■ 約10年ぶりとなるU-20W杯5月20日(土)に開幕するU-20W杯の日本代表メンバー21名が発表された。D組に入った日本代表は南アフリカ・ウルグアイ・イタリアと同居する非常に厳しいグループに入ったが、決勝トーナメント進出がまず最初の目標となる。W杯の本大会とは違って参加国数が24チームなので「各組2位まで及び3位の成績上位4チームが決勝トーナメント進出」というレギュレーションになる。24チームで16の椅子を争う形になる。
なので16/32となるW杯の本大会よりは決勝トーナメント進出のチャンスは大きくなるが選出された21名の顔ぶれはまずまず妥当と言える。喜ばしいのは主力の怪我がほぼ無かった点である。昨秋に行われたU-19アジア選手権のときに主力を担った選手のほぼ全員が順当に選出されている。チームの核となる選手が抜けるとチーム作りは難しくなる。この点は内山監督にとっては有難かったと言える。
大きなサプライズは無かったが、やはり、15歳のFW久保建が選出されたのは大きなニュースと言える。2001年6月4日生まれなので「飛び級での選出」となるが、1段階の飛び級ではなくて2段階の飛び級となる。1985年生まれの選手が主体となるチームに1988年生まれのFW森本が選出されたことがあったが、FW森本を上回って史上最年少のU-20W杯のメンバー入りとなった。大きな注目が集まるのは間違いない。
■ Jリーグでアピールに成功したMF森島司(広島)とDF杉岡(湘南)先のとおり、21人のメンバーはおおむね順当と言える。GK小島亨(早稲田大)、DF中山雄(柏)、DF冨安(福岡)、DF舩木翔(C大阪)といった無失点でのアジア制覇に大きく貢献した守備的なポジションの主力は順当に選出されており、中盤の顔ぶれも大きな変化は無かったが、敢えて言うとCB兼左SBのDF杉岡(湘南)とボランチ兼2列目のMF森島司(広島)が選出されたのはちょっとしたサプライズだった。
もちろん、ともに今シーズンはJリーグの試合で出場機会を得ており、なかなかのプレーを見せていたので「候補の1人」には挙げられていたが昨秋のU-19アジア選手権のときはメンバーに選ばれていない。他にも何人かの候補がいる中でDF杉岡(湘南)とMF森島司(広島)を選出したのが今回のトピックスの1つに挙げられる。両選手とも複数ポジションをこなせるのでいくつかのポジションは競争が激化する。
その他ではキーパーのポジションにGK波多野(FC東京)とGK山口(FCロリアン)が選出されたのもやや驚きだった。大学生のGK小島亨(早稲田大)が正キーパーで、セカンドキーパーには青森山田高で全国制覇を達成したGK廣末(FC東京)が選ばれるケースがほとんどだった。「197センチのGK波多野(FC東京)に対する内山監督の評価はあまり高くないのか?」と思っていたが、内山監督はGK波多野をチョイスした。
■ FW久保建英の招集は果たして妥当だったのか?注目のFW久保建(FC東京U-18)のメンバー入りに関しては「ネームバリュー優先の選考なのではないか?」、「話題性を優先した選考ではないか?」という声が出てくることも予想されるが、個人的には極めて妥当な選考だったと思う。いくつかの理由が挙げられるが、1つ目は昨年の12月の南米遠征と今年の3月のドイツ遠征でテストされたときに短いプレー時間の中、高確率でゴールに絡んでいることが挙げられる。
内山JAPANでは6試合に出場して2ゴールを挙げている。スタメンが1試合、途中出場が5試合。トータルでのプレー時間は229分に過ぎないが「切り札」として使える目途が立ったと考えられる。当然、FW小川航(磐田)とFW岩崎(京都)の2トップが基本形で、FW田川(鳥栖)とFW久保建(FC東京U-18)がサブに回ることが予想されるが、試合の流れを変えることが出来る切り札としてFW久保建が控えていると期待感は増す。
2つ目の理由としては「最近のJ3の試合で好パフォーマンスを見せている点」が挙げられる。昨シーズンの終盤にJ3でプレーしたときはあまり良さを出せなくて、今シーズンも開幕直後は力を出し切れなかったが、4節の鹿児島戦(H)や5節のC大阪U-23戦(A)のパフォーマンスは圧巻だった。5節のC大阪U-23戦(A)で待望のJリーグ初ゴールを記録したが明らかに調子が上がっている。キレキレの状態と言っても過言ではない。
また、2年後のU-20W杯や4年後のU-20W杯、今年の秋に行われるU-17W杯のことを考えて「世界大会の経験者を1人でも多く増やしたい。」という事情もある。FW久保建にとって本来の世代であるU-17W杯が(自身にとっては)より重要な大会になるが、この段階でU-20W杯を経験できると全く違った精神状態でU-17W杯に参加できる。インドで開催されるU-17W杯では絶対的なエースとしてフル回転が期待される。
もちろん、「15歳の選手がU-20W杯のメンバーに選ばれる。」というのは同年代の全ての選手にとってこれ以上ないほどの大きな刺激になる。FW岸本(C大阪)やFW中村駿(柏U-18)などが最終候補に残っていたと思うが、この辺りの理由からFW久保建(FC東京U-18)を21名のメンバーに選んだのは極めて妥当だと言える。自身にとって初めての大きな世界大会となるが、世界にインパクトを残してほしいところである。
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