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ジョージア(旧称グルジア)での抗議活動は第二のマイダン革命か?

<記事原文 寺島先生推薦>
Kremlin compares Georgia protests to Maidan coup
ドミトリー・ペスコフ報道官は、旧ソ連共和国で「オレンジ革命」が起ころうとしている、と主張
出典:RT 2024年12月2日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年12月11日


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ジョージアのトビリシにある国会議事堂の外で、機動隊に向けて花火を打ち上げる抗議者 © Getty Images / Jay Kogler ; SOPA Images; LightRocket


ジョージアで現在起きている反政府抗議行動は、2014年に西側が支援したウクライナのマイダン武力政変に匹敵し、「オレンジ革命」の試みのあらゆる兆候を示している、とクレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は月曜日(12月2日)、記者団に語った。

ジョージアのイラクリ・コバヒゼ首相がEU加盟交渉を2028年まで凍結すると発表したことを受けて、ジョージア政府は木曜(11月28日)以来、反政府・親EU派の抗議活動に揺れている。同首相は、この決定の理由として、EU当局によるジョージアの国内政治に対する「絶え間ない脅迫と巧妙な操作」を挙げた。

デモ参加者はその後も繰り返し警察と衝突し、花火を打ち上げ、機動隊に火炎瓶を投げつけている。機動隊はデモ参加者を解散させるために催涙ガスや放水砲を使用している。報道によれば、250人以上が逮捕された、という。

ペスコフ報道官はジョージアでの出来事について、「状況を不安定化させようとする明らかな試みがある」とし、近年「多くの国」で同様の出来事が起きている、と述べた。

「最も直接的な類似点はウクライナのマイダン事件です」とペスコフ報道官は述べた。これは2014年に西側が支援したキエフでの武力政変を指しており、この武力政変によりウクライナで民主的に選出された大統領が追放され、ロシアとウクライナの現在の紛争が引き起こされた。ペスコフ報道官はさらに、ジョージアの反政府デモには「『オレンジ革命』を遂行しようとする試みのあらゆる兆候があります」とも付け加えた。

しかし、同報道官は「ジョージアで起きることはすべてジョージアの内政問題です」と強調した。そして、同国の当局が状況を安定させる措置を講じている限り、ロシア政府は干渉しない、と述べた。

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関連記事:Georgian police arrest over 100 at pro-Western protest (VIDEOS)

コバヒゼ首相は、この集会を「国の憲法秩序に対する攻撃」と激しく非難し、市民の騒乱は「EUの政治家とその代理人」のせいだと主張した。さらに、西側諸国が、米国が支援したウクライナのマイダン革命と同様の武力政変を画策している、と非難した。

コバヒゼ首相は「2013年のウクライナとは異なり、ジョージアは強力な制度と、何よりも経験豊富で賢明な国民を持つ独立国家です。マイダンでの展開はジョージアでは実現できません。ジョージアは主権国家であり、こんなことを許すつもりはありません」と主張している。

いっぽう、米国はジョージアがEU加盟交渉を凍結した決定に対し、同国との戦略的友好関係を停止し、この動きを「ジョージア憲法への裏切り」だとして非難した。

EUのカヤ・カラス外務政策担当長官も、抗議活動家に対する弾圧を理由にジョージア側に対する制裁を検討していると述べた。
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プーチンも習もイランも 不意を突かれる

<記事原文 寺島先生推薦>
Putin and Xi and Iran The Unready
筆者:ポール・クレイグ・ロバーツ(Paul Craig Roberts)
出典:ポール・クレイグ・ロバーツのブログ 2024年12月8日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ> 2024年12月11日


ワシントンがロシアに対して仕掛けた第3の戦線は、即座に成功を収めた。

プーチン大統領が一度も仕事をやり遂げられないことが、シリアを失う結果となった。今やイスラエルとイスラエルの「大イスラエル」という目標の間に立ちはだかるのは、イランとサウジアラビアだけである。ロシアとイランの無関心と行動力のなさを目の当たりにしたサウジアラビアは、アメリカの保護と引き換えにペトロダラー(ドル建ての石油取引)を復活させるかもしれない。戦略的主導権を台無しにしたイランとヒズボラが、次に倒れることになるだろう。新保守主義者(ネオコン)たちが5年で7つのイスラム諸国を転覆させるという計画は、予定より長くかかっているが、成功への道を歩んでいる。トランプ大統領の軍事および外交政策の任命者は全員が反イランであり、石油の流れと湾岸水路を支配するというワシントンの意図にもかなうため、イスラエルの計画に容易に同調するだろう。

