■ 5大会ぶりのU-20W杯出場はなるか?「若年層の日本代表がアジアの中で勝てなくなってきた。」と言われるケースが多くなっているが、1月に行われたU-23アジア選手権のときは手倉森JAPANが見事にアジア制覇を達成。さらには現在進行形のU-16アジア選手権は「00ジャパン」がベスト4入り。U-17W杯の出場権を確保した。9月29日(木)に行われる準決勝でイラクと対戦することになるがU-23日本代表に続くアジア制覇の期待が高まっている。
一方、10月中旬からはバーレーンでU-19アジア選手権が開催される。元磐田の内山監督率いるU-19日本代表が本大会出場を目指して準備の最終段階に入っているが9月28日(水)にU-19アジア選手権に出場する23名が発表された。兄貴分となるU-23日本代表と弟分となるU-16日本代表が揃って世界大会の切符を獲得したのでU-19日本代表にかかる期待も大きいが5大会ぶりのU-20W杯出場権獲得は至上命題と言える。
今年のU-19アジア選手権は1997年1月1日以降に生まれた選手が対象となるが4年後に迫った2020年の東京世代の中心となる選手たちである。開催国なのですでに東京五輪の出場権を得ているので4年後を見据えた強化が可能となるが逆に言うと「生きるか死ぬかのタフなアジア予選を経験する機会がいつもの世代と比べると1つ少なくなる。」と言えるのでプラスの要素だけでなくマイナスの要素もいくつかある。
U-16アジア選手権を戦っている「00ジャパン」は『新・黄金世代』と言う人もいるほどタレントが豊富な世代であるが、今回のU-19アジア選手権を戦う世代に関しては『決して人材が乏しい世代では言えないがタレント軍団というわけでもない。』と言える。有望な選手は何人もいるが各ポジションにタレントを抱えているU-16日本代表ほどではない。「00ジャパン」と比べるとシビアな戦いになるだろう。
23人の中で1997年生まれの選手が最多で15名、1998年生まれの選手が6名、1999年生まれの選手が2名となる。この年代での1学年差は大きいのでいわゆる飛び級の選手が2人もいるというのはかなり珍しい。日本・イラン・カタール・イエメンの4チームで構成されるグループリーグは総力戦になることは確実。23人全員の力が必要となるが、中でも特に活躍が期待される選手を10名だけピックアップしてみた。
1人目 : DF 中山雄太 (柏レイソル) 1997.02.16 180cm/70kg→ J1の上位クラブである柏でCBの位置でレギュラーポジションを獲得しているU-19日本代表の攻守の要。左利きでパスの精度が高くて攻撃の起点になることができる。複数のポジションをこなすことが出来るが23人の顔ぶれを見るとCBで起用されることになるだろう。東京世代の顔となる選手の1人なのでタフなアジア予選でどれくらいのパフォーマンスを見せることが出来るのか?は要注目と言える。
2人目 : MF 市丸瑞希 (ガンバ大阪) 1997.05.08 172cm/60kg→ G大阪ユース出身のゲームメーカー。総合力が高いボランチでタイミングのいい縦パスで攻撃のスイッチを入れることが出来る。各ポジションの顔ぶれを見ていくとボランチに関しては不安要素が多い。いつもの年代別の日本代表と比べるとやや弱い印象がある。ボランチの出来が明暗を分けることになると思うのでMF市丸にかかる期待も大きい。MF坂井大とMF市丸のWボランチがファーストチョイスか。
3人目 : DF 舩木翔 (セレッソ大阪U-18) 1998.04.13 177cm/65kg→ 左足のキックに定評のある正統派の左SB。177センチと日本人のSBとしてはサイズがあってセットプレーからヘディングでゴールを決めるシーンも少なくない。同じC大阪U-18出身のMF丸橋(C大阪)と比較されることが多いがプレースタイルに関しては似ているところもあるが似ていないところもある。ダイナミックさでは先輩のDF丸橋が上回るが繊細さでは後輩のDF舩木翔の方が上。クレバーさも1つのウリとなる。
