「シリアの子どもたちを助けてほしい!」ーある母親の血の叫びー
White Helmets stealing children for 'chemical attack' theater in Idlib
ベネッサ・ビーリー
RT Op-Ed 2018年9月17日
(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループ 2018年9月28日)
<記事原文> https://www.rt.com/op-ed/438645-children-kidnapped-idlib-syria/

ベネッサ・ビーリーは独立調査ジャーナリスト・写真家
である。彼女は21su Century Wireの副編集長である。

誘拐されたシリア人少年の家族:ワハア、モハメッド・イブラヒム、ロットフェ、ハムザ© Vanessa Beeley
「子どもたちに平和を!子どもたちに遊びを!シリアの子どもたちを『もてあそぶ』のはやめなさい!」これは自分の子どもをテロ集団とホワイト・ヘルメットに奪われ、シリア北西部の都市イドリブに監禁されているある母親の言葉だ。
私がワファに会ったのは彼女の自宅で、夫のモハメド・イブラヒムと二人の息子ハムザ(9歳)、ロットフェ(14歳)も一緒だった。ワファとモハメドは二人とも弁護士で、出会いは同じ大学だった。ワファはしっかりした語り口で、その表情も拉致された11歳の息子アーメドを不安に思う気持ちを振り払うかのように、希望に満ち、楽天的だ。
「アーメドは生まれた時から言葉が不自由だったのです」と彼女は私に語った。「それで拉致されたのだと思っています。抗議も抵抗もできないからです。」
アーメドは1年前自宅からほんの200メートルのところでテロ集団に拉致された。その自宅がどこにあるかは彼女と彼女の家族の安全を守るため、ここで明示することはしない。アーメドが他の子どもたちと一緒にイドリブで拘束されていることはわかっている。その居場所が定期的に変更されるという情報は、未だにイドリブから出られない友人たちや家族からもたらされた。

家族から提供されたアフメドのコラージュ写真© Vanessa Beeley
2018年8月30日、シリア政府の外務大臣ワリード・ムアレム声明を発表した。アメリカの連合軍から資金援助されたホワイト・ヘルメットが44人の子どもたちを拉致し、イドリブにおける化学兵器を使った攻撃の映像を作成するために、その「小道具」として使おうとしている、というものだ。ホワイト・ヘルメットは、仏英米のシリア侵略を早めるためのシナリオを作り出してきた歴史がある。
2018年4月、ドゥーマが化学兵器で攻撃されたという彼らの最新の作り話は化学兵器禁止機関(OPCW)の中間報告によって信頼性に欠けるとされた。シリア政府が、人殺しジャイシュ・アル・イスラム狂信者集団からドゥーマを解放する最後の瞬間にサリンを使用したという扇情主義者たちの言説は、この中間報告の調査結果によって斥けられた。OPCWが採取したサンプルで見つかった塩素成分は家庭で使われるどんな製品からでも抽出できるもので、シリア政府が塩素を使用したという結論にはまったくならなかった。西側メディアと各国政府はOPCWのこの調査結果を無視し、イドリブにおける「化学攻撃」があったとする偽旗をまたもや準備している。そうすればシリア政府がイドリブのテロ掃討作戦中に、シリアに対してさらなる違法な攻撃を仕掛けることができるからだ。

ドゥーマ神経ガス攻撃に関するOPCW(化学兵器禁止機関)の報告:欧米イデオローグにとっておぞましい見解
ワッファがいちばん恐れるのは、息子のアーメドが他の拘束された子どもたちと一緒に、「化学攻撃」映像の出演者として利用される可能性があることだ。
