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フランスの反対派は、マクロンのイエロー・ベストへの譲歩を拒否する。「市民革命」を求める声も

French opposition rejects Macron’s concessions to Yellow Vests, some demand ‘citizen revolution’

RT Home/World News/  2018年12月11日

(翻訳: 新見 明 2018年12月16日)
<記事原文>
https://www.rt.com/news/446122-macron-concessions-yellow-vests-reactions/

© Reuters / Philippe Wojazer

マクロンのイエロー・ベストへの譲歩は、抗議運動や反対派政治家をなだめるのに失敗した。例えば、(左翼党共同党首の)ジャン・ルュック・メランションは、富の公平な分配が達成されるまで「市民革命」を継続するべきだと訴えた。

フランス大統領マクロンがイエロー・ベスト運動メンバーによる大規模な抗議行動に応えて、「社会・経済的非常事態」を宣言し、国民の苦境に取り組むため大幅な譲歩を約束したすぐ後に、左翼反対派政治家のメランションは、次の土曜日に革命を継続すべく草の根運動を呼びかけた。

我が国の市民革命の第5段階が大動員の要素となると思う。

最低賃金100ユーロ増加、時間外手当の非課税、年末手当のマクロンの約束はフランス国民の「かなりの部分」には何の影響ももたらさないだろう、とメランションは言った。
しかしLa France Insoumise(不服従のフランス)は強調した。立ち上がるかどうかの「決定」は、行動している人々次第である。

「私達は本当の富の再分配を求めている」と元大統領候補でMouvement Generation(青年社会主義者運動)の創設者であるブノワ・アモンはBFMテレビに語り、マクロンのお金持ちを利する一連の政策を非難した。


社会党第一書記のオリビエ・フォーレも、戦う労働者に対するマクロンの譲歩を、彼は全般的路線を変化させることはないと批判した。

国民連合(旧国民戦線)党首マリーヌ・ル・ペンは、一定の税制改革を歓迎しながらも、大統領の統治「モデル」が「野蛮なグローバリゼーション、金融経済化、不公平な競争主義」に基づいており、イエロー・ベスト運動の社会的・文化的影響に取り組むのに失敗したと批判した。

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マクロンはフランスの「経済非常事態」を告げ、小さなサラリー増加を約束する(RT com ビデオ)


「立ち上がれフランス」議長ニコラ・デュポン=エニャンは、マクロンのスピーチは「大きな茶番」であったと、フランス大統領の「偽善」を非難した。

しかし多くの者は、「不合理な政府に対して立ち上がれ」というメランションの呼びかけが、67歳の反対派政治家が「楽天主義」とか「ポピュリスト」であると非難し、社会的抗議運動を自分のためにハイジャックしようとしていると見ていた。

さらに約54%のフランス人が、イエロー・ベスト運動は彼らの目標を達成し、そして運動をやめたいと思っている、とオピニオン・ウェイの調査は示している。調査回答者の半数がマクロンの反危機政策は疑問があると考えているが、別の49%は大統領は抗議参加者の要求に取り組むのに成功していると見ている。月曜日のマクロンのスピーチの後、回答者の約68%は特に最低賃金の増加を歓迎し、78%が減税を評価した。

先月の年金削減や燃料税増税に対するイエロー・ベスト運動は、ソーシャル・メディアを通して組織され拡大した。それはフランスの強力な労働組合や公式の政党の支援なしで広まった。そのような社会のあらゆるレベルからの大衆動員が、政府から予期せぬ譲歩を引き出した。それは組合が過去30年以上にわたって失敗してきたことだ、と述べる者もあった。
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石油支配をめぐるイエメンの大虐殺

Yemen Genocide About Oil Control

F.ウィリアム・エングダール
グローバル・リサーチ 2018年11月20日

(翻訳:新見明 2018年12月11日)
<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/yemen-genocide-oil-control/5660415


