだけ例外扱いか?僕を排除するために、僕のことを批判するツイートを取り上げて。そのツイートは、ただ僕に嫌悪感を持っている奴が送り付けてきただけのものなのに。ただ僕が、奴らがシリアの政権を転覆させたがっていることや、実際は起こらなかったドゥーマの化学兵器使用に関して同意していないからという理由だけで、あなた方アムネスティ・インターナショナルは私を排除しようとし、私がエクアドルの人たちのために活動することを遮ろうというのか。活動家として出来ることが私にはあるのに。なんてことだ!あなた方アムネスティというのはとんでもない団体だ。言い過ぎかもしれないが」。

 その後、ドラウト氏が会話に戻り、ツイートを削除したことを平謝りし、ウォーターズ氏を排除しようという意図は「さらさらなかった」と告げた。ただアムネスティは、ホワイト・ヘルメットについてのウォーターズ氏の考えには同意しなかったが。

 ドラウト氏に礼を述べてから、ウォーターズ氏が依頼したのは、「どのようにそしてなぜあのパネルディスカッションを広報するツイートか削除されたかを」公表することだった。さらに、削除が行われたのは「アムネスティ・インターナショナルが守っている聖域の全く外で行われた」ことを公表することだった。 そう告げてから、ウォーターズ氏はステファン・ドンジガー氏とエクアドル市民たちにお詫びをした。しかし、電話口で、依頼されたことを近々実行するということは、代表者2人の口からは出てこなかった。そして10月12日の時点で、ツイートを消したことに対する釈明や謝罪はアムネスティからは出されていないままだ。

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 2018年4月のコンサートでの表明のせいで、ウォーターズ氏は明らかに世間から批判を受け検閲される対象となったのだが、その表明以降、多数の文書が漏洩している。その多数の文書は、ウォーターズ氏が当初から持っていた疑念が非常に的を得たものであったことを強力に支持するものになっている。さらに化学兵器禁止機関(OPCW)の結論では、ドゥーマで化学兵器による攻撃があったことは「十分な証拠があり」、「毒性のある化学物質は塩素分子であったようだ」という内容だったのだが、これは研究者たちが収拾した極めて大多数の証拠品が示すものとは真逆の内容だということも分かってきている。

 化学兵器禁止機関(OPCW)が外に出ることを抑えていた内部資料も、今は多数、一般に知られるものになっている。これらの内部資料については、主流メディアの記者たちは無視しているが、この内部資料が伝えていることは、驚くべき内容だ。

 例えば、これらの内部資料によれば、2018年の7月に化学兵器禁止機関(OPCW)の長は秘密裡に、1名の緊急隊員を除き、調査団のスタッフを総入れ替えしていたことが分かる。この調査団というのは、実際にドゥーマを訪問した調査団だ。その調査を終わらせる責任を引き継いだのは、全く別のチームで、そのチームはシリアではなくトルコに行っていた。そしてその新しいチームが、証言者たちからの聞き取り調査やホワイト・ヘルメットが提供した現地の土を引き継いだ。さらに新しいチームのスタッフは、今まで調査に関わってこなかった新しいスタッフだった。

 これらの証拠から導き出された結論は、当初シリアで集められた証拠から導き出された結論と全く違う内容だった。そしてそういった不一致は、流出した下書き段階の文書で繰り返し散見されていた。そのような不一致については、公にされた文書では全く触れられていなかった。

 下書きからは、他にも重要な事実が見つかった。それは、化学兵器禁止機関(OPCW)の調査員たちは、初期の段階から、何らかの化学兵器による攻撃があったとは全く考えていなかった、ということだ。一例をあげれば、神経ガスが使われたという形跡は全くなかった。この神経ガスについては、ホワイト・ヘルメットもシリア米国医療協会も医療救援組織連合も米・英・仏政府もみな「この攻撃に使われた」と主張していたにもかかわらず、その神経ガスは全く見つからなかったのだ。しかしこの神経ガスが使用されたという話は、2018年6月までにはできあがっていた。

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 そして、化学兵器禁止機関(OPCW)の要請を受け、4名の化学兵器の専門家がこの攻撃の証拠品の再検証を行った。彼らは、ドゥーマで攻撃を受けたとされる被害者たちの症状を観察したのち結論を出した。その被害者たちの様子はホワイト・ヘルメットが提供した映像にも映されていたものだった。再検証の結論は、「化学物質が放出されたとは考えにくい」というものだった。さらに「このような症状を引き起こす原因になると思われる他の化学物質は検出できなかった」 とのことだった。

 化学兵器禁止機関が公表した結論に疑問を呈するものは他にも存在する。ドゥーマで同機関が収拾した証拠品によると、見つかった化学混合物の量はあまりにも少なく、10億分率程度の量だった。この事実は先述の下書き原稿には記載されてあったのだが、このことも、公表された文書には記載がなかった。

 2020年1月の国連安保理事会で、元化学兵器禁止機関の調査団長のイアン・ヘンダーソン氏が発言している。ヘンダーソン氏は、11年間同機関に勤務したベテラン調査員であり、ドゥーマの真相解明チームの一員だった。ヘンダーソン氏は、化学兵器による攻撃があったとされた事案についての調査結論について、こう証言した。すなわち、真相解明チームが出した結論は、化学兵器による攻撃は明らかになかったというものであり、この事件はシリア政府に反対する勢力が、シリア侵攻の理由づけのためにでっち上げたものである可能性を示唆する内容であった。

 ロジャー・ウォーターズ氏の言い方を借りれば、「ホワイト・ヘルメットは西側諸国が作りあげた喧伝普及組織であり、西側各国の政府がシリア市民たちに爆弾の雨を降らせることを推進している組織だ」という事実をさらに確実なものにする文書が出てきた。それは、ハッカー集団であるアノニマスが公表した外務・英連邦省(FCO)の内部資料だ

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 中でも特筆すべきは、その文書により、膨大な資金や年数をかけてある作戦を遂行しようとしていた事が明らかになったことだ。その作戦とは、
シリアや西側諸国の市民たちに向けての喧伝行為を行おうというものだ。それはバッシャー・アサド政権やISのような過激派に対して、一貫性のある確実で穏やかな反対意識を植え付けるための喧伝行為だ。そして最終的には英国政府が進めるシリア政権転覆政策への支持を醸成しようという魂胆だ。

 この計画を支えるため、ARK・インターナショナルという会社が存在する。この会社は「紛争の解決と安定への助言」を行うことを目的としており、外務・英連邦省(FCO)のベテラン外交官であったアリスター・ハリス氏により創設されたものだ。この会社が開発し運用してきたのが、ホワイト・ヘルメットのことを「世界に向けて発信する計画をたて、世界からの認知度を向上させる」ということだ。

 「ARKはシリア民間防衛隊(ホワイト・ヘルメット)の代理人としてツイッターアカウントとフェイスブックのページを始め、いまでも運用している。そして画像を投稿し、英語による活動記録を更新している。昼となく夜となく、だ。 この活動のおかげで世界中のウェブサイトや専門家たちから高い知名度を得るようになった。そして、ニューヨークに拠点を置く団体であるシリア・キャンペーンという運動団体が、ツイッターを通じてホワイト・ヘルメットと連絡を取るようになり、ARKと連携ができている。この団体がホワイト・ヘルメットを前面に出すことにより、シリアのニュースを世界に流すことを決めた」。以上が流出した内部資料に書かれていたことである。

 興味深いことに、ARKはさらに150人のシリアの「活動家たち」に特別な訓練を行い、装備を提供していた。その訓練の中身は、「カメラの操作法や照明の仕方や音声について、それに聞き取り調査の仕方や動画の撮影法」などであり、撮影後の動画編集技術も含まれていた。具体的には「動画や音声の編集法、ソフトの使い方、ナレーションの入れ方、脚本の書き方」や「視覚効果の入れ方、2次元・3次元アニメの作り方、ソフト」などだ。

 受講生たちは、実際のプロパガンダ理論についてさえ指導されていた。具体的には、「標的となる人々の絞り込み、多数の多様なタイプの喧伝技術、メディアやメディアの分析法や監視法」「行動特性の把握や理解」「キャンペーン計画の作り方」「行動と行動を変えさせる方法」「 どのような伝え方をすればそのような喧伝を広めることができるか」などであった。

 受講生たちが作成したものはその後、ARKと「深い関係を築いている」各メディアの関係者たちに提供された。メディアとは具体的には、アルジャジーラやBBCやCNNやガーディアンやニューヨーク・タイムズやロイターなどだ。ARKの受講生が「現地の声を伝える現地在住の記者」として直接そういったメディアに雇われる場合もあった。

 その資料には、ARKの受講生たちが、西側諸国の視聴者に向けて化学兵器による攻撃をでっち上げるやり方を教えてもらったかどうかについては書かれていない。しかし受講生たちが学んだ技術を使えば化学兵器による攻撃など容易にでっち上げることができ、濫用されることになるだろう。だからこそ、彼らが本当にその事に関与していたかどうかをより詳しく調査することは、本当にやる価値のある事だといえる。 


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ドイツ・コロナ調査委員会による告発―PCR検査による偽のパンデミックは、人道にたいする罪だ

<記事原文 寺島先生推薦>
Video: “Crimes Against Humanity”: The German Corona Investigation. “The PCR Pandemic”
Full Transcript
https://www.globalresearch.ca/video-crimes-against-humanity-the-german-corona-investigation/5725795
2020年10月7日
ライナー・フュエルミヒ博士
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年11月5日
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「ドイツ・コロナ調査委員会」は2020年7月10日から、世界中で多くの科学者、専門家の証言を集めました。

以下はライナー・フュエルミヒ博士による映像とその完全な文字起こしです。

証言者たちの結論は次の通りです:

0.「コロナ危機」は「コロナ・スキャンダル」と言い換える必要がある
それは:
 前代未聞の不法行為事案
 人道に対する最悪の犯罪
その責任者たちが逃れられないのは:
 人道に対する犯罪への刑事訴追
 民事上の損害賠償訴訟

1.死亡者数
 「超過死亡」はどの国でもゼロ
  コロナウイルスによる死亡数は季節性インフルエンザと同じ
  ベルガモ市(イタリア)における死亡者94%の死亡原因は、病人を老人介護施設に移送し、施設にいる免疫力の弱い老人に感染させたため
世界中の医師や病院は、患者はCovid-19で死亡したと言えば、金が支給された
解剖で明らかになったこと:
  大半の死亡原因は深刻な持病
  死亡者の大半は超高齢者
  スウェーデン(都市閉鎖せず)と英国(厳格な都市閉鎖実施)の感染者数と死亡者数は同じ
 アメリカの感染者数と死亡者数は、都市閉鎖した州としない州いずれも同じ

2.健康について
 病院はがらがら。倒産に直面した病院もある
 人々は先行するインフルエンザの流行でT細胞性免疫は持っている
 集団免疫に必要なのは、人口のたった15-25%が感染することであり、それは既に達成されている
 症状がなければ、感染はしない

3.検査法について
 多くの科学者は今回のことは「PCR検査パンデミック」と呼び、「コロナウイルスパンデミック」とは呼んでいない
 非常に健康で、感染力もない人が陽性とされることがある
 擬陽性らしきケースは89-94%、あるいはほぼ100%
 ドロステン教授は、中国武漢で発生した実際のウイルスを一度も見ずに、旧型SARSウイルスを基に彼なりのPCR検査を開発した
 PCR検査は感染に関する科学的事実に基づいていない
 PCR検査は感染発見には役に立たない
 PCR検査が陽性だったからといって感染が存在するということでもないし、無傷のウイルスが発見されたということでもない
 サンプルウイルスを35サイクル以上増幅したものは信頼できない。が、WHOは45サイクルを推奨している

4.不法性:
 ドイツ政府は、たった一つの意見を基に、都市閉鎖、社会的距離/マスク着用を行った
 強制的都市閉鎖を行った時にはすでにコロナウイルスは退いていた
 都市閉鎖は存在もしない感染を根拠としていた
 前ドイツ連邦憲法裁判所長官は種々のコロナウイルス対策の合憲性に疑義を差し挟んでいた
 前英国最高裁判事サンプション卿の結論は、パニックの根拠となる事実は皆無であり、コロナ対策を支える法的基礎は何もな い、だった。
 ドイツRKI(CDCアメリカ疾病管理予防センターのようなもの)は解剖を一切しないことを勧めていた
 コロナ対策にはその基礎となる十分な事実も法的裏付けもない。憲法違反であり、ただちに撤回されなければならない
 問題を真面目に考える科学者であれば誰一人、数百万人は死亡するというニール・ファーガソンの悪名高い間違ったコンピュータ モデルに信頼を置く者はいない
 主要メディアはいわゆる「コロナ・パンデミック」の本当の事実を全く報道しなかった
 民主主義はファシズム・全体主義に取って代わられる危険性がある
 ドロステン(PCR検査作成)、テドロス(WHO)、他は国際刑事規約が定義する人道に対する犯罪を犯した
 政治家たちはずっと前に始めるべきだった公開の科学的議論を開始することで、ペテン師や犯罪者たちと袂を分かつことができる

5.陰謀について:
 政治家たちと主流メディアは意図的に人々をパニックに追いやった
 「コロナ関連の規則を守らないと君の両親や祖父母は拷問のような苦しい死に方をすることになる」と子供たちに責任があるかのように感じさせることを計画的に行った
 どうしようもないPCR検査を使うのは恐怖感を作り出すためであって、診断のためではない
 「第二波」なんてものはない

6.損傷と被害について:
 人々に対してはとてつもない健康への損傷と経済的被害があったという証拠
 反コロナ対策で:
 数え切れない人々が死亡した
 世界中で無数の会社と個人が破産した
 子供たちが両親から引き離されている
 子供たち全体が心の傷を負わされている
 倒産するのは中小企業ということになっている

7.損害補償について:
集団訴訟をアメリカあるいはカナダで起こさなければならない。これには世界中で影響を受けたすべての関係者が参加の機会を与えられることになる
企業や自営業者たちに対しては、受けた被害の補填がなされなければならない



以下はフェルミヒ氏による告発映像の全文です。


こんにちは。私はライナー・フュエルミヒです。ドイツとカリフォルニア州の弁護士資格を取得して26年になります。私は主に裁判弁護士として詐欺企業の裁判を担当してきました。かつては世界最大級の銀行で最大級の尊敬を集めていたドイツ銀行が、今日では世界で最も有害な犯罪組織の一つになっています。世界最大級の自動車メーカーの一つであるVW社が、今日では巨大なディーゼルエンジン詐欺で悪名を馳せています。更には世界最大の国際輸送企業であるキューネ・アンド・ナーゲル社。我々はこれらの企業を数百万ドルの贈収賄事件で訴えています。

私は、ドイツのコロナ調査委員会の4人のメンバーの一人でもあります。2020年7月10日以来、この委員会は、「コロナ危機」に対する疑問の答えを見つけるために、多くの国際的な科学者や専門家の証言を聞いてきました。「コロナ危機」については世界中でますます多くの人たちが疑問の声を上げているのです。上述したドイツ企業による汚職や不正行為の事例は、「コロナ危機」が引き起こした、そして現在も引き起こし続けている被害の大きさと比較すれば、かすんでしまうほどどうでもいいものになってしまいます。

今回の「コロナ危機」は、今日我々の知る限りでは、「コロナ・スキャンダル」と改名されなければならず、その責任者は刑事告訴され、民事上の損害賠償で訴えられなければなりません。政治的なレベルでは、人類を詐取の対象にしたり、腐敗した目的で我々を操ろうとするような権力を持つ者が二度と現れないようにするために、出来ることはなんでもしなければなりません。こういった理由で、私がこれからご説明するのは、国際的な弁護士のネットワークが、この史上最大の不法行為事件であるコロナ詐欺スキャンダルを、どのように、どこで議論の俎上に乗せるのか、です。こうしている間にも、このスキャンダルは恐らく過去最大の人道に対する犯罪としてその姿を露わにしました。

人道に対する犯罪が最初に規定されたのは、第二次世界大戦後のニュルンベルク裁判に関連してです。すなわちその裁判では第三帝国の中心的な戦争犯罪者たちが対象でした。人道に対する犯罪は、今日では国際刑法第7条で規定されています。「コロナ・スキャンダル」への司法的アプローチを考える上で問われるのは、以下の3つの大きな問題です。

1.コロナ・パンデミックがあるのか、それともPCR検査・パンデミックがあるだけなのか?具体的には、PCR検査の結果が陽性であれば、検査を受けた人がコビド-19に感染していることを意味するのか、それともコビド-19の感染とは全く関係がないのか。

2.都市閉鎖、マスク着用の義務化、ソーシャル・ディスタンス、検疫規制などのいわゆるコロナ対策は、コロナから世界の人々を守るために役立っているのか、それともこれらの対策は、人々をパニックに陥れ、何の疑問の声も上げず、自分たちの命が危険にさらされていると信じさせられ、最終的には製薬会社やハイテク産業がPCR検査、抗原・抗体検査、ワクチンの販売や、私たちの遺伝的指紋の採取から莫大な利益を得ることができるようにするためだけに役立っているのか?

3.ドイツ政府が「コロナ・パンデミック」を率先して唱える人物たちのロビー活動を、他のどの国よりも大規模に受けたというのは事実か?その人物たちというのは、①ドロステン氏、ベルリンの慈善病院のウイルス学者、②ヴィーラー氏、獣医であり、米国のCDCに当たるRKI長官、そして③テドロス氏、世界保健機関(WHO)議長、の3人だ。理由:ドイツは特に規律のある国として知られており、そのためコロナ対策を厳格に、もちろん、きちんと守り切るという実例を示すことが分かっていたから。


 これら3つの疑問に対する回答が緊急に必要とされるのは、この新しく危険性の高いとされるコロナウイルスは、世界中のどこにも、そしてここドイツにも、過剰な死亡率を引き起こしていないからです。しかし、このコロナ対策の唯一の根拠はPCR検査の結果であり、そのPCR検査というのはドイツのドロステン氏が開発したものです。そんな対策を実施している間にも、世界中で無数の人命が失われ、無数の企業や個人が経済的に立ちゆかなくなりました。例えばオーストラリアでは、マスクを着用していない人や、マスクをきちんと着用していない人は、当局の判断で刑務所に放り込まれています。フィリピンでは、マスクを着用しない、もしくはきちんと着用していないと当局が判断すれば、頭を打ち抜かれます。

まず、今日事実関係がどうなっているかの概要をお話ししましょう。訴訟で最も重要なことは、事実を立証すること、つまり、実際に何が起こったのかを明らかにすることです。なぜなら、法律の適用は常に問題となっている事実に依存するからです。もし私が誰かを詐欺罪で起訴したいと思っても、交通事故の事実を提示して起訴することはできません。そこで、「コロナ・パンデミック」とされる件で何があったのか?です。

以下に述べる事実は、大部分がコロナ調査委員会の作業の結果です。この委員会は、国際的な科学者等の専門家の証言を聴取し以下の3点について判断するために、2020年7月10日に4人の弁護士によって設立されました。

1.このウイルスの危険性は本当のところどれほどか?
2.「PCR検査陽性」の意味は?
3.新型コロナ対策が原因で付随的に引き起こされた被害は何か?世界中の人々の健康被害、そして世界経済への被害の双方に関して。

まず少しだけ背景をお話しします。2019年5月、そして2020年初頭に何が起こったのか?そして12年前の豚インフルエンザでは何が起こったのか、忘れてしまった方も多いのではないでしょうか?2019年5月、ドイツの大連立政権でドイツを支配する2つの政党のうち、より強い政党であるCDU(キリスト教民主同盟)が、グローバルヘルスに関する会議を開催しました。どうやらこの会議は製薬業界やハイテク産業の大物たちに促されてのものだったようです。この会議では、「疑惑の常連」が意見を述べました。アンゲラ・メルケル首相とドイツ保健省長官のイェンス・スパーン氏です。しかしこの種の会議に、必ずしも出席するとは思われない人たちもいました。①ベルリンのシャライト病院のウイルス学者であるドロステン教授、②獣医師でRKI(CDCのようなもの)の代表であるヴィーラー教授、③哲学者で世界保健機関(WHO)の代表であるテドロス氏などです。彼らは全員意見を述べました。また、世界最大の2つの保健基金、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団とウエルカム・トラストのロビー活動統括者も出席し、意見を述べました。1年も経たないうちに、これらの人々が采配を振るって世界的なコロナ・パンデミックを宣言し、世界中で大規模なPCR検査使用を確実に実施し、Covid-19の大規模感染を証明しようとしました。そして現在、ワクチン開発と、それを世界中で販売することを推し進めています。

これらの感染症、というかPCR検査陽性の結果で、世界的な封鎖、社会的距離を取ること、そしてマスクの義務化が正当化されたのです。この時点で重要なことは、パンデミックの定義が12年前に変更されたことです。それまでは、パンデミックとは、世界的に蔓延し、多くの重篤な病気や死者を出す病気と考えられていました。それが突然、その理由を全く説明することもなしに、たんに世界的な病気ということになったのです。重篤な病気であるとか、多くの死者が出たということはパンデミックを宣言する上で必要とされなくなったのです。この変更のお陰で、世界の製薬業界と密接な関係にあるWHOは、2009年に豚インフルエンザのパンデミックを宣言することができました。その結果、今日まで秘密にされている契約に基づいて世界中でワクチンが製造・販売されることになったのです。

豚インフルエンザは最終的には軽度のインフルエンザであることが判明したため、これらのワクチンは全く不要であることが証明されました。そして、製薬業界とその関連大学が発表し続けていた、ワクチンを接種しなければ確実に何百万人もの死者が出る恐ろしい疫病にはなりませんでした。これらのワクチンはまた、深刻な健康問題を引き起こしました。ヨーロッパでは、約700人の子供たちがナルコレプシー(発作性睡眠)で不治の病になり、今後重度の障害をずっと背負ってゆくことになります。何百万ドルもの税金で買ったワクチンは、さらに多くの税金を使って廃棄されなければなりませんでした。すでにその頃、豚インフルエンザの時には、ドイツのウイルス学者ドロステンは、豚インフルエンザが世界中で何十万人、何百万人もの死者を出すだろうと何度も何度も繰り返し、国民をパニックに陥れた一人でした。結局、このデマがさらに深刻な結果を招く前に終止符を打つことができたのは、ヴォルフガング・ウォダールグ博士がドイツ連邦議会のメンバーとして、また欧州評議会のメンバーとして骨を折ってくれたおかげでした。

時を2020年3月にまで早送りします。この時、ドイツ連邦議会がパンデミックに相当する「国家的重要度の高い疫病状況」を発表しました。これが「2020年3月パンデミック」のドイツ版になっています。これに基づいて、すべての基本的な憲法上の権利が、いつまでとは予測し得ない期間停止される都市閉鎖が行われました。ドイツ連邦政府がその決定の根拠とした意見はたった一つでした。普遍的に受け入れられている原則「audiatur et altera pars」(相手の意見も聞かなければならないという意味)に言語道断な違反をする形で、連邦政府が耳を傾けたのはドロステン氏の意見だけだったのです。

まさにこの人物の出した恐ろしい、パニックを引き起こすような予言は、天地がひっくり返るほどの嘘であったことが12年前に判明したことがありました。このことが分かったのは、緑の党員であるデイビッド・シーバーという内部告発者がそれを私たちに語ってくれたからでした。彼が最初に内部告発をしたのは2020年8月29日ベルリンにおいてです。このイベントにはロバート・F・ケネディ・Jr.も参加しており、二人ともこのイベントで発言をしました。そして彼はその後、私たちのコロナ委員会のセッションの一つでも同様の内部告発をしました。
その理由は、彼が政治家や主流メディアによって宣伝されている公式の見解に懐疑的になっていたからです。そこで彼は、別の意見を持つ科学者を探そうと努力し、インターネットでそれを見つけました。それで彼は、非常に有名な科学者の中には、ドロステン氏の恐ろしい予言とは全く異なる意見を持っている人たちがいることに気づいたのです。彼らが考えていた(今も強く思っている)のは次の3点です。
①季節性インフルエンザを超えるような重い病気は存在しない。
②人々は交差性あるいはT細胞免疫を、今回新型コロナウイルスと言われて
いるものに対して既に獲得してしまっている。
③それ故、何か特別な対策を取る理由は全くない。もちろんワクチンなんかは必要な
い。

