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2015年8月

2015年8月31日 (月)

グラディオはヨーロッパで復活したのだろうか?

グラディオはヨーロッパで復活したのだろうか?
Wayne MADSEN
2015年8月29日| 00:00
Strategic Culuture Foundation

トルコ当局によれば、極左テロ集団、革命的人民解放党・戦線(DHKP-C)のメンバーとされる二人の女性による、最近の在イスタンブールアメリカ領事館銃撃や、アムステルダム発パリ行きタリス高速鉄道でのいかがわしい出来事は、アメリカ中央情報局(CIA) の,冷戦時代のグラディオとして知られている“残置ネットワーク”よっておこなわれる偽旗作戦がフル稼働を完全復活ししたかも知れないことを示している。

DHKP-Cは、2013年、トルコ人警備員を殺害した、在アンカラ・アメリカ大使館自爆攻撃を実行したとされている。その攻撃は、“People's Cry”というウェブサイトによれば、DHKP-Cが企んだものとされ、メンバーの一人とされるエチェヴィット・サンリが、大使館自爆攻撃を行い、サンリ自身とトルコ人守衛が死亡した。DHKP-Cが関与していたという主張にまつわる総体的な問題は、ビデオが、“アルカイダ”、“イスラム国”や、他のイスラム主義テロ集団とされるものからとされる怪しいビデオや声明をマスコミに配布することで知られているワシントンDCに本拠を置く組織である、イスラエルのモサドにつながる“Search for International Terrorist Entities(国際テロ組織捜索)”略称“SITE”が発見した“People’s Cry”によって投稿されたものであることだ。

DHKP-Cの再興とされるものが、トルコ政府が、東トルコのクルド・ゲリラを攻撃し、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領のイスラム主義志向の政権が非宗教派野党と戦う次回国政選挙にむかう中、トルコ有権者に被包囲心理を吹き込む口実となった。

モロッコ人のアユブ・エル・ハッザニは、乗客を無差別殺人する目的でブリュッセルでパリ行き列車に乗車したかどで告訴されている。ブリュッセルの公園で彼が“見つけた”というバッグに、AK-47や他の武器を持っていたハッザニは、三人のアメリカ人と、一人のイギリス人乗客に取り押さえられた。ハッザニ取り押さえに協力したアメリカ人の二人は、アメリカ空軍航空兵、スペンサー・ストーンと、オレゴン州州兵アレク・スカルラトスだ。イギリス人はクリス・ノーマン、ウガンダ生まれで、南フランス在住だ。

ハッザニは、テトゥアンに暮らすモロッコ人で、フランスにおけるイスラム原理主義の犯人とされる多くの連中同様、テロ攻撃を行う前、あちこち海外旅行したものと考えられている。ハッザニは、2014年まで、スペインのアルヘシラスとマドリッドに住んでいたが、フランスの携帯電話会社Lycamobileに就職し、フランスに移った。ハッザニは、イギリス諜報機関が、アルヘシラスを含む周辺のスペイン領をしっかり監視している、ジブラルタルのイギリス領の真向かいにあるアルヘシラスのモスクで過激化したと報じられている。今年6月、ハッザニは、シリアでイスラム国ゲリラとともに戦い、後にトルコのアンタキアから、アルバニアのチラナに旅をしたと報じられている。

ハッザニの話は、ブリュッセルのユダヤ博物館を攻撃したと言われているフランス系アルジェリア人メディ・ネムシュの自供とほとんど同じだ。ブリュッセル攻撃の前、ネムシュは、シリアで、イスラム国部隊と共に闘い、イギリスでしばらく時間を過ごしたと言われている。ブリュッセル博物館を攻撃した後、ネムシュはブリュッセル発、マルセーユ行き夜行バスに乗った。税関検査で、AK-47と連発拳銃と弾丸の入ったネムシュのバッグが発見された。

ネムシュは、フランス警察によって逮捕された後、ブリュッセルで駐車していた自動車の中で武器を発見し、マルセーユの闇市場で売る為に盗んだと語った。ハッザニは、文無しで、家なしだったので、ブリュッセルの公園で見つけた武器、AK-47、ルガー拳銃、カッター・ナイフ、半リットルのガソリンと、弾が込められた9個の弾倉を、食べ物を購入すべく、タリス列車乗客強奪に使うつもりだったと主張した。ハッザニも、ネムシュも、フランスや他のヨーロッパの警察には、潜在的脅威として良く知られていたが、彼らの活動を監視する為の何の対策も採られていなかった。列車攻撃の前、ハッザニは、様々なヨーロッパの警察に送られ、ハッザニを警察の特別監視下に置くよう要求する、フランス警察の“Fiche S”または“S notice”手配の対象だった。更に、スペイン警察は、ハッザニのDNAをファイルしていた。しかも、スペインのみならず、ドイツとベルギー、更にはフランス諜報機関も、タリス列車攻撃前に、ハッザニについてのかなり完璧なファイルを持っていた。

