■ 2試合目の相手は優勝候補のウルグアイU-20W杯のGLの2戦目。初戦で南アフリカに2対1で勝利して白星スタートを切った内山JAPANが南米王者のウルグアイと対戦した。ウルグアイも初戦はイタリアに1対0で勝利して勝ち点「3」を獲得している。日本もウルグアイも勝てば決勝トーナメント進出が確定する。南米予選はウルグアイが1位、エクアドルが2位、ベネズエラが3位、アルゼンチンが4位という結果で、ブラジルは本大会出場を逃している。
日本は「4-2-2-2」。GK小島亨(早稲田大)。DF藤谷(神戸)、DF冨安(福岡)、DF中山雄(柏)、DF舩木翔(C大阪)。MF市丸(G大阪)、MF原輝綺(新潟)、MF堂安(G大阪)、MF三好(川崎F)。FW小川航(磐田)、FW岩崎(京都)。右SBのDF藤谷、ボランチのMF市丸とMF原輝綺の3人が初スタメンとなった。その他の8人は2試合連続スタメンとなった。共に中2日になるが日本もウルグアイも大きくはメンバーを入れ替えなかった。
ベンチスタートになったのはGK波多野(FC東京)、GK山口(ロリアン)、DF初瀬(G大阪)、DF杉岡(湘南)、MF板倉(川崎F)、MF坂井大(大分)、MF遠藤渓(横浜FM)、MF高木彰(G大阪)、FW久保建(FC東京U-18)、FW田川(鳥栖)。南アフリカ戦でスタメン出場したMF板倉とMF坂井大とDF初瀬の3人はベンチスタートになった。南アフリカ戦で途中出場したFW久保建は2試合連続でベンチから出番を待つことになった。
■ 後半はいくつかチャンスを作ったが・・・。試合の立ち上がりは互角。開始早々に左SBのDF舩木翔の鋭いクロスからゴール前の惜しいを作るなど悪くない入り方をした日本だったが11分にDF冨安のボールコントロールのミスからキーパーと1対1の大ピンチを迎える。これは相手のシュートミスに助けられたがこのワンプレーで流れはウルグアイの方に傾いた。消極的なプレーが増えた日本は前半38分にFWスキアパカッセに決められて2試合連続で先制ゴールを許す。
0対1で迎えた後半は一転して日本ペースになる。高い位置でボールを奪う機会が多くなる。後半10分にはMF市丸がループシュートを放ったがキーパーが好セーブ。FW久保建のヘディングシュートも枠をとらえることが出来なかった。さらに後半13分ににはFW久保建が得意のドリブルから左足でシュートを放ったがキーパーに阻止される。後半22分にはFW久保建のパスからFW岩崎が抜け出すがこれも決められず。
逆に後半46分にウルグアイはカウンターからDFオリベラのゴールで大きな追加点を奪った。2対0で勝利したウルグアイは2連勝。決勝トーナメント進出が決定した。日本は1勝1敗。3戦目のイタリア戦にGL突破をかけることになったが、前半途中に怪我をして負傷交代したエースのFW小川航が左膝前十字靭帯断裂及び左膝半月板損傷のため代表を離脱することになった。FW小川航は長期離脱することになった。
■ 完敗か?惨敗か?紙一重の差か?今大会は3位になった場合も決勝トーナメント進出の可能性が残る。2015年大会を振り返ると各組で3位になった6チームの成績は1勝1敗1分けが3チーム、1勝2敗が2チーム、0勝1敗2分けが1チームだった。1勝1敗1分けで勝ち点「3」を獲得した3チーム(ニュージーランド・マリ。セネガル)は全て決勝トーナメント進出を果たしており、1勝2敗だったハンガリーもギリギリで決勝トーナメントに進出している。
他の組の動向にもよるが次のイタリア戦は引き分けでも決勝トーナメントに進出できる可能性は高いが、滅多にない強豪国との真剣勝負の場なので勝利を目指して戦ってほしいところである。フル代表にも同じことが言えるが、どの世代も南米のチームと対戦する時は苦戦を強いられる。逆に欧州の国との対戦になると強豪国相手でも健闘している。イタリア戦の方が日本の良さを出しやすいのでは?と考えられる。
前半はウルグアイがペースを握って、後半は日本がペースを握ったが、評価の難しい試合になった。先制ゴールを奪ったウルグアイがブロックを作ってしっかり守るようになったので「後半もウルグアイが主導権を握っていた。」という見方もできる。最終的には0対2というスコアだったが、『点差以上に実力差は大きかった。』という意見も一理ある。ウルグアイにきちんと対応されて攻めきれないシーンは多かった。
その一方で後半はウルグアイにとって危ないシーンは結構多かった。日本に3度ほど決定機を作られているので「実力差は紙一重だった。」という見方もあながち間違いではないだろう。南米王者のウルグアイとアジア王者の日本の対戦になったが、「優勝候補の一角と言われているウルグアイ相手でもある程度はチャンスを作れたので世界のトップとの差はそこまで大きくないのでは?」という考え方も出来る。
■ ポテンシャルの高さを見せた15才のFW久保建英どちらが正しいのか?の結論を出すのは難しいが、短い間隔で試合が行われるので出来る限りポジティブに考えたいところである。イタリアに勝利できると自力で2位以上を確定させることができるのでしっかりと疲労を回復させた上でしっかりと対策を練って(とりあえずとして)全精力をささげてイタリアに挑んでほしいところである。イタリア vs 南アフリカはイタリアが2対0で勝利しているが勝てない相手ではないはず。
前半はウルグアイの激しい守備に戸惑って簡単にボールを失うシーンが目立ったが前半の早い段階で投入された15才のFW久保建はいいプレーをたくさん見せた。エースのFW小川航を失ったダメージは大きくてセットプレーからチャンスが生まれそうな雰囲気が無くなってしまったのでドリブルを駆使したコンビネーションからチャンスを作るしかないが、改めてFW久保建はポテンシャルの高さを示した。
同じ左利きのテクニシャンなのでウルグアイ戦では良さを出し切れなかったMF堂安とMF三好には奮起を期待したい。ともに「世代屈指のアタッカー」と言われているので4・5歳ほど年下の選手にパフォーマンスで劣るのは屈辱的なことである。次のイタリア戦に向けて2人のモチベーションは相当に高まると思うのでゴール前付近で決定的な仕事をしてもらいたい。進化の問われる重要な一戦になるだろう。
守備的なポジションの選手ではCBのDF中山雄と右SBのDF藤谷は及第点以上のプレーを見せた。キャプテンマークを巻いたDF中山雄は前半38分の失点シーンの対応こそ、やや勿体なかったがパニック状態になりかけた選手が多かった中、変わらず落ち着いてプレーすることができた。右SBのDF藤谷は前半はほとんど良さを出せなかったが後半は武器であるスピードを生かして縦に仕掛ける場面が増えた。
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