トルコのエルドアン大統領は、シリア打倒のためにワシントンとイスラエルと同盟を結ぶことで、イスラム教徒とプーチンを裏切った。シリアは、その一部がイスラエル、トルコ、そして米国への石油供給地として消滅する可能性がある国である。ネタニヤフはすでに、イスラエルを脅威から守る必要性を主張し、シリアのゴラン高原緩衝地帯を占領している。
欧米の報道機関は、説明を統制するために必要とされる物語を伝えている。米国の傭兵であるアラブ勢力は「シリアの反体制派」として紹介され、アサド退陣を巡る紛争は、「内戦」であるとされている。つまり、欧米メディアでは、シリア打倒における米国・CIAの影は見えない。ロシアのメディアでも、プーチンの敗北についての報道を避けることが重要であるため、同じ物語が繰り返される可能性が高い。

あらゆる局面で「覚悟のない」プーチンの無策を後押しするように、「米国は欧州でのミサイル配備を強化している」と、RTが報じている。また、ウラジオストクまでの飛行時間が8分の日本でも同様だ。プーチンは、ミンスク合意の時と同様に、またもや戦略的優位を自ら放棄している。その一方で、米国は極超音速ミサイルの開発と配備を進めている。 ロシアが戦争を望んでいないのは明らかである。しかし、彼らは依然として好戦的な国として扱われ続けている。だが実際のところは、ロシアが策を講じないせいで戦争が迫りつつある状況に追い込まれているのだ。

シリアにおけるロシアとイランに対するワシントンの迅速で、容易に達成された大勝利は、両国に対する攻撃が継続することを意味し、プーチンが降伏するか核戦争に訴える可能性を最大限に高めることになる。

私は時々、ロシアがどのような世界で活動しているつもりなのか疑問に思う。プーチン大統領は、かつてのロシア領内の共和国であったジョージア(旧称グルジア)でのカラー革命に備えていなかった。ジョージアによる南オセチア侵攻にも備えていなかった。ウクライナ政府の転覆を画策するワシントンにも備えていなかった。ウクライナと米国がドンバス地方のロシア系住民に対して仕掛ける攻撃にも備えていなかった。 同盟国シリアの転覆に対しても準備ができていなかった。 ジョージアにおける2度目の「カラー革命」を画策する現在の米国の動きに対しても準備ができていない。ロシアの立場について、ラヴロフ外相がタッカー・カールソンに説明したように、常に不意をつかれる指導者が、「合法法主義と真実が平和への道である」と、どうして考えることができるだろうか?

カール・マルクスが言ったように、歴史上唯一有効な力は武力である。過去においては私もこれに異論を唱えていたが、今日では確信が持てなくなっている。皮肉なことに、マルクス・レーニン主義の路線に固執しているのは「アメリカの民主主義」であり、マルクス・レーニン主義から生まれた国ではない。

ロシア人は真実の有効性を信じている。西洋はそれを信じていない。
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シリアでの敗北はより広範な戦争の中で捉えるべきだ

<記事原文 寺島先生推薦>
Syria: A Battle Lost Amid a WiderWar
筆者:ブライアン・バーレティック(Brian Berletic)
出典:Internationalist 360° 2024年12月8日
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ>2024年12月11日


編集者から:ブライアン記者の分析には同意するが、答えを求めるべき疑問がたくさんある。シリア同盟国(ロシア)はシリア陥落を阻止できなかっただけでなく、パレスチナでの大量虐殺やレバノンとシリアへの戦争の拡大を終わらせるために何もしなかった。実際、ロシアはシリア政府がシリア領土からトルコ軍の撤退を要求した際にシリアの主権を尊重せず、トルコの参加を主張してシリアでの交渉を何度も妨害した。ロシアとトルコは共同警備巡回を設置したが、これはトルコ軍が不法に占拠した土地を保護することになり、エルドアン大統領はその土地を決して手放すつもりはなかった。

ロシアは、イスラエルがシリアを爆撃した時も、ロシアが直接攻撃された時も、イスラエルに異議を唱えることはなかった。ロシアとトルコが協力していた数々の裏切り行為は十分に記録されているが、実際に起こったことに対して、批判の声を上げたり、両国の偽善を暴露したりする者はほとんどいなかった。

