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「シリアの子どもたちを助けてほしい!」ーある母親の血の叫びー

White Helmets stealing children for 'chemical attack' theater in Idlib
ベネッサ・ビーリー
RT Op-Ed   2018年9月17日
(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループ 2018年9月28日)
<記事原文> https://www.rt.com/op-ed/438645-children-kidnapped-idlib-syria/


ベネッサ・ビーリーは独立調査ジャーナリスト・写真家
である。彼女は21su Century Wireの副編集長である。


誘拐されたシリア人少年の家族:ワハア、モハメッド・イブラヒム、ロットフェ、ハムザ© Vanessa Beeley

「子どもたちに平和を!子どもたちに遊びを!シリアの子どもたちを『もてあそぶ』のはやめなさい!」これは自分の子どもをテロ集団とホワイト・ヘルメットに奪われ、シリア北西部の都市イドリブに監禁されているある母親の言葉だ。

私がワファに会ったのは彼女の自宅で、夫のモハメド・イブラヒムと二人の息子ハムザ(9歳)、ロットフェ(14歳)も一緒だった。ワファとモハメドは二人とも弁護士で、出会いは同じ大学だった。ワファはしっかりした語り口で、その表情も拉致された11歳の息子アーメドを不安に思う気持ちを振り払うかのように、希望に満ち、楽天的だ。

「アーメドは生まれた時から言葉が不自由だったのです」と彼女は私に語った。「それで拉致されたのだと思っています。抗議も抵抗もできないからです。」

アーメドは1年前自宅からほんの200メートルのところでテロ集団に拉致された。その自宅がどこにあるかは彼女と彼女の家族の安全を守るため、ここで明示することはしない。アーメドが他の子どもたちと一緒にイドリブで拘束されていることはわかっている。その居場所が定期的に変更されるという情報は、未だにイドリブから出られない友人たちや家族からもたらされた。


家族から提供されたアフメドのコラージュ写真© Vanessa Beeley

2018年8月30日、シリア政府の外務大臣ワリード・ムアレム声明を発表した。アメリカの連合軍から資金援助されたホワイト・ヘルメットが44人の子どもたちを拉致し、イドリブにおける化学兵器を使った攻撃の映像を作成するために、その「小道具」として使おうとしている、というものだ。ホワイト・ヘルメットは、仏英米のシリア侵略を早めるためのシナリオを作り出してきた歴史がある。

2018年4月、ドゥーマが化学兵器で攻撃されたという彼らの最新の作り話は化学兵器禁止機関(OPCW)の中間報告によって信頼性に欠けるとされた。シリア政府が、人殺しジャイシュ・アル・イスラム狂信者集団からドゥーマを解放する最後の瞬間にサリンを使用したという扇情主義者たちの言説は、この中間報告の調査結果によって斥けられた。OPCWが採取したサンプルで見つかった塩素成分は家庭で使われるどんな製品からでも抽出できるもので、シリア政府が塩素を使用したという結論にはまったくならなかった。西側メディアと各国政府はOPCWのこの調査結果を無視し、イドリブにおける「化学攻撃」があったとする偽旗をまたもや準備している。そうすればシリア政府がイドリブのテロ掃討作戦中に、シリアに対してさらなる違法な攻撃を仕掛けることができるからだ。   


ドゥーマ神経ガス攻撃に関するOPCW(化学兵器禁止機関)の報告:欧米イデオローグにとっておぞましい見解

ワッファがいちばん恐れるのは、息子のアーメドが他の拘束された子どもたちと一緒に、「化学攻撃」映像の出演者として利用される可能性があることだ。

ワッファの言葉:「アーメドが拉致された時、私は仕事を辞めました。6ヶ月ほど前、友人がトルコからイドリブに来ました。シリアとトルコの国境を越える時、友人は車を止め休憩しました。彼らの息子はアーメドをよく知っています。アーメドの意思伝達の方法は特別です。自分を知っている人ならとても認識しやすい音を出します。友人の息子はアーメドがこの音を出すのを耳にしたのです。彼はアーメドが近くにいるよ、と両親に告げました。」

アーメドのこの存否に関わる話を語る時、ワッファの声は震えた。少なくとも彼は生きている。ワッファとその家族がこの情報を告げられた直後、イドリブ市の東にあるサラキブで、塩素ガス攻撃疑惑が起こった。 

この攻撃疑惑についてOPCWが最近公表した報告の結論はこうだ:
    
「塩素は、機械的な衝撃を与えて円筒から放出されるのだが、それは2018年2月サラキ
    ブのアルタリル近郊で化学兵器として使われた可能性が高い。」


しかし、「現地調査委員会(FFM)」はサラキブに入れないでいる。 この地域を占拠している「穏健的」狂信派に処刑されたり、拉致される危険性があるためだ。 その代わり彼らが全面的に依拠したのは、ホワイト・ヘルメットなどのような信憑性に乏しいニュースソースによってもたらされる「オープンソース[勝手に偽造できる]」の証言や証拠だった。

「サラキブで化学攻撃があったという複数の情報が伝わった直後、アーメドを拘束しているグループから電話がありました。電話口の男が言うには、アーメドを拉致した理由がなくなった、たぶん近々帰宅させるだろう、というものでした」とワッファが私に告げた。

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イドリブの孤児を使って「化学兵器攻撃」の映像を作るホワイト・ヘルメット ― ロシア軍


アーメドを拘束している人間を知っているのか、と私は彼女に訊いた。

「サラキブの事件の直後、何とかイドリブを脱出した数名の女性が私のところへ来ました。彼女たちの話によると、『アル-ナスラ・フロント(シリア駐留のアルカイダ)』が子どもたちを担当しており、ホワイト・ヘルメットが手を貸しているという。私がこのことを報告すると、ホワイト・ヘルメットは私を「シャビーハ[亡霊]」と糾弾しました。「シャビーハ」と言われることは武装グループに捕まれば、死刑宣告も同然です。」 

