■ 4年ぶりの対戦リーグ3連覇中の鹿島アントラーズと4年ぶりのJ1復帰を果たしたセレッソ大阪の久々の対戦。ともに第11節の試合がACLの関係で7月に行われるため、両チームの選手にとって5月10日の日本代表のメンバー発表を前の最後のアピールの舞台となる。C大阪はホームの長居スタジアムでは、1998年以来、鹿島相手に無敗を続けている。
ホームのC大阪は<4-2-3-1>。GKキム・ジンヒョン。DF高橋、茂庭、上本、尾亦。MF羽田、アマラウ、乾、家長、香川。FWアドリアーノ。3シャドーが4試合連続で揃って先発。MFマルチネスが全治2ヶ月の怪我で戦線を離脱し、MF羽田が2試合ぶりにスタメンに復帰した。
一方の鹿島は<4-2-2-2>。GK曽ヶ端。DF内田、岩政、李正秀、新井場。MF中田、小笠原、野沢、フェリペ・ガブリエル。FW興梠、マルキーニョス。MF遠藤はベンチスタート。
■ アマラウの勝ち越しゴール試合は前半は暑さの影響もあったのか両チームともに低調。C大阪はMF乾のトリッキーなプレーから何度かチャンスを作るがなかなかシュートにまで持ち込めず。鹿島はミドルシュートでたびたびゴールに迫るが、GKキム・ジンヒョンの壁を破れず。前半は0対0で終了。
後半になると、ようやく両チームともにチャンスを作るようになる。C大阪はMF家長がドリブルから強烈な左足のシュートを放つが惜しくも枠外。鹿島もFW興梠が2度の決定機を迎えるが決められない。
そんな中で後半22分にC大阪は左サイドでボールを持ったMF香川が中央に切れ込んでシュート。これがGK曽ヶ端の手をはじいてゴール。MF香川の今シーズン6ゴール目で1対0とC大阪がリードを奪う。しかし、鹿島は後半29分に途中出場のMF遠藤のパスから左サイドバックのDF新井場がクロス。FWマルキーニョスのヘディングシュートはGKキム・ジンヒョンが防ぐが、こぼれたボールをMF野沢が押し込んで同点に追い付く。
追いつかれたC大阪だったが、後半32分に鹿島のGK曽ヶ端の不用意ななフィードボールを奪ったMFアマラウがミドルシュート。これが決まって2対1とリードを奪う。結局、このまま2対1でC大阪が勝利。今シーズン3勝目を飾った。
■ ホームでの強さ久々の対戦となったが、相性のいい鹿島を相手にC大阪が勝利。今シーズン3勝目を飾った。
今シーズン、C大阪は非常にホームで強くて、シーズンの3勝はすべて長居スタジアムでの勝利。ホームでは3勝2敗1分けと順調に勝ちを重ねている。その一方でアウェーの4試合では3分1敗。4試合で奪ったゴールは1ゴールのみで、チームが挙げた11ゴールのうちの10ゴールがホームゲームでのゴール。極端な数字が出ている。
これで中断前の試合は12節のヴィッセル神戸戦のみ。この試合もホームゲームであり、最後の試合できっちりと勝ち点「3」を積み上げて終わることが出来たら昇格1年目としては、上出来のシーズン序盤となる。
■ 最後のアピールで・・・5月10日のメンバー発表を前に、最後のアピールチャンスでゴールを奪ったMF香川。開幕から必ずしもいいパフォーマンスを続けているわけではないが、ここまで得点ランキングトップタイの6ゴールと十分な結果を残している。5月10日の発表で23人に選ばれるかどうかは現時点では非常に微妙であるが、メンバー入りに向けてしっかりとゴールという結果でアピールが出来ていることは素晴らしい。
岡田ジャパンになってA代表にデビューし13試合に出場しているが、かなりチャンスがありながら代表に限って言うと大きなアピールは出来ておらず、ライバルも多いので厳しい状況であるが、岡田監督が若さと勢いとリーグ戦で残した結果を重視したならば、メンバー入りしてもおかしくない。
■ ナニワのモニワ10試合で12失点と予想以上の健闘を見せているC大阪の守備陣の中で、中心になっているのがFC東京からやってきたDF茂庭。7節の湘南戦から3バックから4バックに変更になって、DF上本とセンターバックコンビを組むことになったが、DF茂庭の充実ぶりは目を見張るものがある。
フィードでのミスは多々あるが、今シーズン、おそらく守備面に関してほとんどミスがない。新天地で日本代表経験を持つトップクラスのディフェンダーとしての価値を示している。フィード力が要求される城福監督のFC東京では、ここ数年、出番を失っていたが、大阪の地で蘇ったと言える。
開幕当初は新加入組が多くて連携面で不安を残していたが、かたくなにクルピ監督が固定メンバーで戦ってきたことがここに来ていい方向に働いていて、DF茂庭、DF上本、DF高橋は最終ラインで不可欠な存在になった。
■ 決勝ゴールのアマラウ決勝ゴールを奪ったのがMFアマラウ。8節の名古屋グランパス戦ではシュート5本、この試合もシュート6本を放っていて、強烈な右足のシュートがゴールに近づきつつあることを印象付けていたが、大事な場面でMFアマラウのキャノンシュートがさく裂した。