シリア出身の記者ケヴォルク・アルマシアン氏は、ロシアが衛星経由を含むシリアへの徹底的な監視を行なっていたにもかかわらず、HTSの前進や軍の集結、異常な軍隊の動きを察知できなかったというのは信じがたいことだ、と指摘した。同氏が鋭く指摘しているように、アレッポとホムス地域の民間人はこの動きを予見していた。同氏は過去数週間にわたり、シリア国民からの情報と自身の専門家による分析を組み合わせて警告を発していた。シリア政府や報道機関、ロシア軍がこれらの展開に気づかなかったのはなぜだろうか。シリアにあるロシアの海軍基地と空軍基地が無傷で撤退していないのも不思議ではないだろうか。実際、シリアの聖戦主義者たちは「シリア領内のロシア軍基地と外交機関の安全」を保証している。

いずれにせよ、イランやロシア、中国はブライアン記者の警告に耳を傾けるのが賢明だろう。

この戦争に直面することの不快感を避けるために、この戦争の性質について自分自身に嘘をついているイラン政府やロシア政府、中国政府、そして西側諸国以外のすべての国々の政府の人たちへ。シリアこそがあなたたちの究極の未来です。話し合いの卓上にあなたたちがいる場所はありません。妥協することはできません。無限に時間を稼ぐことはできません。同盟国とともに国を守ることに成功するか、失うかのどちらかです。

さらに、NATOの対リビア戦争においては、ヒズボラとイランがNATO支援のアルカイダ反乱軍を支援していたことを忘れてはならない。言うまでもなく、ヤルムークでのハマスの不名誉な行為とハマスがムスリム同胞団であるという事実も忘れてはならない。レバノンの政治分析家アマル・サアド・ガルヤーブ氏は彼らの裏切りについて発言しているが、彼女の言葉は今日、私たち自身の立場を問い直すよう私たちに迫るものになっている。

「私は抵抗枢軸やその構成員自体を支持しているのではなく、帝国主義とシオニズムに対するその闘争を支持しているのです。そしてもしパレスチナの武力組織がこの闘争を放棄するなら、私たちも彼らを放棄すべきです。これは党派心や政治的思想を超えた問題であり、帰属意識と存在の問題なのです。」

時間の経過とともに、抵抗枢軸は悲惨な譲歩と妥協をしてきた。彼らは間違いから学ぶことができなかったのだろうか?
私たちはどんな教訓を学んだのだろうか? すべてが失われる前に、どんな間違いを正すことができるのだろうか?

この戦いは野蛮な植民地主義に対する死闘なのだ。誰が勝利するだろうか? これまでの交戦規則はすべて時代遅れだ。

この地域と世界は崖っぷちに立たされている。大中東計画に対抗できるだけの団結力を得るには何が必要だろうか。該当地区の利益と中東地域全体の利益が密接に絡み合っていることが、いつになったら理解されるのだろうか。

シオニスト-ISISカリフ制の下にあるこの地域に、どんな将来があるのか?

以前、私はこう言った。

・大量虐殺をおこなう抑圧者との関係を正常化したり、それを阻止できなかったりする政府や機関や運動の中には、世界に希望は見出せない。

・利益を道徳的原則よりも優先する指導者を信頼することはできない。

・殺人犯罪を前にして行動できないほど臆病な人たちの側に立っても、救いは見つからない。

人類の希望は、目覚めた一人ひとりの肩と、現実とのつながりを決して失わず、どんな犠牲を払ってでも生命を守ろうとする草の根運動にのみかかっている。

アルジェリアの研究者ハムザ・ハムーシェン氏の論文「ベトナム、アルジェリア、パレスチナ:反植民地主義闘争の灯火を継承する」は、今日、特に重要です。その道を歩む覚悟ができているのは誰だろうか?
– A.V.