ワッファにはもうひとり妹がイドリブにいて、その妹が彼女に直接か、ロシアとシリアの間にある人道的回廊地帯を経由してイドリブを離れる人に情報を伝えることができる。この回廊地帯を使ってイドリブ解放の地上戦が始まる前に民間人を避難させることになっている。

「アブアルドゥフール回廊は再び開通するでしょう。しかし、わかっていますが、テロ集団はこの回廊を使ってイドリブを脱出する市民に300,000シリアドル(600$)を請求しています。みんな着の身着のままで脱出するのです。それなのに、この怪物たちは『自由』と『民主主義』をもたらすのだ、と言います。」 

ワッファはイドリブを占拠する外国人戦闘員をこんな風に描写した:
    
「イドリブにいる大半の人は外国人戦闘員を避けます。彼らは非常に過激で危険だか
らです。妹が私に話してくれたのですが、数日前彼女は自分の地区でウイグルの子ど
もたち前を歩いたのだそうです。子どもたちは妹のスカートの裾が高すぎるとなじ
り始めました。ホワイト・ヘルメットも同じだと人々は見ています。彼らは外国
人です。そしていい報酬を得ています。 外国人過激派のように金があります。イ
ドリブの人たちはほとんど子どもたちを学校に行かせていません。ホワイト・ヘル
メットに拉致されることを恐れているからです。」
  

ワッファの説明ではホワイト・ヘルメットは子どもたちを無事帰還させるのに金は要求しないということだった。彼女の家族の話によれば、金を要求することは紛争初期の武装グループのやり方だったそうだ。

「どうして金を要求しないのか? 子どもたちを別の目的で使いたいからです。彼らは自分たちを疑問視する人間を『シャビーハ[亡霊]』と呼びます。西側には自分たちのイメージをクリーンにしておきたいからです。彼らは『人道主義者』ではありません。制服を来たテロリストです。それしか言いようがありません。」

ワッファがひどく恐れているのは、これらのホワイト・ヘルメットを含むアメリカと連携している代理人たちが、事前に映像化しておいた毒ガス攻撃と報道されている出来事にアーメドがもう使われているかもしれない、ということだ。その目的は、シリア政府軍のイドリブ解放作戦が本当に始まったらすぐに、シリア政府とその同盟国を犯罪者扱いにすることにある。 

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「他の」オムラン:アレッポの市民が大手メディアの嘘や子供略取を暴く


「10日前、ある女性が私に会いに来ました。イドリブから到着したばかりでした。 彼女はアーメドが写った1枚の写真を私に見せてくれました。彼はまだ生きていて他の多くの子どもたちと一緒に拘束されているわ、とはっきり言いました。彼女の言葉によれば、攻撃の映像をどの場所で撮影するかによって、ホワイト・ヘルメットは子どもたちをあちこち移動させるのだそうです。子どもたちの拘置場所は常に刑務所です。息子が病気になってないか、怖がっていないか、とても心配です。息子は言葉が話せないのです。まちがいなくアーメドの顔は彼らが作成したビデオ映像や報告のひとつに映しだされるでしょう」とワッファは語った。

私たちがアーメドについて話をしていると、彼の弟のハムザがひどく衝撃を受け、だんだん興奮状態になってきた。

「アーメドの話をするといつもこうなんです。兄がいなくなって、彼の心の中はめちゃくちゃになっています」とワッファは説明した。「今までは、こういったことがあったので、アーメドのことばかり気遣ってきました。でも、これからハムザをもっと守ってあげるつもりです。」

インタビューの間、ワッファは取り乱すこともなく言葉使いにも説得力があった。彼女はあれこれの事実を、熟慮しながら、客観的に語ってくれた。彼女の息子は拉致された。シリアでもっとも残虐な過激派のいくつかのグループに拘束されている。ワッファは気丈でどっしりと構え、恐怖や同情などの感情を一切寄せつけなかった。終始誇り高く、物腰も柔軟だった。アーメドの父親のモハンメド・イブラヒムはさらに物静かで控えめだった。しかし夫婦や子どもたちとの強い絆があるのは明らかだった。この家族は、アーメドがこの試練を切り抜け、自分たちのところに絶対戻ってくるという希望と決意でひとつになっているのだ。 

「イドリブが解放されれば、政府軍は必ずアーメドを私たちのもとに連れてきてくれるでしょう。政府軍は息子を救出してくれます」。ワッファが初めて怒りとイライラの表情を見せたのは、私がこんな要請をした時だった。あなたの祖国は「穏やかな」占領状態にあるのだけれど、実際はどうなのか西側の人たちに詳しく話してみてほしい、と。

「私たちは声を出せません。私たちは忘却されたシリアの民です。誰も耳を傾けてくれません。あの怪物たちは私たちを殺しています。子どもたちを殺しています。私たちの命を盗み、私たちの祖国を破壊しています。そんなことを世界に向かって私たちが語っても誰も耳を傾けてくれません。「穏健派」は自由も民主主義ももたらしません。彼らがもたらすのは流血と恐怖と喪失感だけです。イドリブから彼らの存在をきれいさっぱり無くしてほしい。西側の国々は自分たちが送り込んだテロリストたちを私たちの国から外へ連れ出してほしい。こんな仕打ちを受けるような悪事を私たちは何もしていません。なんで息子が苦しまなければいけないのですか、何のために?お願いですから、こんなことは終わりにして!2011年以前の平和な生活に私たちを戻して!」

この家族に別れを告げようとする直前、私は、ワッファがこのインタビューの中でもっとも力強いメッセージを発したところを映像に収めた。

    
「子どもたちに平和を! 子どもたちに遊びを! シリアの子どもたちを『もてあそぶ』のはやめなさい!」


シリアでは、ますます多くの子どもたちが確実に死に追いやられる戦争に利用されている。こんなことは狂気じみている。ワッファが要求しているのは、西側の人たちがこの事実を認識し、西側諸国の手先となっている狂信派やホワイト・ヘルメット手にかかってシリアの子どもたちがこれ以上苦しまないよう、できることはみんなやってほしい、ということだ。私たちは彼女の心からの要請に耳を傾けるべきだし、その要請に沿った行動を起こすべきだ。私たちが何もしなければ、アーメドや彼と同じ苦しみの道を辿らせてしまう可能性のある他の子どもに、とき遅しとなってしまう。 
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Prof. Bruce Cumings: U.S. Bombing in Korea More Destructive Than Damage to Germany, Japan in WWII
JUNE 12, 2018

