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私的インフォメーション・アーキテクチャ考:12.意味の生成

遺伝子のもつ利己的な性質について最初に述べたのは、リチャード・ドーキンスでした。しかし、遺伝子が利己的であっても、そうした遺伝子が利己的であるとは限りません。実際、僕たち人間は、決して少なくない頻度で利他的なふるまいをみせることがあります。そして、それはヒトだけでなく、他の動物にも見られる傾向だといわれています。しかし、利己的な遺伝子をもつ生物が利他的な行動を進化させたのはどういうわけでしょう? 利己的な遺伝子が利他的な行動の意味を発見するには利他的行動の進化を説明する利己的な遺伝子の物語として次のようなものがあります。 天敵の出現を声を出して仲間に伝える見張りのサルは、声を発することで死ぬ確率が高くなります。進化論的にみれば天敵を前に声を発する性質をもった遺伝子が自然淘汰を勝ち抜く確率は一見すると低いと思われます。 しかし、この場合、声を発することで(そして、自身が犠牲になることで)仲間の多くは助かる確率が高まる。そして、その仲間のうちには自分の血を分けた(つまり同じ遺伝子を分けた)子孫も含まれていたりします。怯えて声を出す遺伝子をもった種はこうして集団レベルでは生存の確率が高まります。一方で誰一人、声を出さない集団であれば、最悪の場合、全滅に追い込まれる可能性もあったりします。 結局、怯えて声を出す利己的な遺伝子をもつ集団が優勢になることで利他性が高まるというわけです。 さて、この説明は非常にもっともなことのように思えます。 しかし、次のような視点を導入するとこの一見も…

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やわらかな遺伝子/マット・リドレー(あるいは「『ウェブ進化論』で語られなかった大切なこと」)

愛だとか、惚れるだとかいう言葉を使えば、ロマンチックな響きにもなるが、その活性をうながすオキシトシンという遺伝的物質は、そもそもはしょせん排尿を調整するホルモンなのだとしたらどう感じるでしょうか? これに気づいた研究者たちは、ラットの脳にオキシトシンとバソプレシンを注射したときの影響を確かめた。すると不思議なことに、オキシトシンを大脳に注射した雄のラットは、すぐにあくびをしだし、同時にペニスを勃起させた。投与量が少ないうちは、性欲も高まり、射精が早く頻繁になった。一方、雌のラットの大脳にオキシトシンを注射すると、交尾の姿勢をとるようになった。ヒトの場合、マスターベションをすると、男女ともにオキシトシンの濃度が上がる。 マット・リドレー『やわらかな遺伝子』 この研究とは別に1980年代後半、トム・インゼルらによって、「齧歯類が性的パートナーに長いこと愛着を感じていられるかどうかは、ある種の受容体遺伝子の前でスイッチの役目を果たしているプロモーターに入っているDNA断片の長さに左右されている」ということを発見している。 つまり、それが愛の基盤なのだ。 Nature via Nurtureマット・リドレーの『やわらかな遺伝子』は、"Nature via Nurture"(生まれは育ちを通して)といい、長い間、人間を対象とする遺伝学や心理学などの学問の分野で論争の種となってきた"Nature vs Nurture"(生まれか育ちか)が、結局、どちらも重要で、どちらが欠けてもうまくいかない…

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完璧なスフレを作るには、適切な材料だけでなく、適切な調理時間と適切な作業時間が必要

マット・リドレーの『やわらかな遺伝子』は、"Nature via Nurture"(生まれは育ちを通して)といい、長い間、人間を対象とする遺伝学や心理学などの学問の分野で論争の種となってきた"Nature vs Nurture"(生まれか育ちか)が、結局、どちらも重要で、どちらが欠けてもうまくいかないことを、最新の研究の成果をていねいに集め、紐解きながら、ていねいに説明してくれる1冊です。 邦題の『やわらかな遺伝子』は遺伝子が環境のうながす変化に柔軟に対応する性質をもっていて、環境に応じて遺伝子が様々な機能のオン/オフのスイッチを入れる様をよく示してくれています。 レシピとしての遺伝子驚くことにたった3万個の遺伝子が、オキシトシン受容体の遺伝子として配偶の本能に関係していたり、BDNF遺伝子が性格の醸成に影響を与えたり、人の本能や性格にも関与しているというのは驚きです。 たった3万個の遺伝子がそうした離れ業をやってのけられるのは、それが建築の設計図のような青写真ではなく、シェフが使う料理のレシピのようなものだからだというのは、リチャード・ドーキンスによる有名なたとえです。 キッチンを題材にしたたとえは、「生まれか育ちか」の議論のどちら側にもよく引き合いに出される。リチャード・ドーキンスは、1981年、ケーキ作りをメタファーとして使い、遺伝子の役割を強調した。一方、ドーキンスの一番の批判者スティーブン・ローズは、3年後にまった同じメタファーを使って、行動は遺伝子によるものではないと主…

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個体という乗り物、企業(サイト)という乗り物

リチャード・ドーキンスの『祖先の物語』は、ヒトから進化の系統樹をさかのぼって、生命の歴史を探索する本ですが、一見、この単純に思える遡行作業は意外と困難なことが読んでいると伝わってきます。単純にヒト科の祖先を探す道程さえ困難なものがあります。 むずかしい理由の1つは、証拠となる化石が断片的にしか存在しないことです。といっても、ドーキンス自身が書いているとおり、化石の存在は決して「祖先の物語」を語るために不可欠なものではなくて、「ボーナス」みたいなものだそうです。 「祖先の物語」を語るために不可欠なのは、むしろ、書かれたもの(シニフィアン)としての遺伝子情報だといいます。 遺伝子の系統樹は1つではないしかし、この遺伝子による記録も決して「祖先の物語」語りを決定的に容易にしてくれるものではなさそうです。それは記録として残された家系図をたどるようには、祖先にたどりつくことはむずかしいもののようです。 「遺伝子の系統樹」と「人間の家系図」のあいだには顕著な違いがある。両親から由来する人間と違って、遺伝子は1つの親しかもたない。あなたの遺伝子の1つ1つはどれもあなたの父親と母親かのどちらか一方から、あなたの4人の祖父母のうちのたった1人から、そして8人の曾祖父母のうちのたった1人から・・・・・・来たものである。しかし、すべての人間が伝統的なやり方で祖先の系譜をさかのぼっていくときには、2人の両親、4人の祖父母、8人の曾祖父母からの・・・・・・平等な子孫なのである。 リチャード・ドーキンス…

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