右SB・右WB → J2も「3バック」のチームが増えており、湘南・大分・松本山雅・岡山・富山あたりは、3バックがほとんどで、京都・北九州・町田なども、3バックを得意としている。
さらには、ここ最近は、徳島・愛媛FCなども、3バックで戦うケースが増えており、熊本も3バックをオプションの1つにしている。したがって、数年前と比べると、3バックの割合が激増しているが、ここでは、右SBと右WBを区別せず、まとめて考えていきたい。
3バックの右アウトサイド(=右WB)と、4バックの右アウトサイド(=右SB)では役割が異なるので、同じ土俵に乗せるのは難しいが、今シーズン、活躍が目立っているのは、甲府のDF福田、京都のDF安藤、湘南のMF古林の3人である。ともに、技術のある選手で、右サイドからの攻撃がチームの武器になっている。
DF福田は2007年から2011年まで東京Vでプレーして、今シーズンから甲府でプレーしているが、レギュラーポジションを確保し、精度の高いクロスでチャンスに絡む活躍を見せた。湘南のMF古林も、2011年は草津に武者修行に出ていて、今シーズン、湘南に復帰したが、サイドでボールを受けたときのアイディアの豊富さは見事である。
一方、京都のDF安藤は本職とは言えないポジションで奮闘している。2列目やボランチが本職の選手だと思うが、右アウトサイドでも違和感なくプレーし、3バックのときは、右ストッパーでプレーすることもある。本職が中盤の選手がサイドでプレーする場合、運動量や攻撃参加のタイミングで物足りなさを感じることが多いが、DF安藤はSBやWBの動きをマスターしており、本職の選手と比べて遜色は無い。
このポジションで異色の存在になっているのは、大分のMF三平である。右WBがベースのポジションであるが、36試合で14ゴールを挙げて、リーグ4位タイと見事な数字を残している。守備でも貢献するが、タイミング良くゴール前に入って行ってチャンスに絡むプレーが秀逸である。
その他では、岡山のMF澤口、松本山雅のMF玉林も、好プレーを続けている。ともにSBタイプの選手であるが、高めのポジションに入ってゴール前に顔を出すシーンも増えている。目立つポジションではないが、攻守両面でチームを支えており、貢献度は高い。
ベテラン選手では、東京VのDF森、水戸のDF市川、熊本のDF藏川といった実績のある選手もチームに欠かせない存在になっている。気性の荒さが問題視されてきたDF森も32歳になって穏やかになってきており、安定したプレーを続けている。一方、元日本代表のDF市川はJ2は初挑戦だったが、彼のクロスがチームの武器となった。
ということで、たくさんの候補者の名前が挙がったが、「今シーズンのベストプレーヤー」を考えると、京都のDF安藤か、大分のMF三平のどちらかだろうか。全くタイプが異なる選手なので、選ぶ人の好みによって意見が分かれるかもしれない。
GKはベテランや中堅の選手が多いが、右SBや右WBは若手も出てきており、千葉のDF大岩、草津のDF小柳、FC岐阜のDF野田、町田のDF三鬼なども、能力の高さを示した。彼らが、来シーズン、どのカテゴリーでプレーするのか、分からないが、一層の飛躍を期待したい。
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