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【J2】数字から考える今オフの補強ポイントは？ (ジェフ千葉・東京ヴェルディ・町田ゼルビア) | | |　

ジェフ千葉

→　怒涛の7連勝でシーズンをフィニッシュ。最高の状態でプレーオフを迎えたが準決勝で名古屋に2対4で逆転負け。2009年以来となる「J1復帰」を逃した。もっとも勢いに乗っていたので残念な敗退と言えるがエスナイデル監督はもちろんこと、主力の多くはチームに残留しそうな流れになっている。新潟や大宮や甲府などライバルクラブの動向にも大きく左右されるが「昇格候補の本命」で開幕を迎える可能性もある。

7連勝でシーズンを終えることが出来た意味は小さくないが表1はクールごとのスタッツを示している。6節ごとに区切っており、上が自チームに関する数字で、下が相手チームに関する数字になるが、シーズンが進むにつれてパス数が少なくなっている点は目に付く。話題になったオフサイドの数(相手チーム)はそこまで大きな変化はない。「終盤戦は縦に早いサッカーで結果を残した。」と結論付けることができる。

セットプレーは20得点/13失点。得点数は6位、失点数は5位なので、どちらもまずまずである。武器の1つになったが1試合平均のCK獲得本数は7.17回。2位の福岡が5.76回だったのでJ2で千葉がダントツに多かったことを考えると「セットプレーからの得点」はもっと増やしたい。平均身長は178.47センチでJ2で6番目なので高さはあるが「セットプレーのときに得点を期待できる選手」は補強ポイントの1つに挙げられる。

表4. クールごとの各種スタッツ成績 (ジェフ千葉)

自チーム	項目	平均(1節～42節)	1節～6節	7節～12節	13節～18節	19節～24節	25節～30節	31節～36節	37節～42節
	シュート	16.79	13.50	18.33	15.50	18.33	16.00	19.00	16.83
	枠内シュート	5.33	4.33	4.67	5.00	7.00	4.50	5.33	6.50
	PKによるシュート	0.07	0.17	0.17	0.00	0.17	0.00	0.00	0.00
	パス	490.24	566.67	637.17	517.00	480.00	412.17	453.50	365.17
	クロス	21.64	25.17	23.67	20.17	23.00	17.83	23.33	18.33
	直接FK	12.50	10.67	11.33	14.00	11.50	13.83	13.67	12.50
	間接FK	4.86	7.33	5.17	4.67	3.83	4.67	3.83	4.50
	CK	7.17	7.00	6.83	7.17	8.00	6.83	8.67	5.67
	スローイン	28.64	29.17	33.83	28.67	30.00	29.00	28.17	21.67
	ドリブル	14.93	10.67	16.00	14.17	13.50	15.83	19.67	14.67
	タックル	18.52	17.50	18.33	20.83	14.83	19.17	19.00	20.00
	クリア	22.81	25.33	16.67	21.83	21.00	18.83	24.50	31.50
	インターセプト	1.76	1.83	1.00	1.00	1.83	3.00	2.33	1.33
	オフサイド	1.76	2.50	1.33	1.50	1.00	2.00	2.33	1.67
	警告	1.55	2.17	1.67	0.67	2.00	1.83	1.67	0.83
	退場	0.10	0.00	0.17	0.00	0.17	0.17	0.17	0.00
	30ｍライン進入	45.62	47.83	63.67	44.67	44.33	40.50	43.00	35.33
相手チーム	項目	平均(1節～42節)	1節～6節	7節～12節	13節～18節	19節～24節	25節～30節	31節～36節	37節～42節
	シュート	10.71	11.67	8.50	12.67	10.67	7.83	11.50	12.17
	枠内シュート	3.74	3.50	3.50	5.00	4.67	2.50	3.83	3.17
	PKによるシュート	0.12	0.00	0.17	0.00	0.17	0.17	0.00	0.33
	パス	284.83	280.50	223.67	256.83	307.67	295.67	269.67	359.83
	クロス	10.71	13.67	5.33	10.83	10.83	8.67	11.17	14.50
	直接FK	14.05	15.17	12.67	12.50	12.83	16.00	15.17	14.00
	間接FK	1.86	2.67	1.50	1.67	1.00	2.00	2.33	1.83
	CK	3.50	4.83	1.33	3.67	3.67	2.83	2.83	5.33
	スローイン	28.67	26.83	27.50	29.67	24.83	34.50	26.50	30.83
	ドリブル	9.12	10.33	8.00	8.33	10.17	8.83	9.50	8.67
	タックル	19.07	19.83	21.83	17.50	18.00	22.00	20.50	13.83
	クリア	30.50	33.17	32.67	29.83	33.00	29.67	30.00	25.17
	インターセプト	2.14	2.00	1.33	2.83	2.33	2.33	2.50	1.67
	オフサイド	4.74	7.33	5.17	4.50	3.67	4.50	3.67	4.33
	警告	1.43	1.33	1.00	0.67	1.67	1.83	1.17	2.33
	退場	0.10	0.00	0.33	0.00	0.00	0.00	0.00	0.33
	30ｍライン進入	25.24	23.83	16.67	22.00	26.33	25.83	28.50	33.50

