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【J1】 2016年開幕前の戦力補強の評価・プレーヤー別 (サンフレッチェ広島・アビスパ福岡・サガン鳥栖) | | |　

サンフレッチェ広島

　FW ピーター・ウタカ (清水エスパルス)　B+　・・・　期限付き移籍
　FW 宮吉拓実 (京都サンガ)　B-
　MF キム・ボムヨン (モンテディオ山形)　A-

→　リーグ2連覇を狙う広島。今オフの選手の入れ替えは少なかった。資金的な問題で21ゴールを挙げる大活躍を見せたMFドウグラス(→アル・アイン)をキープすることはできず。注目点は「MFドウグラスの穴をどう埋めるのか？」に尽きるが候補は多い。五輪代表のFW浅野拓をシャドーの位置でスタメン起用することもできるし、MF野津田やMF茶島やMF森崎浩やFW皆川なども控えるので選択肢は非常に多い。

「補強に頼らなくても何とかできそうだ。」と思えるが、後釜候補としてFW宮吉(京都)とFWピーター・ウタカ(清水)の獲得に成功した。ともに1トップの位置でもシャドーの位置でもプレーできると思うがFW宮吉は裏抜けが得意な選手なので1トップの方が生きるだろう。一方のFWピーター・ウタカは確実にボールをキープすることができるので1トップの位置でもシャドーの位置でもどちらでも活躍できる可能性がある。

不安点を挙げるとFW宮吉はここ数年は完全に伸び悩んでいる点で、FWピーター・ウタカに関しては「運動量がJ1のフォワードの選手の中で最低レベル」という数値が出ている。MFドウグラスは(点を取るだけでなく)献身的なプレーでもチームに貢献したのでFWピーター・ウタカとは異なる。注目を集める2人以上に期待したいのはMFキム・ボムヨン(山形)。強さと速さを兼ね備えているのでACLの舞台で力を発揮しそうだ。

アビスパ福岡

　DF キム・ヒョヌン (ジェフ千葉)　B+
　GK イ・ボムヨン (釜山アイパーク)　A+
　MF 為田大貴 (大分トリニータ)　A+
　MF 古部健太 (V・ファーレン長崎)　B+
　GK 兼田亜季重 (モンテディオ山形)　D+
　DF 實藤友紀 (川崎フロンターレ)　C+

→　期限付き移籍だったGK中村航(→柏)とMF酒井宣(→新潟)が退団した。中でも「J1昇格」に大きく貢献した五輪代表のGK中村航の穴をどう埋めるのか？が注目されたが韓国代表のGKイ・ボムヨン(釜山)の獲得に成功した。194センチ/90キロという大型のキーパーで26歳と油の乗り切った年齢である。GK中村航が抜けたのは痛いが現時点での実力や経験値はGKイ・ボムヨンの方が上。穴は十分に埋まるだろう。

「大分の至宝」と言われたMF為田(大分)を獲得できたのも大きい。ちょうど2年前に行われたU-22アジア選手権のときは手倉森JAPANでプレーしており、このときもチームメイトだったMF金森とどういう関係を築くのか？が注目される。もっとも得意とするのは左サイドハーフ。「点を取る形」を持った選手であるがボランチでもプレーできるしWBでもプレーできる。若くて伸びしろのあるスター候補を獲得できた。

他にはDFキム・ヒョヌン(千葉)とMF古部(長崎)の獲得も効果的である。DFイ・グァンソンが退団してDF古賀が現役を引退したのでCBが補強ポイントだったがJ2で上位クラスのCBだったDFキム・ヒョヌンをゲットした。スピード系の選手にも問題なく対応できるので期待度は高い。一方のMF古部はサイドのスペシャリスト。豊富な運動量が武器で3バックのときはストッパーの位置でもプレーできる。良い補強が出来た。

サガン鳥栖

　MF 楠神順平 (セレッソ大阪)　C+
　DF 藤田優人 (柏レイソル)　B+
　MF 中美慶哉 (栃木SC)　C+
　MF 富山貴光 (大宮アルディージャ)　B-
　GK 牲川歩見 (ジュビロ磐田)　C+　・・・　期限付き移籍

→　マガト監督との交渉が決裂したのは年末のことだった。急転直下で年明け早々にフィッカデンティ監督(前FC東京)の招聘に成功したが時期的な問題もあって「監督が欲しいと思った選手や監督のスタイルに合った選手を獲得する。」という形にはならなかった。GK林彰やMF金民友やFW豊田を引き留めることができたのは良かったが、MF藤田直(→神戸)とMF水沼(→FC東京)を失った穴は非常に大きい。

今オフの鳥栖は監督人事も選手補強も後手後手に回ったが、フィッカデンティ監督のFC東京での仕事ぶりを思い出すと分かるとおり、特に中盤の選手に対する要求は多い。ダイヤモンド型の「4-4-2」が基本になると思うが、守備の時に集中が切れることが多いMF楠神とMF中美の2人をどう組み込むことができるかが大きな注目点となる。この2人がタスクをこなせずに出場機会を得られないようだと困った事態になる。

期待したいのは右SBのDF藤田優(柏)。柏はSBの層が厚いチームなので出番は限られたがチャンスを与えられたときはいいプレーを見せていた。DF丹羽竜は怪我がち。DF吉田豊を除くと左右のSBを固定できなかったので良い補強が出来たと言える。MF富山(大宮)も良い補強と言えるだろう。同様に大宮では出番は限られたがMF楠神やMF中美よりも献身性があるので重宝される可能性がある。殻を破る活躍を期待したい。