Featured image is from NEO

イエメン共和国で進行中の事実上の大虐殺は、戦争の最も激しい局面が2015年に始まった。しかしその大虐殺は、7最近まで欧米主流メディアでは全く無視されてきた。無視されたこと事の中には、アメリカに支援されたサウジが戦争を開始するが、その開戦理由も無視された。表面的にはスンニ派ワッハーブ教徒のサウジアラビアによるシーア派教徒フーシ派に対する戦争と見られている。


イエメンは、戦略的に重要な紅海の接続ポイントとして、地政学的に鍵となるところである。紅海はインド洋やスエズ運河を経由して地中海につながっている。バブ・エル・マンデブ海峡は、世界で最も重要な石油輸送難所の一つである。その海峡はアフリカの角ジブチから18マイルしか離れていない狭い通路で、アメリカ・エネルギー省の石油輸送にとって難所の一つとなっている。アメリカ・エネルギー省によれば、毎日4.700万バレルの石油が双方向でバブ・エル・マンデブ海峡を通る。それには中国向けの石油も含まれている。

2015年3月イエメンで、フーシ派として知られるグループと新たな内戦が勃発した。フーシ派とは、イスラム教ザイード派のフセイン・バドルッディーン・アル=フーシ師の名前をとって付けられた。ザイード派地域は伝統的に女性の平等を大切にする穏やかな集団であり、サウジのワッハーブ派とは相容れないものである。ザイード派はイエメンを1962年まで100年以上支配してきた。
  
フーシ派運動は、アリー・アブドッラー・サーレハ大統領を2011年莫大な汚職の罪で追放した。彼の後をサーレハの副大統領であったアブド・ラッボ・マンスール・ハーディーが引き継いだ。当時サーレハもハーディーもサウジ影響下の傀儡大統領であった。

事態が変わり始めたのは、ハーディーが任期が切れても退任を拒否したときであった。2015年早々、ハーディーは燃料価格補助削減の決定と同様、改革合意を拒否したので、フーシ派運動による彼の逮捕に到ったのであった。彼はその後2015年3月25日にサウジアラビアへどうにか逃亡できた。彼の逃亡と同じ日に、サウジの防衛大臣モハメッド・ビン・サルマンはイエメンとフーシ派に対して爆撃攻撃を開始した。攻撃は今も続いている。

2015年末までにビン・サルマン王子と彼の同盟者たちは奇妙な名前の「決定的な嵐作戦」(湾岸戦争の「砂漠の嵐作戦」を思い出す)がイエメンの一般市民に残虐行為を与えたのだ。無慈悲なサウジ主導の爆撃が6ヶ月続くうちに、国連はイエメンに「レベル3」という最も高い緊急事態を宣言した。爆撃は、重要な市民生活のインフラや健康施設を破壊した。そしてサウジは、2000万人とされるイエメン人に不可欠の緊急に必要な食料や水や医療支援を封鎖した。それは国際法に違反であった。約250万人のイエメン市民が難民化した。飢餓とコレラがはびこっている。つまり集団殺戮である。

チェイニーの石油戦争

現在サウジ主導の湾岸同盟国と戦っているイエメン戦争の根源は、2001年9月11日後のブッシュ・チェイニー政権と、その「テロとの戦争」宣言と言われるものに遡ることが出来る。

2003年のイラク侵略は石油をめぐっての戦争であった。ポール・ウォルフォウィッツを含めアメリカ政府高官は、当時そう認めた。

「石油があるところに行かなければならない。私は、それ(政治的不安定化)についてはあまり考えない。」

どう見ても、ブッシュ・ジュニア政権の副大統領チェイニーが、国防長官ドン・ラムズフェルドの「5年以内に7カ国をやっつける」という米軍事作戦を設計した。ウィズリー・クラーク将軍は、数年後そのことを報告した。これらの7カ国は全て、中国、EU、世界経済に流れる巨大な中東石油を支配するためにはきわめて重要な国々である。