ワッファの言葉:「アーメドが拉致された時、私は仕事を辞めました。6ヶ月ほど前、友人がトルコからイドリブに来ました。シリアとトルコの国境を越える時、友人は車を止め休憩しました。彼らの息子はアーメドをよく知っています。アーメドの意思伝達の方法は特別です。自分を知っている人ならとても認識しやすい音を出します。友人の息子はアーメドがこの音を出すのを耳にしたのです。彼はアーメドが近くにいるよ、と両親に告げました。」
アーメドのこの存否に関わる話を語る時、ワッファの声は震えた。少なくとも彼は生きている。ワッファとその家族がこの情報を告げられた直後、イドリブ市の東にあるサラキブで、塩素ガス攻撃疑惑が起こった。
この攻撃疑惑についてOPCWが最近公表した報告の結論はこうだ:
しかし、「現地調査委員会(FFM)」はサラキブに入れないでいる。 この地域を占拠している「穏健的」狂信派に処刑されたり、拉致される危険性があるためだ。 その代わり彼らが全面的に依拠したのは、ホワイト・ヘルメットなどのような信憑性に乏しいニュースソースによってもたらされる「オープンソース[勝手に偽造できる]」の証言や証拠だった。
「サラキブで化学攻撃があったという複数の情報が伝わった直後、アーメドを拘束しているグループから電話がありました。電話口の男が言うには、アーメドを拉致した理由がなくなった、たぶん近々帰宅させるだろう、というものでした」とワッファが私に告げた。
アーメドを拘束している人間を知っているのか、と私は彼女に訊いた。
「サラキブの事件の直後、何とかイドリブを脱出した数名の女性が私のところへ来ました。彼女たちの話によると、『アル-ナスラ・フロント(シリア駐留のアルカイダ)』が子どもたちを担当しており、ホワイト・ヘルメットが手を貸しているという。私がこのことを報告すると、ホワイト・ヘルメットは私を「シャビーハ[亡霊]」と糾弾しました。「シャビーハ」と言われることは武装グループに捕まれば、死刑宣告も同然です。」
ワッファにはもうひとり妹がイドリブにいて、その妹が彼女に直接か、ロシアとシリアの間にある人道的回廊地帯を経由してイドリブを離れる人に情報を伝えることができる。この回廊地帯を使ってイドリブ解放の地上戦が始まる前に民間人を避難させることになっている。
「アブアルドゥフール回廊は再び開通するでしょう。しかし、わかっていますが、テロ集団はこの回廊を使ってイドリブを脱出する市民に300,000シリアドル(600$)を請求しています。みんな着の身着のままで脱出するのです。それなのに、この怪物たちは『自由』と『民主主義』をもたらすのだ、と言います。」
ワッファはイドリブを占拠する外国人戦闘員をこんな風に描写した:
ワッファの説明ではホワイト・ヘルメットは子どもたちを無事帰還させるのに金は要求しないということだった。彼女の家族の話によれば、金を要求することは紛争初期の武装グループのやり方だったそうだ。
「どうして金を要求しないのか? 子どもたちを別の目的で使いたいからです。彼らは自分たちを疑問視する人間を『シャビーハ[亡霊]』と呼びます。西側には自分たちのイメージをクリーンにしておきたいからです。彼らは『人道主義者』ではありません。制服を来たテロリストです。それしか言いようがありません。」
ワッファがひどく恐れているのは、これらのホワイト・ヘルメットを含むアメリカと連携している代理人たちが、事前に映像化しておいた毒ガス攻撃と報道されている出来事にアーメドがもう使われているかもしれない、ということだ。その目的は、シリア政府軍のイドリブ解放作戦が本当に始まったらすぐに、シリア政府とその同盟国を犯罪者扱いにすることにある。
