■ CLの第3節CLの第3節。2連勝スタートのマンチェスターUはホームでポルトガルのスポルティング・ブラガと対戦した。グループHは2節を終えた段階で、マンチェスターUが2勝0敗で勝ち点「6」、ブラガとCFR1907クルイが1勝1敗で勝ち点「3」、ガラタサライが0勝2敗で勝ち点「0」となっている。
ホームのマンチェスターUは「4-4-2」。GKデ・ヘア。DFラファエル、キャリック、エヴァンス、ビュットナー。MFフレッチャー、クレバリー、香川真司、ルーニー。FWエルナンデス、ファン・ペルシー。プレミアリーグのストーク戦はベンチ外だったMF香川はスタメンに復帰して左サイドハーフで起用された。
対するアウェーのブラガは「4-2-3-1」。GKベト。DFレアンドロ・サリーノ、ヌノ・アンドレ・コエーリョ、パウロ・ヴィニシウス、エルデルソン。MFクストディオ、ウーゴ・ヴィアナ、ルベン・アモリム、アラン、ルベン・ミカエル。FWエデル。
■ 3対2で逆転勝利試合は開始2分にアウェーのブラガが先制する。ポルトガル代表のMFウーゴ・ヴィアナのクロスををMFアランがヘディングで合わせて先制ゴールを奪う。さらに、前半20分にも、FWエデルが左サイドを突破してクロスを入れると、再び、MFアランが決めて2対0とリードする。
しかし、マンチェスターUは、前半30分にルーズボールを拾ったMF香川が裏のスペースに走ったFWエルナンデスにピンポイントのクロスを送るとFWエルナンデスがヘディングで合わせて1点差に迫る。MF香川はCLの初戦のガラタサライ戦に続くアシストとなった。
しかし、その直後の前半27分にMF香川が足を痛めてしまう。治療をしてからピッチに復帰したが、しばらくの間、足を引きずりながらプレーし、前半終了まではプレーを続けたが、結局、前半だけで交代となって、後半開始からMFナニが投入される。
ホームで負けの許されないマンチェスターUは、後半17分にCKを得ると、FWファン・ペルシーのボールをDFエヴァンスが押し込んで2対2の同点に追いつくと、さらに、後半30分にも、MFクレバリーのクロスをFWエルナンデスが豪快にヘディングで合わせて3対2と逆転に成功する。
結局、試合は3対2でマンチェスターUが逆転勝利して、CLは3連勝となった。一方のブラガは2点をリードしたものの、逆転負けを喫して1勝2敗。ガラタサライとCFR1907クルイの試合は1対1の引き分けに終わったので、CFR1907クルイが勝ち点「4」で2位、ブラガが勝ち点「3」で3位、ガラタサライが勝ち点「1」で4位となっている。
■ 失点癖は変わらず・・・2点ビハインドとなったマンチェスターUだったが、ここ最近の定番の形となっている逆転勝ちでCLは3連勝となった。2011-2012年はグループリーグで敗退したが、今年はマンチェスターUに対抗できるチームはグループ内には見当たらないので、GL突破はほぼ確実と言える。
ただ、先に失点してしまうのは、良くない。しかも、簡単にサイドを突破されてクロスから失点を喫するケースが多くて、安定した戦いはできていない。今のところ、攻撃陣が好調で、逆転することができているが、強豪チームが相手になると、このようにはいかない。
この日は、左サイドからクロスを入れられて、トップ下のMFアランに決められたが、いずれも、左SBのDFビュットナーの対応がまずかった。この日は、DFエヴラが欠場で、フィテッセから獲得したDFビュットナーを起用したが、いいプレーはできなかった。
■ MF香川は負傷で交代一方の攻撃陣は、「噛み合っている。」とは言い難い状況であるが、個の力でゴールを重ねている。0対2と厳しい展開になったが、すぐに、1点を返すことが出来たのは大きかった。左サイドでボールを受けたFWファン・ペルシーがドリブルで仕掛けたが、相手に阻止されて、FWファン・ペルシーのファールのように思えたが、ノーファールでMF香川がボールを拾うと、精度の高いクロスを供給して、FWエルナンデスのゴールが生まれた。
FWエルナンデスとMF香川は相性は良さそうで、FWエルナンデスはゴールを意識したポジションを取るので、MF香川→FWエルナンデスという形からゴールが生まれそうな雰囲気はある。ただ、MF香川にしても、FWエルナンデスにしても、不動のレギュラーという立場ではないため、一緒にプレーできる機会は少ない。
追撃のアシストをマークした後、乗っていけそうな雰囲気はあったが、前半27分にMF香川は負傷して、前半だけで退くことになった。そのシーンを見ると、相手のボールを奪おうとタックルしたが、きれいなタックルにはならずに、左ひざから滑るような形になった。
相手と強く接触している風には見えないので、打撲ではないと思うし、捻っているような感じでもないので、重症ではないと思われるが、治療してからピッチに戻った後も、5分間ほどは、左ひざを気にしながらプレーしており、「交代もやむない。」という状況だった。
■ 「慣れ」が必要アピールが必要な立場なので、残念な交代になったが、実は、怪我をした後の時間帯の方が、ボールも回ってきており、うまく攻撃に絡むことができていた。裏に飛び出して、「同点のアシストか!?」というシーンもあって、感じは悪くなかったので、そのまま、後半もプレーできるのかと思われたが、無理をしなければならない状況ではないので、やはり、前半だけで交代となった。
ここまでのMF香川はリーグ戦とCLを合わせると、2ゴール3アシストということで、それなりに結果を残しているが、FWルーニーとFWファン・ペルシーは絶対の存在なので、FWウェルベックやFWエルナンデスやMFヤングやMFナニやMFバレンシアといった各国代表クラスの選手と残りの2つあるいは3つのポジションを争う形になっており、簡単に出番は回ってこない。
ただ、この点は、メガクラブに所属している以上、仕方がないことである。全ての試合に出場して活躍できるのがベストではあるが、メガクラブの攻撃陣の中で、絶対的な存在になれるのは、世界最高峰の選手だけで、まだ、そこまでのレベルには到達していない。リーグ戦でも、CLでも、MF香川が生きるような展開になっていないので、もどかしいところであるが、チームとしては、得点という形で結果が出ているので、今のやり方に慣れて、徐々にチャンスを増やしていくしかない。
メガクラブでは、出場機会をうまく振り分けることは難しいので、チャンスが与えられずに移籍を志願する選手は珍しくは無い。よって、移籍先を探すというのも、選択肢の1つだと思うが、ここまでは、ある程度のチャンスが与えられており、それなりに結果は残しているので、慌てるような状況でもない。とにかく、チームにも、リーグにも、「慣れる」ということが必要で、ドルトムントのときのような躍動する姿が見られるまでには、少し時間がかかるかもしれない。
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