2004年チェイニー・ブッシュの「テロとの戦争」が、当時の大統領サーレハを支援するためイエメンに及んだとき、サウジのイエメン支配には問題がなかった。アメリカとイギリス勢力は、少数派フーシの蜂起に対してサーレハを支援した。その蜂起は、サーレハがザイード派宗教指導者フセイン・バドルッディーン・アル=フーシを逮捕しようとした後に始まった。
     
2015年までにそのアメリカの代理戦争は変化し、ペンタゴンとオバマ政権は密かにイエメンに対するサウジの大規模な壊滅的軍事攻撃を支援した。

イエメンにおけるアメリカやサウジの利害とは何か。石油支配が簡単な答えであるが、多分いつもの意味ではあるまい。

2005年11月イエメン共和国は、米国ハント石油会社とエクソンモビルからマリブ・ジャウフ・ブロックという石油地域を没収した。その没収はいらだたせるものだったが、形勢を一変させるものではなかった。一変させたのは、2014年サウジに支援されたハーディ大統領に対してフーシ派の反乱が勝利し、戦争が新たな形勢を帯びたときだった。2015年までにはフーシ派主導の最高革命委員会は、サナアとイエメン政府を奪取し、アデンに進軍した後、ハーディを倒すために総動員令を宣言した。

未発見油田の可能性

イエメンを誰が支配するか、特に今フーシ派が支配している地域では、二つの戦略的側面がある。一つは、先にも述べたアフリカの角バブ・エル・マンデブを通る石油流通の地政学的支配である。2番目は、イエメンのほとんど未発掘の石油の支配である。

2002年アメリカ地質調査(USGS)による公式発表で結論されたのは、「未発見の可能性が既存の埋蔵に加わるとき、マリビ・アムラン/キシン広域石油システムの全石油産出は9.8 BBOE(98億バーレル?)に上昇し、そのときイエメンは石油資源の埋蔵量でアメリカを除いて51番目になる。」

今、100億バレルの原油は、サウジの2660億バレルの貯蔵量のと比べて大きくないかもしれない。しかしここで1988年のCIA報告は興味深いものになっている。南イエメンの「石油埋蔵量報告:富のキメラ」はかなり編集されて機密解除されているが、イエメン・サウジアラビア間の係争中の国境での潜在的石油埋蔵量に関する秘密のメモがある。CIAは冷戦時代に北イエメンと南イエメン間の中立地域にある石油ガス埋蔵に注目している。

テキサスのハント石油会社は、1982年以来アリフ油田に常駐し、1984年にそこで石油を発見した。アリフ油田は、サウジアラビア・イエメン間の未確定国境近くのフーシ派支配地域の北イエメンにある。著者は20年ほど前にアメリカ政府関係の人とのインタビューで、最大石油埋蔵量と石油地政学について討論する機会があった。そのときその人は討論の中で、未発表のアメリカ航空地理調査によると、サウジアラビアとイエメン間の未確定砂漠地帯には、サウジアラビアをしのぐような石油埋蔵量の可能性があると教えてくれた。

その発言が正確かどうか、独自に確認することは不可能だ。はっきりしていることは、イエメンとソマリアを含むペルシャ湾と紅海によって囲まれた地域は、地球で構造上最も活性地域の一つ、つまり炭化水素発見の前提条件があるということだ。イエメンにおいて巨大な石油・ガス埋蔵量があることは、フーシ派からイエメン支配を取り戻そうとするサウジの残忍な努力を、なぜペンタゴンが積極的に支援してきたかの理由をよく物語っている。

それはシーア派対ワッハーブ派の衝突とはほとんど関係がない。むしろそれは世界エネルギーの戦略的支配と関係している。サナアがサウジの代理人の手にある限り、サーレハであろうがハーディであろうが、それはワシントンにとっては二次的問題だった。石油は「安全」であった。たとえイエメン政府がアメリカ石油会社の資産を没収しようとも。しかしいったん確固として独立したフーシ派ザイードがイエメンを、あるいは大部分を支配したら、驚異は十分深刻で、やる気十分な新サウジ防衛大臣モハメド・ビン・サルマン皇太子に戦争開始の青信号を与えるのだ。フーシ派支配のイエメンは、潜在的にロシアか中国の石油会社のお得意さまで、本格的な埋蔵探索を開始するだろう。それはフーシ派がまたイランと親しい関係を持つこととも結びついて、明らかにオバマ政権に赤信号を灯した。