東京ヴェルディ

→　スペイン出身のロティーナ監督を招聘した東京Vは「堅守」が大きな武器になった。5位でプレーオフに進んだが準決勝で福岡に敗れた。力を出し切れなかったので悔いの残る終わり方になったが2016年は18位と低迷したことを考えると復活のシーズンになった。いい流れになっているが奇数年に結果を残して偶数年に低迷することが多い。ここ最近は「隔年チーム」になりつつあるので油断は禁物である。

シーズン当初は失点の少なさが話題になったが後半戦は攻撃も活発だった。2016年は低調だったFWドウグラス・ヴィエイラとFWアラン・ピニェイロがともにゴールを量産したのは嬉しい誤算だった。MF安在ならびにFW安西のサイドアタックは大きな武器になったが、表5のとおり、「クロスからの得点数」はJ2では名古屋に次いでリーグ2位となる15ゴール。サイドからのクロスがゴールに結びつくシーンが多かった。

攻撃に関するスタッツは軒並み優秀。ドリブル数は5位、クロス数は2位、シュート数は3位、枠内シュート率は2位だった。「個の力」を持った選手が実力通りの力を発揮して攻撃力はリーグ有数だった。まずは主力の流出を最小限に抑えることが重要になってくる。一方、ケガ人が少なかったこともあってJ2の試合に出場した選手の数はリーグで2番目に少ない23人だった。出来れば選手層をもう少し厚くしたい。

表5. クロスからの得点数/失点数

クラブ名	±	得点	失点
東京ヴェルディ	10	15	5
名古屋グランパス	7	21	14
徳島ヴォルティス	7	13	6
横浜FC	6	11	5
モンテディオ山形	5	12	7
ジェフ千葉	5	12	7
V・ファーレン長崎	4	8	4
アビスパ福岡	3	10	7
松本山雅	1	9	8
FC岐阜	1	11	10
湘南ベルマーレ	0	6	6
愛媛FC	0	13	13
大分トリニータ	0	8	8
ツエーゲン金沢	-2	10	12
カマタマーレ讃岐	-2	5	7
レノファ山口	-3	7	10
京都サンガ	-4	8	12
水戸ホーリーホック	-5	4	9
ロアッソ熊本	-6	4	10
町田ゼルビア	-7	7	14
ファジアーノ岡山	-8	4	12
ザスパクサツ群馬	-12	4	16

町田ゼルビア

→　昇格2年目の町田はリーグ最多タイの17引き分け。勝ちきれない試合が目立った。エースのFW鈴木孝がケガで長期離脱したのは痛かった。2016年は7位だったので順位を大きく下げてしまったが相馬監督の続投は決定。2018年は再浮上を目指すシーズンになる。それなりに出場機会を得ていたMF谷澤やMF重松との契約が満了になったので特に攻撃陣はフレッシュな顔ぶれになる可能性が高まっている。

表6は「オフサイドの数」を示している。『相手チームのオフサイドの数=相手チームの選手がオフサイドに引っかかった回数=町田の守備陣がオフサイドを獲得した回数」になるが1試合平均は4.52回。J2で2番目に多い数字になる。極端に高い最終ラインを設定することで話題になった千葉は4.74回。終わってみると千葉と比べても大差がないほど町田の守備陣は相手チームの選手をオフサイドに引っ掛けたことになる。

町田というと「セットプレーを得意にしている。」というイメージがあるが今シーズンは18得点/19失点。得点数は9位タイなのでまずまずと言えるが失点数はワースト7位。セットプレーからの失点が多かった。平均身長は178.63センチでJ2で5番目なので高さのあるチームだったがFW戸島やMF吉田眞など「背が高い割には空中戦はあまり強くない。」という選手が少なくなかった。空中戦に強い選手を増やしたい。

表6. 1試合平均のオフサイドの回数

クラブ名	自チーム	順位	相手チーム	順位
ジェフ千葉	1.76	18	4.74	1
町田ゼルビア	2.19	7	4.52	2
名古屋グランパス	2.17	8	2.74	3
ファジアーノ岡山	1.86	15	2.74	3
京都サンガ	2.36	3	2.60	5
モンテディオ山形	1.19	22	2.17	6
アビスパ福岡	2.29	4	1.86	7
湘南ベルマーレ	1.88	14	1.81	8
ツエーゲン金沢	1.93	11	1.69	9
愛媛FC	1.93	11	1.67	10
FC岐阜	2.26	5	1.67	10
水戸ホーリーホック	1.64	19	1.67	10
東京ヴェルディ	1.43	21	1.62	13
徳島ヴォルティス	1.86	15	1.62	13
ロアッソ熊本	1.50	20	1.60	15
レノファ山口	3.02	1	1.55	16
V・ファーレン長崎	2.24	6	1.45	17
ザスパクサツ群馬	1.81	17	1.40	18
横浜FC	2.17	8	1.31	19
松本山雅	2.45	2	1.26	20
カマタマーレ讃岐	2.14	10	1.24	21
大分トリニータ	1.90	13	1.07	22