2012年、トゥールーズで三人のユダヤ人学童を含む7人を殺害したフランス系アルジェリア人、モハメド・メラや、今年1月“シャルリー・エブド”誌事務所を攻撃したランス系アルジェリア人兄弟のサイドとシェリフ・クアシも、フランス当局が彼等に関して収集された“Fiche S”や他の諜報ファイルがあった。

シャルリー・エブド事務所が攻撃されたのと同時期、パリで、ユダヤのスーパーマーケット、ハイパーキャッシャーを攻撃したフランス系-セネガル系-マリ人犯人、アメディ・クリバリも、フランス警察と諜報機関に良く知られていた。デンマーク警察と諜報機関ファイルでは、コペンハーゲンの中央シナゴーグと、デンマークの映画祭の破壊的な攻撃とされるもので、パレスチナ系デンマーク人で、シナゴーグ攻撃のわずか二週間前にデンマーク刑務所から釈放された犯罪歴のある犯罪人、オマール・アルハミド・アルフセインの名前が浮かび上がった。デンマーク警察は、二件の攻撃とされるものの後、アルフセインを射殺した。

ハッザニが乗客に取り押さえられた時、タリス列車は、フランス、オート・ピカルディのワニ地域を走行していた。フランス内務大臣ベルナール・カズヌーブは、すぐさまハッザニは、過激派イスラム教集団のメンバーだと示唆した。シナゴーグと映画祭攻撃の直後、カズヌーブも即座にコペンハーゲンに飛んだ。カズヌーブは、リモージュ・フランス司法警察で二番目の地位にある45歳のフランス警察本部長エルリク・フレドゥによって、ジャネット・ブーグラとのつながりを捜査されていたといわれている。

ブーグラは、殺された“シャルリー・エブド”編集者ステファヌ・シャルボニエ、同僚の間で“シャルブ”として知られていた人物のいわゆる“ガールフレンド”だった。ブーグラはシャルブのガールフレンドだったと主張しており、彼は娘の父親であるとまでほのめかしていた。フレドゥはブーグラとカズヌーブとのつながりを調べる捜査のまっ最中に自殺したといわれている。フレドゥは、フランスでの攻撃によるある犠牲者の家族と会った後、意気消沈し、自分で頭を撃って自殺したと言われている。ところがフレドゥの家族と友人はフレドゥ意気消沈していたという報道を否定した。しかも彼等は、彼はテロ攻撃の重要な手掛かりを暴き出し、それで彼がカズヌーブと言い争うことになっていたと指摘した。

フランスのニュース報道によれば、フレドゥは、シェルブール警察“署長”時代からカズヌーブを怪しんでいた。カズヌーブは、2001年以来、シェルブール=オクトヴィルの知事で、フレドゥが初めて、カズヌーブのモサドとのつながりや、彼のブーグラとの関係や、彼女の反イスラム工作員徒党に気がついたのは、フレドゥの警察署長時代だった。

ヨーロッパ政治的舞台へのグラディオ再導入は、欧州連合と、ヨーロッパ中央銀行銀行家の命令による緊縮政策に対する敵意増大への対策なのだ。ヨーロッパを破産に追いやった大企業支配主義者とファシストが、過去20年間ご愛用の脅威、イスラム・テロを、イスラム原理主義テロリストとアナーキストの国際ネットワークと提携するという、合体した脅威へと変身させるのに、今や配下のマスコミを利用しているのだ。ギリシャ、イタリア、トルコと、スペインでは、極めて疑わしい、偽旗爆撃らしきものが、大使館や他の施設で起きていて、イスラム主義者テロから左翼アナーキズムという、パラダイム・シフトが既に起きている兆しがある。マスコミは、“アナーキスト”を“聖戦戦士”と結びつける為にでっち上げられた話題に力をいれるだろう。

ブリュッセルでのタリス列車事件の後、カズヌーブと、友人の反イスラム主義で右翼社会主義者であるフランスのマニュエル・ヴァルス首相は、ヨーロッパ鉄道駅での空港式手荷物検査導入を呼びかけた。欧州連合にとっての終盤戦は、大陸の諸国民に対する政治的、社会的支配の強化なのだ。

これまで無名の“アナーキスト”集団の勃興が、グラディオ作戦が最も活発だったのと全く同じ国々、イタリア、トルコとギリシャで起きていることは注目に値する。イタリアは、“オルガニザツィオーネ・グラディオ”つまり、汎ヨーロッパのCIAが率いるテロ作戦のイタリア支部、巣窟だった。トルコでは、グラディオは“エルゲネコン”として知られていたし、ギリシャでは、グラディオ作戦は“オペレーション・シープスキン”として知られていた。

グラディオがヨーロッパで活動を再開している限り、ヨーロッパ大陸の諸国民は、実際、大いに恐れるべきなのだ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/08/29/has-gladio-returned-to-europe.html
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先日の新幹線自殺事件で、空港式手荷物検査導入の可能性が話題になった。

この高速鉄道事件で、犯人取り押さえに協力したアメリカ軍人がフランス大統領から褒賞メダルを受けたというニュースを電気洗脳箱で見て、何とも好都合な事件があるものだと思った。

欧米で実験済みの事件が日本で再現されることの方が多いように思うが、新幹線焼身自殺事件は、日本での事件(実験?)が先行したということだろうか?