ブルース・カミングス教授
デモクラシー・ナウ 2018年6月12日
(翻訳:岩間龍男、大手山茂 2018年9月19日)
<記事原文>https://www.democracynow.org/2018/6/12/prof_bruce_cumings_us_bombing_in


トランプ大統領と北朝鮮指導者金正恩との歴史的会談が開かれました。これは、わずか数週間前の金正恩と韓国の指導者文在寅の歴史的会談の後のことです。この南北会談では、二人の指導者は朝鮮戦争を正式に終わらせる取り組みをすることに合意をしていました。そして火曜日のシンガポールでのサミットの後、トランプは朝鮮戦争を「極端に血なまぐさい紛争」と呼び、この戦争がすぐに正式に終わることを期待すると述べました。詳しくはシカゴ大学の歴史学者ブルース・カミングスにお話しを伺います。

カミングス教授は、Korea's Place in the Sun: A Modern History(1997) 邦訳『現代朝鮮の歴史―世界のなかの朝鮮』 横田安司・小林知子訳(明石書店、2003年)North Korea: Another Country (2004) 邦訳『北朝鮮とアメリカ――確執の半世紀』 杉田米行監訳/古谷和仁・豊田英子訳(明石書店、2004年)など、朝鮮に関する幾つかの著作があります。
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エイミー・グッドマン: デモクラシー・ナウ、戦争と平和の報道です。こちらはエイミー・グッドマンとファン・ゴンザレスです。今日はシカゴ大学の歴史学の教授ブルース・カミングスさんをお招きしています。カミングス教授は、Korea's Place in the Sun: A Modern History(1997)  North Korea: Another Country (2004)など、朝鮮に関する多くの著作があります。
さてあなたは朝鮮情勢について数十年追ってこられましたね。今日、署名された声明について、あなたが最も驚かれたことについて、お話いただけますか。カミングズ教授、これは、ほんとうのところ、過去の延長線上にあることなのか、初めて過去と断絶する動きなのか、どちらなのでしょうか。

ブルース・カミングス: そうですね、北朝鮮とアメリカの新しい関係について確認された最初の原則はとても重要ですね。つまり朝鮮民主主義人民共和国を国家として承認したことです。                             72年前、アメリカは1946年2月に金日成が権力を握ったことを認めませんでした。それは世界の耳目を集める中央権力掌握でした。アメリカはそれをソビエトの策略だと非難しました。そしてその後ずっと、アメリカは北朝鮮の国家の承認を拒否してきました。北朝鮮のイデオロギーは、自国の威厳を前面に押し出し、他国からの尊敬を欲することと不可分です。ですから声明でアメリカが北朝鮮を国家として承認すると言った第一原則はとても重要だと思います。 アメリカがそれをきちんと実行すれば、の話ですが。

第二に、いいですか、ドナルド・トランプはこんな風に何物にもとらわれない動きをします。彼の朝鮮問題への見方にはとらわれがないのですね。戦争が1953年に終わった後すぐに、あるいは過去60年間のどこかの時期に、平和条約が結ばれなかったことは馬鹿げたことだと、トランプは言っています。そして、その点については彼の言っていることは正しいのです。

しかし、「北朝鮮との外交は可能だ」との立場を取るジャーナリスト、ティム・ショロックが次のように言っていることに異論はありません。「腰が抜けるほど驚いたのは、トランプが軍事演習は挑発的だと言ったことです。軍事演習を中止する、少なくとも一時中断するという言葉は言わずもがなです」と述べているところです。バラク・オバマが大統領で、北朝鮮ミサイルと爆弾実験を含む特別な危機があった時、朝鮮半島にダミーの原爆を落とすために核兵器搭載可能爆撃機を送ろうとしました。ティムが言ったように、しばしば軍事演習には、北朝鮮政権の転覆する試みの計画、元山港に海兵隊を派遣して戦争の初期の段階で平壌(ピョンヤン)を行進する計画、そして朝鮮戦域での核兵器の使用が含まれていました。したがって、これらの軍事演習が中止となったことは大変に重要だと思います。しかし、それはまたその状況について全く知らない人物がいることが露わになったということです。はっきり言うと、それはドナルド・トランプのことです。彼は状況を見て言いました。「ちょっと待て、これは費用がかさむだけでなく、非常に挑発的なことだ」と。

また私はCNBCのホワイトハウス担当記者クリスティーヌ・ウィルキーが次のように言ったことに賛成です。すなわち、サミットの演出は非常に重要だったことです。朝鮮民主主義人民共和国の国旗がアメリカ国旗のすぐ隣にあったこと、ドナルド・トランプが北朝鮮の指導者を、利口な男、偉大な男と述べたこと、これらすべてが重要な演出でした。このようなトランプの声明に対してアメリカではあらゆる種類の中傷があることは分かっています。しかし、明らかにトランプは直に知り合いになる関係が大切だということを知っています。そしてこのことはうまくいったようです。

フアン・ゴンザレス: ブルース・カミングスさん、アメリカと北朝鮮の関係の歴史を知らない多くの視聴者のために、あなたに尋ねたかったことがあります。朝鮮戦争でアメリカが北朝鮮を攻撃した時の破壊のレベルについて話していただけますか。また、中国やベトナムとの国交正常化などアジアで変化が起きたにもかかわらず、どうしてアメリカがある意味で冷戦にこだわった地域として朝鮮は残ってしまったのでしょうか。