「10日前、ある女性が私に会いに来ました。イドリブから到着したばかりでした。 彼女はアーメドが写った1枚の写真を私に見せてくれました。彼はまだ生きていて他の多くの子どもたちと一緒に拘束されているわ、とはっきり言いました。彼女の言葉によれば、攻撃の映像をどの場所で撮影するかによって、ホワイト・ヘルメットは子どもたちをあちこち移動させるのだそうです。子どもたちの拘置場所は常に刑務所です。息子が病気になってないか、怖がっていないか、とても心配です。息子は言葉が話せないのです。まちがいなくアーメドの顔は彼らが作成したビデオ映像や報告のひとつに映しだされるでしょう」とワッファは語った。
私たちがアーメドについて話をしていると、彼の弟のハムザがひどく衝撃を受け、だんだん興奮状態になってきた。
「アーメドの話をするといつもこうなんです。兄がいなくなって、彼の心の中はめちゃくちゃになっています」とワッファは説明した。「今までは、こういったことがあったので、アーメドのことばかり気遣ってきました。でも、これからハムザをもっと守ってあげるつもりです。」
インタビューの間、ワッファは取り乱すこともなく言葉使いにも説得力があった。彼女はあれこれの事実を、熟慮しながら、客観的に語ってくれた。彼女の息子は拉致された。シリアでもっとも残虐な過激派のいくつかのグループに拘束されている。ワッファは気丈でどっしりと構え、恐怖や同情などの感情を一切寄せつけなかった。終始誇り高く、物腰も柔軟だった。アーメドの父親のモハンメド・イブラヒムはさらに物静かで控えめだった。しかし夫婦や子どもたちとの強い絆があるのは明らかだった。この家族は、アーメドがこの試練を切り抜け、自分たちのところに絶対戻ってくるという希望と決意でひとつになっているのだ。
「イドリブが解放されれば、政府軍は必ずアーメドを私たちのもとに連れてきてくれるでしょう。政府軍は息子を救出してくれます」。ワッファが初めて怒りとイライラの表情を見せたのは、私がこんな要請をした時だった。あなたの祖国は「穏やかな」占領状態にあるのだけれど、実際はどうなのか西側の人たちに詳しく話してみてほしい、と。
「私たちは声を出せません。私たちは忘却されたシリアの民です。誰も耳を傾けてくれません。あの怪物たちは私たちを殺しています。子どもたちを殺しています。私たちの命を盗み、私たちの祖国を破壊しています。そんなことを世界に向かって私たちが語っても誰も耳を傾けてくれません。「穏健派」は自由も民主主義ももたらしません。彼らがもたらすのは流血と恐怖と喪失感だけです。イドリブから彼らの存在をきれいさっぱり無くしてほしい。西側の国々は自分たちが送り込んだテロリストたちを私たちの国から外へ連れ出してほしい。こんな仕打ちを受けるような悪事を私たちは何もしていません。なんで息子が苦しまなければいけないのですか、何のために?お願いですから、こんなことは終わりにして!2011年以前の平和な生活に私たちを戻して!」
この家族に別れを告げようとする直前、私は、ワッファがこのインタビューの中でもっとも力強いメッセージを発したところを映像に収めた。
シリアでは、ますます多くの子どもたちが確実に死に追いやられる戦争に利用されている。こんなことは狂気じみている。ワッファが要求しているのは、西側の人たちがこの事実を認識し、西側諸国の手先となっている狂信派やホワイト・ヘルメット手にかかってシリアの子どもたちがこれ以上苦しまないよう、できることはみんなやってほしい、ということだ。私たちは彼女の心からの要請に耳を傾けるべきだし、その要請に沿った行動を起こすべきだ。私たちが何もしなければ、アーメドや彼と同じ苦しみの道を辿らせてしまう可能性のある他の子どもに、とき遅しとなってしまう。
ベネッサ・ビーリー
RT Op-Ed 2018年9月17日
(翻訳: 寺島メソッド翻訳グループ 2018年9月28日)
<記事原文> https://www.rt.com/op-ed/438645-children-kidnapped-idlib-syria/

ベネッサ・ビーリーは独立調査ジャーナリスト・写真家
である。彼女は21su Century Wireの副編集長である。