これらの科学者には、統計学、疫学、公衆衛生学の専門家であり、世界で最も引用されている科学者でもあるカリフォルニア州スタンフォード大学のジョン・イオアニディス教授、ノーベル化学賞受賞者であり、スタンフォード大学の生物物理学者でもあるマイケル・レヴィット教授、ドイツのカリー・メリング教授、スチャリット・バクティ教授、クルード・ウィットコウスキー教授、ステファン・ホムブルク教授、そして今では、マイク・イェードン博士をはじめとする世界中の多くの科学者や医師が含まれています。マイク・イェードン博士は、世界最大の製薬会社であるファイザー社の元副社長兼科学ディレクターです。彼については、もう少し後ほどお話しします。

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2020年3月末、4月の初めに、シーバー氏は、蓄積した知識を持って彼が属する緑の党の指導層に頼ることにしました。そこで彼が提案したことは、ドロステン氏は終末的予言をいろいろしているが、他にも科学的な意見があることを人々に提示し、国民がパニックに陥る理由が全くないことを説明することでした。ちなみに、2012年から2018年までイギリスの最高裁で判事を務めたサムション卿は、まったく同じ時期にまったく同じことをしていて、「パニックになる根拠となる事実はなく、コロナ対策には法的根拠もない」というまったく同じ結論を出していました。同様に、ドイツ連邦憲法裁判所の前大統領も、コロナ措置が合憲であることに、より慎重な言い方ではあるが、重大な疑念を表明していました。しかし、他の意見に注意を払ったりもせず、デビッド・シーバーとそれについて議論することもせず、緑のパーティー指導部は、ドロステン氏のパニック・メッセージが緑の党のために十分に良かったと宣言したのです。いいですか、緑の党は与党連合のメンバーではありません。野党なのです。それでも、彼らは都市閉鎖決定の基礎としてはそれで十分だと言うのです。連邦政府の言い分とまったく同じです。彼ら緑の党指導部は、その後、デビッド・シーバーを陰謀論者と呼びました。彼の示した情報を熟慮することは一切ありませんでした。それから、彼の党員としての権限を剥奪したのです。

ここで、次の3点について現状がどうなっているかを見てみましょう。
①新型コロナウイルスの危険性
②PCR検査は感染症検出のためにはまったく役に立たないこと
③存在しない感染症に基づいた都市閉鎖

この間、医療システムがCovid-19に圧倒される危険性は決してなかったことを私たちは知っています。それどころか、今日に至るまで多くの病院が空っぽのままであり、中には倒産の危機に直面している病院もあります。当時ニューヨークに停泊していた病院船「コンフォート号」は、1、000人の患者を収容することができましたが、20人以上の患者を収容することはありませんでした。過剰な死亡率はどこにもありませんでした。イオアニディス教授らの研究によると、コロナの死亡率は季節性インフルエンザと同等です。ベルガモやニューヨークで撮影された写真も使い、パニックが常態になっていることを世界に示そうとしましたが、それは意図的に誤解を招くような写真であることがはっきりしました。

そして、ドイツ内務省が作成した、いわゆる「パニックペーパー」が流出しました。その機密文書は、実際には、国民が政治家や主流メディアによって意図的にパニック状態に追い込まれていたことを、疑いの余地もなく示しています。RKI(CDCアメリカ疾病管理予防センターのドイツ版)のトップであるウィーラー氏のそれに付随した無責任な発言は、何の疑問も抱くことなく、コロナ対策には無条件に国民は従わなければならないと繰り返し興奮して発表したことから、彼がその台本に忠実に従っていたことがはっきりしました。公の声明で彼は、状況は非常に深刻で脅威だと発表し続けましたが、彼がトップを務める研究所によって集計された数字は、それと真逆でした。

とりわけ、「パニックペーパー」は、子どもたちがどうしても責任を感じなければならないような迫り方をしています。原文ではこうなっています。「両親や祖父母が悶え苦しんで死ぬのは子どもたちがコロナのルールに従わない場合だ」と。つまり、子どもは常に手を洗い、祖父母に近づかないようにしなければ、と言うのです。誤解の余地のない言葉があります:「ベルガモでは、死亡者の大半(正確には94%)がCovid-19によるものではなく、むしろ政府がコビド患者用のスペースを確保するために、おそらく風邪や季節性インフルエンザに罹患した病人を病院から老人ホームに移すことを決定した結果であることははっきりしている。しかし、Covid-19の患者は誰一人この病院に入院することはなかった。」移送された病人が老人ホームで、たいていは持病のせいで免疫システムが著しく弱っている老人に、風邪や季節性インフルエンザを感染させることになりました。さらに、以前に投与されていたインフルエンザの予防接種は、老人ホームの人々の免疫システムをさらに弱めていました。ニューヨークでは、ほんの一部の病院だけに病人が殺到したのです。すべての病院に、というのはとんでもない話です。多くの人々―繰り返しになりますが、そのほとんどは高齢者であり、深刻な持病を持っていました―は、パニックを煽っていなければ、自宅で療養していたのです。そのほとんどの人が病院に殺到しました。そこで、彼らの多くは、一方では医療関連の感染症(つまり院内感染)の犠牲になり、他方では、例えば、酸素マスクを通して酸素を吸入するのではなく、人工呼吸器をつけられたことによって、医療過誤の事件の犠牲になりました。再度はっきり申し上げます:現状Covid-19とされているものの危険性は、季節性インフルエンザと全く同じ程度の危険さです。そしてもちろん、Covid-19は、季節性インフルエンザと同様に、時に重篤な臨床経過をたどることがありますし、時には患者を死に至らしめることもあります。

しかし、特にドイツではハンブルクの法医学者クラウス・ピュシェル教授が行った検死で明らかになったように、彼が調べた死亡者のほとんどは重篤な持病が原因であり、亡くなった人のほとんどはイタリアと同じように、超高齢で亡くなっていました。平均寿命は超えていたのです。

この文脈では、次のことにも言及しなければなりません。ドイツのRKI(アメリカのCDCに相当することは申し上げました)は、不思議なことに、当初、検死は行わないことを推奨していました。そして、世界中の医師や病院が、死亡診断書に本当の死因、例えば心臓発作や銃創などを記載するのではなく、亡くなった人をCovid-19の犠牲者と宣言するとお金をもらえたという、信頼できる報告が数多くあります。検死をしなければ、Covid-19の被害者とされる圧倒的多数の人が、全く別の病気で亡くなっていたことを知ることはできないでしょう。SARS-COV-2(訳注:Covid-19という病気を引き起こすウイルス)が非常に多くの異なる感染症を引き起こしているから、また医療システムが崩壊するから、ロックダウンが必要であったという主張は、コロナ委員会で行ったヒアリングや、その間に入手可能になった他のデータから学んだように、3つの理由で間違っています。

理由A)都市閉鎖は、ウイルスがすでに後退しているときに実施されました。都市閉鎖が実施された時には、疑惑の感染率はすでに再び低下していました。

理由B)交差免疫やT細胞免疫があるため、すでにこのウイルスからの保護はあります。感染率がすでに低下していた時期に上記のような封鎖が行われていたことはさておき、個々のインフルエンザやインフルエンザ流行のたびに含まれるコロナウイルスに対しては、一般の人たちにも交差免疫やT細胞免疫が存在します。このことは、今回は少し違う系統のコロナウイルスが働いて、いたとしても当てはまります。それは、体の免疫システムが過去に戦ったすべてのウイルスを記憶しているからであり、その経験から、コロナウイルス系列のウイルスの中から、新しいと思われるが似たようなウイルスを認識しているからである。ちなみに、こんな風に感染症の検出のためのPCR検査が悪名高いドロステン教授によって発明されました。

2020年1月の初め、この非常に基本的な知識に基づいて、ドロステン氏はSARS-COV-2の感染を検出するとされるPCR検査を開発しましたが、中国の本物の武漢ウイルスを見たこともなく、武漢で何かが起きていることをソーシャルメディアの報道で知っただけで、後に彼が開発したとされるコロナウイルスのPCR検査となるものの小細工をコンピュータ上で始めました。彼のPCR検査では、古い型のSARSウイルスを使用しました。それは武漢で発見されたとされる新種のコロナウイルスと十分な類似性があるとの期待があったからです。そして コンピュータを操作した結果を中国に送り、新型とされるコロナウイルスの被害者が陽性反応を示すかどうかを調べました。陽性でした。

そして、そのことだけを根拠に世界保健機関(WHO)はパンデミック警報を鳴らし、現在SARS-COV-2と呼ばれるウイルスへの感染を検出するために、世界中でドロステン式PCR検査を使用することを推奨しました。ドロステンの意見とアドバイスは―このことは再度強調しておく必要がありますが―ドイツ政府が都市閉鎖、社会的な距離を置くためのルールやマスクの着用を義務付けることを発表した時の唯一の根拠でした。そして、このことも、もう一度強調しておかなければなりませんが、ドイツが、製薬会社やハイテク産業による特に大規模なロビー活動の中心になったことは明らかです。ドイツ人は規律正しいと言われていることを引き合いに出し、世界は今回のパンデミックを生き残るためにはドイツ人と同じようにすべきだ、ということを理由にしてのことです。

理由C)そして、これは私たちの事実確認の最も重要な部分です:ドロステン式PCR検査は、虚偽の記述に基づいて使用され、感染症に関する科学的事実に基づいていません。この間分かったことですが、このPCR検査は、ドロステン氏、ウィーラー氏、そしてWHOは断言しているにも拘わらず、どんなウイルスであれ、その感染を示すものではありません。SARS-COV-2の感染は言うまでもありません。PCR検査は診断目的としてははっきりと認められていません。そのことは、これらの検査機に添付された説明書に正しく記載されています。またPCR検査の発明者であるキャリー・マリスが繰り返し強調していることでもあります。それどころか、これらの検査はどのような病気も診断する能力はありません。つまりこうです:ドロステン、ウィーラー、そしてWHOの、パンデミック宣言以来ずっと断言している言葉とは反対に、PCR検査で陽性となっても、それは感染が存在することを意味しません。このPCR検査で陽性反応が出ても、それは感染していることを意味しません。伝染性のSARS-COV-2ウイルスに感染しているなど論外です。

米国CDCでさえ、これに同意しており、2020年7月13日付けのコロナウイルスとPCR検査に関するその出版物の1つの38ページから直接引用します。箇条書き一番目:
「ウイルスRNAの検出は、感染性ウイルスの存在を示していない可能性や、2019年の新規コロナウイルスが臨床症状の原因物質であることを示していない可能性がある。」

箇条書き二番目:
「PCR検査の性能は新型コロナウイルス感染の処理を観察するためには確立されていない。」

箇条書き三番目:
「PCR検査では、他のバクテリアやウィルス性病原菌による病気を排除できない。」
武漢ウイルスが科学的に正しく単離されたかどうかはまだ明らかになっていません。ですから、PCR検査をしてもそれで何を見つけようとしているのか、誰にも分からないのです。特にこのウイルスはインフルエンザ・ウイルスと同じように急速に変異するのですから。PCR綿棒は、人間の目には見えない分子の1つまたは2つの配列を取るため、それを目に見えるようにするために何サイクルもの増幅をする必要があります。35サイクルを超える検査は-ニューヨーク・タイムズ紙などが報じているように-全く信頼性がなく、科学的にも正当性がないと考えられています。それなのに、ドロステン式PCR検査はもちろん、彼の例に倣ってWHOが推奨したテストでも、45サイクルに設定されています。それは、できるだけ多くの陽性結果を出し、それによって多くの感染症が検出されたという誤った仮定の根拠を提供したいという思いからなのでしょうか。

PCR検査では、不活性物質と再生物質を区別することはできません。つまり、PCR検査は、分子の破片や断片を検出したために、陽性の結果を出す可能性があることを意味します。つまりこの検査によって分かるのは、被検査者の免疫組織が以前普通の風邪を撃破したということだけかも知れないのです。ドロステン自身、2014年にドイツのビジネス誌のインタビューで、はっきりと次の様に言っていました。この時問題となったのは、MERSウイルスの感染と言われているものをいわゆるPCR検査の助けを借りて発見するというものでした。彼がはっきり言ったのは、これらのPCR検査は非常に感度が高く、どんなに健康で感染していない人でも陽性となる可能性がある、ということでした。その時、彼はまた、次の引用の最後に見られるように、パニックと恐怖を煽るメディアの強力な役割を強く意識するようになりました。彼はその時、このインタビューでこう言っています。「例えば、そのような病原体が、看護師の鼻粘膜を、発病させることもなく、何の気づきもなく漂っていても、彼女は突然、MERSの患者になってしまう。これでサウジアラビアでの爆発的な症例数を説明することができます。さらに、現地のメディアはこれを信じられないほどの大騒ぎに仕立てました。」

彼はこのことを忘れてしまったのでしょうか?それとも、コロナは製薬業界全体にとって非常に有利なビジネスチャンスなので、彼は意図的にコロナの文脈でこれを隠しているのでしょうか?そして、多くの研究の共著者であり、PCR検査の製造者でもあるアルフォード・ランド氏のために。私の見解では、彼がPCR検査について知っていることを2020年に忘れていて、2014年にビジネス誌に語ったというのは、全くもってあり得ないことです。

要するに、この検査では感染症を検出することはできません。できると言っているのはすべて間違いです。感染、いわゆる「熱い」感染は、ウイルス、と言うよりはウイルスである可能性のある分子の断片が、例えば人の喉の中などに、何の損傷も与えずどこかで、例えば、咽頭に発見されるだけでは十分ではありません。それでは「冷たい」感染です。「熱い」感染になるためには、ウイルスが細胞内に侵入し、そこで複製し、頭痛や喉の痛みなどの症状を引き起こす必要があります。そうなって初めて「熱い」感染という意味で、人は本当に感染したことになります。その時人は初めて感染的、つまり他の人に感染させることができるのです。それまでの間は、ウイルスは宿主にとっても、宿主が接触する他のすべての人々にとっても、まったく無害です。

繰り返しになります。このことが意味するのは、PCR検査結果が陽性であったとしても感染に関しては何の意味も持たないということです。ドロステン、ウィーラー、あるいはWHOがそうでないといろいろ言っていますが、すべて間違いです。上述したようにCDCですらそのことは分かっています。

一方、世界中で多大な尊敬を受けている多くの科学者たちは、コロナ・パンデミックというのは存在せず、「PCR検査パンデミック」だけがあるのではないか、と仮定しています。これは、前述のジョン・イオアニディス教授やノーベル賞受賞者であるスタンフォード大学のマイケル・レビット教授をはじめ、バクティ教授、ライース教授、メーリング教授、ホッケルツ教授、ワラッハ教授など、多くのドイツの科学者が到達した結論です。

そのような最新の意見は、前述のファイザーの元副社長兼最高科学責任者のマイク・イェードン博士のそれです。彼は16年間この役職に就いていました。彼とすべて著名な科学者である彼の共著者たちは、2020年9月に科学論文を発行し、彼は2020年9月20日号に記事を書きました。以下は彼らが書いたものを私なりに引用したものです。

「私たちは、政府の政策、経済政策、基本的権利を制限する政策の基礎を、おそらく、コロナウイルスについての完全に間違ったデータとさまざまな仮定に置いています。メディアで絶えず報道されている検査結果がなければ、本当に何も起こっているわけではないので、パンデミックは終りになるでしょう。もちろん、個人の重篤な発病例もありますが、それはインフルエンザの流行にはいつも必ずあります。3月と4月には実際に病気の波がありましたが、それ以来、すべてが正常に戻っています。陽性値だけは、検査の数に応じて何度も乱高下します。しかし、実際の病気の事例は終わっています。第二波の話はあり得ません。コロナウイルスの新型と言われているのは...」

-イェードン博士の話は続きます-

「・・・新型というのは、それが昔から分かっているコロナウイルスの新型であるという点だけです。地域特有の風邪の原因となり、特に冬に経験する普通の風邪を引き起こすコロナウイルスは、少なくとも4種類あります。それらはすべてコロナウイルスと顕著な配列の類似性を持っており、人間の免疫システムは、現在新たに発見されたとされるウイルスとの類似性を認識しているため、この点では長い間T細胞免疫が存在していました。新種ウイルスとされるものが登場する以前から、人口の30%がこれに対する免疫を持っていました。したがって、いわゆる集団免疫としては、人口の15~25%が新型コロナウイルスとされるものに感染すれば十分で、ウイルスのさらなる拡散を止めることができます。そして、これは昔からそうなっています。」

きわめて重要なPCR検査について、イェードン氏は、「嘘、大嘘と健康統計」という2020年9月20日付けの記事の中でこう書いています。以下は引用です。
「一見陽性のケースが偽陽性である可能性は89から94%、またはほぼ100%だ。」

イェードン博士は、ドイツのコロナ委員会で証言したドイツのカメラ教授、オランダのカペル教授、アイルランドのカヒル教授などの免疫学者、そして微生物学者アーブ博士と同じ意見で、PCR検査が陽性であってもウイルスが損傷のない状態で発見されたことを意味しないことをはっきり指摘しています。

こういった著者たちが説明しているのは、PCR検査が実際に測定しているのは-以下は引用:

「単に無傷のウイルスに存在する部分的なRNA配列だけで、それは死んだウイルスの一部である可能性があり、それは被験者を病気にすることができず、感染もしないし、他の誰も病気にすることはできない。」

感染症の検出のためにPCR検査は全く不適であることから-ヤギ、羊、パパイヤ、さらには鶏の手羽先にも陽性反応が出ました-オックスフォード大の医療センター主任のカール・ヘネガン教授は、このPCR検査を続ければ、コビッド・ウイルスが消えることはありませんし、検査結果の多くは常に誤りということになるだろうと書いています。イェードン氏と彼の同僚たちが明らかにしたように、都市閉鎖は機能しません。例えば、都市閉鎖をしなかったスウェーデンと厳格な都市閉鎖を行ったイギリスでは、病気と死亡率の統計は全く同じである。同じことが、米国の科学者たちによって、異なる米国の州について発見されています。州が都市閉鎖を実施してもしなくても、病気の発生率に違いはありません。

今では悪名高いインペリアル・カレッジ・オブ・ロンドンのニール・ファーガソン教授と、数百万人の死を警告する完全に間違ったコンピューターモデルについて、彼は次のように述べています:「真摯な科学者であれば、ファーガソン・モデルに妥当性があるなどと言う人は一人もいません。」彼の指摘の裏には軽い侮蔑が潜んでいます。再び引用です:

「重要なのは、ほとんどの科学者はそれを・・・」つまり、ファーガソン・モデルが「かすかにでも正しいとは受け容れていないことです。しかし、政府はそのモデルに固執しています。」ファーガソンの予測では、スウェーデンでのコロナ死は5月までに4万人、6月までに10万人となっていたが、スウェーデン当局によると、軽度のインフルエンザに相当する5,800人にとどまっています。もしPCR検査がコロナ感染症の診断ツールとして使用されていなかったら、感染爆発も都市閉鎖もなかっただろうし、すべてがインフルエンザの中程度または軽度の波として認識されていただろうと、これらの科学者たちは結論付けています。イェードン博士は、その論考「嘘、大嘘と健康統計:擬陽性の致命的な危険性」の中で書いています:
「PCR検査には致命的な欠陥があり、それがはっきり修正されない限り、この検査は直ちに取り下げられなければならず、このような状況で二度と使ってはならない。」そして、この論考の終わりの方で「私が説明してきたのは、何の見通しもない診断検査を、これまで使い、これからも使い続けるのは病気の診断のためではなく、もっぱら恐怖を産み出すためだけのように見えるということだ」

さて、都市閉鎖や他の対策などが原因となった深刻な被害について、現在の実態を見てみましょう。先日、リスク評価やリスクからの国民保護を担当する内務省のドイツ人職員が書いたもう一つの詳細な論文が流出しました。それは現在、「誤警報」論文と呼ばれています。この論文の結論は、ドロステン、ウィーラー、そしてWHOが主張するような、国民への深刻な健康危機となる十分な証拠は過去にも、現在にも全くない、です。あるのは、と筆者は言っていますが、コロナ対策が国民の健康と経済に対して巨大な損害を引き起こしたという十分すぎる証拠の数々です。その詳細についてはこの論文に書かれています。このことは、非常に高額な損害賠償請求につながり、政府が責任を負うことになるだろうと筆者は結論づけています。このことは現実味を帯びてきましたが、論文の筆者は停職処分を受けました。

ますます多くの科学者だけでなく、弁護士も、意図的なパニックを煽り、このパニックによって可能になったコロナ対策の結果として、民主主義がファシストの全体主義モデルに取って代わられる大きな危険にさらされていることを認識しています。前述したように、オーストラリアでは、マスクを着用しない人、あるいは正しく着用していないと言われている人たちは、逮捕され、手錠をかけられ、刑務所に入れられます(マスク着用については健康に害があるとする研究がますます多くなっています)。フィリピンでは(マスクを着用しないと)撃たれる危険性があります。ドイツや他の以前は文明国だった国々においてすら、検疫規制、距離規制、そしてマスク着用規制を守らないと、子供は親元から連れ去られてしまいます。コロナ委員会で証言した心理学者や心理療法士によると、子どもたちは集団的に心の傷を負ってしまい、中長期的には最悪の心理的影響が今後予想されるとのことです。ドイツだけを見れば、ドイツ経済の骨格となっている中小企業を襲う倒産が秋に予想されています。その結果、計り知れないほどの税の損失と、計り知れないほどの高額で長期的な社会保障費の転移(とりわけ失業給付)が発生することになるでしょう。

この間、ほとんどの人が、完全に根拠のないコロナ対策の壊滅的な影響を理解し始めていますので、これ以上の詳細な説明は控えさせていただきます。

今は、これからの法的手順がどうなるかについて要点を申し上げます。法律家の仕事で最も難しいのは、常に真の事実を立証することであって、これらの事実を法律に当てはめることではありません。残念なことに、ドイツの法律家は、法律学校でこういうことを学ぶことはありませんが、英米の法律家は、英米の法律学校でこのために必要な訓練をちゃんと受けています。このような理由からか、あるいは、英米司法はその独立性をはるかに高らかに謳いあげているせいか、証拠についての英米法はドイツ法よりもはるかに効果的に機能します。法廷は、事前に事実を正しく決定して初めて法的紛争を正しく決定することができるのです。そのことはすべての証拠を見なければ不可能です。だからこそ、証拠法が重要なのです。以上まとめた事実、特にドイツのコロナ委員会の作業の助けを借りて確立された事実を基礎においているので、それを法律的に評価することは実際複雑なものではありません。それは、すべての文明化された法制度にとって、単純なことです。これらの法制度が、ローマ法に、より密接に依拠した市民法に基づいているか、あるいはローマ法とゆるやかに結びついているだけの慣習法に基づいているかには関係ありません。

まず、「コロナ対策」の違憲性について見てみましょう。キングリーン教授、モーシュヴィッヒ教授、ユングブルート教授、ボスゲラウ教授を含む多くのドイツの法学部教授たちは、「コロナ対策」の合憲性に関して連邦憲法裁判所前長官が表明した重大な疑念に沿って、専門家の意見書またはインタビューで、「コロナ対策」は十分な事実的根拠がなく、また十分な法的根拠もなく、したがって違憲であり、直ちに廃止されなければならないと述べています。ごく最近、トルステン・シュライフ-という名の裁判官が、ドイツの司法は、一般の人々と同じように、パニック状態に陥り、もはや司法を適切に運営することができなくなっていると公に宣言しました。彼によれば、法廷は、「種々の強圧的な措置をきちんとした吟味もなく拙速にも通してしまった。この強圧的な措置でドイツ全土の何百万人もの人々は、憲法上の権利を大幅に停止させられてしてしまうのに、だ。」そして「ドイツ市民は現在、1949年にドイツ連邦共和国が設立されて以来、最も深刻な憲法上の権利の侵害を経験している」と指摘しています。コロナの大流行を食い止めるために、連邦政府と州政府が大規模に介入し、国民の憲法上の権利によって保証されている国の存在そのものを脅かしている、と彼は言うのです。

詐欺、故意の損害押しつけ、そして人道に対する罪についてはどうか?