ブルース・カミングス:そうですね、まず第2の質問をとりあげてみましょう。それは簡単に答えられる質問です。北朝鮮と韓国のよりよい関係、北朝鮮とアメリカのよりよい関係を望む韓国政府が必要だということです。そして9年間そのような韓国政府はありませんでした。しかし、文在寅が政権の座に就くと、彼は即座に北朝鮮とのよりよい関係を持つつもりだと述べました。そしてクリスティーンが述べていたように、文在寅はアメリカと北朝鮮を引き合わせる本当に重要な導き手でした。

だから、文在寅大統領の押し進める融和的な流れの中でーそのような流れが現在や過去にしばしばあったわけではありませんがー物事が前に進んでいます。しかし、これは初めてのことではありません。このことは90年代にも起きました。金大中が政権の座に就いた時、北朝鮮とよりよい関係を持った時です。しかし、文在寅はかなり経験を積んでいました。彼はもう一人の進歩的な大統領であった盧武鉉(ノムヒョン)の首席補佐官でした。彼は自分が何をしているのか分かっています。だから、主にそのような理由から現在アメリカが北朝鮮とよりよい関係を築く過程にあります。

北朝鮮人は誰でも知っていますが、朝鮮戦争では家族が殺されました。通常は米軍が際限無く投下した焼夷弾によってです。基本的には、第二次世界大戦中ドイツと日本の都市を廃墟にするために使われた焼夷爆弾が北朝鮮にも投下されたのです。この爆撃のせいで北朝鮮には15から16のあまり規模の大きくない都市がありましたが、すべて地上から抹殺されました。アメリカ空軍の統計によれば、北朝鮮の都市での破壊の割合は時には100%であったこともあり、第2次世界大戦でのドイツや日本の破壊の割合より概して高率でした。さらには、ナパーム弾が至る所で使われました。

チャーチルは1953年アイゼンハワーにわざわざ打電し、次のような要点を告げなければなりませんでした。「ナパーム弾を発明した時、私たちは見境無く民間人にそれを使用することなど、まったく念頭にありませんでした」。歴史家たちは見積もっています。ベトナム戦争での死傷者の約40%が民間人だったことと比べると、朝鮮戦争での死傷者の約70%は民間人でした。だからトランプ大統領が言ったように、それはとてもとても破壊的な戦争でした。そしてすべての北朝鮮の人々はそのことをすべて知っています。
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アメリカの身勝手な「論理」

What if the world started using US logic in its relations with America?

ニール・クラーク
RT OpEd 2018年8月20日
(翻訳:大手山茂、岩間龍男 2018年9月17日)
<記事原文>https://www.rt.com/op-ed/436385-us-sanctions-russia-iran/

ニール・クラーク氏はジャーナリスト、作家、放送で発言もし、ブロッガーでもある。 イギリスやイギリス以外の新聞や雑誌に多数寄稿している。 ガーディアン、モーニングスター、デイリー&サンデーエクスプレス、メール・オン・サンデー、デイリー・メール、デイリー・テレグラフ、ニューステーツマン、スペクテーター、ザ・ウィーク、アメリカン・コンサーバティブなど。彼はRTの定期寄稿者でありBBCテレビやラジオ、Sky News、Press TV、Voice of Russiaにも登場する。彼はthe Campaign For Public Ownership @PublicOwnershipの共同設立者である。彼の受賞ブログはwww.neilclark66.blogspot.comで見られる。彼のツイッターは@NeilClark66で政治、国際問題を扱っている。
  


(イラク大統領サダム・フセイン像の顔をアメリカ国旗で覆う海兵隊員)

制裁だ! 爆撃だ! 侵略だ! これまでアメリカは「悪事を行っている」と自分が主張する国々にたくさんの懲罰行動を取ってきた。しかし、アメリカ以外の国々がアメリカに同じ基準を当てはめたらどういうことになるのか?

先週の木曜日は本当に特別な日となった。アメリカの新規制裁措置はゼロだった。私に見落としがなければの話だが。 私はその時、腱炎でソファに横になっていた。(幸い妻の「2点法」のお陰もあり1日で回復した) 

現在アメリカが積極的に進めている制裁措置プログラムはほぼ20カ国に及んでいる。ベラルーシからジンバブエに至るまでだ。ちょっと考えてみてほしい。大体アメリカがこういった国を制裁する理由はそのままアメリカを制裁する理由にもたぶんなり得るのだ。

最近イランへ再発動された経済制裁を見てみよう。一部は8月6日に発動され、他は11月4日に発動が設定されている。この財政的な懲罰行為はイランにだけ向けられているわけではない。何ともたちの悪い、まるで生徒間のいじめ行為みたいに、イランと取引している国や外国の金融機関も狙い撃ちしているのだ。イランは「悪意のある態度」という理由で糾弾されている。有数の、いや、「世界有数のテロ支援国家」として糾弾されている。

イラン政府が犯してきたとされる悪行と言っても、実際のところは、イランはテロ撲滅を手助けしているのだ。アメリカとシリアにいるアメリカの同調者たちが支援しているこのテロ行為はなぜか「反政府活動」という言い方になる。

もし制裁が「悪意ある態度」と「テロ支援」が理由で発動されるなら、制裁されるべきなのはアメリカであってイランではない。さらにこのアメリカの論理に従えばアメリカと取引をしている国や金融機関もまた制裁を発動されることになろう。ちょっと想像してほしいのは、ワシントンの絶叫だ。もしイランがアメリカと取引をしている企業や銀行に対して、アメリカが宣言した類いの包括的な施策をイランが宣言した場合のワシントンの絶叫だ。イランがそういった施策を取るとしても決して不当なものではない、もし国務省の理屈に従えば、の話だが。

ロシアは2014年以来アメリカが発動する経済制裁の対象となってきた。 ロシアが糾弾されたのは、クリミアを「併合」し、「ウクライナにおける民主的プロセスと諸機関」を「台無しにしたこと」、そしてウクライナの「平和、安全、安定、主権と領土保全」を脅かした、といったことが理由だ。

「この21世紀に19世紀的な振る舞いは絶対にだめです。 他国を侵略するのに完全にねつ造された口実を使うなんて」とジョン・ケリー国務長官は大真面目に言明した。 彼の言明がなぜおかしいかと言うと、「完全にねつ造された口実」で他国を侵略するということになると、ここ数十年で言えばアメリカとその同盟国の回数が一番多いし、やり方も恥知らずだ。イランが大量破壊兵器で他国を攻撃することがあるだろうか?

