セレッソ大阪 (「S+」→「S-」→「A+」→「A-」→「B+」→「B-」→「C+」→「C-」→「D+」→「D-」→「E+」→「E-」)
GKキム ジンヒョン 「S-」
→ 韓国の東国大学からKリーグには入団せずに、直接、Jリーグ入り。アジア枠が出来たため多くの韓国人プレーヤーが来日したが、大半の選手は苦戦した。が、GKキム・ジンヒョンは不動の守護神となった。プロとしてのキャリアが無かったため、開幕前の期待度は低かったが、シーズンを通して大活躍を見せた。たまに見せるイージーミスが玉にキズであるが、192cmの高さ、驚異的な反射神経、正確無比なフィードと文句なしのプレーを見せた。もう少し経験を積んだら、J1でもトップクラスのGKになるはず。2007年のカナダワールドユースの韓国代表である。
DF羽田憲司 「B+」
→ 鹿島アントラーズから完全移籍して1年目。チームのキャプテンを任されて、若いチームを引っ張った。出場停止の1試合を除く、全ての試合に先発出場。ボランチとセンターバックで起用されたが、足元のうまさはつなぎを重視するクルピ監督のサッカーでも重宝された。
DFチアゴ 「B-」
→ リベロタイプのセンターバック。来日1年目にもかかわらず、上手くチームに溶け込んで、開幕からスタメン出場を続けた。182cmと高さはあるが、カバーリング能力に優れたクレバーさを売りにするディフェンダーであり、空中戦の強さはそれほどでもない。それ故に、その評価については意見が分かれるところであるが、中盤の選手並のボールコントロールの上手さを生かして、ビルドアップの面での貢献度は非常に高かった。ただ、J1で戦う2010年のチームが屈強なタイプのセンターバックを求めるならば、リリースされる可能性はある。
DF藤本康太 「B+」
→ 第3クールのラストスパートに大きく貢献した生え抜きのボランチ兼センターバック。ラストの14試合はすべて先発出場し、試合に出られなかった時期のうっ憤を晴らした。176cmと身長は高くはないが、空中戦の強さは圧倒的で、ポテンシャルの非常に高い選手。得点力も高く、27試合で4ゴール。来シーズンは、守備の中心としてさらなる期待がかかる。
DF前田和哉 「B-」
→ 最悪に近いシーズンだった2008年から一転。ライバルが増えた中でもポジションを守った。ビルドアップのシーンでは危うい場面が少なくないが、クルピ監督の信頼は厚く、その期待には応えた。周りにDFチアゴやDF羽田のようにパス出しの出来る選手がいると、DF前田もパニックせずに済む。使いどころを間違えなければ、J1でも実績もあるだけに期待は出来る。
DF平島崇 「D-」
→ 左右両サイドをこなす柔軟性を備えていて、レギュラー候補の1人であったが、MF酒本とMF石神が安定していたため、なかなか出場機会は回って来なかった。シーズン途中にコンディションが低下したMF酒本の代わりにレギュラーの昇格した時期もあったが、質の高いプレーは見せられず。今シーズン限りでの退団が濃厚となっているが、J1ではベンチ枠が7人とJ2時代よりも増えるので、チャンスは広がっていたもしれない。
DF江添建次郎 「D+」
→ 32試合に出場するも、後半戦になってDF藤本が巻き返しを見せて、試合に出場する機会を完全に失った。第3クールの出場時間は合計4分のみ。今オフに新しいCBの獲得があれば、その立場はさらに危うくなるが、ポテンシャルは高いだけにその才能が開花するときが待たれる。
DF尾亦弘友希 「D-」
→ アキレス腱断裂の大怪我から復活をかけたシーズンだったが、鹿島からレンタルで移籍してきたMF石神が左サイドでポジションをつかんで離さなかった。結局、出場したのは2試合のみ。万全ではなかったが、試合に出られるコンディションには戻っていたので不本意なシーズンとなった。左足から繰り出されるキックの精度とバリエーションは魅力的であるが・・・。
DF石神直哉 「A+」
→ 影のMVP。出場停止だった1試合を除く50試合全てに先発出場。合計でも、休んだ時間は90分+13分の計103分のみ。4486分間フィールドに立ってプレーした。当初は怪我からの回復途上にあるMF尾亦のバックアッパーとみられていたが、試合に出場することでいろいろなものをつかんでいった。右足のキックだけはなかなか向上しなかったが、左足のキックは強くて正確。セットプレーのキッカーとしても活躍した。運動量もチーム№1である。
MF濱田武 「D+」
→ ボールの散らし役として期待は高かったが、先発出場は15試合のみ。第3クールになると、MF船山の登場で出番を失った。ラストパスの出せる選手としてチーム内での価値は高いが、判断力に欠けるきらいはある。調子のムラも大きく、計算が立たなかった。ただ、ホームの湘南戦で見せたコーナーキックを直接に決めたゴールが見事だった。