「グラディオ」に関する翻訳記事は多数訳している。一番最初のものは下記。

大衆を国家に頼らせるべく、無辜の民間人、女性、子供を攻撃せよ<グラディオ作戦>2005年2月18日

バイアグラ等の販売サイト等、全く無意味な英語のコメントが、このブログにも絶えず書き込まれいる。誰のしわざかはPaul Craig Roberts氏ご想像通りだろう。彼は荒らし対応が面倒で、コメント欄を設けていない。アメリカにおいて、真実に未来はあるのか?

承認方式ゆえ無意味な荒らしコメントは、読者の皆様の目に触れることはない。
無意味有害な書き込みだが、「荒らし」を書き込む記事、無作為に選んでいるわけではなさそうだ。「読まれたくない記事」をに絞って「荒らし」を書き込んでいる様に思えてくる。荒らしが一番多い記事は下記の通り。Paul Craig Roberts氏記事が多いのは偶然だろうか?

購読している大本営広報紙、主催者発表人数、なぜか、どうしても書きたくないようだ。
代わりに「国会デモが膨らむ理由」なる記事がある。
与党、エセ野党、マスコミがインチキ戦争法案をごり押ししているからだとは書いてない。

60年安保闘争、子供だったので大本営広報部の活動も反政府運動の活動も全く知らない。
安保闘争が激化する中、6月17日に新聞社から七社共同宣言なるものが出され、運動が急速に退潮した記憶がおぼろげにある。新聞が死んだ日。
運動激化にも鎮静化にも、当時は大本営広報部(マスコミ)の影響力非常に大きかったのだろう。
「70年安保」時代、大本営広報部(マスコミ)、過激派諸氏を奨励したとしか思われない。運動は、派閥相互、あるいは派閥内部の殺戮を続けて衰退した。
彼等の主張が理解できない素人には近づけなかった。同級生、後輩に「ゲバ棒を持って追いかけると、お前は逃げた」と後日、嬉しそうに言われたことがある。
学生運動の暴走に、大本営広報部(マスコミ)が無縁であったとは、どうしても思えない。

一方「戦争法案」反対運動では、大本営広報部(マスコミ)は政府側という姿勢が強く、「戦争法案」反対運動に好意的でなかったし、好意的でなく、今後も好意的になるまい。今回の巨大デモ報道でも、国営放送を含め大半が大本営広報部という実態をあらわにしつつある。

大本営広報部があおり、作り上げる「反対運動」であれば、原子炉と違い、鎮静化制御も容易だろうが、虚報の常態化で、拡大であれ、鎮静化であれ、大本営広報部、こうした運動への影響力をほとんど失っているかのように見える。民放には驚くほど真摯な報道をする番組もあり、国営放送「ニュース」ではなく、もっぱら民放「ニュース」を見ている。

一方、財界や大本営広報部も後押ししている戦争法案推進運動デモは数百人規模。

大本営広報部は報じないが、詳細を報じてくれるメディアは存在する。

【スピーチ全文掲載】音楽家・坂本龍一氏がSEALDsと初対面!ーー民主主義、憲法の精神を取り戻すこの運動は『マグナ・カルタ』『フランス革命』に匹敵する〜12万人が結集した国会前でスピーチ

【スピーチ全文掲載】「ものを書く人間として絶対に許せない」――作家・森村誠一氏が国会前でスピーチ 「戦争は最も残酷なかたちで女性を破壊する」

国会討論で話題になった、原発再稼動、集団的自衛権憲法解釈変更=戦争法案、TPP加盟等々、現政権のありとあらゆる悪政の源、教科書・アンチョコは下記で読める。

(再掲)2013/02/03 【IWJブログ】CSIS「第3次アーミテージレポート」全文翻訳掲載

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

「アラブの春」や、東欧諸国のカラー革命では、青年層を煽動して、傀儡政権宗主国企業が開発したソーシャル・メディアが駆使された。

宗主国が埋め込んだ「憲法9条」が、宗主国ジャパン・ハンドラーの想像を上回る「戦争法案」反対運動を支える基盤となり、各国で傀儡政権樹立に活用された宗主国企業のソーシャル・メディアが、この属国では、逆に傀儡政権打倒運動に活用されるという困った状況。

日本版「グラディオ作戦」が本格的に開始される頃合いかも知れない。

2015年8月30日 (日)

我々にとって必要な時に、ネオは一体どこに

Paul Craig Roberts
2015年8月26日

アメリカ人が暮らしている「マトリックス」世界では、彼等が責任を負うものは皆無だ。例えば、現在のアメリカ株式市場の低下は、連邦準備金制度理事会が供給した長年の過剰流動性がバブルを生み出し、そのうち何社かは株価に見合う稼ぎもないのに上がり過ぎたわずか6社の株が、現在の崩壊前に、S&P 500時価総額の全てを上回っていたせいではないのだ。