4月の報道ではアメリカはシリアの約30%の領土を占領している。この地域にはシリアが産出する原油の大半が埋蔵されている。シリアの人たちはこの問題について投票したか?クリミアでは2014年投票が行われ、圧倒的多数の国民がロシア施政下に復帰することを選択した。

もちろんアメリカのシリア「併合」などのニュースはない。「併合」とは「アメリカが認定した敵」だけがすることだからだ。

ロシアはまた2016年のアメリカ大統領選に干渉した廉で制裁を受けている。このことについてきちんとした証拠があるか無いかはどうでもいい。きちんと証明できるのは1996年のロシア大統領選にアメリカが大々的な干渉を行ったことだ。このことをタイム誌が自慢気にその表紙にまで掲載した。アメリカの選挙干渉は世界中で行われ、数え切れないほどだ。アメリカから他国への干渉を糾弾されるのはノートルダムのせむし男に背筋を伸ばせと言われるようなものだ。あるいはドラキュラ伯爵に道徳的な潔癖さについてレクチャーされるようなものだ。  
Read more (西欧はアフリカの終わりなき戦争による再植民地化を狙っている。カダフィの排除は始まりに過ぎない。)
https://www.rt.com/op-ed/407332-gaddafi-west-sirte-recolonization/


もし「選挙干渉」のアメリカ基準をアメリカ自身に適用するなら、最低世界の半数の国々がアメリカを制裁する正当性を持つだろう。アメリカ政治への干渉を明々白々に行っている国はイスラエルだ。ノーム・チョムスキーの発言:「アメリカのいろいろな選挙にイスラエルが干渉してきたことはロシアの比ではない。イスラエルの首相(ベンジャミン・)ナタニェフは大統領に通告することもせず、アメリカ議会に直接出向き、発言し、満場の拍手を受け、アメリカ大統領の諸政策にケチをつけたりすることまでする。これは実際2015年オバマ大統領の時に起こったことだ。」 

だからアメリカはイスラエルを制裁することになるのか?とんでもない。「アメリカの大物政治家たち」はイスラエルへの軍事援助を380億ドル増額したいと思っている!

その同じ「大物政治家たち」が、びっくり、びっくり仰天、ロシアを懲罰することに大層熱を上げている。今週発動されるロシアへの最新の制裁は3月に毒殺されかけたロシアの元スパイ、スクリパリ親子事件に関連している。 アメリカはこの事件を大真面目で「国際法違反」と呼んでいる。このこともまたどうでもいい。スクリパリ父娘をロシアが毒殺しようとしたことを示す証拠など今のところ何一つ呈示されていないのだから。ちょっと想像してほしい。もし金融安定理事会(FSB)で以前働いていた2名のアメリカ市民への未解決毒殺事件に関連して、ロシアがアメリカへの制裁を導入したらどんなことになるか。 アメリカはそれに対してどんなことを言うのだろう? 実際はもっとひどいことを言っている。アメリカが突きつけている要求はロシアが科学・生物兵器をもう使用していないこと、将来も使用するつもりがないことを90日以内に証明しろ、というのだ。もしどこかの国がアメリカに同様の最後通牒を突きつけたらどうだろう? 何のかの言っても、アメリカが科学兵器を使用し、おそらくは生物兵器も使用してきたことは周知のことだ。2012年までにすべての化学兵器を廃棄するという化学兵器禁止機関の決定をやり過ごし、アメリカは今も化学生物兵器を貯蔵している。 

ロシアは、アメリカとは対照的に、2017年には廃棄を完了している。

アフリカに目を向けると、アメリカは2001年来ジンバブエへの経済制裁を実行している。すべてロバート・ムガベが理由?まあ、現在ムガベ同志は表舞台には出ていない。そしてどうなったと思う?今年の夏アメリカはジンバブエ大統領選に先だって制裁を延長した。明白なのは、ジンバブエが経済制裁の対象国になったのは、「誤った」外交政策の同盟者を持っているという理由からだ。再度想像してほしい。アメリカと仲良くしている国々を気に入らないからと言って、アメリカを制裁することになったらどうなるのか。

アメリカが発動する他国への制裁理由として共通に語られるのは、そういった国は「自由で公平な選挙」を実施していない、ということだ。でも、アメリカはどうか?アメリカの政治体制は巨大な金や権力に絡む利権グループに支配されている。
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ネルソンマンデラの遺産は、自由計画を売り物にする西欧によってハイジャックされた。
https://www.rt.com/op-ed/433822-mandela-legacy-distorted-obama/


民主党も共和党も根っこは同じ戦争肯定、資本優先党だ。一方は他方よりほんのちょっと社会的にリベラル色があるが、それも選択の自由があるという幻想を有権者に振りまくためだ。アメリカが民主主義に欠損があるから他国を制裁するなどというのは、2016年の大統領選でアメリカの有権者たちに提供された「選択」を考えた時、お笑い草でしかない。さらに偽善的なのはアメリカが「人権」への危惧を他国処罰の理由とすることだ。アメリカは人権問題に熱心なあまり、6月に国連人権理事会をしれっと脱退するような国なのだ。 

実際のところ、世界最悪の人権弾圧国家の一部はサウジアラビアやイスラエルのようなアメリカと関係がとても深い同盟国家だ。もちろんアメリカはこの二国を制裁することはない。それどころか武器を提供し、人権弾圧に手を貸す始末だ。