刑法に基づけば、PCR検査に関する虚偽の、あるいは歪曲した事実を積極的に主張する(ドロステン氏、ウィーラー氏、およびWHOが行ったような)ことは、詐欺としか評価できません。民事不法行為法に基づけば、これは故意の損害押しつけに当たります。ドイツの民法の教授であるマーティン・シュワブ氏は、公開インタビューでこの知見を支持しています。約180ページの包括的な法律意見書の中で、彼は、他の法律学者がこれまでに行ったことがないようなテーマに精通していることを示し、特に、この「パンデミック」の真実について主流メディアが何も報じないことについて詳細な記述をしています。ドロステン氏、ウィーラー氏とWHOのテドロス氏は、自身の専門知識、あるいは自身が所属する機関の専門知識に基づけば、PCR検査では感染症について何も分からないことは知っていました。しかし、一般の人々に対してはそれができると断言してきたのです。世界中の同類の人間たちと一緒になって(その虚偽の情報を)何度も何度も繰り返してきました。そして、自分たちの言葉通りに各国政府が次の様に決定することを彼らは百も承知でした:
①都市閉鎖
②ソーシャル・ディスタンスの規則化
③マスク着用の強制

③については非常に深刻な健康被害があることがはっきりしており、ますます多くの独立した研究や専門家がその声明で述べている通りです。民事不法行為法下では、PCR検査によって引き起こされた都市閉鎖によって被害を受けたすべての人々は、その損失に対して完全な補償を受ける権利があります。特に、賠償義務、すなわち、企業や自営業者が都市閉鎖などの結果被った利益の損失に対して損害賠償を支払う義務があります。

しかし、この間、コロナ対策は、世界の人々の健康と経済に壊滅的な損害を与え続けており、ドロステン氏、ウィーラー氏、そしてWHOが犯した犯罪は、国際刑法第7条に定義されているような、人道に対する実際の犯罪として法的に間違いなく該当することを引き起こし続けています。

私たちはどんな風に事を起こせるのでしょうか?私たちは何ができるでしょうか?まあ、集団訴訟が、損害賠償と政治的な決着をつける最善の道です。いわゆる集団訴訟は、英国法に基礎を置き、今日アメリカとカナダで審理されます。これは、損害賠償を求める訴状を、以下のような場合に、原告の請求により、裁判所が集団訴訟として審理することを可能にするものです:

1. 被害を与える出来事の結果として...
2. 多くの人が同じような被害に遭う。

言い方は異なりますが、裁判官は、法律と事実について、よく出される疑問が訴訟の重要な構成要素を構成している場合、集団訴訟を先に進めることを許す場合があります。ここで言う法律と事実についてよく出される疑問とは、PCR検査に基づいた世界的な都市閉鎖とその結果がどうなったか、を中心に巡ってのものです。事例はVWのディーゼル乗用車の時とほぼ同じです。VWのディーゼル乗用車はちゃんと機能する製品でしたが、「ディフィート・デバイス」(訳注:排気ガス検査時だけ有害物質を減らす装置)のために欠陥商品とされました。それでは排出ガス基準に適合しないからです。PCRテストも同様です。他の設定では完全に優れた製品ですが、感染症の診断に関しては欠陥商品なのです。さて、アメリカやカナダの会社やアメリカやカナダの個人が、アメリカやカナダでこれらの人たちを損害賠償で訴えることにした場合、この紛争解決を求められた裁判所が、要求に応じて、この訴状を集団訴訟として審理の俎上に乗せることはあり得ます。

そうなれば、世界中の影響を受けたすべての当事者は、主流メディアの出版物を通じてこのことを知らされ、したがって、裁判所が決定する一定期間内に、この集団訴訟に参加する機会を得ることになります。誰もが集団訴訟に参加しなければならないわけではありませんが、すべての被害者は集団訴訟に参加することができることを強調しておく必要があります。

集団訴訟の利点は、裁判はたったひとつでいいということです。つまり、集団内で誰もが同じような影響を受けた原告代表の訴状について裁判すればいいのです。これは、第一に、費用が安く済み、第二に、数十万人以上の訴訟を一つ一つ行うより速くなります。そして第三に、裁判所の負担が少なくて済みます。第四に、原則として、何十万、何千、何百万という個別訴訟の場合よりも、はるかに正確な告発の調査が可能になります。

特に、公判前の証拠開示に際しては、しっかり確立され、(その有効性が)実証済みの英米法が適用されます。このため、訴訟の決定に関連するすべての証拠を審議にかける必要があります。構造的な不均衡があるドイツの裁判とは対照的なのです。つまり、片や(弱者である)消費者、片や強者である企業が関与する裁判において、(英米法では)証拠の隠匿、まして証拠隠滅などがあればただでは済みません。証拠を隠匿したり、隠滅したりした方が、この証拠規則の下では敗訴することになります。

ここドイツでは、不法行為を担当する弁護士のグループが、被害回復に関する彼らの依頼者を支援するために団結しています。この弁護士たちは、ドイツの原告のために、関連する全ての情報や書式を提供しました。ひとつは彼らが被った被害の推定、そして、ひとつはカナダや米国で集団訴訟が行われる際に、集団訴訟に参加する原告グループのためのものです。当初、この弁護士グループは、ドイツ人以外の原告の損害賠償請求も収集し、取り扱うことも検討していましたが、それは無理だということが分かりました。

しかし、日に日に大きくなっている国際的な弁護士ネットワークを通じて、ドイツの弁護士グループは、PCR検査では感染症を検出できないことを示す専門家の意見や証言を含むすべての関連情報を、他のすべての国の同僚に無料で提供しています。また、どのようにして依頼人の損害賠償請求を準備し、まとめることができるかについても、関連するすべての情報を提供していますので、彼らも自国の法廷で、あるいは上記で説明したように集団訴訟の枠組みの中で、依頼人の損害賠償請求を主張することができます。

こういった恥ずべきコロナに関する事実の数々は、ほとんどがコロナ委員会によって集められ、上記のように要約されていますが、やがて一つの法廷で、あるいは世界中の多くの法廷で真実であることが証明される事実と寸分たがわないものです。

これらの事実は、ここで述べた犯罪に責任を持つ人間全ての顔の仮面を剥ぎ取るでしょう。上述した腐敗した人物たちの言葉を信じている政治家の皆さん、これらの事実は、あなたがたにとって一つの生命線となります。これまでの行動を再調整し、ずっと以前に始めておかなければならなかった公開の科学的議論を始め、あんなペテン師や犯罪者たちと手を切る一助になり得ます。

ご清聴ありがとうございました。
関連記事

ジョン・レノン生誕80年。彼はディープ・ステートに立ち向かった男だった。


<記事原文 寺島先生推薦>
John Lennon at 80: One Man Against the Deep State ‘Monster’

グローバル・リサーチ 
2020年10月6日
ジョン・W・ホワイトヘッド

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年11月25日



 「頭に置いておいて欲しいのは、既得権力というのは悪魔の別名でしかないということだ。悪魔は学生たちを全員殺すことや、革命が起こることなどを気に留めていない。悪魔は論理的に考えてはない。抑制が取れていないのだ」(ジョン・レノン(1969))

 今から80年前の1940年10月9日に生を受けたジョン・レノンは、天才的な音楽家であり、大衆文化の象徴的存在だった。レノンはまた、平和を求めて声をあげる抗議者であり、反戦活動家でもあった。そして、ディープ・ステートが処刑しようと長年にわたり執拗に追いかけていた人物だった。それは、レノンが権威に対して異を唱えようとしていたからだ。

 ジュリアン・アサンジ。エドワード・スノーデン。チェルシー・マニング。この人たちは、政府による戦争犯罪米国国家安全保障局の調査権力乱用に対して警鐘を鳴らしたという理由で激しく批判された人たちだ。しかし、この人たちが現れるずっと以前に、レノンは攻撃の的にされていた。その理由は、政府が戦争を熱望しているという真実を権力者に対してはばからずに語っていたからだ。そのため、レノンの電話は盗聴され、レノンの活動やレノンの人とのつながりに関する情報が不法に集められていた。

 少なくともある一定の期間、レノンは米国政府にとっての最大の敵であった。

 レノンが暗殺されて何年もたってから、FBIがレノンについての281ページに及ぶ調査文書を集めていたことが明らかになった。その文書の中には、レノンが作った歌の歌詞までが入っていた。当時のFBI長官J.エドガー・フーバーは工作員にレノンの行動を諜報させていた。様々な命令文書も残っている。その文書には政府の工作員によって、麻薬所持を理由にレノンを起訴しようという企みも含まれていた。「レノンに関するFBIの資料を読めば、まるで妄想に取りつかれたいい子ぶりっこが話しているように聞こえる」。調査したジョナサン・クリエルは、こんな感想を残した。



 ニューヨーク・タイムズの記事にあるように、「諜報機関が米国内の人物を調査することに関して、批判を受けているのは、諜報機関が、対象となる人物の個人として尊重されるべき分野に踏み込んでいること」についてだ。この記事が大いに注目していたのは、既得権力をもつものたちが権力にしがみつくために、政府の調査機関をいとも簡単に利用しているということだ。「米国対ジョン・レノン」という構図は、一人の人物が攻撃を受けたというとらえ方だけではなく、民主主義が台無しにされているというとらえ方をしないといけない。

 現在のわれわれは政府に対して多くの不満を持っている。具体的には調査、軍国主義、政治腐敗、攻撃、警察のSWAT部隊、刑務所国家、スパイ行為、人権侵害問題などに対してだ。しかし、このような問題はすでにレノンの生きていた時代からあったのだ。だからこそ、レノンがあの時代に、社会正義や平和や大衆による革命という考え方の基礎を築くことができたのだ。

 これらすべての理由のために、米国政府はレノンを追いかけ回していた。そして、レノンが早くからわかっていたのは、ロック音楽は政権を終わらせる力があるということだ。それは、ロック音楽は心に響くメッセージを伝えることができるからだ。そしてより重要なことは、レノンが音楽は民衆を動かし、変化を起こす力があるということを見抜いていたことだ。レノンは、民衆がもつ力を信じていた。残念ながら、レノンは以下のことを認識していた。「政府がもつそもそもの問題というのは、政府は市民の代表という役割を果たしていないということだ。政府がやっているのは市民を抑え込むことだ」。

 マーティン・ルースはタイム誌にこんなことを書いた。「ジョン・レノンは神ではなかった。しかし、彼は同時代の人々から愛と崇拝を得ていた。そして、彼が創作したものは人々を魅了し、人々を導くものだった。レノンに対する共感が深まっていったのは、当時レノンが、自分の名声を訴訟事件の解決に利用したからだ。レノンは、自分の富や権力を増やすことよりも、訴訟の方を優先したのだ」。

 一例をあげると、1971年12月のミシガン州アナーバー市でのコンサートで、レノンはステージからいつもの挑みかかるような口調で「ジョン・ シンクレア」という歌を大声で歌った。この歌は、たった2本のマリファナの入った煙草を所持していたために10年の刑を受けた人物について、レノンが書いた歌だった。レノンが行動を呼びかけた数日後、ミシガン州高等裁判所はシンクレアの釈放を命じた。

 当時のレノンが知らなかったのは、政府当局が元ビートルズのメンバーのレノンをしっかりマークし続けていたことだ。政府当局は彼を「ミスター・レノン」と呼んでいた。信じられないような話だが、FBIの工作員はアナーバー市でのコンサート時に観衆に交じりこんでいたのだ。「レノンの新曲に対して、1万5千人の聴衆がどんな反応を示したかのすべての情報をメモしていた」。

 妄想に憑りつかれた米国政府はレノンを探っていた。

 「Power to the People」というシングル曲が発表された時1971年の3月までには、レノンの立ち位置は、はっきりとした。同年ニューヨーク市に移住したレノンは、米国政府に対する政治運動に参加する準備ができていた。当時の米国政府はベトナムでの戦争にカネを出していた「怪物」だった。

 レノンの「Sometime in New York City」というアルバムでは、反米国政府というはっきりとしたメッセージがすべての曲に込められていた。そのジャケットはリチャード・ニクソン大統領と中国の毛沢東主席が裸で踊っている写真だった。しかしこのアルバムの発表は、以後訪れる戦いの緒が落とされたに過ぎなかった

 米国当局とレノンとの戦いが本格的に始まったのは1972年のことで、それはある噂がひろまったあとのことだ。その噂とは、レノンが米国でのコンサートツアーを開始する計画をたてていたのだが、そのツアーはレノンがロック音楽と組織的な反戦活動や有権者登録運動とを結びつけるために行うという噂だった。レノンが1100万人の新しい有権者(1972年は18歳選挙権が認められた後の最初の選挙の年だった)に与える影響を恐れたニクソンは、もとビートルズのレノンに英国へ強制送還させる命令を下した。それは「レノンが平和運動について発言することを阻止するため」だった。

 そしてここで再び登場するのがFBIだ。FBIは活動家や政治家や文化人たちを迫害し、起訴し、攻撃してきた長い歴史を持っている。文化人の中でもっとも著名なのは以下のような有名人たちだ。フォークシンガーのピート・シーガー。画家のパブロ・ピカソ。喜劇役者で映画制作者のチャーリー・チャップリン。コメディアンのレニー・ブルース。そして詩人のアレン・ギンスバーグだ。

 中でもFBIからもっとも密接な監視を受けたのはマーティン・ルーサー・キング・ジュニアだろう。彼は、FBIから「この国で最も危険で最も影響力を持つ黒人の指導者」であると目されていた。自宅や事務所に電気型や虫型の盗聴器を設置されて、キングはFBIから常に監視状態に置かれていた。そしてその目的はキングを「無力化する」ことだった。キングはFBIから、自殺するか、個人情報を世間にばらされるか、どちらか選ぶよう勧める手紙を受け取っていた。FBIはキングのことをずっと追跡し続けていた。1968年にキングがホローポイント弾で頭を撃たれて倒れるまで。



 私たちが知っている範囲では、レノンは自殺するよう脅された手紙を受け取ってはいなかった。しかし、米国政府により4年間にわたる迫害と調査の対象となっていた。(その筆頭はFBI長官J. エドガー・フーバーだった)。リチャード・ニクソン大統領の企みは、レノンを「無力化」し、英国に強制送還することだった。ニューヨーク・タイムズ紙でアダム・コーヘンが記事で指摘していた通り、「FBIによるレノンの調査を振り返ると、国内でのスパイ行為がどれだけたやすく、正当な法執行機関から逃れられるがわかる。さらに驚くべきことに、いや、不安にさせられることになるといった方が近いかもしれないが、FBIによる調査行為が選挙と密接に結びつけられていることだ」。

 FBIがつかんでいたレノンの情報が示すとおり、反戦活動家であったレノンに対するFBIの調査についてのメモや報告は、フーバーやニクソンのいたホワイトハウスや様々な上院議員たちやFBIや米国入国管理所の間を行き来していた。

 ニクソンによるレノンの追跡は執拗で、しかも大部分は誤解に基づくものだった。ニクソンは、レノンと仲間たちは1972年の民主党全国党大会を阻止する計画を立てていると考えていた。しかし、政府の被害妄想はお門違いだった。

 政府の監視リストに載せられている左派の活動家たちは、ニクソン政権を引きずり下ろすという共通の利害関係をもって、ニューヨークのレノンのアパートに集まっていた。しかし、左派活動家たちが暴動を起こす計画があると表明したとき、レノンはその話には乗らなかった。レノンは、1980年のインタビューでその事件についてこう話している。「私たちはこう言った。その話には乗らない、と。暴力が生まれるような状況に子供たちを巻き込むつもりはない。そんな状況で何を転覆できるというのか?何を手にするというのか?すべて幻に基づくものだった。暴力を使えば、現状を変えられて、共産主義や愚か者たちによる右派政権や愚か者たちによる左派政権が手に入るという幻だ。奴らはみんな愚か者だ」。

 レノンは「愚か者たち」の計画には加わらなかったという事実にも関わらず、政府はレノンを強制送還させようという手を緩めなかった。負けじとレノンも抵抗することを決意し、腰を据えて反撃した。レノンが国外追放の命令を受ける度に、レノンの弁護士は訴えを起こすことでその命令の執行を遅延させていた。1976年になって、ついにレノンは米国に滞在するという闘争に勝利することができた。そしてついにグリーンカードを手にすることができた。レノンは後にこう述懐している。「僕はこの国に愛着を感じている。ここは活動のある場所だ。今からヨーコと家に帰って、ティーバッグを開けて、お互いの顔を見つめ合うよ」。

 しかし、レノンの休息の時は長くは続かなかった。1980年までには、レノンは新しいアルバムを出し、再び政治的な活動を始める計画を立てていた。

 以前の熱情が戻り、再び「問題児」となる準備が整っていた。1980年12月8日、生涯最後となったインタビューにおいて、レノンは感慨深げにこう語っていた。「世界は大きく変わりつつある。そして僕たちは未知の世界へ進もうとしている。しかし未だに僕たちがいるのはこの世界だ。でもそこに命がある限り、希望は存在する」。

 だが、ディープ・ステートは、厄介者たちを処理する手管を持っている。残念なことだが。1980年12月8日、マーク・ディビッド・チャップマンが影に潜み待ち構えていたのは、ニューヨークの自宅アパートに戻ってくるレノンのことだった。レノンが車から降りて、外に集まっていたファンたちに挨拶しようとした時、チャップマンは薄気味悪い声で、FBIがレノンのことを呼ぶ呼び方で、こう叫んだ。「ミスター・レノン!」

 レノンが振り返ると、銃弾があびせられた。その銃弾は、両手で銃を抱えていたチャップマンの38口径のピストルから放れたものだった。それが、レノンの背中と左腕を直撃した。レノンはよろめき、前のめりになり、血を口と胸から吹き出し、地面に倒れた。

 ジョン・レノンの死が宣告されたのは、病院についてすぐだった。ついにレノンは「無力化」された。

 ジョン・レノンやマーティン・ルーサー・キング・ジュニアやジョン・F・ケネディやマルコムXやロバート・ケネディなどの人物たちを無力化したやつらが誤解しているのは、銃弾や狂人を利用すれば社会運動は抹殺できると信じていることだ。


 ありがたいことに、レノンの遺志は、彼が残した言葉や音楽、さらには彼が権威を恐れず真実を語ろうとしていたその努力の中に生き続けている。その思いを共有するオノ・ヨーコは、2014年に書いた手紙の中でこう綴っている。その手紙は、チャップマンを保釈するかどうかについての決断を当局に書いたものだった。「心底慎ましやかな人物(ジョン・レノンのこと)は、彼の言葉と音楽により、世界中に光と希望を運んでくれました。ジョンは世界に向けてよい力を生む源になろうとしてきたし、実際そうでした。ジョンがくれたのは勇気と何かを創り出す力と夢でした。そしてジョンはそれらを人種や宗教や性別など関係なく、みんなに与えてくれました」。

 悲しいことだが、レノンが私たちとともに歩んでくれていた時代と比べて、状況がよくなったとは言えない。

 平和はまだ手が届かないところにある。活動家や権力者の間違いを正すものたちは、政治権力に異を唱えていることを理由に起訴され続けている。軍国主義が幅をきかせるようになり、警察官が軍隊のような格好をしている。戦争マシンのような政府のせいで世界中の無垢な人々は、大きな被害を受け続けている。

 ジョン・レノンとともに平和な世界を「イマジン」する人々にとって、その夢を共有することは、警察国家と化した米国という現実において、困難になりつつある。

 今のところ、拙著「戦場としての米国:米国民に対する戦争」で指摘したとおり、声をあげようとするものたちは、過激派や問題児やテロリストや愚か者や精神病患者と見なされている。そして、当局により調査を受けたり、検閲をうけたり、拘留されたりする。さらには、軍隊のようになってしまった警官により自宅で銃撃されたり殺されたりもする。

 レノンは1968年のインタビューでこう語っていた。

 「僕には、社会はすべて、頭がおかしい人々によって、頭がおかしい目的に向かって運営されているように思える。そう、危険なほどに狂った人々が、危険なほどに狂った手段で僕たちを支配しているように、ね。だれかにレポートをまとめてもらいたいね。僕たちの政府や米国政府、ロシア政府、中国政府・・・についてのレポートさ。やつらが実際何をやろうとしているのか、彼らは自分たちが何をしていると考えているのか。そんなレポートがあれば、僕は奴らの考えがわかってうれしくなるだろうね。本当にみんな狂っている。でもこんなことを言うと、僕は片付けられるかもしれない。これこそ、狂っている証拠だね」。


 さて、答えは何だろう?

 レノンはたくさんのヒントを残してくれている。

 「テレビをもう一台買うことをあきらめて、その代わりに平和を要求すれば、平和が訪れるだろう」

 「戦争は終わる。君たちが望めば」。

 「自分自身の夢を産みだそう。どんなことでもできるさ。でも、その夢をあの指導者たちにゆだねてはいけない。自分の力で実現しないといけない。いままでの偉大な先人たちが、この世が始まって以来ずっと言い続けてきたことだ。先人たちは様々な書物で、道を示してくれるし、道しるべも残してくれている。でも「こうしろ」という指示はほとんど書いてくれていないんだ。そんな書物は聖なる書とよばれ、崇拝されているんだけれどね。そしてこれらの書物が崇拝されている理由は、カバーのせいで、中身のせいじゃないんだ。でも実は、先人たちが出してくれている指示は書物の中に全部書かれているんだ。今までずっとそうだったし、これからもきっとそうだ。太陽の下、何一つ目新しいことなどない。すべての道はローマに通じる。だれかが君にくれるわけではない。僕は君の目を覚ますことはできない。自分で目覚めるしかない。僕は君を癒やせない。自分を癒やせるのは自分しかない」。

 「平和というのは望むものではない。君が作りあげるものであり、君が行うものであり、君自身でもある。そして君がみんなに贈るものだ」。

 「平和が欲しいのなら、暴力で手に入れることはできない。」

 そして私が何より一番気に入っているレノンからの助言は以下のことばだ。

 「革命が欲しいのかい?じゃあすぐに取り組もう。まずは一歩踏み出して町に出よう。そしてみんなに力を与える歌を歌おう」。


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ウイグル問題。米国はどの面下げて、イスラム教徒の人権について中国に説教を垂れることができるというのか!


<記事原文 寺島先生推薦>
The Uyghur Issue: How Can the U.S. Dare Lecturing China About the Rights of the Muslims?