MF乾貴士 「A+」
→ C大阪に完全移籍して1年目。MFとして20ゴールは立派な数字である。移籍当初と比べて運動量と守備意識が格段に向上し、別人のようになった。左足のプレーはさっぱりであるが、右足のシュートは正確だった。同い年のMF香川とのコンビが注目されたが、MF乾の場合は、比較的、どの選手とも相性が良く、選手に合わせたプレーが出来る。1年間を経て、トータルで見るとバランスの取れた非常にいい選手となったが、ただ、ドリブルの魅力は、日に日に失われているような気はする。
MF香川真司 「S-」
→ シーズン終盤はけがに苦しんだものの、44試合で27得点をマークし、得点王を獲得した。日本代表の試合が重なったり、シーズン終盤に怪我で苦しんだりとフル出場とはいかなかったが、誰も文句の言えない成績を残した。コンディション的にはいいといえる時期は少なかったが、悪い状態でも結果を残すしたたかさを見に付けた。
MFマルチネス 「A-」
→ J2レベルを超えたプレーメーカー。長身で左利きということで、元アルゼンチン代表のMFレドンドに似たタイプの選手であるが、ボールキープ力と左足のキックはJ1でもトップクラスだろう。34試合で6ゴール。この6ゴールのほとんどが自慢の左足から繰り出されたファインゴールだった。J1昇格に対する貢献度は高かったが、第3クールにMFマルチネスが怪我でチームを離れてから、MFマルチネス頼りだった中盤が活性化した部分もあって、「MFマルチネスよりも、MF船山の方がチームにフィットして、いいサッカーが出来ていた。」という意見もある。
MF船山祐二 「B+」
→ 出場したのは第3クールのみ。しかしながら、15試合で5ゴールと見事な結果を残し、更に数字には表れない部分でもチームに貢献。ラストスパートの立役者となった。MFマルチネスと比べるとゲームを組み立てるセンスでは劣るが、球際の強さや判断の良さはMFマルチネスを上回る。
MF酒本憲幸 「B-」
→ 右サイドのチャンスメーカーで46試合に出場。ウイングバックだけでなく、チーム事情によってはサイドバックを任されたが、運動量豊富に走り続けた。元来、攻撃的な選手であるが、守備でも大きな破たんはなく、チームへの貢献度は低くはなかった。最大の武器は右足から繰り出される「低確率の高質なアーリークロス」であるが、特に、FWカイオとのコンビメーションは良かった。そもそも、中央に背の高い選手がFWカイオくらいしかおらず、「クロスからのゴール」をチームの得点パターンにはしていないのでアシスト数はそれほど伸びなかったが、中央からの攻撃の威力を増大させる役割は果たした。
MF黒木聖仁 「C+」
→ 高卒2年目でロンドン世代のボランチ。シーズン途中からレギュラーに昇格し、27試合に先発出場。持ち味の攻撃的なセンスを発揮し、3ゴールを記録。右足のミドルシュートとロングキックは魅力的で、飛躍のシーズンとなった。しかし、第3クールはMF船山の活躍もあって、ベンチからも外れることが多くなって、やや尻すぼみのシーズンとなった。
FWカイオ 「B+」
→ 試合中の怪我でシーズン途中に一時、離脱したが、トータルで10ゴール。本来はMFの選手であり、フォワードが本職ではないが、MF乾、MF香川とのトライアングルでチームの昇格に大きく貢献した。日系人であるということが関係しているのか、ブラジル出身の選手には珍しく献身的なマインドを備えている。このFWカイオのプレーがあってこそ、トータルで47ゴールという爆発的な2シャドーの得点力を引き出したといえる。C大阪にはレンタル中のため、来シーズンもチームに残るかどうかは不明である。
FW小松塁 「E+」
→ FWカイオ、MF香川がスタメンを外れる試合では優先してスタメンで起用されたが、35試合で6ゴールのみ。15ゴールを挙げた2008年から大きくダウンした。突破力と高さはJ2レべルを超えているが、コンビネーション不足で周囲と噛み合わないシーンが多々あった。187cmであるがポストプレーヤータイプではないが、もう少し、前線でボールを納めてくれないと、攻撃の形が生まれない。クルピ監督の評価は高いが、アウェーの福岡戦とアウェーの横浜FC戦の2試合を除くと、ほとんど期待にこたえられなかった。
FW西澤明訓 「C+」
→ 日韓ワールドカップの日本代表ストライカーも怪我があって今シーズン限りでの引退が決定。ラストイヤーは18試合で1ゴール。アウェーの熊本戦で決めたゴールが現役最後のゴールとなった。足の具合が悪く、フル出場は不可能な状態で、スタメンは1度もなかったが、短い時間でもチームに貢献し、精神的な支柱としてだけでなく、プレーヤーとしても昇格に貢献した。
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