「平和、安全、安定、主権、そして領土保全」。アメリカがロシアを制裁する理由としてあげるこういった言葉をじっくり考えてみよう。そして過去30年間に世界で何が起こっていたのかをもう一度考えてみよう。アメリカとその同盟国家群はユーゴスラビア連邦共和国の「主権と領土保全」に気を配ったことはあるのか?彼らが1999年に同国を78日間爆撃し、コソボの「独立」を達成しようとした時のことだ。アメリカとその同盟国家群は「平和、安全、そして安定」に気を配ったことはあるのか?彼らが2003年イラクに不法な侵略を行い、同国をカオスと流血へ落とし込んだ時のことだ。大虐殺は今でも続いている。彼らはリビヤを2011年に爆撃した時、こういったとても崇高な事柄に気を配ったことはあるのか?リビヤはアフリカで最も生活水準の高い国だった。それを石器時代に戻してしまったのだ。同じことは彼らがシリア・アラブ共和国の安定を乱し、同国の分断を図ろうとしていることにも言える。   

アメリカは他国を懲罰することが大好きだ。しかしアメリカに世界の裁判官、陪審員そして死刑執行人になる法的・道徳的権威はまったく無い。そろそろアメリカには自分たちが他国に要求しているのと同じ基準が適用され、必要な時には同じ罰則の対象とされるべき時だ。 

私の同僚である論説OpEdコラムニスト、ジョン・ワイトの言葉を引用する。

    「制裁がアメリカ『によって』ではなく、アメリカ『に』発動される世界
    に生きる時になって初めて私たちは正義が支配していることを知ることになろう。」

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フィリピンのアメリカ離れ

‘Who are you to warn us?’: Duterte hits back after US warning to stay away from Russian arms


RT Home/World News/  2018年8月20日
(翻訳:大手山茂、岩間龍男)
<記事原文>https://www.rt.com/news/436429-duterte-us-russia-weapons/


Philippine President Rodrigo Duterte © Ted Aljibe / AFP

フィリッピン大統領ロドリゴ・ドゥテルテは、アメリカ政府がフィリッピンにどの武器を購入すべきかを指示したことに対して激しい批判を行った。しかし、ロシアから購入するかもしれない潜水艦がアメリカ国民に対して使われることはない、と発言することでアメリカ国民をなだめた。

ドゥテルテは、先週アメリカ国防省長官補佐官アジア太平洋問題担当のランドール・シュライバーの声明に激怒した。フィリッピンはロシア製の潜水艦や他の兵器を入手することについて「しっかり考慮すべきだ」。さもないとアメリカとフィリピン両政府の同盟関係を危うくするだろう、というのが声明の内容だった。

ドゥテルテは金曜日ダヴァオ市で演説した。「なぜ? あんたは他の国にストップをかけたのかい?なぜ我々にストップをかけるんだい?フィリピンに警告するなんてあんたは何様?」と。これはインクワイアラー紙のネット版で掲載されていた。

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Philippines won’t stop buying Russian arms over US pressure – FM


ドゥテルテはシュライバーに、同じ警告を面と向かって繰り返してみろと挑発的に言った。「公開討論会でもやろう。そこであんたは、わが国の潜水艦入手の反対論を言うんだよ。理由もちゃんとつけて、それを公にするのだよ。」

「それがあんたの望む同盟国への扱いなのかい?それにフィリッピンがどんな時でもアメリカ側にいて欲しい、とあんたは思っているのかい?」とドゥテルテは怒りを投げつけた。ドナルド・トランプ大統領にも同じ質問をぜひしたい、「もし会うようなことがあればだが」と語った。

ドゥテルテは、アメリカがフィリッピンの防衛能力を「遅れた」ままの状態にしようとしていると非難した。 「ベトナムは7隻の潜水艦、マレーシアは2隻、インドネシアは約8隻だ。フィリッピンだけがこの地域で潜水艦が1隻もない」と彼は論じた。 

しかし、ドゥテルテ大統領は次のように述べることでアメリカ政府をなだめた。「わが国はアメリカを目標に潜水艦を使うことはない。中国や他のどの国に対しても敵対的に潜水艦を使うことはできない。なぜならフィリッピンの軍事力は劣っているからだ。」 

ドゥテルテはまた、アメリカが改修したヘリコプターをフィリッピンに売りつけたことを非難した。彼の言によれば、そのうち数機はすでに墜落したとのことだ。ロシアや中国は中古装備をフィリッピンに寄付してくれるだけで、「びた一文の金も請求することはなかった」と言った。

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ロシアとフィリッピンは軍事協力協定を昨年締結し、ロシアはすでに5千丁を越えるカラシニコフ攻撃用ライフルをフィリッピンに無償で提供し、イスラム系反政府勢力との戦闘の一助になっている。

ドゥテルテ政権はまた、潜水艦、パトロール船、ヘリコプターそして装甲車両をロシアから購入することを考慮中だ。

8月初め、フィリッピンの外務大臣アラン・ピーター・カエターノは、アメリカが圧力をかけてもフィリッピンがロシア製武器購入を断念することはないと明言した。これは「われわれが本当に自立的外交を決意しているかどうかの試金石なのだ」から、と。

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アメリカ政府は最近インドとトルコにロシア製S-400防衛ミサイルシステムの購入を控えるよう説得しようとした。が、両政府からは「アメリカの関知する問題ではない」と言い返された。

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全米で服役者のストライキ

Nationwide US prison strike demands end to ‘slave labor’ & ‘racist’ sentencing

RT Home/US News/ 2018年8月21日

翻訳(大手山茂、岩間龍男 2018年9月11日)
<記事原文>https://www.rt.com/usa/436516-nationwide-prison-strike-slavery/


© Shannon Stapleton / Reuters

アメリカのいくつかの州にまたがる刑務所の収容者が3週間のストライキを起こしている。 彼らが言う「人種差別的刑法」、「非人道的待遇条件」、そして「奴隷労働にも匹敵する所内労働に賃金が支払われていないこと」に抗議してのことだ。

