早めに、日本代表の総括をしてしまいます。
司会:オシム監督に決定する(?)前に、ジーコJAPANの総括を済ませましょう。グループリーグは、1分2敗に終わりましたが・・・。じじ:想定外の結果ではなかったですね。でも、試合を見れば分かるように、ブラジル戦は厳しかったですが、オーストラリア戦も、クロアチア戦も勝利の可能性はありました。特に、オーストラリア戦は、ジーコ監督の采配次第では、十分に勝ち点3が取れる試合でした。
司会:オーストラリア戦で、勝ち点3が取れていれば、その後の展開も全然違っていたと思います。あの試合が全てでしたね。じじ:結局、クロアチアにしても、オーストラリアにしても、今のチームならば、十分に戦えることのできる相手でした。勝つかもしれないし、負けるかもしれないし、引き分けるかもしれない、そんな五分五分の力のチームを相手に試合をしているんですから、別に、グループリーグで敗退しても恥ずかしいことではありません。日本が万全の状態で臨んでいたとしても、グループリーグで敗退していたかもしれません。
司会:それだけに、うまく戦っていれば・・・という気はしますね。じじ:オーストラリア戦で、あそこまで動けなくなるとは、思いませんでした。暑い時間帯(午後10時キックオフ)に試合を組みこんだ、「電通」に対する批判が出ているけど、これは、完全に筋違いだと思います。普通に考えれば、オーストラリアとかクロアチアの方が、先に足が止まると思いますよね・・・。
司会:確かに、試合前の分析では、”暑くなれば日本が有利”と言う人が多かったと思います。じじ:電通批判は、結果論だと思います。むしろ、実際に暑い時間帯に日本戦を組み込むようにアプローチしたとしたら、電通はGood Jobだったと思います。誤算は、あまりにも、日本代表のコンデショニングがお粗末だったことです。誰が、コンディショニングの担当だったか知りませんが・・・。
司会:オーストラリア戦と、クロアチア戦というと、高さでやられた印象が強いですが、このあたりは、どうでしょうか?じじ:相手は、執拗に宮本を狙っていましたね。ガンバ大阪でも、宮本のところは狙われていて、一時期は、レギュラーからも外されたくらいですからね。さすがに、ワールドカップともなれば、相手は突いてきますよね。
司会:ジーコ監督に、宮本を外す選択肢はなかったのでしょうか?じじ:なかったと思います。これまで、一度も、宮本を外したことはなかったですからね。リーダーシップとフィードのうまさ、ラインコントロールのうまさは、今回のメンバーの中では、特出していましたからね。田中誠がいれば、十分に宮本の代わりも出来たと思いますが、茂庭と坪井では・・・。
司会:ブラジル戦では、完全に力の差を見せ付けられましたね。じじ:あの試合は、もう仕方ないと思います。とにかく、2点差以上で勝たなければいけないシチュエーションで、攻めるしかない状況です。ブラジル相手に玉砕覚悟で攻めにいって、その通り玉砕されたわけですが、先制点も奪いましたし、選手達は立派に戦ったと思いますよ。あの試合を見て批判するのは、信じられないです。
司会:中田選手の涙が印象的でしたが?じじ:どういう思いのこもった涙だったのか、ヒデ自身が語ってくれると面白いのですが、その可能性はほとんどないでしょうね・・・。いろんな思いのこもった涙だったのでしょう。
司会:結局、”ジーコJAPAN”って何だったんでしょう?じじ:「美しいサッカーという幻想を追い続けた4年間」だったと思います。2004年のイングランド戦とか、2005年のブラジル戦とか、2006年のドイツ戦とか、不意に、その美しいサッカーがピッチ上で披露されたわけですが、そのときも、”これだ”という、はっきりしたものをつかんだわけではなかったと思います。全体を通してみると、やっぱり不安定なチームでしたね。
司会:格下相手に苦戦することも目立ちましたが・・・。じじ:思うに、ジーコ氏は監督として、「選手を鼓舞すること」が、うまくないのではないかと思います。テンションが何もしなくても上がるだろう強豪国相手の試合では善戦できて、格下相手にいつも苦戦するのは、そういった要因があるのだと思います。
司会:ほかに、ジーコ氏の問題点はありましたか?じじ:選手に対する、厳しさがありませんでした。例えば、小野や遠藤はいい選手ですし、ジーコJAPANにおける貢献度も高かったかもしれませんが、スタメンで使わないのであれば、彼らをドイツに連れて行く必要はなかったと思います。貢献度は確かに重要な要素ですが、途中出場でも流れを代えられるだけのタレントを、サブでベンチに入れてほしかったと思います。
司会:それでは、まとめに入ります。この4年間を振り返ってみて、ジーコの選択で正しかったと思いますか?じじ:まず、ワールドカップでグループリーグを突破できなかったからといって、ジーコの行なってきたこと全てを否定するような論調はよくないです。アジアカップを制したこと、ワールドカップ出場権を獲得したこと、そして、グループリーグを突破できなかったこと、それら全てをひっくるめて、総括すべきです。結論から言うと、ベターな判断だったと思います。鎧も盾も兜も装備せずに、武器だけもって突っ走ろうという感じだったような気もしますが・・・。
司会:ベターだという理由は?じじ:強化の方向性としては、目指すスタイルとしては、別に、間違ってはいなかったと思います。ボクは、ジーコの目指そうとするサッカーが好きだった。結局、未完成のまま、終わってしまいましたが、このサッカーがワールドカップで実現出来ればどんなに素晴らしかったかと思います。このチームには、不思議な、未知数な魅力がありました。あとは、後任の監督に期待します。
司会:今日は、このへんで・・・。
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