驚くなかれサルマンが主張したのは、それはサウジ主導の「自由を愛する」スンニ派勢力に対するイラン主導の「帝国主義者」との戦いだということだ。中国は今、イエメンを渡ったジブチに海外最初の軍事基地をもっている。その隣にアメリカはアフリカで最大の恒久的軍事基地をキャンプ・レモニエにもっている。元植民地支配者フランスもそこにいる。イエメンには語られているよりはるかに大きな危険な状態があるのだ。

*

F・ウィリアム・エングダールは戦略的危機コンサルタント及び講師である。彼はプリンストン大学で政治学の学位をとり、石油と地政学に関するベストセラー作家である。もっぱらオンライン・マガジン「New Eastern Outlook」の寄稿者である。この記事もそこで発表された。かれはグローバル・リサーチの常連寄稿者でもある。

READ MORE:Yemen, A War for Profit, Saudi Genocide Backed by Obama
       イエメン、利益のための戦争、オバマに支援されたサウジ集団大虐殺

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歯に衣着せぬトゥルシーの登場は、民主党既存体制の落日を意味する

Straight-talking Tulsi’s rising star means setting sun for Dem Party establishment

RT Op-ed 2018年11月23日

(翻訳: 新見明 2018年12月7日)
<記事原文>
https://www.rt.com/op-ed/444719-tulsi-gabbard-anti-dem-establishment/


フィニアン・カニンガム(1963年生まれ)は、広く国際問題に関して書いていて、その記事はいくつかの言語で出版されている。元々北アイルランドのベルファスト出身で、彼は農業化学の修士であり、イギリス、ケンブリッジ王立化学会の科学担当記者として働いた。その後新聞ジャーナリズムの仕事に就く。20年以上にわたって彼は主要なニュース・メディア組織で編集者かつ著述家として働いてきた。その中にはミラー・アイリッシュ・タイムズやインディペンダントなどがある。今はフリーランスのジャーナリストとして東アフリカに基盤を置いていて、彼のコラムは、RT、スプートニック、Strategic Culture Foundation、Press TVに登場する。


トゥルシー・ガバード © Getty Images / Tom Williams

カショジ記者殺害でサウジアラビアを許すトランプ大統領に対して、トゥルシー・ガバードが痛烈な批判を浴びせたが、それがガバードを2020年大統領選挙の旗手にする見込みをさらに高め、民主党支配層に揺さぶりをかけた。

今週37歳のハワイの代議員が、トランプを「サウジアラビアの売女」と非難した。トランプが、ジャーナリスト、ジャマル・カショギの残忍な殺害に関してサウジ体制を擁護したのを受けてのことだ。米国・サウジ関係はとても重要で、石油王国支配者との断絶は避けなければならない、とトランプは述べた。

トランプは10月2日イスタンブールのサウジ領事館でのアメリカ在住ジャーナリストの残忍な殺害に関して経済的、戦略的な利害を優先したが、それは今週アメリカの政治家やメディアによって広範に軽蔑されることとなった。しかしガバードのトランプへの酷評は、恐らく最も痛烈で記憶に残るものだった。

それは一種の戦闘的な一撃で、進歩派や知識人からも支持され、彼女を注目させることとなった。アメリカの選挙民は長い間、既成政治に対する"自称"挑戦者によって裏切られてきた。しかしトゥルシー・ガバードは、ホワイトハウス奪取への大衆反乱を起こせる希望を与えている。

2012年ガバードが議会に始めて選出されて以来、彼女は徐々に、自身を国民的な人物に高めてきた。「社会主義者」バーニー・サンダース上院議員や、彼の若き民主党の支持者に支援されて、ガバードは2020年、トランプが再度立候補するとき大統領候補として益々期待されている。

