■ 開幕戦イングランドのプレミアリーグが開幕。日本代表のMF香川が加入したマンチェスターUはアウェーでエバートンと対戦した。2011-2012シーズンは、マンチェスターUが2位でCLの出場権を獲得し、エバートンは7位だった。
ホームのエバートンは「4-2-2-2」。GKハワード。DFヒバート、ジャギエルカ、ディスタン、ベインズ。MFネビル、ギブソン、オズマン、ピーナール。FWイェラビッチ、フェライニ。オーストラリア代表のFWケーヒルは、オフにMLSのNYレッドブルズに移籍した。
対するアウェーのマンチェスターUは「4-2-3-1」。GKデ・ヘア。DFバレンシア、キャリック、ヴィディッチ、エブラ。MFスコールズ、クレバリー、ナニ、香川真司、ウェルベック。FWルーニー。アーセナルから加入のFWファン・ペルシーはベンチスタートで、MF香川はトップ下でスタメン出場となった。
■ マンチェスターUは黒星前半はホームのエバートンのペースで進んでいく。FWイェラビッチとFWフェライニの二人が空中戦を制して、高さを生かした攻撃でチャンスを作っていく。一方のマンチェスターUはボールを保持できず、苦しい展開になる。前半35分過ぎにMF香川のスルーパスを受けたMFウェルベックがシュートチャンスを迎えるが、後方からファール気味にチャージされたため、シュート精度を欠いてゴールならず。前半は0対0で終了する。
先制したのは、ホームのエバートンで、後半12分にCKからFWフェライニが豪快なヘディングシュートを決めてリードをゴールを奪う。ビハインドとなったマンチェスターUは、後半22分にペナルティエリア内でルーズボールを拾ったMF香川のラストパスからMFクレバリーがシュートを放つが、相手DFにゴールライン上でクリアされて同点ならず。
マンチェスターUは、後半23分にMFウェルベックに代えてFWファン・ペルシーを投入。さらに、後半33分にMFナニに代えてMFヤングを投入。攻撃的な選手を投入してくるが、最後までエバートンの堅い守備を打ち破ることはできず。結局、MF香川はフル出場して、何度かパスで決定機を作ったが、ゴールを生み出すことはできず。0対1で敗れたマンチェスターUは黒星スタートとなった。
■ エバートンが開幕白星月曜日の夜に行われた開幕節の最後の試合は、エバートンが1対0で見事な勝利を飾った。開幕戦ということで、エバートンの選手は気合が入っていて、前半から試合の主導権を握った。前半はノーゴールに終わったが、GKデ・ヘアが、3度ほど、スーパーセーブで防いでおり、内容では圧倒していた。
決勝ゴールを奪ったのは、ベルギー代表のFWフェライニでCKから完璧なヘディングシュートを見せて、マンチェスターUからゴールを奪った。194センチのFWフェライニはゴール前のシーン以外にも、起点となるポストプレーで絶大な存在感を示して、文句なしのMOMと言える。
FWフェライニは、スタンダール・リエージュからエヴァートンへ移籍したときの移籍金の額が1850万ユーロと言われているが、194センチのサイズでここまで動ける選手はあまりいない。注目度の高い試合で、強烈なインパクトを与えたといえる。
■ FWファン・ペルシーは不発一方のマンチェスターUは、エバートンの勢いに押されてしまった。1点をリードされてからは、圧倒的にボールを支配して攻め込んだが、あまり決定機を作ることはできず、エバートンとのコンディションの差は明らかだった。怪我人が続出しており、本職ではないDFキャリックがつとめている最終ラインも、エバートンの2トップに高さで対抗できず、脆さを感じさせた。
注目のFWファン・ペルシーは、後半23分から登場したが、あまりボールに絡めなかった。一度、右サイドでボールを受けて、ゴール前に入って行ったMF香川に巧みなラストパスを送るシーンがあったが、可能性を感じさせたのは、このプレーくらいで、コンディションは悪そうである。
ハノーファー96とのプレシーズンマッチで2ゴールを挙げる活躍を見せたFWルーニーも動きは重かった。この日は、古巣のエバートンとの試合ということで、意識があったのかもしれないが、ミスが多くて、FWルーニーらしくないプレーに終始した。開幕戦とはいえ、コンディションの悪さは気になるところである。
■ MF香川はフル出場対して、MF香川は、いきなりフル出場を果たしたが、マンチェスターUの攻撃陣の中では、唯一と言っていいほど、コンディションが整っており、最後まで運動量が落ちなかった。
前半にFWウェルベック、後半にMFクレバリーに絶好のパスを供給しており、どちらかが決まっていれば、「アシストデビュー」となったが、マンチェスターUの決定機のほとんどに絡んでおり、マンチェスターUの攻撃陣の中では、もっともいいパフォーマンスを見せたと言える。
15日(水)に札幌ドームでベネズエラ戦を戦って、中4日の試合となったので、コンディション面が心配されたが、全く問題が無かった。むしろ、上々のコンディションで、ここまでキレのある動きができるのは、長いシーズンでも、なかなか無いことなので、結果を出したかったが、いい滑り出しと言える。
■ 注目のポジションは?開幕直前になって、アーセナルからFWファン・ペルシーが加入したため、MF香川の立場も厳しくなったが、この日のFWファン・ペルシーの出来を見ていると、本来の状態に戻るには、時間がかかりそうなので、おそらく、次の試合もMF香川がスタメンで起用されるだろう。
注目されたポジションは、スタメンが発表された時点では、「左サイドハーフか?」と思われたが、結局、MFウェルベックが左サイドハーフに回って、MF香川はトップ下で起用された。FWファン・ペルシーが入ってからは、FWルーニーがサイドハーフに移ったので、最後までトップ下のポジションは変わらなかった。
FWルーニーという絶対的な柱がいて、得点王のFWファン・ペルシーも新たに加入してきたので、ポジション争いは熾烈になったが、FWルーニーとFWファン・ペルシーとMF香川の3人を同時に使うのであれば、FWファン・ペルシーがセンターフォワードで、トップ下がMF香川で、FWルーニーがサイドハーフというのが、一番、現実的である。
当然、「MF香川が左サイドハーフに回る。」という可能性もあるが、結局のところ、プレシーズンマッチではサイドハーフでテストされなかったので、しばらく間、MF香川がサイドハーフで起用されることは、なさそうである。
■ 次はフラム戦次はホームでフラムと対戦するが、初戦を終えて、MF香川本人は手ごたえを感じているだろう。プレミアリーグのハードな守備に対応できるか、心配されていたが、開幕戦は、ほとんどミスがなくて、つなぎの部分はパーフェクトに近いプレーが出来た。
「展開の速いプレミアのサッカーにフィットできるか?」も、注目されているが、アップテンポなサッカーは、むしろ、MF香川の得意とするものである。ドルトムントも縦に速いサッカーで結果を残したが、プレミアリーグは多くのチームが展開の速いサッカーを好むので、欧州の4大リーグの中では、もっとも、MF香川に合ったスタイルのリーグと言えるだろう。
個人としては、上々のスタートを切ったが、言うまでもなく、ライバルは多いので、1試合の不出来だけで、スタメンの座を奪われる可能性がある。開幕したばかりなので、焦る必要は無いと思うが、早い段階で結果を残して、落ち着きたいところである。次の試合では、ゴールやアシストといった分かりやすい結果が出ることを期待したい。
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