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【国際親善試合：日本 vs ニュージーランド】大きな存在感を発揮したプラチナ世代のMF小林祐希 | | |　

■　キリンチャレンジカップ2017

キリンチャレンジカップの日本とニュージーランドの試合は豊田スタジアムで開催された。ロシアW杯の出場権を獲得してからは2試合目の試合となる日本は10月6日(金)にニュージーランド、10月10日(火)にハイチと対戦する。さらに11月にはブラジル&ベルギーとの対戦を控えており、12月には日本・中国・北朝鮮・韓国が参加する東アジアカップが控えているので代表の活動はこれから活発になっていく。

日本は「4-2-3-1」。GK川島(FCメス)、DF酒井宏(マルセイユ)、DF吉田(サウサンプトン)、DF槙野(浦和)、DF長友(インテル)、MF井手口(G大阪)、MF山口蛍(C大阪)、MF久保裕(ヘント)、MF香川(ドルトムント)、MF武藤嘉(マインツ)、FW大迫(ケルン)。ハリルホジッチ監督はニュージーランド戦とハイチ戦でメンバーを大きく入れ替えることを示唆したが初戦は現時点でベストに近いメンバー構成になった。

ベンチスタートになったのはGK東口(G大阪)、GK中村航(柏)、DF酒井高(ハンブルガーSV)、DF車屋(川崎F)、DF昌子(鹿島)、DF植田直(鹿島)、MF遠藤航(浦和)、MF小林祐(ヘーレンフェーン)、MF倉田(G大阪)、MF浅野拓(シュツットガルト)、MF原口(ヘルタ)、MF乾(エイバル)、FW杉本健(C大阪)の13名。DF車屋は2016年に代表候補合宿のメンバーに選ばれているが正式なメンバーに選ばれたのは初めてとなる。

■　後半42分に途中出場のMF倉田が決勝ゴール

試合の立ち上がりは日本が押し込む展開になる。前半8分にはエリア内でボールを受けたMF香川がドリブルで相手をかわしてからフリーでシュートを放ったが惜しくも右ポスト直撃。絶好のチャンスを逃してしまう。前半33分にはFW大迫が競り勝って後ろにこぼれたボールに反応したMF久保裕がキーパーもかわして無人のゴールに流し込もうとしたがシュートはヒットせず。チャンスを生かせずに0対0で折り返した。

迎えた後半4分にMF山口蛍が放ったシュートが相手のハンドを誘ってPKを獲得。これをFW大迫が決めて日本が先制に成功する。ようやく先制に成功した日本だったがここから押し込まれる展開になる。ロングスローを含めたセットからピンチを招くと後半14分にFWロハスのクロスから191センチのFWウッドにヘディングシュートを決められて1対1の同点に追いつかれた。FWウッドは日本戦は2試合で3ゴールとなった。

その後もしばらくの間は攻め込まれる時間帯が続いたが後半25分にMF武藤嘉に代えてMF乾を投入すると流れが良くなった。何度か惜しいシーンを作った後の後半42分に左サイドからMF乾がクロスを上げると逆サイドからゴール前に入って来た右SBのDF酒井宏が折り返したボールに反応したMF倉田が押し込んで勝ち越しに成功する。MF倉田の代表初ゴールが決勝点となって日本が2対1で競り勝った。

■　流れを変えたジョーカーのMF乾

後半5分に先制ゴールを奪うまでは日本ペースだった。FW大迫、MF香川、MF武藤嘉を中心に攻撃はなかなか良かったがチャンスを生かせず。それでも後半5分にPKで先制に成功。日本がさらに押し込む展開になるかに思えたが、失点してギアチェンジしたニュージーランドに押し込まれる展開になった。その勢いのまま同点ゴールを食らったが、悪い流れの時間帯に耐えることが出来なかったのは反省材料と言える。

逆転されていても不思議はない流れだったが、先のとおり、後半25分にMF乾を投入すると流れが良くなった。左サイドでボールを持った時は積極的に仕掛けてチャンスを演出することができたので彼の投入がキーになった。もちろん、スタメンで起用してもいいアクセントになると思うが途中出場でも大きなインパクトを残すことが出来る。近年の日本代表はジョーカー役がいなかったがうってつけの存在である。

ヒーローになったのは途中出場したMF倉田だった。後半37分にチームメイトのMF井手口との交代でピッチに投入されたがそれまではなかなかプレーに絡めなかった。消えてしまっていたが肝心なところでゴール前に顔を出してきて値千金の決勝ゴールを奪った。誰しもがアピールをしたいと考えていた試合で(PKを除くと)唯一のゴールを奪ったので「ハリルホジッチ監督に大きなアピールができた。」と言える。

G大阪で10番を背負うMF倉田は今年に入ってからハリルホジッチ監督の中で評価が急上昇しており、定期的に代表に召集されるようになった。MF香川に代わってMF小林祐が投入されてからは「アンカー+インサイドハーフ2枚」という並びになったので、MF倉田はそのままインサイドハーフでプレーすることになったがトップ下でもボランチでもプレーできる選手なのでインサイドハーフは合ったポジションである。

■　存在感を発揮したMF小林祐

攻撃的なポジションの選手ではPKを決めたFW大迫は相変わらず質の高いプレーを見せた。簡単にボールを失わない選手が最前線にいるのは大きい。MF香川はシュート精度を欠いたがキレはあった。ドリブルで仕掛けるシーンが多かったので状態は良さそうだ。久々のスタメンとなったMF武藤嘉はまずまず。前半は裏への意識が高くて攻撃においてキーになっていた。FW大迫との関係性は非常に良かった。

MF久保裕とFW杉本健とMF浅野拓に関しては決して悪くはなかったがアピールしたい立場であることを考えるともうひと頑張りが必要だった。この3人は十分なアピールはできなかったがMF香川に代わって後半15分に投入されたMF小林祐は存在感を発揮した。MF香川と比べるとボランチ色の強い選手になるが周りの状況をしっかりと把握して味方がプレーしやすい環境を作った。質の高いプレーを見せたと言える。

次はハイチ戦になるが今度は大幅にメンバーを入れ替えてくるだろう。11月の2連戦や12月の東アジアカップのときに新戦力を試す余裕はないのでGK中村航やDF植田直やDF車屋やMF遠藤航やMF小林祐やFW杉本健などをスタメンで起用できるチャンスは年内はハイチ戦のみとなる。日本に遠征をしてくるアフリカの代表チームはモチベーションが著しく低いケースが多い点は懸念材料になるが・・・。