4人目 : FW 中村駿太 (柏レイソルU-18) 1999.05.10 170cm/66kg→ 小学生時代から点取り屋として有名だったが順調に成長。飛び級でU-19日本代表に選ばれた。小柄ではあるが俊敏性があってシュート技術が高い。「小型・ロナウド」とも言われるが、元アルゼンチン代表のFWサビオラによく似たプレースタイルで相手の隙を突いてゴールを奪うことが出来る。スーパーサブとして起用される可能性が高い。2年後のU-19アジア選手権のときは絶対的なエースになっているはず。
5人目 : DF 冨安健洋 (アビスパ福岡) 1998.11.05 185cm/70kg→ 2ndステージに入ってからスタメン出場が増えており、ここ最近は6試合連続でスタメンフル出場を果たしている高校3年生。185センチとサイズがあって足元の技術も標準以上。ボランチとしてもCBとしても高い潜在能力を秘めている。DF登録になっていることを考えると「CBで起用される可能性が高い。」と言えるが、高さがある相手と対戦するときはボランチで起用するのも効果的。今大会のキーマンの1人。
6人目 : GK 小島亨介 (早稲田大) 1997.01.30 183cm/73kg→ 23人の中で唯一の大学生となる。名古屋U18のときから注目を集めていたキーパーだったが大学進学という道を選んだ。キーパーは高卒でJリーグのクラブに入団しても1年目や2年目から試合に絡むのはほぼ無理。息の長いポジションであることを考えても「突出したキーパーでない限りは大学進学の方が賢明なのでは?」と思う。183センチなのでサイズは不足しているが安定感があってフィード力も高い守護神。
7人目 : MF 三好康児 (川崎フロンターレ) 1997.03.26 167cm/64kg→ ここに来て所属の川崎Fで出場機会を増やしている技巧派のアタッカー。J1のリーグ戦では13試合で3ゴールを記録。ドリブルが得意で自ら決定機を作りだすことが出来るがフィニッシュのときも落ち着いている。同じ左利きのアタッカーであるMF堂安がいるので2人を併用するのか、どちらか1人はスーパーサブで控えることになるのか、起用法にも注目が集まる。ドリブルからシュートまでの形を持っている。
8人目 : FW 岩崎悠人 (京都橘高→京都サンガ) 1998.06.11 170cm/67kg→ 争奪戦の末、J2の京都サンガへの入団が決まった快速フォワード。単純なスピードでは東京世代の中でトップクラス。ロンドン五輪のときのFW永井謙、リオ五輪のときのFW浅野拓に匹敵する驚異のスピードを持っている。武器となるのがスピードだけではない点がFW岩崎の魅力で技術も高くてシュート力もある。シンプルな攻撃が多くなると思われるのでFW岩崎のスピードと決定力にかかる期待は大きい。
9人目 : FW 小川航基 (ジュビロ磐田) 1997.08.08 183cm/70kg→ 昨年度の冬の高校選手権で活躍した大型ストライカー。183センチとサイズに恵まれており、ストライカー特有の強いメンタリティを持っているのも魅力と言える。フォワードの軸として相手チームから徹底マークを受けることが予想されるが、その中で得点に絡む働きが期待される。磐田ではなかなか出番が回ってこないので試合勘の部分が懸念材料となるがCFとしてのポテンシャルは一級品である。
10人目 : MF 堂安律 (ガンバ大阪) 1998.06.16 172cm/70kg→ 東京世代の中で最も注目を集めているアタッカーと言えるだろう。体が強くてイマジネーションも豊富で得点力が高い。同じG大阪ユースで育った大先輩のMF家長(大宮)と比較されることが多いが同じ年齢の頃のMF家長と比べると運動量や守備意識は段違い。攻撃力に注目が集まることがほとんどであるが守備面でもチームに貢献することが出来る。攻撃の中心として違いを発揮することが期待される高校3年生。
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