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ロシアに諜報機関はあるのか?

<記事原文 寺島先生推薦>
Does Russia Have an Intelligence Service?
筆者:ポール・クレイグ・ロバーツ
出典:ポール・クレイグ・ロバーツのブログ  2024年12月9日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年12月17日


ロシアに諜報機関はあるのか?

私はそうは思わない。官僚機構や省庁、肩書のある人はいるが、諜報能力はない。

プーチン大統領は、米国が訓練と装備を提供したグルジア軍が南オセチアに侵攻しようとしていることを知らず、中国でオリンピックに参加していた。

プーチン大統領は、米国がウクライナ政府を転覆させようとしていることを知らず、ソチオリンピックに参加していた。

プーチン氏は、欧米諸国がミンスク合意で彼を欺いていることを知らなかった。このために8年を無駄にし、八方ふさがりの状況に陥り、3年も続く軍事衝突に身動きが取れなくなってしまった。そして、この衝突は米国とNATOによるロシアへのミサイル攻撃にまで拡大している。それでもロシアは警戒態勢を解いている。プーチン氏はこの攻撃について知らされていないのだろうか?ラブロフ氏はカールソン氏に、ロシアは欧米諸国と戦争状態にはないと語った。

プーチン大統領は米国がシリアを政権転覆させようとしていることを知らなかった。ラヴロフ外相はタッカー・カールソンとのインタビューで、シリアでの紛争の再燃により外交的解決策を見出すための十分な時間があるかのように語った。インタビューが終了する頃にはシリアが転覆させられることになるなどとは露ほども思っていなかったのだ。

ロシアは、米国がノルド・ストリーム・パイプラインを爆破するつもりであることを、バイデンが明確に伝えたにもかかわらず、気づいていなかった。

ロシア政府が、ロシアにとって不利な結果をもたらす差し迫った出来事について、まったく気付いていないなどあり得るだろうか?
NKVDやKGB*の恐ろしい時代を経験したプーチンやラブロフのようなロシアのリベラル派は、情報機関は民主主義国家にとって危険で不必要であると確信しているのだろうか?
*NKVD(エヌカーゲーベー)とは、ソ連の内務人民委員部(NKVD)の国家保安総局を母体としていた秘密警察機関。ロシア語ではゲーペーウー(ГПУ)とも呼ばれていた。KGB(カーゲーベー)は、ソ連の国家保安委員会の略称。

シリアの突然の崩壊は、状況を完全に変えてしまった。米国とイスラエルはロシアとイランの損失で多大な利益を得た。イスラエル政府は、大イスラエル構想に反対するイランとヒズボラの能力が大幅に弱まったという状況の大きな変化を見ている。

エルサレム・ポスト紙は、イスラエル国防軍作戦司令部のチーフであるイスラエル・ジブ少将が、シリアの崩壊は大イスラエル構想に対する抵抗軸を弱体化させ、米国とイスラエルの利益の障害となっているイランを排除するために、ワシントンとトランプ大統領が活用できる歴史的な好機をもたらしたと述べたと報道した。

2024年は、米国とイスラエルによるパレスチナとシリアの消滅で幕を閉じる。2025年にはレバノンとイランが標的となるだろう。そしてもちろんロシアもである。

シリアの崩壊の早さは、米国が将軍や政府高官を買収することでシリアの崩壊を早めたのではないかという疑問が提起される。シリア軍は、ロシアの空軍力の支援を受けて、これまでの攻撃をうまく撃退していた。 しかし、今回はシリア軍が陣地から撤退し、戦うことを拒否したため、都市は敵対勢力に開放されることとなった。エカテリーナ・ブリノバは、ここにいくつかの情報を提供している。https://sputnikglobe.com/20241208/why-are-israel-and-the-us-salivating-over-syrias-break-up-1121126981.html
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やはりアルカイダを育てたのは米国で、イスラエルは裏で支援

<記事原文 寺島先生推薦>
How the U.S. and Israel Quietly Revived Al-Qaeda Allies in Syria’s Idlib Offensive
筆者:ロバート・インラケシュ(Robert INLAKESH)
出典:Strategic Culture Foundation 2024年12月5日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年12月17日


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アルカイダ系組織ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)が先頭に立つシリア反政府勢力がアレッポを制圧した後、領土拡大を狙って攻勢を強める中、米国政府はこの攻撃から距離を置いている。イドリブに拠点を置くいわゆる「穏健派反政府勢力」の武器化を長年支援してきたことを考えると、これは注目すべき転換だ。

バラク・オバマ大統領の政権下で、米国政府はバッシャール・アル・アサド政権を打倒するための秘密作戦に何十億ドルも密かに注ぎ込んできた。CIAによるアサド打倒作戦のティンバー・シカモア計画はCIAの最も高額な事業の一つで、最盛期には訓練を受けたシリア人戦闘員1人当たり10万ドルが注ぎ込まれていた。彼らの多くは最終的にアルカイダ系勢力の旗印の下で戦うことになった。