誘拐されたシリア人少年の家族:ワハア、モハメッド・イブラヒム、ロットフェ、ハムザ© Vanessa Beeley
「子どもたちに平和を!子どもたちに遊びを!シリアの子どもたちを『もてあそぶ』のはやめなさい!」これは自分の子どもをテロ集団とホワイト・ヘルメットに奪われ、シリア北西部の都市イドリブに監禁されているある母親の言葉だ。
私がワファに会ったのは彼女の自宅で、夫のモハメド・イブラヒムと二人の息子ハムザ(9歳)、ロットフェ(14歳)も一緒だった。ワファとモハメドは二人とも弁護士で、出会いは同じ大学だった。ワファはしっかりした語り口で、その表情も拉致された11歳の息子アーメドを不安に思う気持ちを振り払うかのように、希望に満ち、楽天的だ。
「アーメドは生まれた時から言葉が不自由だったのです」と彼女は私に語った。「それで拉致されたのだと思っています。抗議も抵抗もできないからです。」
アーメドは1年前自宅からほんの200メートルのところでテロ集団に拉致された。その自宅がどこにあるかは彼女と彼女の家族の安全を守るため、ここで明示することはしない。アーメドが他の子どもたちと一緒にイドリブで拘束されていることはわかっている。その居場所が定期的に変更されるという情報は、未だにイドリブから出られない友人たちや家族からもたらされた。

家族から提供されたアフメドのコラージュ写真© Vanessa Beeley
2018年8月30日、シリア政府の外務大臣ワリード・ムアレム声明を発表した。アメリカの連合軍から資金援助されたホワイト・ヘルメットが44人の子どもたちを拉致し、イドリブにおける化学兵器を使った攻撃の映像を作成するために、その「小道具」として使おうとしている、というものだ。ホワイト・ヘルメットは、仏英米のシリア侵略を早めるためのシナリオを作り出してきた歴史がある。
2018年4月、ドゥーマが化学兵器で攻撃されたという彼らの最新の作り話は化学兵器禁止機関(OPCW)の中間報告によって信頼性に欠けるとされた。シリア政府が、人殺しジャイシュ・アル・イスラム狂信者集団からドゥーマを解放する最後の瞬間にサリンを使用したという扇情主義者たちの言説は、この中間報告の調査結果によって斥けられた。OPCWが採取したサンプルで見つかった塩素成分は家庭で使われるどんな製品からでも抽出できるもので、シリア政府が塩素を使用したという結論にはまったくならなかった。西側メディアと各国政府はOPCWのこの調査結果を無視し、イドリブにおける「化学攻撃」があったとする偽旗をまたもや準備している。そうすればシリア政府がイドリブのテロ掃討作戦中に、シリアに対してさらなる違法な攻撃を仕掛けることができるからだ。

ドゥーマ神経ガス攻撃に関するOPCW(化学兵器禁止機関)の報告:欧米イデオローグにとっておぞましい見解
ワッファがいちばん恐れるのは、息子のアーメドが他の拘束された子どもたちと一緒に、「化学攻撃」映像の出演者として利用される可能性があることだ。
ワッファの言葉:「アーメドが拉致された時、私は仕事を辞めました。6ヶ月ほど前、友人がトルコからイドリブに来ました。シリアとトルコの国境を越える時、友人は車を止め休憩しました。彼らの息子はアーメドをよく知っています。アーメドの意思伝達の方法は特別です。自分を知っている人ならとても認識しやすい音を出します。友人の息子はアーメドがこの音を出すのを耳にしたのです。彼はアーメドが近くにいるよ、と両親に告げました。」
アーメドのこの存否に関わる話を語る時、ワッファの声は震えた。少なくとも彼は生きている。ワッファとその家族がこの情報を告げられた直後、イドリブ市の東にあるサラキブで、塩素ガス攻撃疑惑が起こった。
この攻撃疑惑についてOPCWが最近公表した報告の結論はこうだ:
「塩素は、機械的な衝撃を与えて円筒から放出されるのだが、それは2018年2月サラキ ブのアルタリル近郊で化学兵器として使われた可能性が高い。」 |
