■ CLが開幕UEFAのCLが開幕。ルーマニアのCFR1907クルイ、トルコのガラタサライ、ポルトガルのスポルティング・ブラガと同じH組に入ったイングランドのマンチェスターUはホームでガラタサライと対戦した。このグループは、マンチェスターUが大本命で、ガラタサライとスポルティング・ブラガが2位争いをするのではないかと考えられている。
ホームのマンチェスターUは「4-2-3-1」。GKデ・ヘア。DFラファエル、ヴィディッチ、エヴァンス、エブラ。MFキャリック、スコールズ、バレンシア、香川真司、ナニ。FWファン・ペルシー。プレミアリーグの第4節のウィガン戦は欠場したMF香川はトップ下でスタメン出場となった。
対するアウェーのガラタサライは「4-2-2-2」。GKムスレラ。DFエブーエ、ヌンコ、カヤ、バルタ。MFフェリペ・メロ、イナン、ハミト・アルティントップ、アムラバト。FWイルマズ、ブルト。ウルグアイ代表のGKムスレラ、ブラジル代表のMFフェリペ・メロなど、要所にタレントが揃っている。
■ マンチェスターUが白星試合は前半7分にホームのマンチェスターUが先制する。MFキャリックがFWファン・ペルシーとのワンツーで抜け出すと、最終ラインもMF香川とのワンツーで突破して、GKもかわして左足で決めて幸先よく先制する。MF香川はCLでは初アシストとなった。
いい形で先制したマンチェスターUだったが、その後は、中盤でパスミスが増えてきて、ガラタサライにペースを握られる。横パスをカットされて、ガラタサライのカウンターを食らうシーンが何度も訪れるが、何とか守り切って、前半は1対0でリードして折り返す。
後半も同様の展開で、ガラタサライがセットプレーやカウンターからマンチェスターUのゴールに迫っていく。やや劣勢となったマンチェスターUは、後半7分にペナルティエリア内でDFラファエルが倒されてPKを獲得するが、MFナニのPKをGKムスレラがセーブして、追加点を挙げることはできない。
結局、MFキャリックの挙げた1点を守り切ったマンチェスターUが1対0で勝利して、CLの開幕戦を制した。グループHのもう1試合は、ルーマニアのCFR1907クルイがアウェーでスポルティング・ブラガに勝利したので、CFR1907クルイとマンチェスターUが勝ち点「3」のスタートとなった。
■ MF香川は決勝アシスト立ち上がりは激しい展開になって、前半7分にマンチェスターUが先制した。「これで流れをつかむことができる。」と思ったが、その後はミスも多くて、マンチェスターUは試合の主導権を握ることはできなかった。バーに救われたシーンが何度かあったので、内容的には不満足な試合だったが、とにかく、勝ち点「3」を獲れたのは大きい。
先制ゴールのシーンは、MFキャリックがダブルワンツーから最終ラインを突破して左足でねじ込んだが、ここでは、テンポよくパスが回った。MF香川もタイミングを計って、左足で絶妙のパスを送ってアシストを記録したが、2試合ぶりのスタメンでゴールに絡む働きができたのは、良かったといえる。
ただ、その後は、いい形でボールをもらうシーンは少なかった。MFバレンシアとMFナニの両ウイングは積極的にサイドを駆け上がって突破しようと試みたが、その分、攻撃が単調になってしまって、FWファン・ペルシーやMF香川の持ち味は十分には発揮されなかった。
■ 結果が必要MF香川が絡むと、先制ゴールのシーンのようにビッグチャンスが生まれてくるので、もう少し、MF香川をうまく使うことができると、FWファン・ペルシーも生きてくると思うので、もったいない感じもするが、長年、このやり方で戦ってきたチームなので、そう簡単には変わらないだろう。
MFバレンシアも、MFナニも、突破力はあるので、単調な攻撃になったとしても、1試合のうちに、いくつかのチャンスを作ることができるので、「効果的ではない。」とは言えないが、両サイドの選手は張っていることが多くて、中央に待っているのが、FWファン・ペルシーとMF香川だけでは、クロスが上がったとしても、ゴールをこじ開けるのは難しい。
この試合は先制ゴールを奪っているので、ボランチのところから両サイドに展開して、そこから攻撃するのが、もっともリスクの低い攻撃であり、選択として悪くは無いが、スペクタクルではなかった。
この辺りを改善するには、MF香川が結果を出し続けて、チームメイトの信頼を集めて、パスを引きよせるしかない。いくら、バイタルエリアのところでパスを要求しても、すぐには変わらないはずで、パスを要求するアクションや姿勢も重要なことであるが、劇的に変えるには、ゴールやアシストといった分かりやすい結果を残すしかない。
■ スロースターターアシストだけでは満足できないほど、MF香川にかかる期待は大きくなっているが、幸いにして、ファーガソン監督は公式戦の5試合中、4試合をトップ下で起用しており、MF香川を高く評価していることは明らかである。マンチェスターUのようなビッグクラブで、毎試合、スタメンで出場するのは、ごく一部のエリート選手に限られてくるが、今のところ、優先順位も高くなっており、悪くない状況である。
改めて言うまでもないが、MF香川という選手は、開幕してしばらくは、エンジンがかからないことが多い。2008年シーズンは前半戦はゴールに絡む仕事ができずに苦労して、2009年はゴールは奪えていたが、本来の動きが出来ずに冴えないプレーが続いた時期があった。
2010年はチーム自体がスタートダッシュに失敗したこともあって、開幕して数試合は精彩を欠いており、昨年の2011-2012シーズンの序盤は、スタメンから外れることもあった。よって、ほぼ毎年、「今年のMF香川は大丈夫なのか?」と言われて、サポーターに心配をかけているが、試合を重ねるごとにキレが出てきて、中盤戦から後半戦は仕事量も増えてきて、ゴールに絡む活躍を見せるようになる。
ということで、シーズン序盤に波に乗れないのは、毎年のことなので、スタートで出遅れても、あまり心配する必要はないと思うが、例年と比べると、悪くないシーズン序盤になっている。
ドルトムントは、ほとんど、ターンオーバーをしなかったので、調子が良ければ、スタメン落ちすることは考えられなかったが、もうすぐ、FWルーニーも戻ってきて、FWエルナンデスやMFヤングやFWウェルベックも控えているので、「ずっとスタメン」というわけにはいかないと思うが、一歩一歩、実績を積み上げて、不可欠な存在になってほしいところである。
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