我々の「マトリックス」世界では、株式市場下落は、大企業がその利益や融資まで受けて、自社株を再購入して、彼等の株への人為的需要を生み出しているせいではないのだ。

下落は、最新の耐久財受注月次報告が、前年同月比、6ヶ月連続で下落しているせいではないのだ。

株式市場下落は、10年間の景気回復とされるものの後も、新築と中古住宅販売が、依然2005年7月のピークより、それぞれ63%、23%減という弱い経済のせいではないのだ。

株式市場下落は、20年間、中流階級の雇用を海外移転し続け、その一部を、諸給付もなく、世帯を形成するのに十分な収入が得られない、最低賃金パートタイムのウォルマート雇用で置き換えた結果の、本当の世帯平均所得額の崩壊と、それによる消費者需要減少のせいではないのだ。

そう、こうした事実の一つたりともを責めるべきではないのだ。アメリカ株式市場下落は、中国のせいなのだ。

中国は一体何をしたのだろう? 中国は通貨をわずかばかり切り下げたことで非難されている。

一体なぜ、元の対ドル交換価値のわずかな調整が、アメリカとヨーロッパ株式市場を下落させるのだろう?

そんなわけはない。だが事実は売女マスコミにとって重要ではない。彼等は生計の為、ウソをつくのだ。

しかも、あれは切り下げではなかったのだ。

中国が、共産主義から、資本主義への移行を始めた際、自国通貨が、世界の準備通貨同様、しっかりしていることを具体的に示す為、中国は通貨を、アメリカ・ドルにペッグした。時間とともに、中国は通貨がドルに対して上昇するのを許した。例えば、2006年、1アメリカ・ドルの価値は、8.1中国元だった。最近、“切り下げ”とされるものの前、1アメリカ・ドルは、6.1か、6.2元の価値があった。中国が、フローティング・ペッグを調整した後、1アメリカ・ドルの価値は、6.4元だ。元の価値を、対ドル、6.1や6.2元から、ドル6.4元に変えたことが、アメリカとヨーロッパ株式市場を崩壊させたわけではないのは明らかだ。

しかも、アメリカ・ドルに対するフローティング・ペッグ幅の変更で、中国通貨は、アメリカ以外の貿易相手国に対し、切り下げたわけではない。起きたこと、そして中国が修正したのは、現在日本と欧州の中央銀行が継続中の量的緩和紙幣印刷政策の結果、ドルが他通貨に対し、上昇したことだった。中国元は、ドルに連動しているので、中国通貨は、アジアやヨーロッパの貿易相手国に対して上昇した。中国通貨(アメリカ・ドルに連動している為)の上昇は、経済低迷時、中国輸出にとって良いことではない。中国は他の貿易相手国に対する通貨上昇を打ち消すため、対ドル・ペッグを変更したにすぎない。

経済マスコミは一体なぜこれを我々に教えてくれないのだろう? 欧米の経済マスコミは、これがわからないほど無能なのだろうか? そうなのだ。

あるいは単純にアメリカ自身、何であれ、うまくゆかないものに決して責任がありえないのだ。そうだ。我々は誰だ?! 我々に罪はない! あの忌ま忌ましい中国のせいなのだ!

例えば、現在ヨーロッパに溢れている、7ヶ国に対するアメリカ侵略と爆撃からの多数の難民をご覧願いたい。ヨーロッパ人自身が幇助し、アメリカが、その国民を大量殺戮している7ヶ国からの膨大な人々の流入が、ヨーロッパで政治的狼狽と、極右政党の復活を引き起こしている。現在、例えば、ネオナチが、難民に対する思いやりを求める演説をしようとしたドイツのメルケル首相をやじり倒している。

だがもちろん、メルケル自身、ヨーロッパを不安定化させている難民問題に責任がある。主権を欠いた、取るに足りない国、国として認められない国、ただの属国、帝国の前哨基地、ワシントンから支配される、ワシントンのさえないチンピラ傀儡国家としてのドイツがなければ、大量の難民を生み出している違法な戦争を、アメリカが遂行して、難民を受け入れるヨーロッパの能力に過大な負荷をかけ、ネオナチ政党を助長できていたはずがない。

腐敗したヨーロッパとアメリカのマスコミは、難民問題を、あたかも、それが7ヶ国に対するアメリカの戦争犯罪と、全く関係皆無であるかの様に描き出す。実際、アメリカが、彼等に“自由と民主主義”をもたらしているのに、一体なぜ国民が国から逃げ出す必要があるだろう?

少数の代替メディア・ウェブサイトを除けば、欧米マスコミのどこにも、いささかの品位も存在しない。欧米マスコミは、欧米人が物事を考えずに生きる、「マトリックス」の中で暮らす欧米人の作り物の存在を維持する為に、常時活動している真理省だ。彼らの拙劣さと怠慢を考えれば、欧米国民は存在していないのも同然だ。

単なる株式価値以上に、洗脳された欧米の阿呆連中こそ、更に崩壊するだろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/08/26/neo-need-paul-craig-roberts/

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大本営広報部レベルを評価するために見ていた電気洗脳箱の話題、一番は、タイの爆弾犯人だった。自分の頭のハエを追え!さすがに、猟奇殺人事件や、異神連中の内紛を、トップにはもってこられなかったのだろうが、あきれた、の一言。受信料を拒否していた昔がなつかしい。