しかし、「現地調査委員会(FFM)」はサラキブに入れないでいる。 この地域を占拠している「穏健的」狂信派に処刑されたり、拉致される危険性があるためだ。 その代わり彼らが全面的に依拠したのは、ホワイト・ヘルメットなどのような信憑性に乏しいニュースソースによってもたらされる「オープンソース[勝手に偽造できる]」の証言や証拠だった。
「サラキブで化学攻撃があったという複数の情報が伝わった直後、アーメドを拘束しているグループから電話がありました。電話口の男が言うには、アーメドを拉致した理由がなくなった、たぶん近々帰宅させるだろう、というものでした」とワッファが私に告げた。
Read more![]() イドリブの孤児を使って「化学兵器攻撃」の映像を作るホワイト・ヘルメット ― ロシア軍 |
アーメドを拘束している人間を知っているのか、と私は彼女に訊いた。
「サラキブの事件の直後、何とかイドリブを脱出した数名の女性が私のところへ来ました。彼女たちの話によると、『アル-ナスラ・フロント(シリア駐留のアルカイダ)』が子どもたちを担当しており、ホワイト・ヘルメットが手を貸しているという。私がこのことを報告すると、ホワイト・ヘルメットは私を「シャビーハ[亡霊]」と糾弾しました。「シャビーハ」と言われることは武装グループに捕まれば、死刑宣告も同然です。」
ワッファにはもうひとり妹がイドリブにいて、その妹が彼女に直接か、ロシアとシリアの間にある人道的回廊地帯を経由してイドリブを離れる人に情報を伝えることができる。この回廊地帯を使ってイドリブ解放の地上戦が始まる前に民間人を避難させることになっている。
「アブアルドゥフール回廊は再び開通するでしょう。しかし、わかっていますが、テロ集団はこの回廊を使ってイドリブを脱出する市民に300,000シリアドル(600$)を請求しています。みんな着の身着のままで脱出するのです。それなのに、この怪物たちは『自由』と『民主主義』をもたらすのだ、と言います。」
ワッファはイドリブを占拠する外国人戦闘員をこんな風に描写した:
「イドリブにいる大半の人は外国人戦闘員を避けます。彼らは非常に過激で危険だか らです。妹が私に話してくれたのですが、数日前彼女は自分の地区でウイグルの子ど もたち前を歩いたのだそうです。子どもたちは妹のスカートの裾が高すぎるとなじ り始めました。ホワイト・ヘルメットも同じだと人々は見ています。彼らは外国 人です。そしていい報酬を得ています。 外国人過激派のように金があります。イ ドリブの人たちはほとんど子どもたちを学校に行かせていません。ホワイト・ヘル メットに拉致されることを恐れているからです。」 |
ワッファの説明ではホワイト・ヘルメットは子どもたちを無事帰還させるのに金は要求しないということだった。彼女の家族の話によれば、金を要求することは紛争初期の武装グループのやり方だったそうだ。
「どうして金を要求しないのか? 子どもたちを別の目的で使いたいからです。彼らは自分たちを疑問視する人間を『シャビーハ[亡霊]』と呼びます。西側には自分たちのイメージをクリーンにしておきたいからです。彼らは『人道主義者』ではありません。制服を来たテロリストです。それしか言いようがありません。」
ワッファがひどく恐れているのは、これらのホワイト・ヘルメットを含むアメリカと連携している代理人たちが、事前に映像化しておいた毒ガス攻撃と報道されている出来事にアーメドがもう使われているかもしれない、ということだ。その目的は、シリア政府軍のイドリブ解放作戦が本当に始まったらすぐに、シリア政府とその同盟国を犯罪者扱いにすることにある。