グローバル・リサーチ
2020年11月5日

アンドレ・ヴルチェク
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年11月25日



 この記事は故アンドレ・ヴルチェクによるもので、初出は2019年である。


 2019年、私は「ウイグル問題」についての長い分析記事を書いた。この分析は間もなく書籍として出版されるだろう。

 以前からずっと、私が世界に向けて警告してきたのは、西側諸国、特に米国が、新疆地方や新疆地方の外にいるウイグル族の人たちを過激化させることに手を貸していたことだ。

 それだけではない。私ははっきりとウイグル族の過激派組織が、インドネシアなどの国を経由してトルコに移動したことを突き止めた。その後彼らは、激しい戦闘が行われているシリアのイドリブなどの地域に送り込まれているのだ。私は以前イドリブで働いていた。その時は、シリアの司令官たちと共に働いていた。そこで私は、シリア国内で難民になってしまった人たちと長時間、話をした。彼らはウイグル族過激派による大量虐殺行為の被害者たちだった。

 ウイグル族の大多数はイスラム教徒だ。ウイグル族は独自の長い歴史をもつ固有の文化を持っている。そして言うまでも無いことだが、ほとんどのウイグル族の人たちは素晴らしい人たちだ。中国北西部が彼らの居住地区だ。

 「ウイグル問題」は、新疆ウルムチが一帯一路構想において重要な位置に置かれているからこそ起こっている。一帯一路構想は、将来に非常に明るい希望がもてる国際的な構想であり、世界のすべての大陸の何十億もの人々を結びつけることを想定している。一帯一路構想は生活基盤の整備だけはなく文化的な取り組みでもある。この構想のおかげで、何億もの人々が貧困や未開発な状態から抜け出せる日も近くなるだろう。


 米国政府は、中国が人類にとってずっと明るい未来を築く先頭に立つことを恐れているのだ。その理由は、中国が成功すれば、西側の帝国主義や新植民地主義が終焉を迎える可能性が出てくるからだ。中国は、いまだに苦しんでいる何十もの国々が、真の自由や独立を獲得するよう導こうとしているのだ。

 それ故、米国政府は介入することを決めたのだ。その目的は今の世界の現状と米国による世界支配を守るためだ。

 第1段階: あらゆる手段を駆使して中国に対して敵意を抱かせ、挑発し、悪く言うこと。具体的には、香港や台湾や南シナ海やこれまで述べてきた「ウイグル問題」についてだ。

 第2段階: 憲法上認められた少数民族であるウイグル族を「反乱軍」に、もっとも正確にはテロリストに転向させる。

 NATO加盟国であるトルコが米国に助け船を出した。ウイグル族は家族とともに空路イスタンブールに輸送される。彼らは、トルコのパスポートを持っていた。そしてイスタンブールは中東のハブ空港だ。それからウイグル族の人たちがもっていたパスポートはイスタンブールで没収された。その後、多くのウイグル族は軍人として採用され、訓練を受け、戦争で疲弊している国シリアに送られた。より小規模な集団はインドネシアなどにとどまり、ジハード(聖戦士)の幹部と合流した。シリアのテロリスト集団がほぼ完全に敗北を喫する状況になってからは、アフガニスタンに移動したウイグル族の人たちもいた。アフガニスタンも、私がかつて働き、取材した国だ。

 言うまでもないことだが、アフガニスタンは、距離は短いが中国と国境を接している重要な国だ。

 なぜこんな複雑な作戦をしないといけないのだろうか?答えは簡単だ。NATO・米国・西側諸国が望んでいるのは、頑強で十分に訓練を積んだウイグル族の聖戦士たちが最終的にもともとの居住地である新疆に戻ることなのだ。そして、その新疆で、聖戦士たちが「独立」を求めて戦闘を始めることにより、一帯一路構想を妨害することなのだ。

US Trade War with China: Desperate Move to Save Western Empire


  こうして中国は痛手を受ける。そして最も力強い世界構想である(一帯一路構想)が阻止されることになるかもしれない。

 当然ながら中国政府は警告を発している。明らかにわかっていることは、西側諸国は巧妙な罠を仕掛けているということだ。

 その1。何もしなければ、中国は自国領土内で、非常に危険なテロリストによる危機に直面せざるをえなくなる。(ソ連がアフガニスタンに巻き込まれて、西側諸国により訓練され、資金を与えられ、支えられていたムジャーヒディーンにより致命的な被害をうけたことを覚えておられるだろうか?) 西側諸国にはイスラム教徒を使って策を練ってきた長い歴史がある。

 その2。中国が自国を守ろうと動けば、西側メディアや政治家たちから攻撃を受けるだろう。まさにこの状況が、いま起こっている状況だ。

 すべては周到に準備されていたのだ。

 2019年9月12日、サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙はこんな記事を載せた。

 「米国上院議会でウイグル人権政策法が可決され、新疆の収容所を理由に、中国当局に対する制裁措置が求められた。
 その法律はさらに、新疆にある米国企業が、商品やサービスを米国内へ輸出することをトランプ政権に禁止させることを求めている。そこには100万人以上のウイグル族の人たちが居住しているのに、だ。

 中国政府はこの動きを「中国の内政問題に対する大きな干渉である」と捉えている」

 新疆事案に介入するためのと「人権問題」が、偽善と脅しで他国を揺るがそうという一例であることは、言うまでもないことだ。

 忘れないでおこう。米国はイスラム教徒たちに対して酷い扱いをしてきたことを。イスラム教徒に米国に入国することさえ認めなかった。たまたま或る国々に住んでいるという理由だけで。米国は意図的にパキスタンやアフガニスタンなどに住んでいるイスラム教徒に爆撃を加えた。市民の命を奪うことなどお構いなく。米国はイスラム教徒を虐げてきた。それは、米国内だけではなく、イスラム教徒の本国においてもだ。

 率直に言わせてもらえば、中国国内でウイグル族に反乱を起こさせることにより、米国政府はウイグル族自身にも害を与えることになっているのだ。さらには中国北西部に住む全ての人たちにも実害を与えている。これは間違いというだけでは済まされない。米国は人類に対する罪を犯しているのだ。


 中国は多民族国家であり多文化国家でもある。イスラム文化は中華人民共和国のアイデンティティの一部だ。そのことに疑念を持つ人には、西安に行ってもらいたい。西安は中国の3つの古都のうちの一つだ。

 西安はかつてのシルクロード(古代の一帯一路ともいえるだろう)の始点である。今日まで、西安は、自らの市が持つイスラム文化の素晴らしい街並みに誇りを持ち続けている。さらに素晴らしいイスラム文化の料理や音楽に対しても、だ。毎年、何千万人もの中国人観光客が西安を訪れ、イスラム文化の遺産を理解し、文化を楽しんでいる。西安は愛され慈しまれている。それは、西安市が持つ活気溢れるイスラム教徒としての自我意識に負うところが大きい。

 バカバカしくて話にもならないのは、中国が「反イスラム」であるという主張だ。中国も(ロシアも)イスラム教に対しては西側諸国よりもずっと寛容だ。歴史的に見ても、今の時代においても、だ。

 同様にバカげているのは中国が新疆に「強制収容所」を建設中だという主張だ。

 中国の主張はハッキリしている。中国は、西側諸国が「強制収容所」だとしている施設は「再教育センター」であると言っている。そのセンターでは「受講者」が中国語や労働技術を学び、「テロリストや宗教的な過激派組織」の被害者になることをくい止めている。インドネシアのイスラム教徒集団の指導者たちが、これらの新疆「収容所」についての情報を持っていた。彼らが私の同僚に語ったところによると、これらの施設で時間を過ごした人々は、収容所ではなく自宅で寝泊まりできているそうだ。

 グアンタナモ湾収容所とは全く訳が違う。率直な感想を言わせてもらえば。

 「世界の裁判官」を自称する米国には、何百もの厳重警備の刑務所が点在する。よく知られている事実だが、無実の人々を牢獄に入れることは、米国では大きなビジネスになるのだ。(民営化された刑務所もある)。そして、そんなことはすでに何十年もの間行われているのだ。何百万人もの人々が、無実の罪で拘留されている。(人口一人あたりで )世界一囚人が多い国の一つである米国が、どの面下げて他国に正義について訓示を垂れることができるというのか?こんなことは、謎としか言えない。

 これらの作戦の真の目的は何だろうか?

 答えは簡単に見つかる。世界に対する影響力を他国と共有したがっていない米国の頑なさだ。米国は自国よりずっと人道的な国(例えば中国)とそのような影響力を共有したくないのだ。中国は競争を望んでいない。中国の考え方の基盤は壮大な意思と善意に基づいているからだ。

 米国が破滅的な外交政策を取れば取るほど、米国は他国を「殺人者」呼ばわりすることが多くなる

 米国の手筈は単純なものだ。まず米国はある地域で激しい紛争を起こさせる。被害を受けた国がその紛争を収めようと「火消し」に取り掛かると、その国が「人権侵害だ」と糾弾され、制裁措置を受ける。

 こんなことはすべてやめないといけない。近いうちのある時点で。米国政府のこの政策のせいで何百万人もの人々が苦しみを味わされている。



この記事の初出はチャイナ・デイリー紙に掲載された短縮版。

Andre Vltchek is a philosopher, novelist, filmmaker and investigative journalist. He has covered wars and conflicts in dozens of countries. Five of his latest books are “China Belt and Road Initiative: Connecting Countries, Saving Millions of Lives”, “China with John B. Cobb, Jr., Revolutionary Optimism, Western Nihilism, a revolutionary novel “Aurora” and a bestselling work of political non-fiction: “Exposing Lies Of The Empire”. View his other books here. Watch Rwanda Gambit, his groundbreaking documentary about Rwanda and DRCongo and his film/dialogue with Noam Chomsky “On Western Terrorism”. Vltchek presently resides in East Asia and the Middle East, and continues to work around the world. He can be reached through his website and his Twitter. His Patreon He is a frequent contributor to Global Research

関連記事

「野菜バーガー」や「菜食ソーセージ」という商標にEUがお墨付き

<記事原文 寺島先生推薦>
EU lawmakers vote for ‘veggie burgers’ & ‘vegan sausages,’ rejecting demands by farmers
RT ワールドニュース
2020年10月23日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年11月23日


 EUで販売されている植物ベース製品は、肉がまったく含まれていなくても「バーガー」、「ソーセー
ジ」、「ステーキ」と呼ばれることは、許可されて当然だ、と欧州議会は表明した。

 10月23日に、欧州議会議員(MEP)は、農家の提案、つまり、通常肉製品に関連する表現を野菜だけの代替品に使うことは消費者に誤解を与えるものだ、をしりぞける採決を行った。いっぽうこれを受けて、欧州農業生産者団体の欧州農業組織委員会・欧州農業協同組合委員会(Copa-Cogeca)は、野菜由来の食品にソーセージなどという名前をつけることを続けることは、混乱を招く言葉遣いという「パンドラの箱」を開くことになるだろう、と警告した。

 スウェーデンのEU議員ジッテ・ギュウーテラン(Jytte・Guteland)氏は、同僚議員がヨーロッパのレストランのメニューや店の棚に「ヴィーガンバーガー」、「ヴィーガンソーセージ」、「大豆ステーキ」という用語を残すことを決めた後、「ヴィーガンバーガーで祝うつもり」と述べた。

 欧州消費者団体(BEUC)もこの決定に喜んでおり、欧州議会議員(MEP)たちの「常識」を称賛した。欧州消費者団体(BEUC)は、植物ベース製品の推進は地球温暖化阻止のEU方針に沿う、というグリーンピースや世界自然保護基金、他の環境団体の立場を共有している。

ALSO ON RT.COM

100% beef: EU meat lobbyists want BAN on terms ‘veggie burger’ & ‘veggie sausage’ for plant-based food, claim ‘cultural hijacking’


 「消費者は、ベジタリアン(野菜だけ)やヴィーガン(完全菜食主義)と明確に表示されている限り、大豆ステーキやひよこ豆ソーセージという商標で決して混乱することはない」と欧州消費者団体(BEUC)は声明で述べた。そのような表示は、肉を含まないそれらの製品を食事にとり入れていくことをより容易にするだけだ、と欧州消費者団体(BEUC)は主張している。

 しかし、欧州消費者団体(BEUC)は、日用品の植物ベース代替品に対する表示規則を強化したり、「~ミルク」または「~チーズ」などの用語の禁止を支援する欧州議会の決定を遺憾としている。

 2017年、欧州司法裁判所は「大豆ミルク」や「ヴィーガンチーズ」という用語をそれらの製品に使用することを禁止し、「ミルク」、「バター」、「チーズ」、「ヨーグルト」などの用語は野菜由来の食品の表示には使用できないと決定している。

ALSO ON RT.COM

WATCH: Butchers chase animal rights activists out of London meat market

 ただし、表示規則はより大きなEU農業一括法案の一部であるため、欧州議会議員(MEP)による投票は最終的なものではない。10月23日の午後に予定されている議会によるこの一括法案の承認後、ブリュッセルは最終方針についてEUの27の加盟国と合意に達する必要がある。



関連記事

太平洋に新しい米軍基地!?激しさを増す米中冷戦


<記事原文 寺島先生推薦>
New American military base in Pacific would show how US-China cold war is heating up fast

RT 論説面

 英国の作家であり、東アジアを中心とした政治・国際関係のアナリストであるトム・フォウディによる記事。

2020年10月21日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年11月20日 


 パラオという小さな国は、その領土に軍事基地を建設するようにアメリカに促している。この要請は、太平洋が戦略的に重要になっており、各国がワシントンまたは北京のいずれと連携するかの決断が迫られている現象の一例を示している。

 西太平洋の群島であるパラオという国のことを聞いたことがある人は、西側にはほとんどいないであろう。パラオは、パプアニューギニアやフィリピンの近くに位置し、人口はわずか17,000人で、平均的な小さな町よりも少ない。

 ただし、その大きさによってその重要性を見失わないことだ。たしかにこれらの島々は、現代政治の世界に無関係に見えるかもしれない。しかし、パラオは実際には、米国と中国の冷戦という、世界で新たに発生している地政学的闘争の1つのまさに中心に位置している。

 ワシントンと北京の間に緊張が高まる中、パラオは戦略上、この上なく重要な場所に位置している。太平洋全体はすでに両国間の軍事チェスゲームの舞台となっていて、米国は中国の周辺を取り囲み、北京は自国の裏庭で米軍との軍事的な対等を目指している。

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 しかし、パラオはすでに台湾の忠実な外交パートナーという立場を選んでいる。パラオ以外では、この地域で台湾を支持する国は縮小している。そして今、パラオはその領土内に軍事基地を作るようワシントンに促している。

 第二次世界大戦後、太平洋の広い範囲はアメリカ支配の領域であったことは議論の余地がない。アメリカのこの地域への参入は19世紀に始まり、ワシントンは何年にもわたって、ハワイ、グアム、アメリカ領サモア、フィリピン、北マリアナ諸島、マーシャル諸島など、この地域の多くの部分を完全に併合してきた。

 第二次世界大戦の勃発や日本との対立で、アメリカがとった「アイランド・ホッピング」戦略は、この地域に広大な戦略的軍事の足跡を残した。そして、世界的な大国としてその支配を強化した。

 しかし、力のバランスは変化してきている。世界的な大国としての中国の台頭と海軍の近代化に加えて、南シナ海での影響力の高まりにより、北京は太平洋でより大きな影響力を発揮してきている。しかし、その目標は、米国との覇権をめぐって戦うことではなく、アメリカが、中国を取り囲もうという狙いを明らかに見せている中、アメリカの動きを掴むことで安全確保しようとしているだけだ。

 アメリカは北京を「脅威」と呼んでいるが、実際には、一連のアメリカ海軍基地やその同盟国でとり囲まれているのは、中国である。ワシントンは、「自由で開かれたインド太平洋」戦略の一環として、継続してこの地域内での海軍力の強化を目指してきた。

 では、パラオはどういう立ち位置であろうか。太平洋の島々の一つとして、それは最終的にチェス盤の一部である。しかし、パラオはすでにその立場を決めている。台湾に残っている数少ない同盟国の1つとしての立場である。パラオは、中国との正式な外交関係は持っていない。

 これは、アメリカとの同盟のために、太平洋の多くの島国が伝統的にとってきた措置である。しかし、中国の経済力が成長するにつれてこの措置は近年変化している。北京は、台北が匹敵することができない投資を約束することによって、親台湾の太平洋諸国に同盟関係を変えさせることに、ますます成功している。昨年、キリバス共和国とhttps://www.theguardian.com/world/2019/dec/08/when-china-came-calling-inside-the-solomon-islands-switchは「一つの中国」政策を受け入れ、北京を選択した。

 米国とその同盟国は、パラオが同じことを行うのではないかと恐れている。特にパラオの規模では、経済を発展させる独自の資源をほとんど持っていないからだ。しかし、パラオは台北に忠実でありつづけ、香港や新疆ウイグル自治区等のような問題について、国連で反中国決議に賛成票を投じてきた。

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 現在、パラオは米軍を招聘することでその重要性を定着させることを目指しており、これにより自国の影響力を高め、他国からの支援が強化されるであろう。アメリカがその地域の軍事化に集中的に焦点を合わせているときに、そのような申し出を断る論理的な理由はない。

 もちろん、これは中国がゲームに負けたという意味ではない。トンガ、サモア、バヌアツなどの他の太平洋の島々は、すべて北京の一帯一路の一部であり、中国がその地域に基地を建設することを検討しているという推測がずっとある。

 パラオが中国に反対しているからといって、太平洋の他の島国がそうするというのではない。これらの島国は、70年間のアメリカやオーストラリアの支配に対抗するのに、北京を活用して喜んでいるようである。

 本質的に、太平洋にまたがる巨大ゲームは過熱しており、これらの小さな国々の忠誠を求めて、両大国は小競り合いを続けるだろう。この中で、パラオは好機を見出し、他の国々もきっとあとに続くであろう。


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マイケル・ムーアは、トランプと白人たちは「暴力行為に加担している」と批判したが、現実に起こっている暴力行為は、彼のような民主党を支持する著名人たちが長年煽ってきたことにはダンマリだ。

<記事原文 寺島先生推薦>
Moore slams ‘acts of violence’ by Trump & ‘white men,’ ignores actual violence lib celebs like him have encouraged for years

RT 論説面
2020年10月12日

ザカリー・リーマン

Zachary Leeman is the author of the novel Nigh and journalist who covers art and culture. He has previously written for outlets such as Breitbart, LifeZette, and BizPac Review among others. Follow him on Twitter @WritingLeeman

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年11月15日



 映画製作者のマイケル・ムーアに言わせれば、ドナルド・トランプと「白人たち」は「暴力行為」に加担しようとしているとのことだ。具体的には、ロー対ウェード法(訳注 女性の中絶を認める法律)やオバマケアをなくそうという行為についてだ。ムーアの発言は、現状の不安定な政争に火をつけることなった。

 ドキュメンタリー映画『華氏911』を制作したムーアは、週末、MSNBCという番組に出演し、軍人たちによる事件について質問された。その事件とは、 その軍人たちのうち少なくとも一名が反トランプ主義者であるようなのだが、ミシガン州知事を誘拐しようと計画していた事件だ。彼らは内戦のようなものを起こそうとしていたようだ。この質問を受けたムーアは直ぐに話をそらし、彼が反対している勢力が起こそうとしている「暴力行為」について語り始めた。

 「私が言いたいのは他にも暴力行為は存在するということだ。大統領選に向けては、そちらの暴力行為について語るべきなのだ」とムーアは言った。「最低賃金が、時給7ドル25セントというのは暴力行為だ。最高裁に行ってオバマケアを失効させようとするのも暴力行為だ。そんなことをすれば、何百万人ものヒトが無保険状態になり、死ぬことになる。“我々はロー対ウェード法を取りやめる“と発言するのも暴力行為だ。国民の7割がこの法律を支持しているのに。こんなことをすれば世の女性たちに再度路地裏でこっそりと中絶手術を受けさせることになってしまうのだ」



 ルース・ベイダー・ギンズバーグ(訳注 性差別に強く反対していた米国の女性法律家)が亡くなってから、リベラル派の人々はロー対ウェード法について警戒を強めていた。しかし最高裁はなんの決定も下してはいないし、トランプでさえこの画期的な法律に関しては「何も変わっていない」と話している

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By poking fun at Karens, gay people & the woke, comedian Bill Burr finally injected some much needed life into the dreadful SNL


 オバマケアの件についても、左派たちは相当な恐怖感を示している。いわく、オバマケアが廃止されたら何百万人もの人が無保険状態になる、と。しかし、彼らが見ようとしていない事実は、オバマケアの法体制自体が、多くの人々から医療保険を奪う制度になっており、 医療改革は、オバマケアが立ち上がった当初民主党が掲げていた国民皆保険に全く近づいてはいない。

 他のあまりにも多くのリベラル派著名人たちと同じく、ムーアはトランプと「白人たち」を「暴力行為を行っている」と批判している。

 「ではこんなことをやっているのは誰なのか?」映画製作者のムーアはこう呼びかけた。「あの白人たちやトランプだ。奴らが暴力行為に加担しているのだ。我々は彼らが加担しているという事実を考える必要がある。私が思うに、この事実を少しでも理解し、我々の方が主流派だと思うのであれば、バイデンとハリスが待ってくれている。バイデンとハリスが言っているのは、人民のために政治を行うということだからだ。手始めにコロナウイルス対策のことを考えてみよう。バイデンとハリスなら、来年の1月には、よりよい体制が取れているはずだ」




 ムーアの話から次の話にうつる前に、急いで以下のことを確認しておきたい!ムーアは中東での戦争反対を訴えて名を売った人物だ。しかしいま彼が支持しているのは、中東に米軍を駐留し続けることを主張している候補者(バイデン)である。そして、彼が批判しているのは現職の大統領(トランプ)だが、トランプは少なくともいつかは軍を引き上げる計画を持っているし、米軍の近い将来の引き上げを何度も誓ったことのある人物だ。

 ムーアだけではない。多くの著名人たちが、トランプ混乱症候群という病気のせいで、自分たちの政治に関する巧言を弄して政争をよりひどい状態に高めているのだ。そのような反トランプを公言している著名人には、ジョニー・デップケーシー・グリフィンスヌープ・ドッグがいる。彼らはもう何年もトランプ大統領の死を夢見てきた。また保守党に対する暴力を公然と祝福している人々もいる。例えばケンタッキー州選出のランド・ポール上院議員が近隣住民に襲撃された際、女優のベット・ミドラーは歓喜していた。 言うまでもないことだが、以下の様な話はよく聞かれる話だ。それはある人やある団体が、ある理由だけで、白人至上主義者であるという証拠にされてしまうという中身のない話だ。その理由とは、その個人や団体が名前の脇に民主党を表す“D“の文字が書かれていない候補者に投票しようとしているという理由だけだ。

 多くの人々はこのような人々を相手にしないだろうが、若い世代にはこれらの人々の声は影響力がある。若い世代はSNS上で、彼らを宗教のように信奉しているからだ。左派の巧言は著名人たちによって操作されている。そのような著名人は活動家なのか芸術家なのかの線引きを分かりにくくしている。ということを抑えておいた上で、今の状況を見てみよう。「黒人の生命は大事だ」運動やアンティファ運動は、米国の主要都市で街に繰り出している。そしてそれらの主要都市では、暴動や窃盗や果ては殺人にまで苦しめられている。一方、最も熱烈な反トランプ主義者たちはまるで架空の世界で暮らしているようだ。その世界とは、独裁政治のような政権に支配され、人権が奪われようとしている世界だ。しかし、トランプや「白人たち」を批判しているムーアのように、メディアで語っている著名人たちをご機嫌ななめにしているのは、実際にまだ起こってさえいない架空のお話なのだ。

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Be careful! Cycling champ’s fate shows that tweeting emojis in support of Trump might cost you your job

 このような巧言を弄することは、左派内のことでは終わらない。これから決定する可能性がある政策を「暴力行為」呼ばわりしたり、自分たちが反対している勢力に対する暴力行為を祝福したりしていれば、自分たちの仲間を過激化させる危険にとどまらす、相手側の過激派にも機会を探させるきっかけを与えることになってしまう。その機会とは、街に繰り出し、米国人の「魂のため」と称する闘いを始める機会だ。(ご存知のように、すでに左派と右派の活動家同士の衝突は最近起こっている。週末他にすることがないという理由だけで)。

 著名人たちは、暴力行為をおおっぴらに推奨し、罪人を救済している。その罪人というのは、組織的でありかつ問題ありと思われるような資金援助を受けている。援助の理由は、「抗議者を守るため」だそうだ。しかしそのせいで抗議活動ではなく犯罪が街に蔓延する状況が生み出されていることにもなっている。そんな著名人たちは決して、街で起こっている暴動や略奪行為を批判するような発言はしない。そう、架空であいまいな「白人至上主義」に対して発言するときの激しい情熱を持って批判することはないのだ。リベラル派の著名人でBLM(黒人の生命は大事だ)運動やアンティファ運動の本性に気づいている人を探してみてほしい。多分見つからないだろう。見つかるのはムーアのように、敵勢力の「暴力行為」を責め、まくし立てている人たちだけだろう。そうすることで、人々は彼らと同じような 悲嘆を感じているのだ。

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フェイスブックの「誤情報検閲部隊」が「COVID-19の致死率は0.1%」と書いた私の投稿を検閲。では致死率について科学者たちが出している答えは?


<記事原文 寺島先生推薦>

Facebook fact checkers CENSURED me when I said Covid infection fatality rate was around 0.1%. But what do the latest studies say?


RT 論説面

2020年10月21日

マルコム・ケンドリック

By Malcolm Kendrick, doctor and author who works as a GP in the National Health Service in England. His blog can be read here and his book, 'Doctoring Data – How to Sort Out Medical Advice from Medical Nonsense,' is available here.

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>

2020年11月15日



 世界の著名な研究者たちにも、COVID-19がどれほど恐ろしい病気かについて、まだはっきりとわかっていない。それなのに、なぜフェイスブックの誤情報検閲部隊は、私の書いた記事に目くじらをたててこんなことを言い続けてくるのだろうか?いわく「この情報は“間違っている”し、本当の致死率は、あなたが書いている致死率の9倍高い!」

 Covid-19 が世界に与えてきた影響は大きい。記憶の中でこんな世界的流行はなかった。 そして世界は、この病気に対して予想もつかない反応もある。「ちょっとやりすぎでは?」といえるくらいの反応だ。しかし、この病気の本当の姿はどうなのだろう?このウイルスの本当の危険度はどのくらいあるのだろう?

