センターバック→ CBを主戦場とする選手はDF中山雄(柏)、DF冨安(福岡)、DF板倉(川崎F)、DF杉岡(湘南)の4人が選出された。いずれもユーティリティー性が高い選手なので、DF中山雄は左SBやボランチ、DF冨安とDF板倉はボランチ、DF杉岡は左SBでもプレー可能。今回のメンバーは複数ポジションをこなす選手が多いが、無失点でのアジア制覇に大きく貢献したDF中山雄&DF冨安のコンビがレギュラーとして起用されるだろう。
5月15日(月)に行われたホンジュラス戦は3対2で勝利したが相手のカウンターへの備えが十分ではなかった。突出したスピードを持つフォワードがいるチームと対峙したときは危険度が高まるが2人ともJリーグの経験が豊富。安定感はある。常連に近い立場だった190センチの長身CBのDF町田(鹿島)が今回はメンバーに選ばれていないのでよほどのことがない限り、CBはDF中山雄とDF冨安で固定されるだろう。
CBの3番手はDF板倉、4番手はDF杉岡という序列になると思うが、ともに内山JAPANにおいて多くの試合を経験していないので不安はある。特にDF杉岡は湘南で高卒1年目からレギュラーとして目覚ましい働きを見せているが国際経験が豊富な選手とは言えない。湘南では3バックの左でプレーしており、プロ入り後、4バックのCBとしてプレーする機会は少ない。CB陣に怪我や出場停止の選手が出ると日本は苦しくなる。
ボランチ→ ボランチは他のポジションと比べるとタレントに恵まれていないポジションと言える。今後、さらに下の世代(U-17・U-18)が合流して本格的に東京五輪代表チームとしての活動がスタートすると、U-17世代のMF平川怜(FC東京U-18)やMF福岡(京都U-18)やMF喜田陽(C大阪U-18)、U-18世代のMF伊藤洋(磐田U-18)などがレギュラー争いに絡んでくる可能性が高い。今後、序列が大きく変わる可能性はある。
日本サッカー界全体のことを考えるとボランチは「そこそこのレベル以上の選手」は多い。選手層が厚いポジションなので高卒1年目や高卒2年目の段階では出場機会を得られないケースがほとんど。その間に出場機会を得ることに成功したライバルに出し抜かれて差が付くケースは多い。将来の予想が難しいポジションであるが21人の中でボランチが本職なのはMF坂井大(大分)、MF原輝綺(新潟)、MF市丸(G大阪)の3人。
他にはDF中山雄(柏)やDF冨安(福岡)やDF板倉(川崎F)あたりはボランチでもプレーできるが、攻撃的なポジションの選手でボランチでもプレーできる選手は見当たらない。DF中山雄とDF冨安は不動のCBなので当然のことながらボランチで起用するのは難しいが、「3番手のCB」と言えるDF板倉についてはボランチでの起用が普通に考えられる。本職の3人にDF板倉を加えた4人がボランチのレギュラー候補と言える。
これまではMF坂井大がボランチの軸として起用されてきた。10番を託されており、かつ、キャプテンマークを巻くケースが多いので内山監督の信頼は厚いが残念ながら所属の大分ではほとんど試合に絡めていない。もちろん、2013年のU-17W杯を経験するなど国際経験の豊富な選手であることは間違いないが「MF坂井大がボランチの軸でいいのか?」は内山JAPANを語る上で外せないテーマになっている。
内山監督は選手起用に関してギャンブルをするタイプの指導者ではないので本大会では引き続いてMF坂井大がボランチの軸として起用されると思うが、潜在能力や将来性などを考えると個人的には他の選手を軸として起用するのがベターな選択だと思う。軸候補の1人目はMF原輝綺(新潟)。市立船橋高から新潟に進んだがプロ1年目からボランチあるいは左SBのレギュラーとしてJ1の舞台で存在感を発揮している。
MF原輝綺は運動量が豊富でボール奪取力も高い。178センチとボランチとしてはまずまずのサイズがある点も魅力と言える。攻撃に関しては発展途上。守備的なキャラクターの強い選手ではあるが軸に収まっても不思議はない。また、DF板倉の潜在能力は相当なものがある。U-19アジア選手権のときはCBでプレーする機会が多かったが川崎Fではボランチがほとんど。ボランチとして大きな可能性を秘めている。
5月15日(月)に行われたホンジュラスとの試合はボランチで途中出場してCKからヘディングでゴールを決めているがスケールの大きな選手である。186センチと日本人のボランチとしては稀なサイズを持っており、高さは攻撃でも守備でも大きな武器となる。また、パスサッカーを志向する川崎Fでボランチとして起用されるくらいなのでポゼッションサッカーにも対応できる。日本人離れしたスケール感を持っている。
U-19アジア選手権のときは大会途中でボランチのレギュラーを奪取してアジア制覇に貢献したMF市丸(G大阪)はゲームを作ることに長けた選手である。MF原輝綺やDF板倉と比べると守備力では劣るので守勢に回る試合が多くなると想定されるU-20W杯では起用の難しいタイプであるが、劣勢で試合の流れを変えたいときや日本がボールを持てる展開になりそうな相手との試合でMF市丸が登場する可能性は高い。
個人的な意見を述べると「MF原輝綺とDF板倉のWボランチがベターな選択」だと思うが内山監督は引き続いて10番のMF坂井大をボランチの軸に据えて戦うだろう。その相方はMF原輝綺が有力と言えるが、MF市丸が起用される可能性もある。将来性を高く評価されている選手が多い他のポジションと比べるとやや見劣りするポジションなので「Wボランチの出来」が内山JAPANの命運を左右するだろう。
→ 【U-20日本代表】 「本大会でスタメン起用されるのは誰なのか?」を考えてみた。 (GK編/SB編)
→ 【U-20日本代表】 「本大会でスタメン起用されるのは誰なのか?」を考えてみた。 (CB編/ボランチ編)
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