金(事実上税金)を払って洗脳され、電気代という金を払って、放射能汚染され、税金を払って、戦争をされる。「属国民はつらいよ」

戦争法案反対国会前集会、さすがに、大本営広報部もいやいや報道せざるを得ない。報道しなければ、受信料拒否運動、テレビ廃棄運動になるだろう。

警察も、先日のコーンと棒をおいて、抗議行動参加者の居場所を極端に狭くして追い返す、とんでもない、インチキ誘導は、今回は無理とあきらめたのだろう。あのとき、皆様が「ほとんど車が通らない車道を解放しろ」と主張しておられた通りの状況になっている。

講読している新聞デジタル版には「警察関係者によると、国会周辺だけで約3万3千人」とある。それはないだろう。全く信頼などしていないが、読むたびの虚報には毎回怒り心頭。警察にも、大本営広報部にも。

一方で、ブタの喧嘩を丁寧に報道するのだから、大政翼賛会。双方の表現として植草一秀氏の記事題名はぴったり。

腐敗臭が広がる詐欺師政治屋と汚物メディア

著者再三『マトリックス』を題材に書いておられる。下記は、そうした記事翻訳の一例。

2015年8月29日 (土)

アメリカ先住民と、継続するアメリカ焦土作戦

Finian CUNNINGHAM
2015年8月28日| 00:00
Strategic Culture Foundation

ナバホとアパッチは、19世紀末に征服された最後の偉大なアメリカ先住民ネイションだ。ワシントン指揮下のアメリカ軍の焦土作戦によって諸部族が虐殺された。定住地や放牧用地の破壊は、諸部族の立ち退きに、そして彼らの最終的服従に、大いに貢献した。

キット・カーソン大佐は、残っていた反抗的なインディアン・ネイションに対する“白人”絶滅戦争の先駆者の一人だった。ナバホとアパッチは、北米大陸南西部で何千年も平然と暮らし続け、そこは新たに作られた“アメリカ合州国”で、今のアリゾナ、コロラド州、ニュー・メキシコ州とユタ州となった。

現在、ナバホと親類のアパッチは、またしても危機にひんしている。今回は、銃や作物の焼き払いによってではなく、工業的採鉱で引き起こされた鉱害によってだが。

今月始めの8月5日、コロラド州の廃坑になった金鉱から膨大な量の有毒廃水が漏洩し、いくつかの主要河川に流れ出て、世界中で見出し記事になった。汚染された河川が、ナバホ族の人々が、生活上、それに依存しているフォー・コーナーズ地域の灌漑と飲料水に極めて重要であることは、ほとんど報道されない。

約1100万リットルの有毒な水が、どっとアニマス川に流れ込み、それが更にサンフアン川と、コロラド川へと流れ込んだ。流出の結果、長さ150キロ以上の川の水が、鮮やかなオレンジ色の汚泥と化した。主な危害は、ヒ素、カドミウムや鉛等、有毒金属の危険な水準だ。これらの金属は、現在は廃坑のゴールド・キング鉱山で、かつて工業用浸出剤として使用されていた。流出下流の農民は、作物の破壊や、家畜の群れの中毒を避けるため、用水路の閉鎖を強いられた。だが、灌漑を止められた彼らの作物は、結局、夏の焦げるような暑さでしおれ、だめになりつつある。

重金属が最終的には、飲料水の地下水源に染み込んで、人間への汚染の計り知れないリスクとなることも懸念されている。

汚染された地域は、アリゾナ州、コロラド州、ニュー・メキシコ州とユタ州の州境に接するフォー・コーナーズ地域だ。最も危険にさらされている地域共同体は、そこに住み、川に依存しているナバホ族だ。

連邦環境保護庁(EPA)は、鉱害問題は弱まり、河川水の有毒金属濃度は、今や安全レベルにまで低減したと主張している。それでもなお、影響を受けた地域社会では、こうした金属による危険が、将来、洪水時期に河床堆積物がかき立てられて再発するのではないかという懸念がある。彼らの土地が、今後、何十年も汚染されたままになるのではないかという恐れだ。結局、1100万リットルの有毒金属が、跡形もなく消え去るわけがないのだ。

連邦当局は、アニマス川毒物流出を、隠された目的の為に利用しているのではあるまいかという疑問がある。つまり、ナバホ族を、彼等古来の土地から立ち退かせるのに。

隠された狙いが推し進められていると信じるに足りる、いくつか不穏な理由がある。そもそも、EPAは、調査班の一つが、コロラド州、シルバートン近くのゴールド・キング廃坑で作業していた際、流出を引き起こしたことを認めている。どうやら、鉱山の毒物ため池は、かなりの期間、漏れていた様子で、EPAが調査班を派遣したのだ。調査作業の結果、ため池が土手を突き破り、恐ろしい毒性物質を大量放流してしまったのだ。

二つ目に、現地情報筋によれば、EPAは、 最初の漏洩報告に途方もなく怠慢で、緊急警報を少なくとも一日遅らせた。EPAは惨事に対する責任を隠そうとしていたのだろうか?