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(左)トゥルシ・ガバード(民主党、ハワイ)© Reuters / Brian Snyder; (右)ドナルド・トランプ米大統領© REUTERS/ Leah Millis「サウジアラビアの売女となるな」とトゥルシ・ガバードはトランプに言うが、批評家は非難する。


彼女は既成の民主党に揺さぶりをかけることができる進歩派ニュー・ウェイブの一人と見られている。彼女が既得権益に対して恐れずものを言うので、それが党のボスと彼女が仲違いしたときでも、支持者がガバードの周りに集まる。

2016年、彼女は民主党全国委員会を辞任した。そのとき、大統領立候補者指名でバーニー・サンダースに対してヒラリー・クリントンが有利になるようにした、と彼女は訴えた。ガバードはその次にサンダースを支持して、さらに民主党全国委員会をいらだたせた。既存の党に対する彼女の立場は、若者や党の進歩派の中で多くの賞賛を獲得した。彼らの多くは、自身を「社会主義者」と公然と名乗っている。

ガバードが党のヒエラルキーに挑戦したのはこれが最初ではない。オバマ政権の間に、彼女はしばしばナショナル・テレビショーに出演して、オバマのシリア軍事介入政策を糾弾し、反政府軍グループをワシントンが支援していると非難した。彼女は一貫してアメリカの海外での戦争や体制転覆の陰謀を非難してきた。

ガバードはイラク戦争に2度派兵された退役軍人として、彼女のアメリカの軍事的冒険主義への批判は、誰も反駁できないほどの影響力をもっている。

去年、彼女はシリアを訪れ、バシャール・アサド大統領と会見した。そこで彼女は「事実を発見する任務」でやってきたと語った。彼女の旅に対するアメリカメディアの批判にひるむことなく、ガバードはそれ以来、シリアのテロを打ち破るシリアとロシア軍の努力を称えている。彼女はまた、アサドの政府軍が化学兵器を使ったという欧米メディアの主張を批判し、トランプがシリア軍による化学兵器使用を口実に、その報復として空爆を命じたことを糾弾した。


またrt,comによると、証拠もない「アサドの化学兵器攻撃」宣伝を拒否して非難されるガバード議員


現在、下院の多数を占める新たに選出された他の民主党下院議員とは違って、ガバードは外交政策問題に経験と専門知識がある。彼女は下院の外交問題委員と軍事委員を勤めてきた。だから彼女の主張は確かなものだ。

ある議会聴聞会で、ガバードは元NATO司令官フィリップ・ブリードローブに、ロシアがアメリカ大統領選挙に介入したという主張で、アメリカの偽善について教えた。彼女は将軍に、アメリカはロシアを含めて80以上の国に、数十年にわたって選挙に介入してきたことを思い出させた。

女性議員が今週、カショギ殺害に関してサウジアラビアを許したトランプを激しく攻撃したが、彼女の歯に衣着せぬスタイルは一貫していた。

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イドリブ県のアルカイダのヌスラ戦線のメンバー、2015年5月28日© Ammar Abdullah
トゥルシ・ガバードは、トランプのアルカイダに関するやっかいな二枚舌を非難する。


以前ガバードは、サウジアラビアへの武器販売をアメリカがやめるように求めた。サウジアラビアが中東のテロリストグループを支援している、と彼女は非難した。また彼女は、テロと結びついた国々へアメリカが支援することは違法だとする法案を議会に提出した。

オバマやクリントンの軍事介入に対する彼女の遠慮ない批判が、ある意味でトランプがガバードに注目した理由だった。トランプの大統領選挙後まもなく、ハワイ選出の民主党員は、当時の側近スティーブ・バノンによって設定されたトランプタワーでの会談に招かれた。そこでの話では、トランプ政権の国務長官のポジションさえ申し出があった。共和党内閣の中の民主党員だって!