「刑務所の法律家は声を上げる」と呼ばれる服役者グループが陣頭指揮を執り、このストライキは8月21日から9月9日まで市民的不服従の形を取っているとされる。 抗議者たちは10項目の要求を公にしている。 重点項目としては服役者と前科者の投票権を回復すること、そして受刑者の尊厳ある待遇だ。

他の要求項目には①「刑務所内の奴隷待遇を即時止めること」、②刑務所内のすべての服役者の労働に対して「該当する州や地域で通常支払われる賃金を支払うこと」、そして③「人種差別的な科料過剰請求や、行き過ぎた判決と、非白人に対する仮出所不認可の即時停止」などがある。

ストライキの陣頭指揮を取っているグループは、同時にいくつかの法律や連邦政府の計画の廃止を要求している。 これらの法律や計画は最低刑期を義務化しており、暴力的な犯罪者には最低刑期の85%をきちんと終えなければ仮出所資格を認めてはならない、あるいは服役者が訴訟を起こす権利を制限することを各州に求めている。

アメリカ自由人権協会はこのストライキを支持しており、その要となる要求は投票権の回復だとしている。 ほとんどの州では服役者が投票することはできないようになっており、前科者の投票権を認めていないケースもある。 バーモント州、メイン州だけが服役者も前科者も例外なく投票権を認めている。

南北戦争後に採択されたアメリカ合衆国憲法修正条項第14条は、「反乱あるいは他の犯罪に加担した廉で」投票権を差し止めることを認めた――その対象となったのが連邦離脱のために戦った南部市民だったことは明白――けれど、この表現は、一時的であれ恒久的であれ、なべて凶悪犯罪者であれば投票権を与えないことを各州に許してきた。

服役者たちのもうひとつの大きな抗議事項は修正条項第13条に起因している。 修正条項第13条は1865年に奴隷制と意に反する苦役を廃止した。 ただし、「当事者が十分有罪判決を下されるような犯罪への刑罰としての場合を除く」となっている。これはアメリカの刑務所制度では健在であることを意味していると、服役者たちは主張する。

今回のストライキが奴隷制と関連づけられたもうひとつの点は象徴的だ。 8月21日は1831年バージニア州で起こったナット・ターナーに率いられた奴隷反乱の記念日なのだ。 1971年の同日、刑務所内活動家で「ブラック・ゲリラ・  ファミリー」の創設者であるジョージ・ジャクソンが殺された。 彼がカリフォルニア州のケンティン刑務所から脱獄しようとしたのだ。 今回のストライキの指導者たちはこの二つの記念日をストライキ開始日にしたことを意味のあることだとしている。

9月9日をストライキの最終日にしたのは1971年ニューヨーク州北部にあるアッティカ刑務所での反乱を記念してのことだ。 約1,300人のアッティカ刑務所の収容者達が奴隷労働と警察の暴虐を止めるよう4日間要求を続けた。 その後警察力による弾圧で結果的に39人が死亡、128人が負傷した。

「2016年刑務所ストライキ」も同様に、「刑務所の法律家は声を上げる」グループによって組織され、9月9日をストライキ開始日とした。

アメリカは服役者総数と収監率(10万人当たり655人)の双方で世界ランキングのトップだ。 現在アメリカでは広範囲にまたがる拘置所や刑務所におおよそ230万人の服役者がいる、これは「プリズン・ポリシー・イニシアティブ」(2001年設立されマサチューセッツ州に本部のあるシンクタンク)が公表した最新の数字だ。 これに現在執行猶予中の370万人、仮出所の84万人を加えれば、アメリカの司法当局はほぼ7百万人への支配権を実際行使していることになる。
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ドンバス指導者の暗殺<分析>

Donbass leader’s murder shows Kiev clearly wants to end Ukrainian crisis by force – analysts

RT  Home/World News/ 2018年8月31日
(翻訳:新見明  2018年9月11日)
<記事原文> https://www.rt.com/news/437376-dpr-murder-kiev-ukraine-force/

FILE PHOTO. © Anatolii Stepanov / Global Look Press

ドネツク人民共和国(自称)の指導者アレクサンドル・ザハルチェンコの暗殺は、キエフによって「まことしやかに」画策され、それはウクライナ政府の本来の計画を明るみに出したのだと、専門家はRTに語った。

モスクワは、金曜日のDPR(ドネツク人民共和国)の指導者を殺したドネツク爆破事件の背後にウクライナ政府がいると糾弾した。彼の死は実際キエフ政権の戦争屋にとって利益をもたらすとアナリストは分析している。

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(写真)ドネツク人民共和国(DNR)(自称)の指導者アレクサンドル・ザハルチェンコが東ウクライナの爆破で殺された。


「ザハルチェンコの殺害は、まずウクライナの強硬派を利するものである。彼らはミンスク合意やドンバス地域の人々とのどんな和平合意にも関心がないからである」と政治評論家のアレクサンダー・パビッチは暗殺に関して述べた。強硬派は「ウクライナ大統領(ペトロ)・ポロシェンコ自身によって率いられていて」、それ故、強硬派は現政府の中心勢力である、とハビッチは考えている。

元アメリカ外交官ジム・ジャトラスはRTに次のように語った。キエフはいつもウクライナ紛争を「ゼロサムゲーム」と考えている。そして「ドネツクとルガンスク共和国指導者を弱体化するものは何でもキエフにプラスになると考えられているちがいない」。「この殺害は先制攻撃のパターンに当てはまる」。キエフは自称の共和国に攻撃を開始したのだ、と。

「キエフは一度も政治的調整に関心を持ったことがない」

ザハルチェンコの殺害が明らかに示していることは、キエフ政府がいつも東ウクライナを「武力によって片づける問題だ」と考えていることだ、とイギリスの哲学者、歴史家、作家のジョン・ラーフランドはRTに語った。

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© Sputnik「テロリストの戦術」: 反逆罪で告訴されたロシア人ジャーナリストは、ウクライナ刑務所で100日目になる。