疑惑の三つ目の原因は、連邦当局がその後、流出点下流で影響を受けた地域社会に、将来の賠償請求に対する権利放棄文書に署名させるべく素早く動いたことだ。EPAは、明らかな総力を挙げた取り組みで、各家庭から権利放棄証書を得るべく、戸別訪問をしたと報じられている。

ナバホ・ネイション議長ラッセル・ビゲイや他の長老達は、もし予期しない損害が将来生じた場合、地域社会は、連邦政府からの更なる補償を要求するあらゆる権利を喪失することになるので、EPAの法的文書には署名しないよう、各家庭に促している。そして、もし人々が、長期的、潜在的影響で、汚染された土地や地下水の所有者ということになって終われば、使用不能な農地の所有権を放棄する以外、ほとんど選択肢はなくなるだろう。

しかも、この話で極めて重要なのは、巨大採掘企業の権益だ。こうした企業は、アメリカ議会において最も卓越したロビー集団だ。昨年、巧妙なごまかしで、世間一般に気付かれぬ様にして、採掘企業が、フォー・コーナーズ地域の区域で採掘を開始する採掘権を、ワシントンの議会は投票で通過させていたのだ。1950年代以来、地域は、アイゼンハワー政権によって、アメリカ先住民保留地として分類されている為、採鉱事業を免れてきた。

天然鉱物が豊富なフォー・コーナーズ地域を、鉱業ロビーは、何十年間も、いやらしい目つきで見詰めてきた。利益の多い、銅やウランや、他の有価金属の埋蔵量が、地下堆積物中に蓄えられていると見なされている。特に重要なのは、いくつかのナバホ部族居住地であるアリゾナ州オーク・フラットだ。議会の土地交換には、多国籍鉱山企業リオ・ティントが関与している。リオ・ティントは、上院軍事委員会委員長をつとめる、有力なジョン・マケイン・アリゾナ選出共和党上院議員の政治資金主要資金供与者の一社でもある。上院軍事委員会は、兵器産業の軍産複合体や、ウオール街、大手石油会社や鉱業企業と提携している。マケインは、リオ・ティントに、フォー・コーナーズ地域での採掘権を認めた議会投票上の主な大立て者と考えられている。

ナバホの地域社会は、将来の採鉱計画について、確かに決してじっとしてはいなかった。彼らの土地所有権は、大企業に対する頑強な闘いの主題となり、現地の地域社会は、マケインに“インディアン殺害者”で、採鉱企業にとって現代の“偵察”というレッテルを貼っている。

オーク・フラットやフォー・コーナーズ地域にある他の父祖伝来の土地を守るキャンペーンで、ナバホ族は、他のアメリカ先住民ネーションや、アメリカ中の環境保護団体の支援を活性化している。土地収用に対する彼等の抵抗は、採鉱業ロビーや、ジョン・マケインの様な推進派政治家にとって、悩みの種となっている。

そこで、コロラド州とアニマス川における最近の破滅的な毒物流出の話へと戻ることになる。この出来事の全体的な影響が明らかになるのは、これからのことだ。だがフォー・コーナーズ地域下流の汚染は、最終的に、農業と飲料水の水源に影響を与える有毒な物質ゆえに、流域のあらゆる地域社会まるごと自分達の土地を追われる結果となりかねない。

現地活動家やナバホ指導者の中には、既に、EPAの毒物“事故”を現代の焦土作戦にたとえた人々がいる。鉱業の基本的な強烈な動機と、議員連中に対する彼らの報奨が、人々から彼らの土地を奪い、それにまつわる環境保護論者によるキャンペーンを終わらせるという暗黙の目的での、意図的な行為、あるいは少なくとも好都合な対応を示唆するのだ。連邦環境保護庁が、この策謀とされるものに関わっているのは辛辣な皮肉だ。

歴史的前例も極悪な狙いを強く示唆している。ワシントンによる、アメリカ先住民ネーション対策の歴史は、ワシントンに居すわる、大企業に支配された政治家連中が画策する資本主義的搾取のための裏切り、ごまかし、虐殺だ。ワシントンが立案した条約や保留地は、インディアンの土地が資源豊富であることが発見されるやいなや、再三再四、破棄された。

鉄道、牧場や鉱山に道を譲る為に、インディアンが、キット・カーソン大佐と、彼の兵士達によって土地を焼き払われた昔の時代の間違いようがない余韻が感じられる。

現在我々は、もう一つの、そうした相次ぐ北アメリカ先住民追い立てを、今回、南西部諸州の鉱物資源豊富な土地において、目撃しているのかも知れない。これは、先住民に対し、ワシントンが遂行した焦土作戦戦争の継続を示唆している。悲劇的な皮肉は、最新の“闘い”の場が、最後の先住民達が、19世紀末のアパッチ戦争によって隷属させられた、ませにその地域であることだ。

ここでは、より大規模な地球規模というのが適切だ。ワシントンの帝国主義戦争挑発は、その歴史上ずっと、そして世界中あらゆる場所で、生来の営利目的の大企業権益を推進する為、土地に対する戦争と、人々に対する戦争を、常に行ってきたのだ。

