■ J2でも十分にやれそうな選手は誰だろうか・・・。Jリーグは今シーズンからDAZN社と10年間で約2,100億円という大型契約を締結した。J1やJ2のクラブは特に資金力の部分で潤ったがJ1やJ2のクラブ以上に大きなプラスの恩恵を受けたのがJ3のクラブである。昨シーズンまではスカパーが不定期的にJ3の試合を中継するのみ。年間で合計しても10試合程度しかJ3の試合は中継されなかったが、今シーズンからDAZNがJ3の試合を全て生配信するようになった。
これによってJ3のクラブや選手の知名度が飛躍的にアップするのは確実。スポンサーへのアピールにもつながるので「良いこと尽くめ」と言えるが、J3の試合を観ていると「この選手は上のカテゴリーでも十分にやれる。」と感じる選手は少なくない。高校3年生や大学4年生のときにJ1やJ2のクラブのスカウトの目に止まらなかっただけで大きな可能性を秘めている選手やそこから急成長した選手は少なくない。
実際にFW岸田(山口)やMF福満(C大阪)やDF小池龍(柏)など2016年のJ2で旋風を巻き起こした山口の主力選手のほとんどはJ3やJFLや地域リーグで力を蓄えてきた選手で、2015年のJ2で快進撃を見せた金沢の主力だったFW佐藤和(水戸)やMF清原(C大阪)やMF山藤(金沢)なども同様である。他にもDF馬渡(鳥取→金沢→徳島)、FW中山仁(鳥取→山口→山形)などJ3のクラブからステップアップを果たすケースは増えている。
1人目 : MF 富樫佑太 (FC琉球) ・・・ J1:0試合、J2:0試合→ 1月に行われたニューイヤーカップで千葉や札幌を相手に躍動して評価と知名度が急激にアップした。トップ下系の選手でとにかく技術が高くてイマジネーション溢れるプレーが魅力。高卒3年目となるが攻撃的なサッカーを志向するFC琉球の軸として大きな期待を受けている。まだ21歳と若くてノビシロもたっぷり。2017年シーズンにJ3のクラブでプレーしている選手の中では最も才能に恵まれた選手と言える。
2人目 : FW 呉大陸 (SC相模原) ・・・ J1:0試合、J2:0試合→ JFAアカデミー福島の1期生。MF幸野(長崎)などが同期となる。岡山ではなかなか出場機会をつかめなかったが2016年に秋田でブレイク。25試合で3ゴールを挙げて秋田の4位躍進に貢献した。今シーズンはSC相模原に所属しているが推進力のあるアタッカーで思い切りのいい仕掛けが武器となる。ポテンシャルは相当に高いのでゴール数やアシスト数など分かりやすい数字を残すことができると評価は高まる。
3人目 : FW 萱沼優聖 (カターレ富山) ・・・ J1:0試合、J2:0試合→ 大卒2年目。プロ1年目の2016年は28試合で7ゴールを記録するなど初年度から攻撃の中心として活躍した。山梨学院大学附属高出身でMF白崎(清水)は同級生。同校は攻撃に特徴のあるタレントを多く輩出しているがFW萱沼はアグレッシブで観ている人が爽快感を感じるプレーをすることができる。富山は開幕3連勝と最高のスタートを切ったが攻撃の中心となってチームをJ2に昇格させることができるか。