米国政府が共謀していた全容は、漏洩した電報で明らかにされた。2012年に当時のジェイク・サリバン副大統領補佐官が当時のヒラリー・クリントン国務大臣に「アルカイダはシリアでは我が国の味方である」という驚くべき告白をした内容だった。国家安全保障会議のブレット・マクガーク中東調整官は後にイドリブを「9.11以来最大のアルカイダの避難場所」と呼んだ。

2020年の下院外交委員会小委員会公聴会で、後にバイデン政権下で中東担当国防次官補(DASD)となるダナ・ストルール氏は、「ロシアとイランはシリアを安定させたり再建したりする資源を持っていない」と主張した。彼女は、すでに混乱しているシリア経済は「悪化の一途をたどって」おり、レバノンの経済危機と米国主導の制裁体制によって状況は悪化している、と主張していた。

ストルール氏はさらに、「今が好機だ」と述べ、積極的に取り組むよう提唱した。同氏は米国が「次の暴力の発生を政治展開の再活性化につなげる」ための計画を始めることを提案した。さらに同氏は、この戦略には米国とトルコの和解、政治問題、制裁、復興支援の拒否に関する断固たる姿勢の維持が含まれるべきだ、と強調した。

米国側の目的は揺るぎない。それは、シリア領土からイランを追い出し、シリア政府にレバノンのヒズボラとの同盟を放棄させることだ。この野望は単なる戦略ではなく、イスラエルと米国の利益に有利になるように地域の力の均衡を作り変えることを見通したものだった。

HTSがアレッポを占領した後、アラブ首長国連邦と米国は、この機会をとらえ、しっかりと将来を見通した上での新たな中東構想を推進しようとし、シリア国内の戦闘の核心に触れるような提案をおこなった。その提案とは、シリアにとって長年の同盟国であるイランとの関係を断絶するのと引き換えに制裁を解除する、という提案だ

今年初め、米国・シリア連合と名乗る政権転覆を支持する圧力団体連合は、毎年恒例の宣伝活動の日、ワシントンで米国当局者らと会合を開き、アルカイダ系組織への資金援助を訴えた。ニュースサイト「グレイゾーン」が発表した記事によると、リック・スコット共和党フロリダ州上院議員の首席補佐官はシリア反体制派の支持者らに対し、「イスラエルはあなたたちに政権を握ってほしいと思っている」と安心させたという。



ワシントン近東政策研究所(WINEP)などの親イスラエル系政策研究所の分析によると、「アラブ連盟」はシリア支援に姿勢を変えたという。しかし、この支援には計算された目的がある。それは、米国とイスラエル双方の目的と完全に一致する反イラン政策を推進することだ。

全体的な目標は明確だ。シリアで交渉による解決を実現し、バッシャール・アル・アサド大統領にイランとの関係を断ち切らせ、ヒズボラへの武器の流入を止めさせることだ。

ここ数年間、シリアでの戦争が膠着状態に陥るなか、西側諸国の外交政策当局は、ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)の印象を一新する取り組みに乗り出した。この取り組みの中心となったのは、HTSの指導者、アブ・モハメド・アル・ジュラーニの印象を変えることだった。軍服を着ていることで知られるアル・ジュラーニは、米国のテレビに劇的に異なる様相で再登場した。スーツを着て、洗練された正式な指導者として登場したのだ。

ワシントンに拠点を置く政策研究所、戦略国際問題研究所はHTSの分析で 次のようにHTSを分析している。

「HTSは、シリア国民に受け入れられるような措置や国際的なイスラム主義組織に対する対テロ作戦、イドリブ北部の統治構造構築の試みを明確に宣伝している。この持続的な宣伝行為と、HTSが支配する地域以外で軍事作戦がおこなわれていない点は、同組織が国際的な援助や資源、そして最終的には承認を得るために、シリアで比較的穏健な統治勢力としての地位を維持し続けようとしていることを示している。」

トランプ政権下で元米国大使およびシリア関与担当特別代表を務めたジェームズ・ジェフリー氏は、ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)をイドリブにおける米国の戦略にとって「資産」と評した。

ハヤト・タハリール・アル・シャム氏率いるHTSの印象を変えようとする行為は、拷問や人権侵害の非難が報告されているにもかかわらず前進しており、同組織はその大義に共感するイドリブのジャーナリストさえも標的にしている。2020年の国連報告書はこのような状況にさらに暗い影を落とし、HTSを含むシリアのあらゆる主要派閥が、その勢力を強化するために子ども兵士に依存している点を指摘している。

米国はシリアにおける最近の緊張激化への直接的な関与から公式には距離を置いているが、現実はもっと複雑である。公式にテロ組織に指定されている組織を公然と支援することには、米国政府が受けたくない恥辱を被る危険がある。

この記事の初出は、mintpressnews
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