ブライアン・バーレティック

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シリアで起きていることは、シリア国民と、ロシアやイランを含むその同盟国、そして最終的には中国とその他の多極化した世界にとって大きな損失だ。

このことは、米国とその代理勢力が今日でも地球上の人類の平和と繁栄に対する最大の脅威であり続けていること、そしてその強力な危険を過小評価すべきではないことを思い起こさせるものである。


米国はシリア国境沿いに大規模なテロリスト軍を維持しているだけでなく、自国の最善の利益に反して、地球上の全地域を汚染する世界的な情報空間に対する強力な支配力を維持している。

米国の産業力と軍事力が衰退する一方で、米国は政治的に干渉し、国民全体を掌握する能力を維持している。これは特別な力によるものではなく、21世紀の国家安全保障の鍵となる情報空間を世界の他の国々が認識していないという根本的な理由によるものだ。

今日でも、世界の大半の国々は、シリコンバレーと米国国務省に情報空間を明け渡している。ただしあなた方に戦車が何台あっても、米国があなた方の国民に戦車に乗らないように説得したり、銃を反対方向に向けさせたりできれば、あなた方は負けることになる。

より広範囲にわたる戦争の中での1つの戦い

また、これは米国の覇権と多極主義の間の、より大規模で重大な戦争の中の、単なる一つの戦いに過ぎないことを思い出すことも重要である。戦争の結果ほど重要な戦いは一つもない。ロシアがウクライナとシリアのどちらかを選ばなければならないとしたら、明らかにウクライナを選ばなければならない。

これらの出来事は、ロシアとイランが「全能」ではないこと、そして油断が致命的であることを示している。

そして、現在シリアで悲劇が起こっているにもかかわらず、戦争に勝利すれば、いつの日かシリアを復興させる可能性が生まれる。

「ロシア(そしてイランと中国)の拡大」

ロシアは難しい決断を迫られている。ロシアはウクライナで米国と戦っているだけではない。東ヨーロッパから中央アジアまで、ロシアの周辺全域で米国と戦っているのだ。

政策文書(文字どおり「ロシアの拡張」と題されている)に示された米国の戦略は、ロシアが対応を余儀なくされるような複数の危機を作り出してロシアを「拡張」し、最終的には過度に拡張して崩壊させることだ。

ロシアは、どこまで参画し、どこで限界を定義するかを慎重に選択する必要がある。

さらに、その先にある米国の目標は、イラン(今やそうなりそうだ)、次にロシア、そして中国を孤立させ、多極世界の闘士を粉々に打ち負かすことだ。

イラン政府やロシア政府、中国政府、そして西側諸国以外のすべての政府で、この戦争に直面することの不快感を避けるために、この戦争の性質について自分自身に嘘をついている人たちへ。シリアこそがあなたたちの究極の未来なのだ。話し合いのテーブルにあなたたちがいる場所はない。妥協することはできない。無限に時間を稼ぐことはできない。同盟国とともに国を守ることに成功するか、失うかのどちらかしかない。

今後、状況が進展するにつれて、このことについてさらに詳しく説明していく所存だ。






・シリア崩壊はシリア国民とイランやロシア、中国の同盟国にとって損失である。

・これは、米国の軍事力と産業力が衰えている一方で、情報空間を独占し、国民を自らの利益に反して汚染し、国家を転覆させるという点で、依然として強力な「超兵器」を保有していることを思い出させるものである。

・米国の戦略は、シリアを含む周辺地域でロシアに複数の危機を作り出し、限られた資源をどこに投入するかについてロシアに難しい決断を迫ることである。

・多極化した世界は、本質的には第三次世界大戦が進行中であり、最終的にはすべてが順番に標的にされるという現実を受け入れなければならない。

・記者や分析家を育成する現地教育計画の創設、米国に拠点を置くプラットフォームに代わる現地ソーシャルメディア・プラットフォームの創設、対象国における報道機関への外国からの資金提供を禁止する法律の制定などを通じて、米国の干渉から国や地域の情報空間を確保し防衛するための投資が必要である。

情報源:
ニューヨーカー – リダイレクション (2009): https://www.newyorker.com/magazine/20…
司法ウォッチ – DIA 文書 (2012): https://www.judicialwatch.org/documen…
NYT – 米国の団体がアラブの反乱を助長(2011 年): https://www.nytimes.com/2011/04/15/wo…
CNN – シリア反政府勢力指導者、目標はアサド政権の「打倒」だと語る(2024年12月6日): https://edition.cnn.com/2024/12/06/mi…
米国国務省 – 外国テロ組織: https://www.state.gov/foreign-terrori…
RAND Corporation – ロシアの拡大 (2019): https://www.rand.org/pubs/research_re…



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