1960年代-70年代、枯れ葉剤エージェント・オレンジで、ベトナムを汚染したことは、今後炭化水素を水圧破砕で採掘する権益を、ワシントンが有するウクライナ東部ドンバス地域で、アメリカ傀儡のキエフ政権が、現在クラスター爆弾を使用していることと一致する。これは、このアラブの国で、抵抗を示す人々を追い立てる為に、アメリカが支援し、サウジアラビアが率いる主導する爆撃連合によって継続中のイエメン給水設備破壊とも、一致する。

このアメリカ先住民地域社会が、またしても焦土作戦にさらされているのは、それゆえ決して驚くべきことではない。今回唯一異なるのは、現在は、先住アメリカ人に対する本格的戦争という状況で遂行されているわけでないことだけだ。

だが、その意図と究極的効果は、ワシントン焦土作戦継続における単なるもう一つの出来事として一貫している。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/08/28/native-americans-and-us-scorched-earth-continuum.html
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最初に事故関連記事「資本主義の社会的費用」を読んだ時は、ナバホの公害被害、正確には、鉱害被害、思いつかなかった。

宗主国支配層の悪辣さ、並の人間の想像を遥かに超える。国の歴史を振り返れば、決して驚くべきことではない。
アメリカン・ドリームという悪夢 建国神話の偽善と二つの原罪

話題の有力議員、「イスラム国」ともパイプを持ち、人質殺害事件の直前、イスラエルで首相と会っていた。

人形峠ウラン鉱害裁判―核のゴミのあと始末を求めて』土井淑平、小出裕章著
放射性廃棄物のアポリア―フクシマ・人形峠・チェルノブイリ』土井淑平
アメリカ新大陸の略奪と近代資本主義の誕生―イラク戦争批判序説―』土井淑平
等を書いておられる土井淑平氏の、2013年3月11日記事の一部を貼り付けておこう。

3 ウソにウソを重ねた動燃=核燃=原子力機構
 まったくの無責任体質の動燃=核燃=原子力機構(日本原子力研究開発機構)は、2004年10月に最高裁から3000立方メートル撤去命令が出た方面地区のウラン残土の自己処理もできず、その一部290立方メートルをアメリカの先住民の土地にある製錬所に〝鉱害輸出〟する有様であった。これは放射性廃棄物処理の自己責任を放棄し、他国に尻拭いを頼む込む破廉恥な行為以外の何物でもない。
 アメリカのウラン鉱山の大半はインディアンと呼ばれてきた先住民の土地や聖地にある。そのアメリカの先住民であるホピ族やナヴァホ族は1991年1月、「国際ウランフォーラム・倉吉」に参加し、わたしたちの案内で方面地区の ウラン残土堆積場を視察して、「われわれの所も放ったらかされた状況は同じだ」と話していた。

放射性物質を含んだ土が日本からユタの沙漠にむかって送り出された

インターナショナル・ウラニウム・コーポレーションがあるユタ州ホワイトメサ地域は、米国先住民が55%を超える土地だ。

土井淑平氏報告、「米帝の核開発と先住民とウラン被曝」

1979年7月 ― というと、あのスリーマイル原発事故から4カ月後のことですが ―ニューメキシコ州のチャーチロックでダムが決壊して1100トンのウラン鉱滓が流出し、コロラド川の支流のプエブロ川に流れ込んで、この川を水源としている1700人のナヴァホ族が被害を受け、汚染された水や草を飲んだり食べたりした何千頭もの羊などの家畜が重度に汚染されました。

停止した採鉱事業に起因する鉱害、宗主国でだけ起きるわけではない。

下野新聞 2013年7月2日記事 永遠に続く公害対策

 東日本大震災では、休止中の「源五郎沢堆積場」の表土が滑り落ち、渡良瀬川から環境基準を超える鉛が検出された。この堆積場を巡っては、55年前に決壊し、下流に鉱毒被害を出した経緯があった。

そして、下野新聞 2015年8月26日 朝刊
正造も激賞 不屈の谷中村民・神原勘之丞に脚光 研究者で高まる注目

 神原勘之丞らの功績に光を当てる第42回鉱害シンポジウム「正造と野木の人びと」が8月30日、野木町友沼のエニスホールで開かれる。
シンポは田中正造や足尾鉱毒事件の研究団体などが主催し、毎年夏に渡良瀬川下
流域で開かれている。町での開催は18年ぶり。
 旧谷中村の強制廃村後、約70戸が隣接していた当時の野木村に移り、抵抗運動の拠点となった雷電神社も移築された経緯がある。
 当日は真瀬宏子町長、渡良瀬川研究会代表の菅井益郎国学院大教授ら6人が登壇。正造や自由民権運動と町の関係のほか、神原、野木村議菅谷丑蔵の功績に光を当てる。
 予約不要。午前10時~午後4時半。資料代千円。

2015年8月28日 (金)

ジェーンズ専門家、バンコク爆破事件で、NATOテロ集団を暗示

Tony Cartalucci
Land Destroyer Report
2015年8月25日

手段、動機と機会からして、バンコクにおける先週の未曾有のテロ攻撃と、アメリカが支援していたが、打倒された“独裁者”タクシン・チナワットと彼の外国人スポンサー達とのつながりは、既にずっと前から、はっきりしていた。こうした連中が、爆破を遂行する為に利用した、ほとんど全ての潜在的容疑者も、アメリカの権益につながっている可能性があることもはっきりしていた