 それを知るのは困難だ。どんな病気の世界的流行においても、はじめは感染者数がどれだけいるのかを知ることは不可能だ。WHO(世界保健機関)はこう述べている

 「病気が流行している間は、検知されない症例数は多くなる可能性がある。それは検査する機会が限られ、重い症状をもつ患者や感染すると危険が高い人々(医療従事者や老人や併存疾患持つ人々)だけが検査を受けられるからだ」。

 通常致死率は非常に高い値で始まり、その後低下していく。それは検査を受ける人が増えていき、軽い症状や症状が出ていない人が明らかになっていくからだ。豚インフルエンザの場合、一番低く見積もられた致死率(亡くなった人の総数÷感染者数で計算された数値、感染者数には症状がなかった人も含まれている)は、世界的蔓延であると発表されてから10週目で1000人のうち一人という致死率だった。そして、最終的には10000人に二人の致死率に収まった。そう5倍低くなったということだ。

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Your chances of dying from Covid-19? If you’re healthy & under 65, a 40-mile daily commute by car is more likely to kill you
 

 数週間前、私はCovid-19による致死率は最終的には0.1%程度の低さになると予測した。つまり感染者1000人のうち亡くなるのは一人という計算になる。

 私のこの投稿がネット上での炎上を呼んだようで、様々な自称「真実点検」の「権威者たち」がこの数値は完全におかしいという判定を下した。彼らがこのことに関して出した記事の題名は「本当の致死率はいかほどか?」。その記事には、こう書かれていた。

 「イングランドの数値を見て明らかにわかることは、英国の致死率は0.1%よりずっと高いにちがいないということだ。REACT-2(現時点での感染状況調査の二回目)を行った研究者たちの研究において、 より詳しい分析が行われており、その分析によれば致死率は9倍高い0.9%だとしている」。

 もちろん、物事をただすという行為は重要なことだ。致死率が0.1%だとしたら、英国における死者数の合計は、一番高く見積もって67,000人になる。致死率が0.9%だとしたら、50万人を超えることになるだろう。となれば、この先さらに45万人の死者がでる可能性があるということになる。この予想される45万人の死者という数字がもたらす恐怖のせいで、新たな都市封鎖政策が取り入れられようとしているのだ。

 さて、今我々はどういう状況にいるのだろう?数値はあちこちで報じられている。信頼できる数値もあれば信頼できないものもある。興味深いことだが、慎重な態度を見せるWHOでさえ致死率は0.9%よりずっと低く見積もっている。

 2週間ほど前、WHOの緊急健康プログラムの議長マイク・ライアン博士は「WHOは世界の感染人数を7億5千万人だと見積もっている」と表明した。

 「7億5千万人というのは、世界人口の10%になる。」WHOの役員であるマイク・ライアン博士はこう言った。

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The 1% conundrum: How a simple but flawed math prediction by US Covid-19 experts caused the world to panic and order lockdowns



 この表明が行われた時点で報告された死者数は世界でちょうど100万人を超えたところだった。 (正確には103万4068人)。この二つの数値から、致死率は簡単に計算できる。1,034,068/750,000,000 = 0.138%。この数値は、どれだけ正確だろうか?だれが確かめることができるだろう?この数値も、今あちこちで行われている数値と同じくらいの精度しかない。

 たとえこのWHOが出した数字を使ったとしても、フェースブックの「誤情報検閲部隊」から見れば、禁止されるべき数字になるのだろう。この数値を報じた別のサイトもフェイスブックから、「誤情報を伝えている」と目くじらを立てられた。SNSの大手であるフェイスブックから糾弾を受けたというわけだ。その糾弾の内容は、「嘘情報を売り、歴史を歪曲している」とのことだった。

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Shut up, spoilt Londoners! The Covid lockdown should be stricter still, so stop complaining and get on with it


 広い地域を対象に行われたある研究がある。その研究ではCovid-19による死について、51カ国61件の研究を再考した。この研究は最近、ストランドフォード大学疫学研究者ジョン・ヨアニディス教授により行われた。同教授は「医学界の獅子王」と呼ばれている。この記事は、WHOにより査読を受け、WHOから公表された。そして、この記事の結論は現時点での感染致死率は0.23%であり、さらにこれ以降その数値はずっと下がると予測している。以下はこの記事が出している警告だ。「感染致死率は、流行が始まった当初と比べると、ずっと低くなっていく傾向がある」。

 この指摘を信じない人がいるだろうか?誰の発言だと思っているのか!ハーバードで修行を積んだ感染症学界の重鎮で、医学界史上もっとも引用された回数の多い論文をいくつかもつ研究者の発言である。『アトランティック』誌が「存命の科学者でもっとも影響力のある科学者の一人だ」とした人物の発言である。私は胸を張って言いたい。「誤情報検閲部隊」の中にヨアニディス博士のような経歴と専門的知見をもっている人はいない、と。

 たしかに現時点での致死率というのは、国によって大きく異なる。年齢層やもともとの健康状態などの要因が絡んでくるからだ。シンガポールでは6万人近い症例数が報告されていて、うち死亡者は28人だ。つまり致死率は0.02%になる。

 アイスランドは世界で最も高い割合で検査が行われた国だ。であるので世界的流行の初期においては、基準と見なされていた。しかし今は状況が変わっている。10月後半時点でCovid-19の症例数は4000を超えた程度で、うち死亡者数は11人だ。

 つまり症例致死率は0.26%になる。私が「症例致死率」という言い方に変えたことに気づかれた読者の方もおられるだろう。症例致死率とは、病気の症状がある人の数を分母にして出される致死率のことだ(だった)。分母は感染者の数ではない。であるので、症例致死率のほうが感染致死率よりも常に高い値になる。というのは感染致死率には無症状の感染者も含まれているからだ。そしてそんな無症状の人々は検査を受けないだろうし、検知もされない場合も多いだろう。

 ヨアニディス教授が世界の感染致死率を対象にした別の論文でも、10月7日の時点での致死率は、0.15‐0.20%となっていた。

 もちろん、この数字はすべての人々を考慮に入れたものだ。老人たちや他に深刻な疾患を持っている人たちも入っている。同教授が最も新しく見積もった70歳以下の年代の人々の感染致死率は0.04%だ。これは1万人中亡くなるのは4人という計算になる。そしてこの数字には深刻な基礎疾患をもつ人々も含まれている。

 では70歳以下の健康な人々の致死率はどうなるだろうか?0.04よりもずっと小さい値になるのはほぼ確実だ。しかし私はその値で適切な数値は見たことがない。

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COVID-19 lockdowns are in lockstep with the 'Great Reset'

 確かめればわかる事だが、致死率はまだきちんと確定できていない。国によって全く違う数値が見積もられている。しかし確かなことはひとつある。それは前回の豚インフルエンザの世界的流行時と同様に、流行開始当初の高い致死率は、その後低下し続けるということだ。オックスフォード大学の「証拠に基づく医学センター」は致死率が時間を追うごとに減っていくことについてこんな声明を出している。

 「80歳以上の人々の症例致死率が時間を追うごとにどう変わっていったかの概観は以上のとおりだ。最初の18週間では29%だった。19週~27週目では、17%に減少した。その後の7月中旬には11%になった。つまり感染致死率は61%減少したということだ」。

 「60歳~79歳の年代での致死率は大幅に減少している。3月・4月の平均致死率は9%だったが、7月・8月には2%になっている」。

 もちろん、どの数値が一番正確かを判断するのは個人の問題だ。致死率をどう見積るかについては、科学でまだ定説が出ていない分野だ。研究室や機関によって全く違う致死率が出されている。しかし
フェイスブックの誤情報検閲部隊が固執している内容とは違い、以下のように考えている科学者はほとんどいないようだ。「Covid-19の感染致死率は0.9%程度だ」と。

 「自分たちはCovid-19の真の致死率がどのくらいか、この先どのくらいになるかを言い当てることができる」や「自分たちはこの件に関して誰が正しくて誰が間違っているかを決める裁判官や陪審員のように振る舞える」と思っている人々よ。また弾劾の的になるかも知れませんが、差し出がましく、こう提案させてください。「もう少し謙遜の気持ちをお持ちになればいかがですか?」

 科学の議論を封じようとするのは、かつてスペイン異端審問の任務だった。それは過去のことだ。議論することこそ、科学の血肉になるのだから。
 

 

 

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安倍後の日韓関係 安倍の韓国バッシングが、日本の新植民地主義から韓国を解放した。

<記事原文 寺島先生推薦>
 Korea-Japan Relations in the Post-Abe Era
Abe's Korea basing liberated Korea from Japan's neo-colonialism

ジョセフ・H・チョン教授

グローバルリサーチ、2020年10月22日

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>



 菅義偉安倍晋三から受け継いだ遺産の1つは、韓国へのバッシングだ。韓国バッシングは本質的に安倍の人種差別の副産物だ。韓国バッシングは、日本が朝鮮人に対して犯した戦時中の犯罪を認めることを安倍が拒否したことと密接に関係している。韓国のバッシングは、貿易戦争の形をとったが、これは安倍が高い代価を支払うことになった。皮肉なことに、安倍首相の韓国へのバッシングは、韓国が主権国家として日本と対峙することを可能とし、親日韓国保守派と緊密な協力により実現された日本の新植民地主義から韓国を解放した。

 菅義偉新首相は、日本の伝統的な韓国の認識を改め、韓国を対等なパートナーとして受け入れ、日本人の人種的優位性という誤解をまねく神話を放棄し、平和で豊かな公正なアジアの創造のために韓国と協力することが望まれる。

 日本の韓国政策は、2つの段階を経て進展した。それは、64年(1948年から2012年)続いた「韓国支配」の段階と、安倍晋三が政権を握った2012年に始まった「韓国バッシング」の段階の二つである)。

韓国支配

 最初の段階は、35年間の日本の植民地時代(1910-1945)の事実上の継続であった。日本は、主に日本の利益に貢献した韓国人の献身的な協力により韓国を支配することができていた。それらは、親日知識人、公務員、警官、ビジネスマン、そして満州の日本軍将校であった朴正煕(パク・チョンヒ)を含む軍人であった。彼らは土地と工場の没収に積極的に参加し、日本軍に抵抗した韓国の愛国者を捕らえ、性奴隷のために10代の少女を、労働奴隷のために韓国人労働者を徴収した。

 韓国の第二次世界大戦後の歴史の皮肉は、日本の植民地主義の継続であった。それは、韓国にもたらされた日本の新植民地主義と呼ばれるかもしれない。その新植民地主義は、米軍が軍政を通じて韓国を統治した1945年に始まった。アメリカ軍政は、韓国についての知識がなく、日本の植民地政府に仕えていた親日朝鮮人を雇った。李承晩(イ・スンマン)は1948年に最初の韓国政府を樹立し、政府を運営するために引き続き同じ親日朝鮮人を用いた。韓国の人々は、彼らにとって裏切り者であるこれらの人々を雇うことに抗議した。彼らは裏切り者を選び出すための委員会を結成したが、親日警察が裏切り者のリストを含む文書を破棄したため、親日韓国人は韓国を統治するための確固たる基盤を築くことができた。

 1962年、朴正煕(パク・チョンヒ)将軍はクーデター後、大統領に就任した。彼は日本の忠実な崇拝者であり、日本の繁栄に献身を誓う宣言書に自分の血で署名した。彼はまた、安倍晋三の祖父である岸信介にも非常に近かった。

 1965年、朴正煕(パク・チョンヒ)は日韓基本条約に調印し、韓国は3億ドルを助成金として、2億ドルを融資として受け取った。これらの資金は、日本の経済援助として提供された。実際にこの資金のほぼ全額は、社会インフラの建設、浦項鉄鋼会社(訳注 現在のポスコ)、および原材料の取得に費やされた。これらの資金が韓国経済の急速な経済発展に貢献したことは事実である。しかし、それは同時に韓国の経済を日本経済に従属させた。

 韓国の従属的な地位をさらに示す別のエピソードがある。 1963年、朴正煕(パク・チョンヒ)は岸信介から6,600万米ドルを受け取り、日本が初めて資金提供した韓国政党である民主共和党(DRPK)を設立した。




上の画像はMoney and Marketsからのものである。

 そこを通じて日本は韓国の公共政策を決定することができた。その経済発展モデルは、大企業と政府の共謀に基づく明治時代のモデルである。日本は技術を提供し、安い労働力を利用して韓国に投資した。日本は日本企業の利益のための体制を構築した。このように、日本は韓国の経済発展、貿易、技術発展の過程で重要な役割を果たしてきた。しかし、韓国は見返りとして日本に従属させられた。過去数十年の日本との貿易で、韓国は日本との貿易で黒字を経験したことがなかった。言い換えれば、韓国は日本の新植民地主義の対象であった。

 韓国における日本の新植民地主義は、親日の韓国保守勢力の協力と共謀によって可能になった。それは、戦前日本に協力していた朝鮮人とその子孫、そして韓国名を名乗った多くの日本人から構成されていた。第二次世界大戦後、利益を求めて、韓国に永久に滞在した日本人は数万人であった。大企業の創業者の中には、帰国しなかった日本人とその子孫がいるようである。

 親日保守勢力は、1963年に朴正煕(パク・チョンヒ)が、岸信介からの提供された資金で創設した民主共和党(DRPK)の直系である。それ以来、保守勢力はさまざまな名前の政党を結成し、58年間韓国を統治した。これらの政権は、警察独裁政権、軍事独裁政権、CIA独裁政権であった。これらの政権は、腐敗した裁判所やメディアの完全な支配によって可能となったのだ。

 日本と親日保守派の共謀は、共同体の腐敗の進展をもたらした。そして、経済発展の成果は、経済の成果を共有する権利をもつ一般韓国市民から収奪しながら、保守的な既得権益グループの手に集中されてきた。

 保守的勢力が権力を掌握している間、日韓関係は比較的穏やかなもので、日本に対する韓国の従属的地位は安定していた。時折、日韓関係に摩擦があったことは事実だが、これらの摩擦は、韓国が日本の主張に譲歩することで解決されてきた。代表的な事件は、2015年の慰安婦問題に関する外相合意であった。朴正煕(パク・チョンヒ)将軍の娘である朴槿恵(パク・クネ)大統領でさえ、日本政府の性奴隷制の承認と謝罪を望んでいた。しかし、日本の圧力の下で、彼女は諦めて、善意の韓国人であれば誰も受け入れることができないような文書を作成した。

 しかし、2017年に進歩的な文在寅(ムン・ジェイン)が政権を握ったとき、日韓関係は根本的な変化を経験しなければならなかった。なぜなら、日本の従順な政治的パートナーであり、日本の韓国支配を支援する親日保守派が、そこに存在しなかった。これにより、日本の韓国政策は「韓国支配」から「韓国バッシング」に変わった。

韓国バッシング

 文在寅(ムン・ジェイン)が2017年に権力を掌握したとき、安倍晋三はかなり困難な立場にいることに気づいた。その理由は、忠実な韓国の支持者が権力内部から外れたということだけだった。安倍は、日韓摩擦の2つの主要な原因に懸念をもっていた。南北和平対話と日本の戦争犯罪に関する論争である。

 南北和平対話をめぐる日韓摩擦を理解するために、韓国には、事実上2つの勢力があることを指摘することは有用である。親日保守勢力(PJK)と親韓勢力(PKK)である。PJKの中核を構成しているのは、人口の約1%、つまり約5万人しかいない可能性がある。しかし、過去58年間、この勢力が、独裁政権、恐怖政治、そして時には不正な選挙を通じて韓国を支配してきた。

 現在、親韓勢力(PKK)が日本と対処する場合、日本(J)に加えて親日保守勢力(PJK)に対処する。PJKはあたかも日本の一部であるかのように振る舞う。和平対話と植民地史の問題が関係している場合には、特にそうだ。


 J-PJK同盟は、どうしてと思うほどの勢いで南北和平対話に抵抗する。それはこういう理由だ。安倍の日本は、永遠に朝鮮半島での緊張を望んでいる。南北対立が安倍晋三に率いられている極右の保守党である自由民主党(LDP)の選挙勝利を容易にしているからだ。さらに、朝鮮半島の平和と朝鮮半島の統一の可能性は、日本にとって安全上の脅威となるかもしれないからだ。

 さて、韓国の親日保守派(PJK)にとっては、南北の緊張は最高の選挙支援の1つであった。その上、緊張は武器の取引から多くの賄賂をもたらす。 PJKと安倍にとって残念なことに、南北和平対話は政治的および財政的利益の終焉を意味した。

 安倍が進歩的な文在寅(ムン・ジェイン)政権を罰することを決定した理由はもう一つあった。この理由の方が南北和平対話よりも重要であった。それは日本の植民地時代の過去の解釈問題であった。日本は大日本帝国による戦時中の犯罪を忘れたかった。献身的な親日韓国人も、これらの犯罪のため、あらゆる汚い仕事を行ったのでやはり過去を忘れたかった。つまり、日本と親日保守派(PJK)はこれらの戦争犯罪の共犯者だった。

 李明博(イ・ミョンバク)(2007-2012)と朴槿恵(パク・クネ)(2013-2017)の親日政府は、罪悪感と昔の愛国者やその子孫による復讐を恐れて過去を忘れたかった。安倍にとっても、日本の戦争犯罪を認めたくなかった。なぜなら、彼の考えでは、「大和民族(天皇の民族)である日本人はそのような犯罪を行うはずがなく、実際犯さなかった」からである。

 日本と親日保守派(PJK)の戦時中の不正行為を忘れたいという願いは、学校の歴史教科書の書きかえにつながった。実際、日本とPJK下の韓国の両方で、性奴隷犯罪や他の恐ろしい話が学校の歴史教科書から除外された。さらに、日本の侵略は貧しい韓国の発展のために行われたとされた。

 日本が韓国の「学術研究」に気前よく資金を提供してきたことを付け加えるのは興味深い。その「学術研究」を行っていたのは、極右知識人による親日「新右翼」連合であり、道を誤ったキリスト教徒たちさえいた。その資金提供は、日本が自らの戦争犯罪を隠し、日本の韓国の侵略を正当化し、美化するためであった。そして、新右翼運動のもう一つの役割は、韓国人が日本人より劣っていると感じさせることであった。

 上に示したように、日韓関係は、親日保守派(PJK)が宗主国の下僕であるかのように、日本の要求を実現していたという単純な理由で比較的安定していた。これが突然変った。文在寅(ムン・ジェイン)政権が権力を握り、J—PJK同盟のすべてを台無しにした。韓国は、日本の従属国ではなく、独立国として行動し始めたからだ。これは強大な安倍晋三をひどく悩ませ、韓国バッシングの鞭が「平穏な朝の国」を激しく襲い始め、「平穏な国」はそうではなくなった。

 安倍晋三は韓国を打ち負かすことに決めた。その理由は、文在寅(ムン・ジェイン)が過去の日本の不正行為の一つ、韓国人の奴隷労働を、安倍に認めるように求めたからだ。第二次世界大戦中、安倍の祖父である岸信介は67万人の韓国人を徴兵し、日本の鉱山や工場で奴隷として働くことを強制した。労働者への支払いはなかった。彼らは非常に劣悪な生活条件で暮らさなければならなかったため、毎年25,000人の労働者が、死と病気のために取り換えられなければならなかった。戦後、犠牲者の何人かは彼らの労働と苦難の補償を求めた。しかし、日本政府は拒否した。補償金を支払うことによって、安倍が受け入れるはずがない犯罪を認めなければならなかったからだ。

 犠牲者たちは日本の裁判所に行ったが、結果は得られなかった。それで、彼らは韓国の裁判所に控訴した。そして、2018年10月30日、韓国の大法院は新日鐵住金と三菱重工業に対して被害者への支払いを命じた。これらの企業は、第二次世界大戦中に韓国人労働者を奴隷労働させた主要な日本企業であった。これらの企業は支払う準備ができていたが、安倍は彼らにそうしないように命じたと伝えられている。これが両国間の貿易戦争の出発点であった。

 補償金の支払いに関する日韓交渉は1年続いたが、結果は出なかった。そして、2019年7月1日、安倍首相は貿易戦争の最初の一手を行った。彼は、半導体の製造に不可欠な3つの化学物質(フッ素化ポリイミド、レジスト、フッ化水素)の輸出を制限した。サムスングループやLG、SKなどの韓国の半導体や携帯電話の製造企業は、日本からの化学物質の輸入に大きく依存していた。

 安倍の貿易戦争宣言は、間違いなく韓国最高裁判所の判決に対する報復であった。しかし、安倍はその判決を無視したかった。もし安倍がその判決を受け入れれば、奴隷労働を認めることになる。安倍は貿易戦争を正当化するために、他のいくつかの理由を必要としていた。彼はその理由を見つけたと考えた。その信じられないほどの話を思いついたのは、誰でもない。当時の内閣官房長官で新総理大臣の菅義偉だ。貿易戦争が求められるのは、韓国がいくつかの戦略的技術を北朝鮮に送ることを防ぐためだ、と菅は述べた。しかし、そのような技術をカネのために北朝鮮に密輸していたのは、むしろ日本であることが判明した。

 韓国が最高裁判所の判決を尊重することを主張しているのを見て、安倍は貿易戦争の第2弾を撃った。 2019年8月2日、安倍は、特権貿易待遇を享受している国のリストである「ホワイトリスト」から韓国を除外した。韓国は迅速に対応した。 2019年8月12日、韓国は日本を韓国のホワイトリストから削除した。このような韓国の行動は、親日保守派政府の下では不可能だったであろう。なぜなら、親日保守派は、権力を維持し、あらゆる特権を永続させる唯一の方法は日本を喜ばせることだ、と考えているからである。

 安倍は韓国が主張を放棄すると考えていたようだ。彼は部分的には正しかった。朝鮮日報が率いる親日保守メディアの中央日報、東亜日報(チョ・ジュン・ドン)が文在寅(ムン・ジェイン)の進歩的な政府に譲歩するように助言していたからだ。その点については、親日保守党である統一未来党(現在の人民党)は、韓国が屈服しなければ、韓国経済は崩壊するだろうと主張していた。

 しかし、日韓貿易戦争では、日本は二つの理由で敗北した。それは、韓国企業の先を見越した対応と、「日本製品のボイコット(BJG)」という国民の団結運動であった。

 当初、韓国の半導体メーカーやその他の通信メーカーは非常に心配していた。しかし、3つの化学物質について独自の技術を開発することで、そして製品の輸入元を多様化することで、その困難を克服することができた。結果は驚くべきものだ。韓国は3つの化学物質の生産においてほぼ自給できるようになった。

 このようにして、韓国はついに日本への経済的および政治的依存から解放された。

 多くの韓国人は、韓国がついに日本の新植民地主義から解放されたと述べている。

 日本のこれらの化学物質の製造企業は、輸出をサムスンや他の韓国企業に大きく依存していた。化学品の輸出が大幅に減少したため、日本の製造元は製品の売上減少という深刻な問題を抱えた。解決策の1つは、工場を韓国に移転することであった。実際、多くの日本企業が韓国に移転した。

下の画像はオリエンタルレビューからのものです



 安倍の貿易戦争は韓国企業を傷つけていないようだ。実際、日本企業と取引をしている韓国企業の84%は、影響を受けていないと言っている。 91%が、競争力が低下していないと述べている。

 安倍と韓国との貿易戦争の深刻な悪影響は、韓国人の自発的な「日本製品のボイコット(BJG)」の動きだ。韓国の保守的メディアの朝鮮日報、中央日報、東亜日報は、「日本製品のボイコット(BJG)」はほんの数週間しか続かないだろうと述べていたが、1年以上続いた。そして、それはまだ続いている。

 2019年8月までに、韓国での日本車の販売は57%減少した。日本ビールの売り上げは97%減少した。日本の化粧品の販売は60%以上減った。とりわけ、日本へ来る観光客の25%以上を占める韓国人観光客が90%減少した。一部の日本の地域では、韓国人観光客が地域の総観光客の80%を占めている。このように、安倍の韓国との誤った貿易戦争の悪影響は、日本に非常に高いコストを課している。

 安倍の貿易戦争にはもう一つのコストがある。それは、機密軍事情報交換のための二国間協力を日本が失ったことだ。 2016年、韓国は朴槿恵(パク・クネ)の保守政権下で、日本は軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に署名した。この合意により、両国は軍事情報を共有する必要があった。

 日本が望んでいたのは、北朝鮮の軍隊の動き、特に日本を脅かす可能性のある大陸間弾道ミサイル(ICBM)の取り扱いに関する情報であった。地理的状況を考えると、韓国は日本より先に北朝鮮のミサイルが発射されたことを知る。したがって、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は日本にとって非常に貴重だ。一方、日本から韓国に提供される軍事情報はほとんど役に立たない。要するに、この合意は韓国よりも日本にとってはるかに重要だ。しかし、安倍の対韓貿易戦争のため、2019年8月23日、韓国は軍事情報包括保護協定(GSOMIA)から撤退する可能性があると述べた。もしそうなった場合、日本は北朝鮮に関する貴重な軍事情報を失うことになる。しかし、韓国は、寛大にも、もう1年間、協定を更新した。

 要約すると、第二次世界大戦後の日韓関係は、これまでのところ、韓国支配から韓国バッシングへと発展してきた。

 しかし、安倍後の日韓関係は、相互尊重と相互協力であるべきだ。韓国の親日保守勢力(PJK)はまだ存在しているが、「穏やかな朝の国」と「日出ずる国」との間の二国間関係に重大な影響を与えるほど強力ではない。

 菅と一緒に、平和と協力の日韓関係の新しい時代を開くことが可能かもしれない。しかし、そのような関係にはいくつかの前提条件が必要である。

 第一に、菅は日本の韓国に対する認識を変えるべきである。これまで、上記のように、日本は韓国を従属する劣った国として扱ってきた。日本は韓国を主権国家として受け入れ、平等に扱うべきである。韓国は世界的なミドルパワーになった。韓国は世界12位の経済力をもつ。韓国はアジアの主要な軍事力の1つであり、世界の貿易と安全保障への貢献で高く評価されている。ウイルス対策戦争での成功ではうらやましがられている。

 とりわけ、文在寅(ムン・ジェイン)のリーダーシップのおかげで、韓国は数少ない、人に優しい民主主義国家の1つになった。

 第二に、菅は親日保守勢力を通じて韓国の内政や国際関係に介入することを控えるべきである。親日保守勢力(PJK)が比類なき勢力であったことは事実である。PJKは日本の新植民地主義の継続にとって効果的な協力者であった。しかし、おそらく今後日本を助けることは難しいであろう。日本はPJKから距離を置くことが望ましい。このようにして、日韓関係は相互に有益となることができる。

 第三に、菅は河野声明を受け入れるべきである。1993年8月、日本の内閣官房長官であった河野洋平は、韓国の10代の少女に対する性奴隷制を明確に認め、謝罪する声明を発表した。安倍は河野の発言を認めておらず、学校の教科書ではその犯罪の真実が削除されている。学校の歴史教科書が歴史に忠実であることが望まれる。これにより、日韓関係の新たなスタートが可能になる。戦時中の犯罪と経済関係の問題を分けることができると主張する人もいる。そのような議論は魅力的に見えるかもしれないが、戦時中の犯罪問題が解決されない限り、信頼に基づく二国間関係を発展させることは困難である。

 第四に、日本は南北和平対話を妨げてはならない。選挙での勝利と経済的利益のために南北の緊張に頼るのをやめる時が来た。

 第五に、菅は、日本が韓国との悪意ある貿易戦争のために支払わなければならなかった重い代償を認めるべきである。日本と韓国が貿易戦争の終結を宣言し、相互に有益な貿易を促進することが望まれる。

 最後に、私たちは皆、平和で安定した、繁栄ある、特に人種差別のない日本を回復するという任務を果たすように菅義偉新首相に期待する。

ジョセフ・H・チョン教授は、経済学の教授であり、ケベック大学モントリオール校(UQAM)の「統合とグローバリゼーション研究センター(CEIM)」の東アジア天文台(OAE)の共同責任者である。グローバリゼーション研究センター(CRG)の研究員でもある。



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「都市封鎖政策は間違いだったし、Covid-19による死者数をさらに増やす原因になるだろう」 都市封鎖政策を始める後ろ盾となった科学研究を科学的に再考した研究の結論。


<記事原文 寺島先生推薦>
A scientific review of the science behind lockdown concludes the policy was a MISTAKE & will have caused MORE deaths from Covid-19

RT 論説面 2020年10月7日

ロブ・リヨンズ

Rob Lyons is a UK journalist specialising in science, environmental and health issues. He is the author of 'Panic on a Plate: How Society Developed an Eating Disorder'.