ラーフランドは次のように述べた。キエフはいつも自称共和国勢力を「ロシア人戦闘員でウクライナ人戦闘員ではない」。ウクライナは「もし自分の領土の人々が外国の侵略者であるとするなら、外国の侵略者とはドンバスの人々のことだ。と言うことはキエフは政治的解決には関心がなく、彼らを自分たちの市民とは考えていない」と。

ラーフランドは続けて述べた。ザハルチェンコの殺害は「いくらかの人々が知っているかもしれないことを・・・つまりウクライナが政治的解決に関心がないということを、全世界に示していることだ。またポロシェンコはウクライナ連邦化に強固に反対していることをごく最近表明した。それは結局、彼が東ウクライナの自治に反対であり、ミンスク合意を実行する意思がないということだ、と。

ポロシェンコの言葉はジャトラスの言葉の繰り返しだった。つまりジャトラスは「もしミンスク合意過程が全く死んでしまったことにだれかが疑問を抱くなら、そのような疑問は終わらせるべきだ」と述べたのだ。一方パビッチは、暗殺が、最近のプーチン・メルケル会談後のミンスク合意過程への新たな勢いを葬り去ろうとする意図が明らかにあるということだ、と述べた。

西欧は、「キエフにあまりに多額の投資をした」のだ

しかしこれら全ての事実が、西欧においてウクライナ紛争への態度を変えることはない。なぜなら西欧諸国は、真実よりも彼ら自身の利害を気にかけているからだ、とアナリストは警告した。
 
ヨーロッパの政策立案者たちは「多くの政治資金を、ロシアのウクライナ侵略説を正当化することに投資してきた」。そして今や、それはEUの公式見解でもある、とラーフランドは述べた。たとえ彼らが本当の状況がどんなものであるかを理解したとしても、「彼らが考えを変えるにはなおかなり時間がかかるだろう」、と彼は警告した。

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アメリカ軍人がキエフで、ウクライナ独立記念日のリハーサルで行進している。「彼らの家の主人?」、ボルトンが独立記念日でウクライナを「視察」する。


アメリカやヨーロッパ当局がウクライナ支援の増加までも約束した模様で、「ワシントンとモスクワの和解の見込みはないことを確認し」、さらなる緊張を高めるものは何でも歓迎したがっていると、ジェトラスは見ている。

この事件は、「ロシア・ウクライナの緊張の高まりに興味をしめす全ての外国勢力」を利するものである。それはアメリカの陰の政府やリベラル介入主義のNATOやイギリスに導かれ、現在、無謀な反ロシアキャンペーンを展開している、とパビックは述べた。

西欧は結局、ザハルチェンコの殺害を地域の活動家のせいにしようとし、ある種の内部抗争の結果として濡れ衣をきせるだろうと、アナリストは予想した。この事件はまたアメリカにおける反ロシアヒステリーを推進する「ポロシェンコの立場を高める」ことになると、パビックは続けた。彼らの多くがジョン・マケインの葬儀に参列し、ポロシェンコも参列する予定になっている。

一方、大手メディアはその問題を過小評価しがちで、あるいはそれを単に無視するのだ。ラーフランドは、この殺害がその地域の状況に悲惨な結果をもたらすだろうと警告した。「もしかするとこの殺害は、あらゆる政治的解決の可能性を壊すだろう。そして我々はウクライナ紛争の最悪の時期に戻されるだろう。それは政治的交渉過程を破壊することになるだろう」と彼は述べた。
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「街は孤児になった」。12万人の会葬者が殺害されたドネツク、ドンバスの指導者に別れを告げる(写真)

Home/World News/

‘The city is orphaned’: 120,000 mourners bid farewell to murdered Donbass leader in Donetsk (PHOTOS)

2018年9月2日

(PHOTOS)
(翻訳:新見明 2018年9月6日)
<記事原文>https://www.rt.com/news/437440-donbass-leader-murder-funeral/

ウクライナのドネツクで、人々はアレキサンドル・ザハルチェンコに別れを告げるため並んでいる。

少なくとも12万人が、ドネツク人民共和国(自称)の指導者アレクサンドル・ザハルチェンコの葬儀に参列した。金曜日、東ウクライナのドネツク市で、彼は爆発によって殺された。

ザハルチェンコの遺体は、国立アカデミーオペラ、バレー劇場のロビーに置かれていた。そこは、DPR(自称ドネツク人民共和国)の指導者が殺害されたカフェ・セパールからほど近いところにある。


12万人以上が、殺害された指導者にお別れをするためにやって来た、と市委員会のスポークスマンが記者に語った。


ドンバスの指導者の葬儀に、人々は花束を携えてやってきた。「(私達は)涙に暮れるしかありません!私達はなんて言ったらいいのかわかりません」と、ドネツク地区のヤシノバターヤの町からやってきた三人の女性がRIAノーボスチに語った。

「こんなこと(殺害)が、いったいどうして起こったのか!多くの母親が子供と歩いていて、普通の人々が歩いている市のど真ん中で起こったのです!」と、もう一人の悲しみに暮れた女性が叫んだ。ザハルチェンコは結婚していて、4人の息子が残された。


モスクワは43歳のザハルチェンコの殺害に非難声明を出した。「殺害はウクライナのあらゆる和平行程を阻害するものである。東ウクライナにおいて、ミンスク合意実現を葬り去ることを狙ったあからさまな挑発行為だ」とロシア外相セルゲイ・ラブロフは土曜日に語った。


ザハルチェンコは2014年11月以来DPR(ドネツク人民共和国)を率いてきた。2014年11月はウクライナ大統領ビクトル・ヤヌコービッチがクーデターによって追放され、危機が勃発したときだ。ドネツク州は隣のルガンスク州とともに、キエフ政府と衝突を繰り返していた。彼らは2014年のクーデターによる新政府受け入れを拒否し、自分たちで共和国を打ち立てた。ザハルチェンコは、以前から度重なる暗殺の試みから生き延びてきていた。


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