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【J2】 2020年のコロナ再開直前の大展望 (上) ～自動昇格争いは磐田と大宮が中心か！？～ | | |　

■　かつてないほどの超・過密日程

6月19日(金)にプロ野球が開幕した。J2ならびにJ3の再開も1週間後に迫っており、いよいよ日本のスポーツ界も動き始めている。プロ野球も当面は無観客試合になるが、にもかかわらず、球場に集まってしまったファンが少なくなかった。「球場外も熱気」と好意的な記事を書いたメディアもあったが同じようなことがJリーグで発生したら世間からもメディアからも叩かれるだろう。サポーターには自制心が求められる。

J2はかつてないほどの超・過密日程になる。平日開催が15回もある。「26週間で41試合をこなす。」というのはとてつもなく大変である。Jリーグの創設3年目の1995年は「約8か月で52試合を戦う。」という過酷なリーグ戦だったが1か月あたりの試合数は今年のJ2が6.83試合で、1995年のJリーグが6.50試合になる。さすがに延長戦やPKは行われないが「あり得ないほど過酷」と言われた1995年の数字上を上回る。

タフさが求められる1年になるがプレーオフならびにJ3への降格が無くなったのが大きな変更点になる。本気でJ1昇格を目指しているチームは「2位以内」に入らないといけない。22チームの中で「2位以内に入るのはさすがに現実的ではない。」というクラブは1/3くらいはあるが「J3への降格が無くなった点」がポジティブに作用するクラブはいくつか出てくるだろう。予期せぬチームが快進撃を見せることも考えられる。

「コロナの影響」はJ2の昇格争いにも大きな影響を及ぼすことになると思うが基本的な構図はあまり変わらないと思われる。やはり、今シーズンの開幕前に上位候補に挙げられたチームのほとんどは変わらずに自動昇格候補に挙げられる。具体的に名前を挙げていくと磐田・大宮・福岡・京都・千葉・徳島・長崎・山形・新潟・松本山雅あたり。J1経験のあるクラブが今シーズンもJ2の昇格争いの中心になると考えられる。

■　若手のさらなる成長も期待できる磐田

その中でも「磐田と大宮の2強が自動昇格争いの中心になる。」というのが一般的な見方になる。近年のJ2は上位と下位の差は小さい。上位候補に挙げられている福岡・京都・千葉・徳島・長崎・山形・新潟・松本山雅あたりが序盤戦で躓いて下位グループに巻き込まれることは考えられるが、やはり、クラブ規模や戦力や過去のJ2での成績などを加味すると磐田と大宮が下位グループに巻き込まれることは考えにくい。

2015年と同様で「大宮と磐田の2チームが自動昇格を果たす。」と考える人が最も多くなると思うが磐田のチーム作りは順調に進んでいるようだ。6月13日(土)に行われた沼津戦(H)はDAZNで配信されたので45分×2本の試合を視聴したが5対0と大勝した。主力数名が抜けた沼津はJ3の下位候補に挙げられており、前評判はあまり高くないが、攻守に磐田が圧倒した。水曜日に行われたFC岐阜戦(H)も大勝している。

エースのFW小川航がゴールを量産しており、MF上原力やMF松本昌やMF山本康が中心となる中盤は活動量が多くて攻守両面で貢献度が高い。再開初戦はアウェイの京都戦。新スタジアムでの最初のリーグ戦になるので京都のイレブンは相当に気合が入っていると思うが上位候補同士の直接対決で磐田が勝利するようだと磐田が突っ走る可能性も出てくる。22クラブの中で独走する可能性があるのは磐田のみである。

大宮も選手層が厚いがオフにいずれも元・代表のGKフィリップ・クリャイッチとDFマクシメンコとFWネルミン・ハスキッチを獲得している。「この3人が中断期間中にどこまで馴染んだか？」が気になるところである。開幕戦に出場したのはFWネルミン・ハスキッチのみ。彼もほとんど見せ場はなかったが3人がフィットして本来の力を発揮するようだと強力なチームになる。MF奥抜やMF黒川などにも期待が集まる。

■　「2強」に続くのはどのチームなのか？

「磐田と大宮の2強」に続くのは福岡・京都・千葉・徳島・長崎・山形・新潟・松本山雅あたりになるが磐田や大宮と比べると不安要素も少なくないので、先のとおり、このあたりのクラブが下位グループに巻き込まれても不思議はない。むしろ、このうちの1つ or 2つくらいは一昨年の新潟、昨年の千葉や福岡のように下位に低迷すると考えられる。J1経験の豊富なクラブが残留争いに巻き込まれるケースは多々ある。

超・過密日程なので「選手層の厚み」が重要になってくるがオフに大型補強を敢行した福岡の選手層はJ2屈指である。北九州との開幕戦ではDF輪湖やMF城後やMF鈴木惇など昨シーズンまでの主力がベンチスタート。オフに獲得した新戦力がたくさんスタメンで起用された。ターンオーバーを採用した場合でも大きくは戦力が落ちない。「5年に1度のゴールデンイヤー」と言われるがこういうジンクスも無視できない。

千葉も各ポジションにJ2では上位クラスの選手を揃えており、かつ、ほとんどのポジションに同じくらいの力を持った選手を2人以上揃えている。練習生としてキャンプに参加していたFW川又の加入は開幕直前に決定したが彼を獲得できたのは非常に大きい。主力の多くは30歳前後の選手なのでフレッシュさには欠けるが懸念材料であるCBに21歳のDFチャン・ミンギュが定着するようだと2位以内を狙える戦力になる。

新スタジアムで盛り上がるはずだった京都にとって「コロナ禍」は痛すぎる。J2での最初の試合も無観客試合になるがFWピーター・ウタカを獲得するなど即戦力クラスの選手をたくさん獲得した今シーズンは勝負の1年になる。FWピーター・ウタカ、MF庄司、DFヨルディ・バイスがいるのでセンターラインの軸はしっかりしている。過密日程で彼らを休ませないといけないときにどう戦うのか？がポイントになるだろう。

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