<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 
2020年11月10日


 以下の研究報告は、3月に英国の政策立案者たちが採用したインペリアル大学のモデリング研究について分析したものだ。その報告が伝えているのは、①学校は閉鎖するべきではなかった②老人たちのような体が弱い人たちだけを隔離させるべきだった③そうなれば集団免疫がもっと良い形で獲得できたかもしれない。ということだった。

 エジンバラ大学の研究者たちによる新しい研究報告が示唆しているのは、都市封鎖政策はCovid-19による死者数を減らすことにはならず、ただ死を先延ばしにしただけに過ぎない可能性があるということだった。この報告は、世界的流行の対策として別の方法を採る必要があるのではないかということを示す新たな証拠の一つだ。これまで採られてきたような、社会全体をすっぽり覆うような対策法ではなく、もっと別の方法を採用する可能性があるという証拠だ。

 この研究はエジンバラ大学の物理・天文学科チームにより行われた。この報告を読んで、「あれ?」と思う方は、研究執筆者の一人であるグレアム・アクランド教授のわかりやすい説明を聞いてほしい。彼は私にこう言った。「3月から、著名な疫学研究者はみな以下の二つのグループに出向させられている。ひとつは、SPI-M(インフルエンザの世界的流行についてコンピューター・モデリングを用いた科学的な研究を行うグループ)であり、もうひとつはSAGE (科学者による緊急諮問委員会)だ。そして研究者たちは新しい研究を日単位で行っている。研究者たちには時間が十分になく、追試や、慎重な査読をおこなうことができなかった。数値の精査やコードの確認や妥当性の確認や追試をおこなえる研究者は何千人もいたのに」。

 アクランド教授によると、教授や共同研究者たちは、「SPI-MやSAGEから課されていたのは“あらかじめ用意されていた”すべての研究だった」そうだ。さらに、「SPI-Mは、閉じられた集団での集団討議が引き起こす問題をよく理解していた。そのため、SPI-Mが我々に要請していたのは、“研究の点検に関しては簡単に済ませてほしい”ということだった。真の疫学研究者であれば別の方法をとっていただろう。もし時間が十分に与えられていたのであれば」。

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Thousands of the world’s top scientists are finally speaking out against lockdowns. Let’s pray it’s not too little, too late

 この論文は、都市封鎖政策採用の土台となったインペリアル大学のコンピューター・モデリングを批判しているわけではない。実は、この論文ではインペリアル大学が利用していたのと同じモデルを使っていた。そのモデルは、現実にとられた対策よりも広範な対策について評価するものであった。アクランド教授はこう言っている。「私の概観を言わせてもらうなら、政府の専門家たちは“新聞に出ているえせ専門家たち”よりも信頼の置ける予見をしている」。

 この論文中に、衝撃的な一文がある。それは都市封鎖措置の土台となったインペリアル大学の研究に関する記載だ。「世間一般に広まっている考えとは違うが、インペリアル大学の研究では、当時とられた都市封鎖措置は、特に想定していなかった」。都市封鎖措置が何ヶ月も続けられ、学校が秋までずっと封鎖された今になって、措置の土台となったモデルにどんな記載があったのかを見落としていたことがわかったというのは、驚くべき事実だ。

 この論文の目的は、「インペリアル大学のモデリング研究の追試と分析」である。このインペリアル大学のモデリング研究が、3月に英国の政策立案者たちが、都市封鎖措置をとる決定をした際の土台となったのだ。この論文の結論は「インペリアル大学のモデルは、よい予見になっていたと考えられる。もしそのモデルが、ウイルスの致死率を修正後の3.5%であるとして演算していたとしたら、だ。(3月16日のインペリアル大学の研究報告では致死率は2.2~2.4%の間にあるという前提だった)。そのモデルの結果で意外なのは、このモデルは、“学校閉鎖や若者たちの隔離政策を実行すれば、死亡者数は増える。第二波や次に続く流行の波を先送りすることにはなるが”ということを示唆していることだ」。

 このモデルが提案したのは、素早い対応をとれば、必要となる病床の数が不足することを抑える効果があるということだった。しかし、素早い対応をとることで流行を長引かせることにもなる。いくつかのコンピューター・モデリングによる演習においては、このことは長期的には死者数の増加を招く可能性が明らかになった。理由は?論文に記述されているとおり、「Covid-19による死者数は、高い年齢層において、急に高くなっているからだ。効果的なワクチンの計画がない中、英国でとられた流行を抑えるどんな対策も、予想されていた20万人という死者数よりも少なくなることにはならないだろう」

 ある数値に注意を払うことが賢明だ。その数値とは、スウェーデンがとったモデルと同様のモデルを使った際に演算された、実際の死者数を遙かに超える死者数だ。しかし、3月当時に不安を呼び起こしていたのは、たびたび伝えられた「“何の対策もとらなければ”50万人の死者が出る」という話ではない。そうではなく、インペリアル大学のチームによる以下のような主張だったのだ。それは、 「“最も効果的な流行緩和策(具体的には、感染者の隔離、家庭内での隔離、お年寄りの人たちの社会的距離の確保)”を取ったとしても、25万人程度の死者が出るだろう」という主張だ。

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UK health secretary claims rise in Covid-19 cases is ‘very serious problem’

 この理由のせいで、「都市封鎖措置こそ効果がある」と我々は納得させられたのだ。政府がインペリアル大学のファーガソン氏に都市封鎖政策のモデリングを依頼し、20万人の死者が出るという結果が出ていたなら、こんな犠牲を払ってまでも、都市封鎖措置に突入していただろうか?

 Covid-19に関しては特に、学校や大学を閉鎖したことは重大な誤りだった。インペリアル大学のコンピューター・モデリングのチーム長であったネイル・ファーガソン氏が4月に出した表明とは異なるようだが。学校や大学を開放しておけば若い人々はもっとウイルスに感染していただろう。そしてほとんど病気の害を受けず、「集団」免疫は素早く獲得できていただろう。

 論文執筆者たちはこう結論づけている。「Covid-19の流行下で命を守る最適な対策法はインフルエンザの流行時に取られるようなものと違ったものでなければならない。というのも、インフルエンザとCovid-19では、年代層による死者数の偏りが異なっているからだ」。アクランド教授はこう語っている。「少なくとも、学校を開けておくことは可能だった。ただし、もっとも体の弱い人々を守るためにできるすべてのことができていたのならば、の話だが。何よりも優先すべきだった事項は病院や老人ホームにあの病気を入りこませないことだった」。

 驚くことでもないが、アクランド教授のこの主張は、SAGEがおこなっていた主張と同じだった。SAGEは、3月16日にインペリアル大学のコンピューター・モデリングの結果が公表される前にそんな主張をしていたのだ。例えば、グラハム・メドリー教授(SPI-Mの議長であり、SAGEの構成員でもある)は、3月13日BBCのニュース・ナイトという番組でこう語っていた。「このウイルスは長期間我々と共存することになるだろう。ウイルスの流行を経たのちには、季節性の普通の病気となり、他のすべてのコロナウイルスと同様、時期が来れば気づかぬうちに流行する病気のひとつになるだろう。今我々が目指すべきなのは、いわゆる集団免疫を獲得することだ。すなわち人口の大部分が感染に対して免疫をもっているという状態だ。ワクチンなしで、そのような状況になるための唯一の方法は、人口の大部分が感染することしかない」。

 そのために必要なのは、その病気により最も悪影響を受ける人たちをきちんと保護することだ。英国政府は都市封鎖措置という政策をとったのに、そういう対策が抜け落ちていた。

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The NHS needs to stop being hysterical. Taking steps to shield the vulnerable elderly from Covid is NOT ‘age-based apartheid’

 雪崩のような現象を先延ばしすることが悪いこととは限らない。先延ばししたおかげで、有効な治療法を発見できた。特にステロイド系抗炎症薬がもっともひどい症状をもつ患者の命を守るのに有効だということがわかったのは大きい。 さらに、呼吸器は、危機が始まった当初は、非常に注目を浴びていたのだが、思っていたよりは役に立たないこともわかった。また、腎臓透析器を使うことは命に関わる可能性があることもわかった。ワクチンがすぐに行き渡るのであれば、重要な役割を果たすだろうが、来春までには間に合いそうもない。

 それでも、流行が終わらせるには、以下の二つの状況のいずれかが発生する必要があるという事実は変わっていない。それは①伝染の広がりが終わるくらい十分な人々が病気に感染すること②効果的なワクチンが普及すること。のどちらかだ。コンピューター・モデリングの結果によれば、以下のようになることが望ましい。それは感染する人が若くて健康であることとだ。老人や別の病気を持っている人ではなく。

 スウェーデンが見せたような冷静さを保てず、英国政府は混乱し、我々の自由に対して予想もつかないような制限をかけた。この制限措置のせいで、経済や人々の精神面や子どもたちの教育の影響やその他多くのことが大きな損害を受けてきた。さらに悪いことに、今回のコンピューター・モデリングをおこなった人たちが正しければ、都市封鎖政策は、人々の命を救うことにおいて、重大な役割を果たせないだろう。それなのに、このような措置をとることに関わった英国政府は、いの一番に英国政府が信頼をおいたインペリアル大学のコンピューター・モデリングを使用したことが良かったのか、見直したようには見えない。

 欧州中で症例数が増えている。特にフランスやスペインなどの非常に厳しい都市封鎖政策をとった国々においてだ。その事実が我々に伝えてくれるのは、今の状況は心配ではあるが警告となるまではいかない、ということだ。というのも、流行の広まりはおさまりつつあるといえるからだ。そしてその理由は、免疫を獲得した人々が増えているからだろう。症例数はいまだに増加してはいるのだが。しかし、この病気で亡くなっている人の数は少なくなっており、現在イングランドとウエールズにおける死因のうちの約2%を占めるにすぎない。

 すべてのシナリオの中の最悪の結果で終わる可能性もある。これまでにない制限措置が加えられ、ますます多くの老人がウイルスに感染し、そんな状況で、Covid-19だけではなく、インフルエンザのような通常の季節性の病気が蔓延する冬に突入するという結果だ。こうなれば、医療政策にとって大きな負担になる。

 方向を変更する時間はまだ残されている。若い人々のために社会を開放し、体が弱い人たちを保護したり、支えたりした上で、病気の流行に身を任せる。亡くなる人がゼロとか、すべてがきっちりうまくいく施策などない。我々が直面しているのは恐ろしい新型の病気だ。単なる危機を大惨事に変えてしまうような悪い政策をとったら何のいいわけもできない。

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As Boris Johnson announces Britain’s ‘great reset’, were the Covid ‘conspiracy theorists’ right all along?
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男の切断された首を持っているメドゥーサの新しい銅像を見れば、Me Too運動の何が間違っているのかがわかる。さらに、なぜMe Tooが女性にとって不利な状況を作っているのかの理由も。


<記事原文 寺島先生推薦>A new statue depicting Medusa holding a man’s severed head symbolises what’s bad about #MeToo – and why it’s backfired on women

RT 論説面 2020年10月17日


アレクサンダー・アダムス
Alexander Adams
is an artist, art critic and author. His

book

‘Iconoclasm, Identity Politics and the Erasure of History’ is published by Societas. Follow him on Twitter @AdamsArtist

 ギリシャ神話において、男性たちが恐れていたのは髪の毛が蛇でできている妖怪女が見る人を石にする一瞥だった。こんにち、世の男性たちは同じような恐怖心を味わっている。しかし皮肉なことに、女性たちの機会を台無しにする今の動きに対して、反対運動は巻き起こってはいない。

 男性の切断された首を手に抱えた2メートル13センチの高さのメドゥーサの銅像が、今週からニューヨークで展示されている。この彫刻はアルゼンチンとイタリアのハーフの美術家ルチアード・ガルバーティチの手によるもので、これから6ヶ月にわたりマンハッタン高等裁判所の審議をみつめることになる。その裁判所では、ハーヴェイ・ワインスタインが性犯罪の犯人として起訴されている。相手は複数の女優と映画制作スタッフたちだ。

 この銅像がこの場所に設置された理由は、男性強姦者を成敗する正義の象徴とするためだ。しかし、より正確な言い方をすれば、(意図的にそうなったわけではないのだが)この銅像が象徴しているのは、一般的には勝利をおさめているといえる#MeToo運動が、一方では米国の女性たちに悪い影響を与えている現状であるといえる。

 メドゥーサ(ギリシャ神話の登場人物で、髪の毛が蛇でできており、彼女から少しでも直視を受けた男性は石になるという女妖怪)の銅像でもっとも有名な銅像は1596年のガラヴァッジオの手によるものだ。カラヴァッジオは、同時代のイタリアの美術家ヴァザーリがレオナルド・ダ・ビンチ作の失われた絵画について説明したのを聞き刺激を受けたと言われている。それ以来、メドゥーサは美術家たちにとってよく使われる題材となってきた。ガラヴァジオによる銅像は2008年に作られたもので、その後#MeToo運動の象徴として使われるようになった。


 道徳的な怒りだったはずが、金銭面で利を得る道具になってしまった

 #MeToo運動は、2017年に端を発する。当初はハリウッドで行われた性的暴行に関する事件でありその主張に過ぎなかった。しかし、この運動はそこから広がりをみせ、強姦や性的虐待や不適切な性的関係や望まれない交際を無理に強いることや、性ビジネスまでもが対象となった。

 実際の犯罪と、倫理上の問題や職業上の問題、さらには同意の下の性行為(ただし後にくやまれるもの)との区別できなくなる中で、この運動は拡散していった。性的虐待を行った疑いのせいで、契約や仕事や結婚まで失うことになる場合も出てきた。さらには自殺を引き起こすことも。道徳の嵐が吹き荒れる中で、以下のような事件が、強姦事件と一緒にされている。ベン・アフレックがビデオインタビュー中に女優に痴漢行為をした事件や、アジズ・アンサリとデートした女性からの苦情ルイス・CKが同僚たちの前で(彼女たちの同意のもと)裸身をさらした事件などだ。

 それぞれの事件の深刻度がどれほどなのかの判断がつきにくくなる中で、この運動が失ったものは、この運動が問題にしている道徳にどれほど信頼がおけるかということである。そして、当初の目的とはちがって、仕返しのための手段やゆすりたかりのネタに使われるようになってしまった。もし罪が犯されたのであれば、警察に通報すればいいだけの話で、公開討論会の議題にあげるべきではない。糾弾されている方も、被害者と同様、匿名性が保たれる必要がある。正式な判決が出るまでは。

 性的な問題に関する告発というのは、米国の大衆文化においては武器としてこれまでも多用されてきた。一例をあげれば、女流漫画家たちの間に存在した「ささやき連絡網」が男性漫画家たちを標的にしていたことがある。彼女たちは、(本当の罪を犯していた場合もあったが)男性漫画家たちに言いがかりをつけることで、女流漫画家たちの活躍の機会を得ようとしていた。これは男女問題ではない。欺瞞や誇張を使って自分の道を築いていくことは、そのようなことばが生まれたころからこの世に存在する。

 米国のテレビ界や映画制作界において、#MeToo運動は「タイムズアップ」運動を通じて制作での支配を強め、女性の取り分を高め、金を得てきた。この運動は女性にとって安定してお金が儲かる仕事を奪い取ることになった。そのことについては、公衆からは善意をもって、管理職からは恐れをもって受け取られた。タイムズアップ運動には、ケイティ・マクグラフが共催していた。マクグラフは、バッド・ロボット・プロダクションというプロダクション会社を夫のJ.J・アブラマスとともに経営している。バッド・ロボット社は「社会正義に優しい企業」として売り出していた歴史を持っている。今年の夏、暴動者が店舗に火をつけ歴史的な建造物を破壊していた際に、バッド・ロボット社は、評判の悪い声明を出した。その内容は、「礼儀正しい話はもういい。白人だけが快適に暮らすのはもうたくさんだ」というものだった。

ALSO ON RT.COM

Rose McGowan’s new #MeToo rape claim puts the Left in difficulty. No prizes for guessing what they’ll do – they’ll dump on her

意図せぬ顛末
 自社が倫理感をもち、社会問題にも関心をもっていると表明することにより、その企業は大手企業から利益を得ることのできる理想的な企業となる。というのは、大手企業、相手先の能力ではなく会社の考え方に基づいて取引先を決めるからだ。個人や企業が目にしてきたのは、性的虐待が、多くの世間の同情を集めることで自分の利益につなげられる道具となっているということだ。そして、企業は、その危険性を実感している。

 実は、#MeToo運動や「タイムズアップ」運動ほど、女性の働く機会を奪っている活動はないのだ。制作会社は、たとえ女性が率いている会社であっても、女性社員を雇えば、のちにゆすりや補償のネタになる可能性がでるのでは?と心配する。その結果、会社は女性を雇うのをやめている。それはのちのち法的措置や、会社の評判を下げるようなSNSによる運動のせいで、金がかかる羽目になる可能性を見越してのことだ。何十年もかけて行われてきた、男性上位の産業界を説得して女性の雇用を増やそうという運動の結果、女性を雇用する利点や女性の人材確保は発展してきたのに、#MeToo運動が起こした混乱した道徳のせいで、女性を雇用する不利益が表面化するという結果に陥っている。

 男性の管理職がいま女性を見る目というのは、恐れだ。そう、ギリシャ神話の英雄たちがメドゥーサに見つめられることを恐れていたのと同じ気持ちだ。皮肉なことに、ガルバーティチの手による銅像は、女性がもつ力を祝福するのではなく、この運動の負の部分の象徴に見えてくる。はじめはうまくいっていたのに、結局はまた男性が女性に不信感を持つようになるという顛末をむかえているこの運動の象徴に。
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腐敗したCDCとWHOはワクチン業者と金で繋がる

<記事原文 寺島先生推薦>
CDC and WHO Corrupt Financial Entanglements with the Vaccine Industry

チルドレンズ・ヘルス・ディフェンス


<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年11月10日

#TruthArmy #TruthOverProfits #BelieveMoms

 先日世界保健機関(WHO)は声明を発表し、フェイスブックと連携してワクチンに関する「誤情報」の拡散を止める活動を行ってきたことを明らかにした。つまり、「WHOという国際的な機関が、ソーシャルメディア企業と手を組み、米国における言論の自由と説明可能な民主主義という二つを奪っている」といっていいだろう。

 2019年12月にブリュッセルで開催された第1回世界ワクチンサミットにおいて、フェイスブック社公共政策担当ジェイソン・ハーシュ氏は、同社がワクチンに関して果たすべき役割を「きわめて重く受け止めている」と発言した。「我々は、フェイスブックに掲載されるワクチン接種についての情報の質を改善するために、二つの対策をとろうと考えています」。ハーシュ氏はこう語った。「一つ目の対策は、ワクチン接種についての誤情報の拡散を減らすことです。そして二つ目の対策は、ワクチン接種に関して信用と信頼のおける情報を広めることです」。さてしかし、ワクチンの安全性について人々がどの情報に従うかを決めるのは、フェイスブックの任務なのだろうか?

