■ 第33節プレミアリーグの第33節。25勝4敗2分けで勝ち点「77」。首位を独走するマンチェスターUはアウェーでストーク・シティと対戦した。2位のマンCは勝ち点「65」なので、勝ち点で「12」の差がある。一方のストークは7勝12敗13分けで勝ち点「34」で残留争いの真っただ中にいるが、1月以降は1勝9敗2分けと苦しんでおり、このままでは残留するのは難しい。
ホームのストークは「4-2-3-1」。GKベゴヴィッチ。DFウィルキンソン、ショークロス、フート、キャメロン。MFヌゾンジ、ウェーラン、ウォルターズ、アダム、ショットン。FWジョーンズ。元イングランド代表のスター選手で今シーズン限りで現役を引退することが決まっているFWオーウェンはベンチスタートとなった。イングランド代表では89試合に出場して40ゴールを挙げている。
対するアウェーのマンチェスターUは「4-2-2-2」。GKデ・ヘア。DFフィル・ジョーンズ、ファーディナンド、ヴィディッチ、エヴラ。MFルーニー、キャリック、バレンシア、香川真司。FWエルナンデス、ファン・ペルシー。日本代表のMF香川はリーグ戦では2試合ぶりのスタメンとなった。ここまでは15試合で5ゴールを挙げている。イングランド代表のMFルー二ーがCMFに入る。
■ マンUが2対0で勝利!!!試合は開始早々にマンチェスターUがCKを獲得すると、こぼれ球をMFキャリックが決めてあっさりと先制する。その後は、マンチェスターUがボールを保持して攻め込むが、それほどチャンスは作れず。前半は1対0でアウェーのマンチェスターUがリードして折り返す。
後半になると、風上のストークが優勢になるかと思われたが、ここ最近、結果が出ていないこともあって、ストークは積極的な攻撃はできない。逆に、後半21分にFWファン・ペルシーが自ら得たPKを確実に決めて2対0とリードを広げる。FWファン・ペルシーはここ最近はゴールから遠ざかっており、リーグ戦では2月10日のエバートン戦以来のゴールとなった。
結局、試合は2対0でマンチェスターUが勝利して、2位のマンチェスターCとの差は「15」となった。残りはマンチェスターUが6試合で、マンチェスターCが7試合ということで、リーグ優勝が目前に迫ってきた。一方のストークは勝ち点「34」のまま。残留争いはニューカッスル、ノーウィッチ、サンダーランド、ストーク、アストン・ヴィラ、ウィーガンなどが絡む大混戦になっている。
■ リーグ優勝が目前マンチェスターUは優勝が迫ってきているが、2位以下との差が大きいこともあって、選手も、スタッフも、ハイテンションとは言えない状態で、淡々とした試合を続けている。CLのラウンド16でレアル・マドリーに敗れたが、そこからは緊張の糸が切れてしまったのか、あまりいい試合はできていないが、「あと2試合あるいは3試合で優勝が決まる」というところまで来ている。
リーグタイトルが目の前に迫っているにも関わらず、入れ込んでいないところは、「さすがに優勝慣れしているメガクラブだ。」と感じるが、拍子抜けするほど、あっさりとリーグ優勝が決まろうとしている。この日は不調のストークが相手ということで、マンチェスターUが優勢で試合が進むことは容易に想像できたが、早々にセットプレーからゴールが決まって、本当に楽な展開になった。
日本代表のMF香川は32節のマンチェスターCとの試合は後半の最後に出場しただけで、見せ場なく終わったが、この日は、左サイドハーフで起用されて、いくつか見せ場を作った。結局、ゴールに絡むことは出来なかったが、コンディションは良さそうで、守備でも問題はなかった。むしろ、相手のパスをインターセプトするシーンが多くて、守備でも貢献していた。
■ プレミア仕様になる香川真司プレミアリーグも残り6試合となって、シーズンも終わろうとしている。MF香川の1年目のシーズンが終わろうとしているが、最初の頃に比べると、かなり「プレミア仕様」になってきて、チームにも馴染んでいる。9月や10月あたりは、フリーになってもパスが出て来なくて孤立する試合もあったが、チームメイトの信頼を得るようになって、低い位置であれば、欲しいタイミングでボールを受けられるようになった。
また、当初はトップ下で起用されることが多くて、サイドハーフで起用されることはほとんどなかったが、年明け以降は、左サイドハーフがメインになって、サイドハーフでも違和感なくプレーしている。強力なサイドアタッカーがいるチームと対戦するときはベンチスタートになることが多いが、試合に出ている時に、MF香川のサイドを破られるというシーンもほとんどないので、無難にこなしている。
もちろん、本人はもっと上のレベルを目指していると思うので、スタメンから外れる試合があることに対しては、悔しい思いを持っていると思うが、メガクラブに在籍する以上、ある程度は、仕方のないことである。個人的には、少しランクが下のクラブでもいいので、「常時、スタメンで出場できるようなクラブでプレーしてほしい。」という気持ちもあるが、メガクラブでしか得られないこともたくさんある。
インテルのDF長友も同じであるが、大変なプレッシャーの中でプレーしているので、少々のことでは動じなくなっていて、精神的にタフになっている。また、技術的なところで、C大阪やドルトムントの頃と比べると、格段に周りの選手を使うプレーがうまくなっていて、好き勝手にプレーできる環境ではないこともあって、味方を生かして、味方に生かされようとする意識が高くなったと感じる。
■ 引退が迫るマイケル・オーウェンこの試合は、残留争いをするストークとの対戦となったが、引退が近づいているFWオーウェンが後半32分に登場して、ストークのサポーターも、古巣のマンチェスターUのサポーターも盛り上がった。15分程度のプレイングタイムで、見せ場は無くて、彼らしさを感じることはできなかったが、一時代を築いた選手なので、印象に残る試合となった。
FWオーウェンというと、1998年のフランスW杯のアルゼンチン戦のスーパーゴールが、ほとんどの人の記憶に残っていると思われるが、日本国内で容易に海外サッカーが視聴できるようになった頃に大活躍したスーパースターなので、日本でもファンが多い。FWロナウド、FWラウール、FWデル・ピエロ、MFジダン、MFベッカム、MFルイコスタ、MFフィーゴなどと同じで、特別な存在である。
印象に残っているのは、リバプール時代である。プレミアリーグでも、CLでも、思うような成績を挙げられず、MFジェラードとFWオーウェンの2人は、移籍マーケットがオープンになると、常に、「国内外の大きなクラブに移籍するのではないか?」という話が出てきたが、結局、FWオーウェンがレアル・マドリーに移籍して、MFジェラードはリバプールに残ったが、その後は、明暗が分かれてしまった。
25歳あたりから、怪我が多くなって、キャリアの後半は苦しいサッカー人生となったが、イングランドのサッカー界を支えてきた選手であり、華のある選手だった。今シーズンは7試合で計110分の出場にとどまっているが、1ゴールを挙げている。最後の最後で得点力不足に苦しむチームを救うことができるか。全盛期のFWオーウェンは、苦しいときにゴールを決めることのできるストライカーだった。
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