■ いよいよU-19アジア選手権が開幕バーレーンで開催されるU-19アジア選手権2016が開幕した。イエメン・イラン・カタールと同じC組に入った日本は10月14日(金)にGLの初戦でイエメンと対戦する予定になっているが、2007年のカナダ大会以来となるU-20W杯の出場権獲得を目指している。1997年生まれと1998年生まれの選手が中心となるU-19日本代表は4年後に迫った2020年の東京五輪のときに中心となる世代なので注目度は高い。
1996年生まれと1997年生まれの選手が中心だった2013年のU-17W杯では本大会でベスト16に入っているが今回のU-19アジア選手権に出場する選手の中で同大会に出場しているのはMF坂井大(大分)とMF三好(川崎F)の2人だけ。大半の選手は世界大会を経験していないのでU-20W杯の出場を逃すようだと東京五輪での上位進出を期待しにくくなる。4大会連続でU-20W杯出場を逃しているが今回は至上命題である。
先日、U-16アジア選手権を戦ってベスト4に残って世界大会の切符を勝ち取った世代はタレントが豊富で「新・黄金世代」とも言われているが、U-19アジア選手権に出場する世代に対する期待値はそこまで高くない。『決してタレントが不足している世代ではないが前後の世代と比べるとやや小粒』というのが実際のところである。高望みはせず、とにかくU-20W杯の出場権を獲得できればOKである。
■ 本大会出場の可能性は60%前後か?それでも各ポジションに有望視される選手がいるのでバランスのいいチームであることは確かである。他国の代表チームがどのレベルなのか?に関してははっきりとは分からないが、他国の代表チームのレベルがこれまでと同じ程度であったとしたら、十分にU-20W杯の出場権を獲得できるだけの力はある。U-19日本代表が準決勝に進出して出場権を獲得できる確率は60%前後くらいではないかと思う。
直前の練習試合のメンバーを見る限りではシステムは「4-2-2-2」で、スタメンはGK小島亨(早稲田大)、DF藤谷(神戸)、DF冨安(福岡)、DF中山雄(柏)、DF舩木翔(C大阪U-18)、MF坂井大(大分)、MF神谷(湘南)、MF堂安(G大阪)、MF三好(川崎F)、FW小川航(磐田)、FW岸本(C大阪)という11人になるのでは?と思われる。J1でポジションを確保しているDF冨安とDF中山雄で組むCBコンビについては安心感がある。
攻撃的なポジションの選手ではMF堂安(G大阪)、MF三好(川崎F)、FW岩崎(京都橘高→京都)などにかかる期待は大きい。J2の京都入りが決まったFW岩崎に関してはスーパーサブ的な起用法になる可能性が高い。心配されるのはボランチで、軸となるMF坂井大は所属の大分であまり出場機会が得られていない。MF市丸(G大阪)、MF神谷(湘南)、MF原輝綺(市立船橋高→新潟)のパフォーマンスも大事になってくる。
■ 東京五輪のときのエース候補どちらかというと守備陣よりも攻撃陣に不安を抱えているチームだと思うが、エースストライカーはFW小川航(磐田)である。「彼がどのくらいの結果を出せるのか?」は最大の注目ポイントと言える。FW岸本(C大阪)と2トップを組むことになると思うが、FW岸本はムービングタイプのフォワードで裏への飛び出しが特徴となる選手なので相方のFW小川航が真ん中でどれだけ頑張ることが出来るか?は大事になってくる。
表1は2014年の夏以降のU-19日本代表の個人別の成績を示している。もちろん、2014年はU-17日本代表で、2015年はU-18日本代表での成績となるが、FW小川航は25試合で17ゴールと見事な成績を残している。対戦相手を見るといわゆるアジアの弱小国との対戦はほとんど無くて、ブラジル・フランス・メキシコ・クロアチア・スペインなど「強豪国」と言われる国との対戦が多いので評価できる数字である。
FW小川航に関しては「東京五輪のときのエース候補」として期待する声は多いが、183センチ/70キロと恵まれたサイズを持っている。桐光学園高時代に冬の高校選手権で活躍したので一般的な知名度もかなり高いが、CFとしては「数年に一度レベル」の素材である。国際試合でも通用する万能型のフォワードになれる可能性を秘めており、その価値をU-19アジア選手権で存分に発揮してもらいたいところである。
「人材不足」と言われ続けてきたCBに関してはどの年代別代表でもサイズとビルドアップ能力を兼ね備えた選手がいる時代になっており、アタッカーに関しては相変わらずタレントは出てくる。ボランチについてはタレント不足の世代も偶にあるがCFに関しては「有望な選手がいないのが当たり前」というケースが続いているので、FW小川航が順調に成長して東京五輪代表のエースになってくれないと困る状況である。
表1.
【U-19日本代表】 2014年7月以降の個人別の成績 (全38試合) |
順位 | 名前 | 所属クラブ | 出場時間(分) | 試合数 | 得点数 |
1 | 小川航基 | ジュビロ磐田 | 1,654 | 25 | 17 |
2 | 岸本武流 | セレッソ大阪 | 1,420 | 25 | 12 |
3 | 岩崎悠人 | 京都橘高 | 1,139 | 20 | 6 |
4 | 堂安律 | ガンバ大阪 | 1,521 | 22 | 4 |
4 | 髙木彰人 | ガンバ大阪 | 1,186 | 20 | 4 |
4 | 杉森考起 | 名古屋グランパス | 817 | 16 | 4 |
7 | 坂井大将 | 大分トリニータ | 1,839 | 23 | 3 |
7 | 三好康児 | 川崎フロンターレ | 614 | 12 | 3 |
7 | 浦田樹 | FC琉球 | 1,804 | 24 | 3 |
7 | 野田裕喜 | ガンバ大阪 | 1,283 | 17 | 3 |
7 | 加藤陸次樹 | 中央大 | 323 | 5 | 3 |
12 | 長沼洋一 | サンフレッチェ広島 | 1,036 | 20 | 2 |
12 | 小林颯 | 日本体育大 | 571 | 11 | 2 |
12 | 垣田裕暉 | 鹿島アントラーズ | 510 | 13 | 2 |
12 | 一美和成 | ガンバ大阪 | 434 | 10 | 2 |
12 | 吉平翼 | 大分トリニータ | 351 | 7 | 2 |
17 | 神谷優太 | 湘南ベルマーレ | 568 | 9 | 1 |
17 | 久保田和音 | 鹿島アントラーズ | 1,059 | 22 | 1 |
17 | 伊藤涼太郎 | 浦和レッズ | 310 | 9 | 1 |
17 | 斧澤隼輝 | セレッソ大阪U-18 | 169 | 3 | 1 |
17 | 和田昌士 | 横浜Fマリノス | 92 | 2 | 1 |
17 | 根本圭輔 | 横浜FMユース | 68 | 2 | 1 |
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