開幕から数試合はパフォーマンスが上がって来ず、「ハズレ外国人」というイメージが強かったが、MF羽田とボランチを組むことでMFアマラウの良さも引き出されるようになった。ブラジル人には珍しくテクニックのある選手ではないので難しいプレーは出来ないが、当たりの強さやシュート力がようやく生きるようになった。これはチームにとっても大きな武器となる。
■ 今シーズン2敗目対する鹿島は暑さの影響もあったのか、最後までペースが上がらなかった。鬼門といえる長居スタジアムでまたしても勝つことが出来ずに、今シーズン2敗目を喫した。C大阪と同じくらいの数の決定機は作ったが、C大阪のGKキム・ジンヒョンのスーパーセーブもあって、チャンスを逃した。
鹿島は1点ビハインドの後半27分に投入されたMF遠藤が攻撃のアクセントになってMF野沢のゴールにつながったが、MF遠藤はMFフェリペ・ガブリエルよりも危険な香りを漂わせていた。若干、調子を落とし気味とはいえMF遠藤が先発で出てきた方がC大阪にとっては危険だった。
■ 小笠原の代表の可能性23人の最終メンバーの候補であり、岡田監督も注目していたはずのMF小笠原はボランチの位置から何度も好パスでチャンスを演出した。この試合も鹿島のチャンスシーンの多くに絡んでおり、そのパフォーマンスは安定したものである。
2月のベネズエラ戦でドイツ大会以来、久々に代表に復帰したが、特出したプレーは見せられずにここ最近は代表から外れているが、実績や経験、ここ最近のプレーぶりを考えても、逆転で代表に選ばれたとしても不思議はない。ただ、MF小笠原を召集するとなると、人数的なバランスを考えても、MF中村俊輔、MF遠藤保仁、MF中村憲剛の誰かが外れる可能性が出てくる。彼ら3人はメンバー入りの「当確」に近い立場であるが、怪我もあって揃ってコンディションは万全とはいい難い。岡田監督がどういう選択をするのか?
人気エントリー セレッソ大阪編 (ベスト15)第01位 0572 2007/04/29
【C大阪×草津】 柿谷曜一朗という才能第02位 1140 2008/07/20
【C大阪×広島】 スーパーストライカー佐藤寿人 (生観戦記 #9)第03位 0734 2007/09/15
「個の力」というフレーズにだまされるな!!!第04位 1312 2009/01/19
日本代表MF香川真司を論ずる。 第05位 0726 2007/09/09
【福岡×C大阪】 新しいタイプのドリブラー第06位 1263 2008/12/07
【C大阪×愛媛FC】 モリシ ラストマッチ (生観戦記 #19)第07位 1075 2008/05/26
香川真司のA代表デビュー戦に思うこと第08位 1250 2008/11/24
【C大阪×湘南】 ゴールデンコンビが訴えるモノ第09位 1903 2009/12/11
プレーヤー総評 (セレッソ大阪編)第10位 1299 2008/01/10
【G大阪Y×C大阪U-18】 逸材たちの競演 第11位 1343 2008/02/23
【PSM:C大阪×G大阪】 Jリーグの季節の到来 (生観戦記#2)第12位 0735 2007/09/17
【C大阪×愛媛FC】 モリシの復帰を待っている。 (生観戦記 #17)第13位 1886 2009/11/29
【C大阪×岐阜】 ストライカー西澤明訓の思い出第14位 1824 2009/10/18
【C大阪×愛媛】 ついに苔口卓也が覚醒したのか?第15位 1665 2009/05/24
【C大阪×福岡】 乾貴士と香川真司 二人の未来図 (生観戦記 #5)人気エントリー 鹿島アントラーズ編 (ベスト10)第01位 0823 2007/11/24
【浦和×鹿島】 内容の伴った価値のある勝利 第02位 1323 2009/02/02
【鹿島レジェンド×磐田レジェンド】 秋田豊選手 引退試合 (生観戦記 #1)第03位 1772 2009/09/12
【鹿島×川崎F】 まさかのノーゲームの結末第04位 1924 2009/12/23
MF小笠原満男が岡田ジャパンに召集されない理由第05位 1777 2009/09/15
『後半29分から再開』の判断は妥当か?第06位 0883 2007/12/30
【天皇杯:川崎F×鹿島】 大人のフットボーラーに成熟する本山雅志第07位 1225 2008/11/02
レジェンド・オブ・スターズを観て (鹿島アントラーズ編) 第08位 1268 2008/12/11
【札幌×鹿島】 栄光の12タイトル目第09位 0913 2008/01/26
「鹿島は本当に勝負強いチームなのか?」についての考察 第10位 0958 2008/03/01
【ゼロックス:鹿島×広島】 壊されたタイトルマッチ
- 関連記事
-