 バーナディーン・ヒーリー前アメリカ国立衛生所(NIH)長の見解と同じく、私たちチルドレンズ・ヘルス・ディフェンスの考えは、「一般市民は賢明であり、事実を伝えられれば、何が真実で何が真実でないかの判断を自ら行うことができる」ということだ。私たちは確たる自信を持って、「ワクチンについての事実や科学は私たちを裏切らない」といえる。私たちは、どんな人でも、そしてすべての人に、このサイトに来て、掲載されている記事を熟読してもらえることを歓迎する。さらに読者のみなさんが、友人たちの判断材料となると考えて、友人たちに記事を共有してくれることも。

「検閲が行われるのは、その社会が自分たちの社会の運営に自信が持てていない証拠だ。権威主義の象徴だ」。-ポッター・スチュワート

 私たちの第一の使命は、慢性的な病気の感染が、今日の子供たちに悪影響をもたらすのを阻止することだ。私たちは、免疫系に過剰な刺激をあたえるワクチンが、このような感染の主要な原因の一つになっている、と考えている。2013年のIOM(米国医学研究所)は、報告の要約で、こう結論づけている(5ページの下部参照)。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)子供ワクチン計画は、ワクチンの安全性について全く研究していない。私たちの考えは、私たちチルドレン・ヘルス・ディフェンスの閲覧者の検閲のためにお金と時間を使うのではなく、WHOやCDCは、真の科学研究やワクチンの安全性の追求のためにお金と時間を使うべきだということだ。

 残念なことに、 WHOやCDCは、このワクチンの問題や、親が当然持つべき懸念について真摯な意思表明を行ってはいない。代わりに両者が選んでいるのは、フェイスブックに手助けを頼み、批判的な意見や反対意見をもつものたちを黙らせる対策を取るという方向だ。本来は様々な意見交換を促進すべきなのに。それこそが人類の発展には不可欠なことであるのに。

 私たちが懸念しているのは主に以下のようなことだ。

①CDC、FDA(アメリカ食品医薬品局)、WHO、NIH(アメリカ国立衛生研究所)内部は腐敗しており、利益相反行為(中立の立場にあるべき機関が特定の集団に偏った立場をとること)が見られる。具体的には、巨大な製薬企業が影響力と権力を行使し、ワクチンの安全性に関する研究が自分たちに有利な結果になるよう画策している。米国医学研究所(IOM)は、1991年から粘り強く米国保健福祉省(HHS)に対してワクチンの安全性についての研究を行うよう要請している。しかし、米国保健福祉省はその要請を強く退けている。そのため、「あるワクチンが、薬害を引き起こさずさらには死を、招くことにはならない」ということを科学的に証明する方法はないということだ。

②最新の数値や研究の結果によれば、ワクチンに安全性がないことは明白だ。それなのに政府は(政府は、公式文書で明らかにされている通り500億ドルの資産を持つワクチン業者と利益相反関係にある)体系的にワクチンの危険性をぼかす一方で、ワクチンの利点を強調している。

③政府は、ワクチンに危険性があることをこっそりと認めている。それは、ワクチンの薬害やワクチンによる死に対して40億ドルの予算をつけているからだ。ということは、政府はワクチンには薬害を起こす、あるいは起こす可能性があることを認めているということだ。自閉症になる危険性も。そしてHHSが資金を出した研究で、「ワクチンによる薬害が起こる可能性は1%以下だ 」という結論まで出させている。

④巨大製薬企業はWHOや FDAや CDCに対して影響力を行使し、ワクチンの安全性を支持する研究の速度をあげたり、近道を通らせたりすることで、より多くの利益をより素早く出そうとしている。巨大製薬企業は子どもたちにワクチンによる薬害が発生しても金銭的な負担が生じない。というのも、政府が被害者による巨大製薬企業の訴追を止めてくれるからだ。 そうなれば、巨大製薬企業は子どもたちのワクチン接種の安全性を心配しなくなる。

⑤国家の主導によるワクチンの強制接種は、家庭の状況宗教上の信念のいずれか、あるいは両方について配慮しておらず、そのような配慮を行わないまま強制接種を行えば、高い確率で私たちの子どもたちの精神に悪影響を及ぼすだろう。そして、この強制接種は近代における最も大規模な人体実験のひとつになるだろう。

 製薬産業は代理者に資金を注入させ、ワクチン接種を強制させる政策を実行させようとしている。世界保健機関は、予算のほぼ半分を私的団体から得ている。その団体には製薬企業や製薬企業関連の機関も含まれている。CDCという団体は、いわばワクチン会社と同じだ。CDCは56種類のワクチンの特許を持っており、「子どもたちのためのワクチン計画」において、その特許の売買で、年間46億ドルの利益を得ている。これはCDCの年間予算の40%にあたる。さらに製薬業者はCDC基金にカネを送ることで、CDCが行っている多くの計画に直接出資し、口を挟み、影響を与えている。『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』誌の社説はCDCと製薬業界との蜜月ぶりを強く批判し、UCLA大学の医学教授ジェローム・R・ホフマン氏の発言を引用している。「われわれのほとんどは驚いてしまった。CDCがワクチン業者から資金を得ている、だなんて。とんでもない事だが、産業界はCDCを罰する権利を明確に手にしているということだ。CDCが、産業界の利益を削減するような研究を行った場合には」。

 多くの情報源から情報を集めた本記事は、以下、WHOとCDCによる利益相反行為と企業とのカネによる繋がりを明らかにしたネット上の記事を羅列している。それらを読めば、それぞれの機関が主張している内容に妥当性があるか判断する際の参考資料となるだろう。ただし、ここに挙げた記事の中には、1991年から2017年までの27年間で製薬企業がおかしてきた罪や市民たちから受けた罰についての記事は含まれていない。それらについてはパブリック・シティズンというサイトが暴露している。

CDCの利益相反行為

クロスフィット社(米国の健康関連会社)はNHS(英国保健サービス)に対して訴訟を起こした。NHSが企業からの寄付を隠そうとする努力を続けていることを示すEメールを明らかにしたことを受けてのことだ。

 CDCは、ワクチン生産業者と密接な関係を結び、「安全であり効果もある」とワクチンを促進し続けていることと平行して以下のようなことも行っている。クロスフィット社が明らかにした文書によると、コカコーラ社とペプシ社がCDCに対して巨額の寄付を行っているのに、CDCはその寄付のことを故意に隠していることがわかった。クロスフィット社によると、これら2社の製品は、2型糖尿病や肝疾患やオピオイド依存症などの病気の原因となっていたとのことだ。さらにクロスフィット社は、このような利益相反関係はCDCとその母体であるアメリカ合衆国保健福祉省においては「体質的」なものである、と記述している。

CDCとFDAの構成員がワクチン製造業者と利益相反関係にある

 議会の政府改革委員会はFDAとCDCを批判している。というのも両者は企業と利益相反関係をもつ科学者が委員会に所属することを認めているからだ。両機関はワクチン政策に提言を行うような助言者的な役割を果たすのに、だ。

腐敗が常態化—巨大製薬業者は「かつてのタバコ産業のやり口」より、ずっとたちが悪い

 21世紀の大悪党のボスである製薬産業が力をもち、人類をかつてない規模で支配しようとしている。現代における無法者たち、そして「大きすぎて潰せない」悪者たちが、熟練した手口で産業界の腐敗を広めている。彼らの悪行が凄すぎて、かつてタバコ産業が行っていた悪行など、手ぬるく、まっとうにうつる。巨大製薬業者は慎重にことをすすめ、こっそりと私たちの最も基本的な民主主義体制を奪っているのだ。その体制とは、産業界をきちんと点検する体制だ。具体的には、規制機関や法律や政治家や自由な報道(メディア)や学究的環境や客観科学などだ。現在の巨大製薬業者は薬剤に関する法律に影響力を与えるだけでは終わらない。ワクチン製造業者が私腹を肥やし、消費者市場を自動的に手にすることを政府に保証させることまでしている。その消費者市場とは、4200万人の子供たちのことであり、その子供たちに接種させる、安全性が保証されていないワクチンの製造を政府が強制しているのだ。しかもそのワクチンの数は、いまだかつてない量だ。

カネでつながる密接な関係:CDCがワクチン市場を保証する。

 CDC内部の予防接種の実施に関する諮問委員会 (ACIP) は、責任をもって米国市民のため推奨すべきワクチンを例年提案する任務があるのだが、ACIPは企業との結びつきを醸成させ、誰のための機関なのかわからなくなるくらい、国家のワクチン産業の先頭を切る個人や機関の代表となっている。長年にわたる利益相反関係に基づいてACIPの構成員が製薬産業の利益に取り込まれていることは、よく知られた事実であり、多くの記録にも残っている。

UPI通信社の取材: ワクチン業者との利益相反関係

 2000年代の初期、UPI通信社が4ヶ月かけて行った取材により、以下のことが突き止められた。それは「CDC内のACIP構成員とワクチン会社との金銭的による深い関係」だ。具体的には、①ワクチンの特許の共有②ワクチン会社の株の所有③ワクチン接種後の検査のための研究資金や研究費の入手④学部の資金や学内で役職を得るための資金の受給、だ。

CDCの所長は辞任したがCDCの利益相反行為は普通のことだ。

 メディア報道によると、ブレンダ・フィッツジェラルド氏が突然辞任した。同医師は2017年7月にCDCの所長に任命されていた。この辞任はポリティコ誌の報道が利益相反関係を明らかにしたことをうけてのことだ。具体的には、薬剤会社であるメルク社やバイエル社の株を所有していたことだ。これは氷山の一角に過ぎず、CDCは長年巨大製薬業者や巨大医療業者との癒着を望んできたのだ。倫理観などさらさらもたずに。

CDC所属の科学者たちがCDCの腐敗を暴露

 CDC所属の十数人の科学者たちが書簡を送った。その内容はCDC内部には偽研究を行う空気が蔓延しているというものだった。この科学者グループは、CDCの様々な部門を代表していると主張しており、自分たちのことをスパイダー(研究における科学の権威と勤勉さ倫理感を保持する科学者たち)と呼んでいる。その書簡によれば、CDCの意図や目的はすべて、強欲な製薬業者の補助的な役割を果たすことであり、FDAや外部の数多くの団体や荒々しい勢力と連携して、製薬業者にとって高い利益となるワクチンの正当性を宣伝している、とのことだ。

米国に必要なのはワクチンの安全性を調査する独立機関だ

 連邦取引委員会調査部門(OIG)の2009年の報告によると、アメリカ合衆国保健福祉省はCDCには倫理感が欠けているという判断を下したとのことだ。CDCの諮問機関に所属しているほぼすべて(97%)の構成員(その中にはACIPの構成員も含まれる)は、提出を求められた倫理規定に関する質問書の中で、資産公開の情報についての質問に対して答えていなかった。 さらにCDCは、「すべての利益相反行為を特定し、解消すべきだ」という要請を遵守することはほとんどなかった。本来であれば、どのような人々を構成員として加えるかを決定する前に倫理規定の確認を行っておかなければいけないのだが。

「2歳までのすべての子ども」という団体が飼い主の手を噛んだ

 「2歳までのすべての子ども」 (“ECBT”)は世界に向けて、表向きは「自分たちの団体は独立団体であり子を思う親達の思いやり溢れる団体である」という仮面をかぶっている。そしてすべての子どもたちにワクチン接種を施すという重大な任務を負っていると。しかし実際この団体は2つの飼い主を持つ指人形のような団体だ。1)CDCと、2)ワクチン製造業者。この2者がおもにこの団体の資金を出している。

CDCは企業や政治家たちの利益によって影響を受けている

 ヒル紙は、CDCの10数名の情報提供者から提起した懸念について取材している。それはCDC内部でここ数ヶ月行われている内部工作のことであり、それは企業との密接な関係が明らかになるに伴って激しくなっているとのことだ。この情報提供者たちは倫理的な問題点を指摘しており、連邦政府の機関であるCDCが企業や政治家の利益に影響を受け、税金納入者たちをだましている疑いがあるとしている。

非公式のワクチン推進者:CDCは資金を得ており、十分に独立した非営利組織といえる団体なのか?『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル 』誌の取材

 ワクチンを推奨するいくつかの機関は、より強力なワクチン強制接種を実現すべく、圧力を強めている。しかしこれらの著名な機関(自分たちは信頼のおける情報を伝える団体だと自称しているが)は、特定の集団に偏っていない独立した情報を一般市民に提供しているのだろうか?産業界やCDCからの資金を手に、「免疫化運動連合(IAC)」や「2歳までのすべての子ども(ECBT)」などの民間団体のおかげで、ワクチン製造業者は以下の行為を行うことが可能になっている。すなわち「自分たちが矢面にたつことなしに政策に影響を与える」ことだ。

NHS におけるFDA部門の2017年会計年度の概算予算

 FDAは、1992年より前は、公的な資金しか得ていなかった。しかし2017年の会計年度では、FDAの年間予算の増加分の4分の3(75%)は、 ユーザーフィー(FDAが調査を行った企業から得たお金のこと)で賄われている。ということは事実上薬剤会社がFDAの調査官たちの給料を支払っているということになる。

薬剤会社は大金を払って、FDAから新薬の承認を素早く手に入れている

 2015年のフォーチュン誌の記事によると製薬会社は喜んで「大枚」を払い、政府から新薬の承認を素早く得ることにとどまらない。製薬会社は承認を手に入れる過程において、政府が規制を決める際にも、異常なほどの影響力を手にしている。

「CDCはワクチンの特許を20件所持している」という RFKジュニアの主張を調査した

 何十件ものワクチン関連の特許を所有していることに加えて、CDCは、ワクチン製造業者と結託して、新しいワクチンを開発するための計画において製品使用許可を出したり、企業間提携を結んだりまでしている。

CDCに特許が与えられている

 CDCは数多くの特許を所持しているということについて、詳細に調査し直す価値がある。そして以下の2点を見極めないといけない。①CDCとワクチン製造業者の間にどのような繋がりがあるのか?②そのようなカネの流れがワクチンの安全性を決定する際にどのような影響を与えているのか?

連邦諮問委員会法(FACA): 利益相反行為とワクチンの開発—過程の一貫性の保持

 このPDFは、公聴会の書き起こしだ。この公聴会は、米国下院における政府改革委員会に先だって行われた。内容は、利益相反行為とワクチン開発についてのものだ。

WHOの利益相反行為
カメラがとらえた: WHO所属の科学者たちがワクチンの安全性に疑問を持っている

 この衝撃的な映像は、デル・ビッグツリー氏がプロデューサーをつとめる「ハイ・ワイヤ」というサイトが発表したものである。この動画には、教授たちによる一連の発言が含まれている。その発言の真実を聞けば非常に不安になるだろう。この教授たちは12月初旬に2日間かけて行われたWHOの「世界ワクチンの安全性を考えるサミット」に出席していた。しかし、ワクチン業界の精髄ともいえるその教授たちが認めたのは、ワクチンは命に関わる可能性があり、ワクチンの安全性の研究方法は問題を見えにくくするよう設計されており、安全性の検査は不十分で、さらにワクチンの免疫補助剤は危険を増やすものである、ということだ。

WHOが我々に知られたくない事実

 3種混合ワクチンに関して、著名な研究者であるピーター・アービー博士はこう発言している。「このワクチンは子どもたちの死を招く」と。この発言は2019年3月9日にコペンハーゲンで行われた「科学の自由におけるシンポジウム」でのものだ。

一度ひどい目にあうと二度目は慎重になる。ワクチン支持者がワクチン反対者に変わっている本当の理由

 2019年の初旬、WHOはおおげさにこんな宣言をした。「ワクチンを嫌に思うことや、ワクチンを拒絶することが、世界の健康に対する10の主要な脅威のうちの一つに挙げられる」。WHOが言い忘れているのは、産業界の利益が優先されていることだ。とくに、製薬業者の利益であり、製薬業者の目的や手口を実現させようとしていることだ。

WHO: 製薬業者からの寄付金はWHOの指針に違反してはいないか?

 2015年に、サード・ワールド・ネットワークのK. M.ゴパクマー氏は、製薬産業がWHOに送っている寄付金について調査し、その中のいくつかの寄付金がWHOの医薬品推進における倫理指針に違反することを突き止めた。ゴパクマー氏は、最後に以下のような疑問を投げかけている。「このような寄付金が存在するということは、WHOの事務局による指針がきちんと履行されているのかという疑念を抱かせる。

WHOの事務局は、製薬業者の行為についてきちんとした調査を行えるのだろうか? 業者から金銭を供与されているのに。国際機関からWHOに送られたワクチンの安全性に関する公開書簡

 120を超える個人や団体(その中にはロバート・F・ケネディ・ジュニア氏や当団体チルドレンズ・ヘルス・ディフェンスも含まれている)が、2018年WHOに書簡を送った。その内容はWHOを厳しく非難するものであった。具体的には、WHOはワクチンの安全性の検査を少なくし生産速度を上げようとしていることについてだった。その書簡にはWHOが信頼を回復するためにとるべき方向性が羅列されている。具体的には、ワクチンの安全性の検査を重視すること、さらに、ワクチンを接種した人々、接種していない人々、両者において、どんな結果が出るかについての研究を実施することだ。

WHOを本当に支援しているのは誰?

 製薬産業は、自国内だけではなく世界にむけても自分たちの影響力を保持していると自覚している。そのせいで、「反ワクチン主義者」たちに対する反発が世界中で増幅されている。2019年の初旬、WHOはおおげさにこんな宣言をした。「ワクチンを嫌に思うことや、ワクチンを拒絶することが、世界の健康に対する10の主要な脅威のうちの一つに挙げられる」。WHOが言い忘れているのは、産業界の利益が優先されていることだ。とくに、製薬業者の利益であり、製薬業者の目的や手口を実現させようとしていることだ。

ビル・ゲイツよ、ワクチンは病気を治す「奇跡」であり「素晴らしい投資商品」なのか?それとも、子どもの健康に大惨事をもたらし、銀行の倒産を招くことになるのか?

 ゲイツ財団(2000年に設置された財団で当初の寄付金は429億ドルであり、2006年にはウォーレン・バフェットにより300億ドルもの寄付を与えられた)は、今や世界医療における主役になっている。しかも同財団は、WHOに資金を与えている国家以外の最大の団体となっている。ゲイツ財団がもつ「おそるべき謀略力」のおかげで、2010年から2020年にかけての世界の医療は「ワクチンの10年」とも呼べるべき状態になった。そのひとつが、「世界ワクチン行動計画」の立ち上げだ。さらには半官半民組織「ワクチンと予防接種のための世界同盟(GAVI)」の設立だ。この組織は資金のほぼ4分の1をゲイツ財団から得ている。

利益相反行為とインフルエンザの流行

 2010年にブリティッシュ・メディカル・ジャーナル誌とビューロー・オブ・インベスティゲイト誌はある調査記事を公表した。その記事が明らかにしたのは、2009年のインフルエンザ「流行」時の製薬会社とWHOとの金銭的なつながりについてであった。その記事によると、WHOに助言を行っていた専門家たちの中には、申告すべき製薬会社との金銭的なつながりをもっていたものもいたとのことだ。その製薬会社は抗ウイルス剤やインフルエンザワクチンを生産していた。

「言論の自由が奪われたのなら、我々は口をつむらされ黙らされることになるだろう。まるで屠殺を待つ羊のように」―ジョージ・ワシントン














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グリーンピースはフクシマの汚染水を海に流そうという日本政府の計画に「DNAを破壊する恐れがある」と大反対

<記事原文 寺島先生推薦>
Greenpeace condemns Japanese plans to release Fukushima reactor water into the sea, claims it could damage human DNA

RT ワールド・ニュース
2020年10月23日

<記事原文 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年11月15日

 グリーンピースが警告しているのは、今は稼働していないになった日本の福島原発から出される汚染水にヒトのDNAに害を与える可能性がある物質が含まれているということだ。そして、この汚染水は発表された報告によると海に流されることになる。

 「今は廃炉になった福島原発から出される汚染水はヒトのDNAに有害な放射性物質を含んでいる」。グリーンピースからこのような主張が報告された。この報告書は10月23日に発表され、日本政府からの「123万トンの汚染水を太平洋に流す」という発表について報じた。

 この報告書には「波を止めよう2020~フクシマの放射能汚染水危機の真実」という題名がつけられている。この報告書によれば、適切に処理されたとされる汚染水の中には「危険とみなされる量の炭素14」が含まれたままだ、とのことだ。この炭素14とは放射能物質であり、「ヒトのDNAに有害な可能性のある」物質だとしている。

 2011年の大震災と津波の結果起こった原発事故以来、東京電力は、貯まり続ける被災地の汚染された液体の処理に取り組んできた。

ALSO ON RT.COM

Japan expected to dump over 1 MILLION TONS of radioactive Fukushima water into Pacific, fishermen fear ‘catastrophic impact’

 貯蔵タンクが建てられ、そこに汚染水を貯めておく措置が取られた。その汚染水は原子炉の炉心を冷却する際に出されるものだ。しかし除染作業が困難になった。というのは、 原子炉の基盤にヒビが入り、大量の水が地面にしみ出し、地下水を汚染するという状況が起こったからだ。この事態により、当局は処理をするための水がさらに必要になった。

 グリーンピースがさらに弾劾しているのは、政府が原発事故後不信感を広めるような表明をしてきたことについてだった。この報告書は、日本政府はこの汚染水のことを不適切な言い方である「処理水」と呼ぶことで、「汚染水の中にある放射性物質はトリチウムだけだ」という間違った印象を与えている、としている。

 汚染液体を貯蔵しておく場所が、2022年に満杯になると考えられており、当局は、汚染水を海に流すという決定を強いられている。

 日本の菅義偉首相は、10月21日、その決定を素早く行わねばならないと語り、さらにこうつけ加えた。「この問題を永遠に先送りすることはできません。できるだけ早期に責任ある決定を行いたいと考えています」。

 日本政府はまだ正式な表明を出してはいないが、先週報道された内容によると、当局は長い年月をかけて、汚染水を海に放流する考えを持っているようだ。

 2011年3月11日、日本の東北地方の海岸はマグニチュード9の地震、さらには15メートルの高さの津波に襲われた。福島原発は地震の被害はほぼ乗り切ったが、津波によっては大きな被害を受けた。それにともなって発生した炉心融解は、1986年のチェルノブイリ以来、最悪の原発事故となった。
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マスクについての明白な真実


<記事原文 寺島先生推薦>
The Plain Truth About Face Masks
グローバル・リサーチ
2020年9月27日
マイケル・J・タルモ
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>
2020年11月1日

 
 人々は長い間マスクを使用してきた。見つかった中で最古のマスクは9000年前のものだ。マスクの使用法は様々だ。宗教儀式のため。遊びだけのため。工場で化学物質やほこりから身を守るため。スモッグを吸い込まないようにするため。奴隷や浮気性の妻たちを罰するため。そして忘れてはいけない、ハロウィンのため。しかし、この記事で取り扱うのは、医療用に使われるマスクのことだ。

 欧州ではずっと、腺ペストの流行に何度も苦しんできた。17世紀の欧州で、ペスト患者を治療する医師たちが信じていたのは、「ペストは毒に侵された空気からうつる。その空気はミアズム(毒気)という名で知られており、このミアズムが人体中の体液や粘液の不均衡をもたらす」ということだった。自分たちを守るための医師たちのいでたちは、香りがつけられた長いコート、山羊の皮でできた帽子と手袋、そしてハーブやシナモンやミラー(没薬)や香水などの香りがつけられた15センチ長の鳥のくちばしのような形をしたマスクだった。さらに医師たちは患者たちを払いのけ、身を守るための長い棒を手にしていた。当たり前のことだが、こんなばかげた格好は、見た目が馬鹿みたいになる以外なんの足しにもならなかった。


写真はカール・フリュッゲ

 手術室で最初にマスクを着用した医師は、ポーランド人外科医ジョアン・フォン・ミクリッチ・ラデキとフランス人外科医ポール・バーガーの二名で、1897年のことだった。二名は手術中のマスク着用を奨励した。その理由はドイツ人細菌学者カール・フリュッゲが唾液中に病原体となるバクテリアを発見したからだ。それ以来、ガーゼを幾層か重ねた医療用マスクが製作されるようになった。医療用マスクを着用する目的は当時も今も、患者の傷口から医師の口や鼻に呼吸器飛沫が入り込むのを防ぐことだ。さらには、手術中に患者が出す少量や多量の体液から医師が身を守るためだ。しかし当時の医師のほとんどは、ラデキやバーガーの主張には従わなかった。それが、手術室に医療用マスクが普通に置かれるようになるまで何年もかかった理由だ。

 一般の人たちにガーゼマスクをつけさせた最初の医師は、中国人医師の伍連徳である。それは1910年から1911年にかけて満州ペストが流行した時だった。満州ペストでは約63,000人が亡くなった。これが端緒となり、我が国(米国)でもインフルエンザが世界的に流行したときは、一般の人たちにマスク着用を強制することが行われた。そのインフルエンザはスペイン風邪という名で知られるようになる。その病気の最初の症例が見つかったのがスペインであると報じられたからだ。しかし、本当はスペインが発祥地でなかった可能性もある。というのも、当時は第1次世界大戦中であったため、中立国であったスペインとは違い、多くの国で報じられたニュースには検閲がかかっていた。スペイン風邪で亡くなったのは世界中で5000万人~1億人規模であった。なお当時の世界人口は18億人だった。

 タイム誌が2020年5月1日に出した記事は、1918年のスペイン風邪の世界的流行の際、人々にマスク着用の強制をさせたことが人命を救うことにつながったことを示唆する内容だった。マスク着用を推奨するSNS(例をあげるとフェイスブック)では、忠犬のようにその主張を支持した。一方、科学文献はその主張を支持しなかった。

 2020年5月12日に査読を受けた論文を載せている雑誌『ヘルス・アフェアーズ』誌に掲載されたある論文は、以下のようなことを強調していた。「1918年当時のことを研究している専門家による結論は、インフルエンザ対策のマスクは感染を抑えることができなかったということだ」。この記事が引用していたのは、カリフォルニア州保健省のウィルフレッド・H・ケロッグによる1919年の研究だ。「ある地域全体にマスク着用を強制する条例があったが、その条例は症例数や死者数を減らすことにはつながらなかった。これは、マスクに関してその地域と異なる対策をとった都市との比較によりわかったことだ」とケロッグは結論づけた。「流行を抑える対策としてマスク着用を採用することに対する議論の余地はなくなった」。この記事には、さらに二つの研究が引用されている。一つ目は1918年の研究で、もう一つは1921年の研究だ。そしていずれも同じ結論になっている。