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「10日前、ある女性が私に会いに来ました。イドリブから到着したばかりでした。 彼女はアーメドが写った1枚の写真を私に見せてくれました。彼はまだ生きていて他の多くの子どもたちと一緒に拘束されているわ、とはっきり言いました。彼女の言葉によれば、攻撃の映像をどの場所で撮影するかによって、ホワイト・ヘルメットは子どもたちをあちこち移動させるのだそうです。子どもたちの拘置場所は常に刑務所です。息子が病気になってないか、怖がっていないか、とても心配です。息子は言葉が話せないのです。まちがいなくアーメドの顔は彼らが作成したビデオ映像や報告のひとつに映しだされるでしょう」とワッファは語った。
私たちがアーメドについて話をしていると、彼の弟のハムザがひどく衝撃を受け、だんだん興奮状態になってきた。
「アーメドの話をするといつもこうなんです。兄がいなくなって、彼の心の中はめちゃくちゃになっています」とワッファは説明した。「今までは、こういったことがあったので、アーメドのことばかり気遣ってきました。でも、これからハムザをもっと守ってあげるつもりです。」
インタビューの間、ワッファは取り乱すこともなく言葉使いにも説得力があった。彼女はあれこれの事実を、熟慮しながら、客観的に語ってくれた。彼女の息子は拉致された。シリアでもっとも残虐な過激派のいくつかのグループに拘束されている。ワッファは気丈でどっしりと構え、恐怖や同情などの感情を一切寄せつけなかった。終始誇り高く、物腰も柔軟だった。アーメドの父親のモハンメド・イブラヒムはさらに物静かで控えめだった。しかし夫婦や子どもたちとの強い絆があるのは明らかだった。この家族は、アーメドがこの試練を切り抜け、自分たちのところに絶対戻ってくるという希望と決意でひとつになっているのだ。
「イドリブが解放されれば、政府軍は必ずアーメドを私たちのもとに連れてきてくれるでしょう。政府軍は息子を救出してくれます」。ワッファが初めて怒りとイライラの表情を見せたのは、私がこんな要請をした時だった。あなたの祖国は「穏やかな」占領状態にあるのだけれど、実際はどうなのか西側の人たちに詳しく話してみてほしい、と。
「私たちは声を出せません。私たちは忘却されたシリアの民です。誰も耳を傾けてくれません。あの怪物たちは私たちを殺しています。子どもたちを殺しています。私たちの命を盗み、私たちの祖国を破壊しています。そんなことを世界に向かって私たちが語っても誰も耳を傾けてくれません。「穏健派」は自由も民主主義ももたらしません。彼らがもたらすのは流血と恐怖と喪失感だけです。イドリブから彼らの存在をきれいさっぱり無くしてほしい。西側の国々は自分たちが送り込んだテロリストたちを私たちの国から外へ連れ出してほしい。こんな仕打ちを受けるような悪事を私たちは何もしていません。なんで息子が苦しまなければいけないのですか、何のために?お願いですから、こんなことは終わりにして!2011年以前の平和な生活に私たちを戻して!」
この家族に別れを告げようとする直前、私は、ワッファがこのインタビューの中でもっとも力強いメッセージを発したところを映像に収めた。
「子どもたちに平和を! 子どもたちに遊びを! シリアの子どもたちを『もてあそぶ』のはやめなさい!」 |
シリアでは、ますます多くの子どもたちが確実に死に追いやられる戦争に利用されている。こんなことは狂気じみている。ワッファが要求しているのは、西側の人たちがこの事実を認識し、西側諸国の手先となっている狂信派やホワイト・ヘルメット手にかかってシリアの子どもたちがこれ以上苦しまないよう、できることはみんなやってほしい、ということだ。私たちは彼女の心からの要請に耳を傾けるべきだし、その要請に沿った行動を起こすべきだ。私たちが何もしなければ、アーメドや彼と同じ苦しみの道を辿らせてしまう可能性のある他の子どもに、とき遅しとなってしまう。
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