話は何も実現しなかった。しかし今週のサウジアラビアに関するトランプへの厳しい叱責は、ガバードが権力に対して真実を述べることにやぶさかでないことを示している。たとえかつて彼女がトランプ陣営に誘われた事があったとしても。

しかし彼女は短気で、ずけずけものを言うので、民主党幹部はガバードに反発するかもしれない。彼女の呼びかけである財政改革運動やウォールストリートへの規制強化の呼びかけが、ワシントンの年度ごとに膨らむ巨大な軍事予算の削減要求と同様、党の内外で進歩派を結集させるのも当然なことだ。しかし民主党議会重鎮の多くには、軍産複合体と結びついたロビー・グループからたらふく資金が流れている。ガバードが新星であることは、重鎮らが政治家として日暮れであることを意味している。党機関の運営を考えると、2016年クリントンとサンダースの総崩れで見られたように、2020年に大統領立候補者としてガバードの評価は高まる可能性がある。

これは党内の緊張とディレンマを意味する。あまりにもしばしば民主党体制は共和党と共にワシントンを独占している政党と見られている。多くの普通の民主党支持者や自称支持者にとっては、党は進歩的に任務を放棄して、労働者階級の利害のために戦うことをせず、税の再分配を通して大企業支配と戦うことや、新帝国主義戦争に反対することをしてこなかったのだ。


Also on rt.com A brave new US Congress or same old hypocrisy?
rt.com勇敢な新米国議会なのか、それとも同じ古い偽善なのか。


民主党が進歩的計画を放棄したことが、2016年の大統領選挙でトランプがヒラリー・クリントンに勝利した要因であったことはよく議論されることだ。クリントンはウォール・ストリートの代理人としてまたペンタゴンの操り人形と見られていたのだ。

それでもアメリカ政治の進歩派左翼にはガバードを警戒する声がある。彼らは、彼女の元社会主義的保守主義を指摘し、ゲイの権利や中絶に反対していることを批判する(彼女はカソリックとして育ち、今はヒンズー教徒であるが)。左派の批評家はまた過去の「トランプやバノンとのいちゃつき」を潜在的に右翼ナショナリストの傾向があるとして警戒する。

しかしそのような批判は、多くの普通のアメリカ人投票者にとって形式的なことに見えるかもしれない。

Liberal-pro stationのラジオホストであるティム・ガットーは、ガバードが2020年大統領選挙で勝利できるものをもっていると考えている。民主党を多数の投票者にふさわしいものに変えることによって可能になる、と。

ガットーは述べた。「退役軍人として、私はアメリカのシリア介入と中東での終わりなき戦争に反対の声を上げるトゥルシー・ガバードに拍手を送る。私は彼女がエリート層に対してアメリカ人民を擁護し続ける真の進歩主義者であると信じる」と。

彼は付け加えた。「ガバード議員は、未だ予備役にあるにもかかわらず、アメリカの外交政策に反対の声を上げた。もし彼女が民主党首脳部に抱き込まれなかったら、そのとき彼女はアメリカ進歩的左翼にとって、大統領選挙でこの国を正気に戻す最大のチャンスである」と。
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米軍アフガニスタンへ増強は、中国を閉め出すためか? リチウムや豊富なアフガニスタン鉱物資源のための戦い

More American Troops to Afghanistan, To Keep the Chinese Out? Lithium and the Battle for Afghanistan’s Mineral Riches

ミシェル・チョスドフスキー教授

グローバル・リサーチ 2018年11月18日

(翻訳: 新見明 2818年12月3日)
<記事原文>
https://www.globalresearch.ca/more-american-troops-to-afghanistan-to-keep-the-chinese-out-lithium-and-the-battle-for-afghanistans-mineral-riches-2/5605456

トランプが、アフガニスタン戦争拡大を要求。なぜなのか?それは「世界テロ戦争」の一部なのか。悪者を追跡するためか、それとも何か別のもののためか?