 近代科学がマスクについてどんな答えを出すかについて見ていく前に、科学とは何か、科学でないものは何かをはっきりと理解しておくことが重要だ。修士号や博士号を所持している人々が、その称号を利用して行っている権威的な発言は科学ではない。著名人や億万長者の発言も同じことだ。政治家や取締役社長や機関の長や公共医療の長による法令や指令や大統領令も科学ではない。そんなものは正しいかもしれないし、正しくないかもしれない。情報源をきちんと確かめ、利を得る団体を代弁するような偏ったものでないかしっかり見極めないといけない。彼らがいわゆる専門家だからという理由だけで盲目的に信用することは、権力を持つものたちの悪巧みを広める行為に加担することになる。悪巧みを論理的に進めるためには、よこしまな理由付けに基づく間違った信念を広める必要があるのだ。

 科学研究には二種類の手法がある。観察研究と実験による研究だ。統計による相関関係を調べる研究や、コンピューターモデリング(疫学研究)を使う研究が観察研究の例にあたる。このような手法の利点は、もっと焦点を当てて見るべきことは何かを明らかにすることや、臨床試験に関する品質管理に役立つということだ。ただ、このような研究手法は、その研究だけで完結するならばとても不正確な結果で終わることが多い。

 科学における鉄則は、無作為化比較試験を行い確証が取れるかどうかだ。その手続きにより、憶測や偏りを消すことができる。ホルモン除去療法を例にとって説明しよう。当初はホルモン除去療法であるエストロゲン療法は、心臓発作を減らす効果があると考えられていた。この療法は観察研究の結果に基づいたものだった。しかし無作為化比較試験や実験研究が行われた結果、実はエストロゲン療法は心臓発作の危険性を増すことが分かった。旅行の話でわかりやすくたとえよう。疫学研究などの観察研究は旅行でいえば旅程にあたる。無作為化比較試験を行い確証を得ることは、旅行でいうと目的地になる。

 マスクの研究では、いくつかの観察研究や疫学研究では、マスク着用を強制している地域においては、そうしていない地域とは違い、マスクはCOVID-19の症例数や死者数を減らすという結果が出ているものもある。しかし、反対の結果が出た研究もある。例えば、人口1004万5000人のミシガン州は、非常に厳格な都市封鎖措置やマスク着用の強制を行っていた。一方、人口1011万405人のスウェーデンでは、厳格な都市封鎖措置やマスク着用の強制措置は取ってこなかった。ミシガン州でのCOVID-19による死者数は7019人でスウェーデンは5880人だった。このような数値を都合よく利用することは可能だが、そんな数値はただの臆測にすぎない。本質的な問題は、マスクがウイルス粒子の侵入を遮ることができるかどうかだ。この疑問に答えを出すには、実験による研究を行うか、無作為化比較試験を行い確証を得るしかない。そう、実際に直接マスクの着用を調べた研究で確かめるしかないのだ。そして、そんな研究はすでに数えられないくらい行われてきた。

 マスクに関して最も的を得た研究といえば、HSE(英国衛生安全庁)による2008年の二論文だ。HSEとは米国のOSHA(労働安全衛生局)にあたる機関だ。そしてその二論文の題名は、「インフルエンザのバイオエアロゾル対策としての医療用マスクの保護能力の検証」と「顔面を覆うろ過呼吸器(N95マスク)と比較した医療用マスクの防御力」だ。

 研究の背景: 「医療関係者にはある誤解がある。それは、医療マスクは人体をエアロゾルから保護できるという誤解だ。しかし、実際のところ医療用マスクは感染を引き起こすエアロゾルから人体を守るようには設計されていない」。

 エアロゾルというのはとても細かい物質であり、呼吸器から出される飛沫よりもずっと小さい。そしてエアロゾルは空気中に長い期間とどまり、さらに遠くまで飛ぶこともある。人間がこのようなエアロゾルを吐き出すのは、呼吸をしたり話したりする時だ。そしてエアロゾルは大量の病原体ウイルスを内包することがある。人体において、そのエアロゾルに対してもっとも脆弱な箇所は呼吸器系統だ。

 このHSE(英国安全衛生庁)の研究においては、さまざまな種類のマスクが人体模型の頭を使って検査された。具体的には、その人体模型にインフルエンザウイルスの粒子の入ったエアロゾルを噴射し、マスクがそれらを遮ることができるかを調べた。インフルエンザウイルスはCOVID-19を誘発するとされているSARS-CoV-2ウイルスと同じような大きさだと考えられている。

 21ページ: 「感染力のある活性化ウイルスが、検査に使用されたすべてのマスクの内側から検出された。ということは、インフルエンザウイルスはエアロゾル粒子中や隙間から侵入するので、残余エアロゾルに感染する危険が存在する可能性があるということになる」。

Do Face Masks Work? 8 Peer-Reviewed Studies


 22ページ: 「マスクが高度な防御力を持つ効果的な素材で製造されていたとしても、医療用マスクを通り抜けて侵入してこようとする粒子は、高い確率で呼吸する空気内に入り込んでくる。それは、顔面を覆うマスクの隙間を通して入り込んでくるのだ。さらに、防御力が高く、液体が入り込むことを防ぐ層でできたマスクは、呼吸を苦しくするので、そのようなマスクは使用しにくい。このことと、マスクが顔面にぴったりと密着できないこととが重なって、顔面の密閉を突破する侵入物は増えることになる」。

 23ページ: 「医療用マスクは、顔面にピッタリと密着はできないので、マスクは空気感染の危険性から人体を守るのには適さない可能性がある」。

 学術雑誌『ピアJ(生命と環境の科学誌)』に掲載された2019年6月26日の論文「顔面マスクの表面形態と防御力に関する顕微鏡を使った最適な研究」によれば、布マスクは医療用マスクよりもずっと役に立たないようだ。

 研究の背景: 「様々な布で作られた廉価マスクは発展途上国でよく使用されている。布マスクはだいたい二層でできており、伸びる耳かけがついている。このようなマスクを何度も洗って乾かすことを繰り返して何か月も使用し続けるのも、よく見られることだ。布マスクを長期間使うと、耳かけが伸びてしまう。マスクを顔にぴったりと密着させるためには、耳かけを結びなおして使わないといけなくなる」。

 結論: 「周りに存在する粒子的物質に対して、布マスクの防御効果は、医療用マスクよりも劣る。なぜ劣るかというと、布マスクのほうが表面の隙間の大きさが大きいからだ。我々が実際にやってみてわかったことは、洗って乾かすことを繰り返して何度も使うと、防御効果が劣化することがわかった。というのも洗ったり乾かしたりすることで、表面の隙間や清潔度が変わってしまうからだ。さらにわかったことは、布マスクの表面を伸ばすと隙間の大きさが変わってしまい、マスクの防御力を低下してしまう可能性があることだ。この研究結果から推測されることは、布マスクに効果はなく、防御力も使用するに従い低下するということだ。それは、何度も洗って乾かすということを繰り返したり、マスクが伸びたりした場合だ」。

 では、CDCが推奨しているのはどんなことだろう?「布マスクは、洗って使いなさい」、だ。

 要点: マスクといえばどんな種類のマスクでも、ごく小さい隙間があちらこちらに空いている。隙間がないマスクを使えば、呼吸ができないということになる。バクテリアが病原体であった1911年の満州ペストとはちがい、スペイン風邪のような呼吸器系の病気はウイルスが引き起こす。ほとんどのバクテリアの平均的な大きさは0.2~2.0ミクロンだ。ウイルスはそれよりもずっと小さい。SARS-CoV-2 ウイルスの大きさは、0.06~0.14ミクロンだ。その大きさは、どんなマスクの隙間の大きさよりもずっと小さい。N95マスクの隙間の最小値は0.3ミクロンだ。ただ、ウイルスはウイルス単体で空気中を移動しているのではない。飛沫やエアロゾルの中に入って移動する。それらの飛沫やエアロゾルはウイルスよりも大きい。しかしそれでも飛沫やエアロゾルは、どのマスクの隙間も通り抜けられるくらい小さい。マスクの隙間が大きければ大きいほど、マスクを通り抜ける粒子や飛沫の量は多くなる。

 2020年6月1日のAAPS (米国医師・外科医協会)の研究について述べる。この研究は布マスクやスカーフが、0.02~1ミクロンの大きさの微粒子に対してどのくらいの防御力があるかについて調べた研究だった。「布マスクでは10~30%」「スカーフでは10~20%」。「すべての種類の布マスクや材質には0.3ミクロンという大きさの粒子には対応できず、その粒子は簡単に肺に侵入していく」。その研究においては、さらに、44種類の医療用マスクや、0.08~0.22ミクロンの大きさの粒子に対応できるN95マスクの効果について調査している。「N95 マスクの効果は95%以上ある」。「医療用マスクの効果は、55%だ」。「通常マスクは38%だ」。

 考慮すべき点は二点ある。まず、ビリオン(細胞外にあるウイルス)が一つでも存在し、それが細胞内に入り込んで増殖すれば、感染を引き起こす。この事実は、「マスク着用は何もしないよりましだ。というのもある程度ウイルス粒子を遮るのだから」という主張につながる。

 さらに、CDCはN95マスクを一般の人々が着用することを奨励してはいない。それは、医療従事者が使うためにとっておかないといけないからだ。医療現場においては、感染力のあるウイルス粒子を少なくとも95%遮る力があるN95マスクで人々の顔面を覆う必要がある。しかし、CDCが推奨しているのは、一般の人々に布マスクを着用することだ。その布マスクはウイルス粒子から人体をせいぜい30%しか守ってくれない。今、問うてみたいことが一つある。「このような施策は本当に公共医療の施策として正しいのか?」。その答えは簡単。ウイルスによる疾病を防ぐための理由で、マスクを着用したとしても、時間の無駄でしかない。

 もっとも綿密で包括的な科学研究には、たいていメタ分析(訳注 複数の研究の結果を統合し、より高い分析を行うこと)と組み合わせたシステマティック・レビュー(訳注 文献をくまなく調査し、偏りを取り除いた分析を行うこと)が必須である。科学研究というものは、まさに「証拠を積み重ねたピラミッド」の頂点にあるべきものだ。ミネソタ州ノース・セントラル大学図書館のホームページから引用しよう。「システマティック・レビューとは、ある特定の研究課題についての先行研究を詳しく研究し直すことだ。その行為により、研究から得られた質の高い証拠が体系的に特定され、選択され、評価され、統合される。その結果、研究課題の問いに答えられるようになるのだ。つまり、その行為により、ある特定の研究主題や研究課題に関連した研究文献のすべてを網羅できるようになるのだ。そして、システマティック・レビューは、しばしば専門家集団により記述されている。その記述が行われるのは、すべての情報が見直された後のことだ。そのため、専門家集団は出版されている文献からも出版されていない文献からも情報を集めているのだ」。

 マスクに関しては、数多くのシステマティック・レビューが行われてきた。そしてすべての研究は同じ結論にたどり着いた。以下はその中の2つの研究だ。

 論文審査のある学術誌に掲載された論文: 「インフルエンザや他の呼吸系ウイルス」誌に掲載された2011年の論文「インフルエンザの感染を防ぐためのマスクや呼吸器の使用~科学的証拠に基づいた体系的な再考察~」。その論文では17本の研究を再考察し(論文の論議欄を参照) 、こう結論づけている。「私たちが再考察したどの研究も、マスクや呼吸器の使用がインフルエンザ感染の保護になるという相関関係は示していなかった」。論文著者はこう続けている。「結論として、医療現場や地域におけるマスクか呼吸器(あるいはその双方)の使用効果を裏付ける証拠は限られたものだということがわかった」。

 おそらく、今までで最も包括的に行われた研究は論文審査のある科学誌であるカナディアン・ファミリー・フィジシャン(CFP)誌に掲載された2020年7月の論文だ。題名は、「医療現場や一般医に使用されている呼吸器系疾病ウイルス感染の防御のためのマスク~査読を経た包括的なシステマティック・レビュー」。この論文ではシステマティック・レビューは11度行われ、さらに26,444人の被験者による18度の無作為化比較試験も行われた。

 まとめ:「全体的に見て、社会におけるマスクの使用は、インフルエンザや確認されているウイルスによる呼吸器系疾病の感染やインフルエンザに似た症状の病気や院内での呼吸器系の疾病に感染する危険を緩和するわけではないことがわかった」。

 公共の場での研究結果:「公共の場においてマスクを着用しても、おおむね、確認されているインフルエンザや呼吸器系の疾病に感染する危険性を緩和しなかった。どの集団(全員がマスク着用をした集団、マスク着用をした病人だけの集団、マスク着用をした家庭内で健康な人だけの集団)においても、統計上有意な結果はでなかった」

 医療現場での研究結果:「医療従事者によるマスクの使用についての無作為化比較検査を6度行ったが、そのうちマスクを着用しない対照群を設定したのは2度だけだった。これらの検査においてわかったことは、マスクを着用していない人と比べて、マスクを着用している人は、インフルエンザに似た症状の病気や、ウイルスによる呼吸器系の病気への感染リスクを緩和しないことがわかった」。

 論議:「公共の場における研究で特に調べたかったのは、家庭外の公共の場において体系的なマスク着用に良い効果があるかどうかだった。しかし、そのような証拠を見つけることはできなかった」。

 お待たせしました。マスクに関する最新の知識体系が以下の論文で確認できる。以下は、デニス・ランコート医学博士の論文だが、これが一番よくまとまっている。2020年4月にリサーチ・ゲート誌で発表した論文、「マスクは役に立たない~COVID-19対策として社会がとっている政策に関する科学的な再考察」だ。

 4ページ:「医療従事者に(マスク着用が)効果があるという確証が出た無作為化比較検査はなく、それは家庭においてマスクや呼吸器を使用した家族構成員についてもおなじことだった。そんな結果は何一つ出ていない。例外はない」。
 
 それなのに、政治家や医療関係の権威者、さらにはメディアが垂れ流し続けているのは、「一般市民のマスク着用には効果があるという証拠がどんどん出てきている」という情報だ。WHOが6月5日に出した、マスクに関する「暫定的な手引き」の6ページで、WHO (世界保健機構)は、以下のことを認めている。それは公共的な空間でのマスク着用は「程度の高い証拠や、科学的な証拠に裏付けられてはいない」ということだ。それなのに、WHOが主張しているのは「観察研究で得られた証拠が増えて」いることであり、マスク着用には効果がある可能性を示唆している。

 米国医療機関(JAMA)誌の7月31日の記事は以下のようなことを警告していた。「観察研究」においては 「比較検査が適切に行われることが少なくなり、信頼できる事実の発見が遅れる」場合もある、と。さらに、「指導者や専門家や医師たちが信頼できる証拠がないのに急いで判断することを避けられないのであれば、観察研究を比較する手法が広まりCOVID-19に対する効果的な治療法を見つけるという目的の妨げになる。COVID-19だけではなく、その他多数の疾病についても」(4-5ページ)

 もう一つ考慮すべき要因は、マスクが着用した人に与える負の効果だ。飲食業者や友人や一般市民の人たちが私に訴えてくるのは、どれだけマスクを着用したくないかについてだ。そして、その理由は「一日中仕事場でつけていると、息ができないし、頭も痛くなるし、疲労感にさいなまれる」だそうだ。それでも、マスク着用が少しも気にならないと私にいう人たちもいる。マスクをつけたままで、チェアマッサージ(いすに座ったままで行うマッサージ)をしてもらったり、マスクをつけたまま市役所に行ってマスク着用条例に反対する主張を行ったりすることも何度かあった。その際は、私も不快になり、不安を感じた。しかし、科学においては、私が感じたようなこんな状況は、アネクドート(一症例について述べたもので信頼できないもの)と見なされる。アネクドートは、ある個人が経験したことや感じたことについての個人的な見解に過ぎず、科学的な数値として取り上げてもらえない。しかし、私たちが自分の人生においてある決断を迫られたときは、このアネクドートに頼るのが普通だ。科学的手法によりすべての答えを出すことはできないし、たぶんすべての答えは出てこない。しかし、政府が人々にマスク着用や社会的距離の確保などといった政策を強制させるような場合は、科学的証拠はなくてはならないものだ。

 私たちは生きるためには空気を吸わないといけない。空気がなければ大多数の人は3~5分で命を失う。鼻や口は、空気を遮るようにできていない。マスクが呼吸の障害になるのは明らかだ。そんなことをいうために科学の力を借りなくても良い。私たちは酸素を吸い込み、二酸化炭素(CO2)を吐き出す。二酸化炭素は様々な代謝作用や生物科学作用の結果排出される不要物だ。血液中や組織中の酸素不足(低酸素血症または低酸素症)や、 血液中の二酸化炭素が多すぎる状況(高炭酸)は、頭痛、呼吸困難、咳、ぜんそく、めまい、精神錯乱、集中できない、疲労感、パニック、頻拍、ひきつけ、過呼吸などの症状の原因となり、死に至ることもある。

 世界保健機関(WHO)は、明白に「運動中のマスク着用はしない」よう主張している。CDCは、恥知らずにもWHOの主張と歩調を合わせている。いわく「呼吸困難になるのであれば、運動中のマスク着用ができないときもある」と。しかしCDCが明確に言及しているのは、呼吸に問題がある人はマスクを着用すべきではないということだ。さらに頭に置いておいてほしいことは、マスクをしたままだと、はき出したバクテリアやウイルスを再度吸い込んでしまうということだ。そのようなバクテリアやウイルスは自分がはき出した二酸化炭素内やマスクの材質の中にある染料や化学物質の中に存在している。喫煙者であるならば、毒素やタールやニコチンの中にも。以下の論文を読めば、このことに関して科学文献がどんな答えを出したかがわかる。

 以下は、国立台湾大学病院が、2005年に米国国立医学図書館発行の学術誌に発表した論文だ。題名は、「医療従事者に対するN95マスクの医学的効果」だ。

 研究の詳細: 「N95マスクを着用すると血液中の酸素が低下し、二酸化炭素が増加するため、作業効率や決断力に低下を招く」。さらにこう続く。「医療従事者は“重症急性呼吸器症候群(サーズ)”に感染する危険が増すのにN95マスクの使用が世界中で推奨されている。しかし、めまい、頭痛、呼気不足といった症状が、N95マスク着用者に起こるのはよく見られることだ。(ちなみに、サーズでなくなったのは世界でたった774人)。

 2008年、医療用マスクが手術中の外科医に与える影響についての論文が、『脳神経外科学(スペイン脳神経外科学会誌)』誌に掲載された。題名は「大規模な手術中に低酸素症を引き起こす医療用マスクについての暫定報告」。この研究は24~54歳の53人の外科医を対象としており、対象者はすべて非喫煙者で、慢性的な肺の病気をもっていない人たちだった。この研究では、パルスオキシメーター(脈拍数と血液中の酸素濃度を測る器具)を用いて、ヘモグロビンの酸素飽和度が大手術中の医療マスク着用により影響をうけるかを計測した。

 研究の導入:「手術室にいる外科医がしばしば体験するのは、不快感や疲労感であり、場合によっては手術中の判断力の低下が起こることもある。手術室では適切な空気調整が行われているのだが、医療用マスクをつけた状態での手術はしばしば適切でない状況に置かれている。そのため、外科医のマスクをきちんと着用していなかったり、マスクをまったく着用しないこともある。熱と水蒸気がマスク内で閉じ込められるということは既知の事実であるので、はき出された二酸化炭素もマスク内に閉じ込められる可能性があると考えるのが自然だ。そのことが血液中の酸素結合を減らすことにつながる」。

 研究結果:「手術後のヘモグロビンの酸素飽和度は、どちらの年齢層集団においても有意に減少した」。この場合の年齢層とは、35歳以上の年齢層か、35歳より下の年齢層のことだ。

 『脳神経外科学(スペイン脳神経外科学会誌)』誌に掲載された論文と、YouTube上にアップされた動画を一緒にしてはいけない。その動画では、外科医と一般の人々のマスクの内側に酸素計測チューブをつけ、その計測値を示している。この動画には意味がない。理由は二つある。まず、この検査の状況はきちんと制御されたものではない。マスク着用時の血液中の酸素濃度については、さまざまな状況下で計測しないといけないのに、だ。たいてい、一般の人たちの酸素濃度は低い値を出し、医師たちの酸素濃度は減少した値にはならない。それは、医師たちはマスクをすることになれているからだ。しかし、そんなことはどうでもいいことなのだ。というのも、ある動画の中で使用されている装置であるアルティア5Xマルチガス検知器といった器具は、マスクの中で何が発生しているのかを検知するために設定された器具ではない。

 マスク着用のもう一つの問題点は、マスクが、病原体となる微生物の事実上の繁殖地になってしまうことだ。以下は、医学誌『ジャーナル・オブ・オーソパエディック・トランスレーション』誌に掲載された2018年の論文だ。:「手術時においては、医療用マスクがバクテリア汚染の原因になる」

 要点:「この研究の目的は、医療用マスクがバクテリア流出を引き起こし、手術部位感染の危険性を高める可能性があるかどうかである」。

 研究方法:「調査したのは①外科医が着用していたマスク内と手術室内に置かれた未使用のマスク内のバクテリアの数の違い②マスクの着用時間により生じるバクテリアの数の差、の2点である」。

 研究結果:「手術時間が延びれば、医療用マスクの表面のバクテリアの数は増加した。さらに、バクテリアの数は手術室内よりも外科医の体内の方が有意に多かった。加えて、2回目に使用したマスクの表面上のバクテリアの数は、1回目に使用したマスクの表面上と比べて有意に多かった」。

 結論: 「医療用マスク内で細菌汚染を起こした細胞は、手術室内で発生したものではなく、外科医の体内から発生したものだった。そして、私たちが外科医に推奨したいのは、手術を一度行うごとにマスクを変えてほしいということだ。とくに手術時間が2時間を超えるような手術の際には」。

 英国の医学誌『BMC 感染症』に掲載されたウイルス汚染量の研究においても、同様の結果が出ている。

 マスクの内部で病原体のある微生物が増える主要因は、汗だ。蒸し暑い日にマスクをつけて歩き回ったらどうなるだろう?汗をかく。さらに悪いことには、マスクをきちんと着用していなかったり、マスクをきれいに保っていない人がほとんどだ。面倒なので、マスクを外さないで、首につけたままの人もいる。CDCの説明によると、こうするとマスクは汚れてしまう。マスクを外して、そのマスクをポケットや手提げ鞄に入れる人もいるし、床にマスクをおとしたのにそのまま、またそのマスクを顔につける人もいる。マスクを鼻の下につけている人も多い。でもそんな人たちを非難できるだろうか?なぜなら息がしたいだけなのだから。CDCのサイトに行き「マスクの着用法」という記事を見れば、自分や他人がどれだけ強迫観念に駆られて、そこに羅列されている手引きに従っているかがわかるだろう。ほとんどの人はそんな手引きを読みさえしないだろうし、その手引きに従う人はほとんどいないだろう。人々にマスクの着用を強制することは、病気や貧困な医療を広げることにしかならないだろう。病気を防ぐどころではなく。以下はWHOのサイトからの引用だ。「汗のせいでマスクはしめりやすくなり、息がしにくくなる。そうなると微生物の拡大が促進される」。

 アンソニー・ファウチやデボラ・バークスやCDCの局長ロバート・レッドフィールドや公衆衛生局長官ジェローム・アダムスWHOなどの偉いさん方は、今までに私が述べてきたようなことは理解している。だからこそ、彼らは当初、マスク着用に反対する主張をしていたのだ。ファウチのいうでたらめにだまされてはいけない。彼はN95マスクが不足しているので嘘をついていただけだからだ。当初からファウチは一般市民にマスク着用を推奨することができたのに。なぜそうしなかったのか?なぜ、180度逆のことをしたのか?

 5月27日のCNNのインタビューで、ファウチはマスクを「象徴にしたい」と語った。何の象徴かといえば、我々がすべきことを実行していることを示す象徴だ、と。たとえ「100%の効果は望めない」としても、マスクは「周りの人々への敬意を伝えるもの」なのだから、と。

 2020年4月1日、『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』誌は、3名の医学博士と1名の看護師が書いた記事を載せた。その記事を読めばもっとはっきりとわかる。「私たちは医療機関以外でのマスク着用はほとんど効果がないことを知っている。感染症から身を守るという意味においては。さらに明らかなのは、マスクが果たしている象徴的な役割だ。マスクはただの道具ではなく、お守りでもある。そのお守りのおかげで、医療従事者に安心感を与える可能性がある程度のものだ」。

 言い換えれば、マスクは何の価値もないということだ。大量のウイルス病原体が空気中を動き回り、どんなマスクでも通り抜けていく。科学が証明したこの真実は全く変化していない。変わったのは、政治権力が繰り出してくる悪いたくらみだ。




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