庶民には知られていないが、アフガニスタンは石油、天然ガス、戦略的天然鉱物資源が豊富である。アヘンは言うまでもなく、アメリカの違法ヘロイン市場を潤してきた何十億ドルもの産業である。

これらの鉱物資源には、鉄、銅、コバルト、金、リチウムの巨大な鉱脈を含んでいる。
リチウムはラップトップ、携帯電話、電気自動車用のハイテク・バッテリーの生産で使われる。

トランプの決意の意味するところは、アフガニスタンの豊富な鉱物資源を略奪し、盗むことである。アメリカとその同盟国による16年間の戦争で、破壊された国の「再建」に財政支援するためである。つまり侵略国家に支払われる「戦争賠償」である。


Screenshot: The Independent.

ドナルド・トランプは、16年間の戦争後、再建のために支払う1兆ドルの鉱物資源を狙う。(金、銀、プラチナ、鉄鉱石、銅の豊かな埋蔵量は、経済的独立への道を示すことが出来る。しかし専門家はそれらの計画を「夢物語」と呼ぶ。)

ニューヨーク・タイムズで引用された2007年ペンタゴン内部文書では、アフガニスタンは「リチウムのサウジアラビア」になり得ることをほのめかしている。

        鉱業を発展させるには何年もかかるが、その潜在
        能力が大きいので、政府高官やその産業の経営者
        は大きな投資に値すると考えている。

        アメリカ中央軍司令官デイビッド・H・ペトレイアスは、
        「ここには驚くほどの可能性がある。もちろん多くの
        ”もし”があるが、私は非常に重要な可能性があると
        思う」と述べた。

        「これはアフガニスタン経済のバックボーンになるだろ
        う」とアフガニスタン鉱山・石油省顧問ジャリル・ジュム
        リアニーは語った。(ニューヨークタイムズ、オピニオン
        からの引用)

この2007年の報告が述べていないことは、この資源基盤は、1970年代にさかのぼってロシア(ソ連)にも中国にも知られているということだ。

アシュラフ・ガニー大統領のアフガニスタン政府は、リチュウムを含む鉱山業にアメリカの投資を促すためにドナルド・トランプ大統領を訪れたが、中国は、パイプライン計画や輸送回廊と同様、鉱業やエネルギー開発計画で先頭を走っている。

中国はアフガニスタンの主要な貿易・投資パートナーである(ロシアやイランと並んで)。
その関係は、アメリカの中央アジアにおける経済的、戦略的利害を侵害する可能性がある。

中国の意図は、アフガニスタンと中国新疆ウイグル自治区を結ぶ歴史的ワハーン回廊を通じた陸上輸送を完成することにある。(下の地図を参照)
       
        アフガニスタンの推定3兆ドルの価値がある
        未開発の鉱物で、中国企業が銅や石炭の巨大
        な採掘権を得た。そして数十年間で最初の石油
        採掘譲渡権が、外国人に許可された。また中国
        は、バッテリーから核兵器部品まで広範囲に利
        用されるリチュウムの大きな埋蔵も狙っている。

        中国人はまた水力、農業、建設部門にも投資し
        ている。2国間の国境を横切る76キロに渡る直通
        道路が建設中である。(ニュー・デリータイムズ、
        2015年7月18日)
         
     READ MORE 「戦争はする価値がある」。アフガニスタンの鉱物、天然ガスの巨大な埋蔵量

アフガニスタンの豊富な石油埋蔵量は、中国石油天然気集団公司(CNPC)によって探査されている。 

READ MORE:“The War is Worth Waging”: Afghanistan’s Vast Reserves of Minerals and Natural Gas
資料:鉱業ニュース、2010年8月
        

「戦争はいい商売だ」

米軍基地がそこにあるのは、アフガニスタンの鉱物資源管理を主張するためである。フォーリン・アフェアーズによると「他のどの戦闘地域よりも多くの米軍勢力が、アフガニスタンにいる」。その公式任務は、「テロとのグローバル戦争」の一部として、タリバン、アルカイダ、ISISを追跡することである。

なぜそんなに多くの軍事基地があるのか。なぜ増派が、トランプによってなされるのか。

アフガニスタンの米軍の語られざる目的は、中国を閉め出すことである。つまり、中国がアフガニスタンと貿易・投資関係を打ち立てるのを妨害するためである。

さらに広く言えば、中国国境西側のアフガニスタンに軍事基地を置くことは、中華人民共和国を軍事的に包囲する大きな過程の一部である。つまり、南シナ海への海軍派遣、グアムの軍事施設、南朝鮮、沖縄、チェジュ島などが大きな包囲網となる。(下の2011年地図参照)
    

アジア軸

オバマの「アジア軸」構想で打ち立てられた米国・アフガン安全保障協定の下で、ワシントンとNATO 諸国は、アフガニスタンに永続的な軍事プレゼンスを確立した。それらの基地は、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンと同様、中国、パキスタン、イラン国境に戦略的に置かれている。


しかし、米軍プレゼンスは中国とアフガニスタン間の貿易・投資関係の拡大を阻止することは出来なかった。戦略的パートナーシップ協定が2012年カブールと北京の間で調印された。アフガニスタンは、上海協力機構(SCO)のオブザーバーでもある。

さらに隣のパキスタンは、今はSCOの正式メンバーであり、中国と密接な2国間関係を築いている。そして今ドナルド・トランプは、パキスタンを脅し、長年アメリカの「宣戦布告のない戦争」の攻撃目標であり続けている。

別の言い方をすれば、地政学的連携の変化は、パキスタンの隣のアフガニスタンをユーラシア的貿易、投資、エネルギー軸に統合することとなった。

パキスタン、アフガニスタン、イラン、中国は、石油、ガスパイプライン計画で協力している。トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタンがSCOの正式メンバーであることは、アフガニスタンをユーラシアのエネルギー・輸送回廊に統合する地政学的基盤を与えている。
中国は、アフガニスタンを一帯一路の一部として西中国の輸送ネットワークにいつかは統合することを狙っている。

さらに中国の巨大国有鉱業会社、中国冶金科株式会社は、「タリバン支配地域にある巨大なメス・アイナック銅鉱床を既にうまく支配している。すでに2010年にはワシントンは、「資源に飢えた中国が、アフガニスタンの鉱物資源開発を支配しようとして、アメリカを苦しめることを恐れていた。・・・ローガル州のアイナック銅山の入札を勝ち取った後も、中国はさらなる要求をすることは明かだ。」(Mining.com)

中国とリチュウム戦争



中国の鉱業コングロマリットは今、戦略物資である世界リチュウム市場を支配しようと争っている。その市場を最近まで支配していたのは、「ビッグ・スリー」コングロマリット、つまりアルベマール・ロックウッドリチウム(ノースカロライナ)、ソシエダード・キミカ・イ・ミネラ・デ・チリ、アルゼンチンで操業するFMCコーポレーションであった。ビッグ・スリーが市場を支配しているが、中国はいま世界リチュウム生産の大きな部分を占めていて、オーストラリア、チリ、アルゼンチンに続く4番目に大きなリチウム生産国である。一方中国のチアンキ・グループは、グリーン・ブッシーズと呼ばれるオーストラリア最大のリチウム鉱山を支配している。チアンキは今ノースカロライナのアルベマールと共同でタリソン・リチュウムの51%の株を取得している。

このリチュウム生産の推進力は、中国の電気自動車産業の急速な発展と関連している。

中国は今「リチュウム界の中心」である。中国は既に最大の電気自動車市場である。ウォレン・バフェットに支援された会社BYDは、世界で最大のEVメーカーであり、中国企業はバッテリーのための最大のリチュウム化学製品を生産している。今中国では25の企業があり、電気自動車の51のモデルを作っている。今年、中国で50万台以上のEVが販売されるだろう。2009年からGMがシェビー・ボルトを10万台売るのに7年かかたのに。BYDは今年だけでEVを10万台売るだろう。(Mining.com, 2016年11月報告)

アフガニスタンのリチウム埋蔵規模は、正確に確かめられたわけではない。

専門家の評価では、まだ利用されていない貯蔵量は、世界リチウム市場に大きな衝撃を与えないということだ。
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