タイが、新たな国家憲章で前進しようと準備し、チナワットの政治ネットワークを決定的に根絶する為、追加的施策を行おうとしていた時点で、爆破事件が起きたのだ。

爆破は、2月のにぎやかなサイアム・ショッピング街における二度の爆発に続くものであり、いずれの事件でも、ほぼ同様の爆弾が使われ、爆発前に設置する手段も似ている。

傀儡政権の指導者タクシン・チナワットの容疑を晴らすのに懸命な欧米は、てこ入れで、十年間、何十億ドルも費やしてきた。外国人テロリストが関与しているという説明があらゆる欧米マスコミによって推進されてきた。著名欧米報道機関所属の外国人ジャーナリストの集団である、タイ外国人記者クラブ(FCCT)は、具体的に “灰色の狼”と呼ばれるトルコを本拠とする不明瞭なテロ組織のせいにする討論会を開催した。

フォーブスは“タイのエラワン廟爆撃はトルコの「灰色の狼」のしわざ”という報道でこう主張している。

先週の残虐なバンコク爆破犯は、ウイグル難民の中国へのタイ政府による強制送還に激怒した右翼トルコ組織の過激派である可能性が高い。ジェーンズ・ディフエンス・ウイークリーに寄稿している練達の安全保障専門家アンソニー・デイビスが、月曜夜、タイ外国人記者クラブでの討論会で、“灰色の狼”の関与について説得力ある主張をした。

またフォーブスは“政治的反体制派”を含む国内組織が関与していた可能性は無いと読者に断言しているが、フォーブスも“専門家”も主張を裏付けるものは引用していない。


写真: 先週の爆破で使用されたパイプ爆弾の再現(左)と、昨年シナワットの“赤シャツ”テロリスト二人が爆発物運搬中に誤って事故で死亡した後、回収されたパイプ爆弾(右)の対照比較。

実際大型パイプ爆弾が、構造と材料の点で、先週、そしてサイアム駅爆破で使用されたものとほぼ同一という点が、シナワットの“赤シャツ”派が、爆破装置を組み立てようとしていて、ノンタブリーのアパートが爆発した2010年にまでさかのぼる継続中の捜査の中心だ。2014年、反シナワット抗議行動のさなか、シナワットの“赤シャツ”テロリスト二人が、運んでいた大型パイプ爆弾が爆発して事故死するという似た事件が起きていた。

こうした明らかにつながっている出来事全てが、タイ国内の政治闘争のハイライトとなる時点で起きているという事実が、先週の爆撃が、シナワット派テロの続きであることを強く示唆している。これらの攻撃の実行に、外国人テロリストが関与していることが、もし真実であれば、シナワットが、外国諜報機関の支援を受けていることを示唆しよう。ほとんど無名の“灰色の狼”が関与していた可能性があるという主張と、爆破ほぼ直後の、BBCを含む欧米報道機関による “ウイグル人”が関与していた可能性という、疑わしい主張は、かえって、シナワットと彼の外国人スポンサーを一層疑わしくしている。

アメリカ-ウイグルの結びつきは直接的

“灰色の狼”を、バンコクでの爆破の背後にあった組織として描こうとするフォーブスの取り組みには、明白な欠落がいくつかある。第一に、2月のサイアム駅爆破は、先週バンコクで、根拠薄弱にも“灰色の狼”が行ったとされる攻撃より何カ月も前だ。タイが拘留したウイグル人は、サイアム駅爆破から何カ月も後、7月に中国に引き渡された。フォーブスや“専門家達”は、サイアム駅爆破事件には触れようとさえしていない。

フォーブスは、強制送還直後のイスタンブールのタイ領事館攻撃に触れていない。こう主張している。

超国家主義の“灰色の狼”が、トルコ中で猛威を振るっていることを裏付ける強力な証拠として、7月9日、タイによる109人のウイグル人強制送還後、イスタンブールのタイ大使館攻撃時の“灰色の狼”の知名度がある。ゆるやかに組織された汎テュルク組織の暴力的な派閥は、近年ウイグル人の大義を取り上げている。ウイグル人とは、彼等が“東トルキスタン”と呼ぶ中国西部の新疆省で迫害されているイスラム教徒同胞のことだ。

フォーブスは、ワシントン D.C.とミュンヘンに本拠を構え、全米民主主義基金(NED)経由で、アメリカ国務省から毎年資金を提供されている中国の武装ウイグル・テロリスト集団の政治部門である世界ウイグル会議がタイ領事館攻撃を主導したことに触れそこなっている。

タイ領事館攻撃の後、ロイターは記事“タイ首相、ウイグル人の中国送還決定を擁護”でこう報じている。

“タイと中国の人権侵害に抗議する為ここに来た。中国の残虐さは、タイにまで広がった”と、世界ウイグル会議副総裁セイット・トムトルクは、タイ大使館前で、ロイターに語った。

“陰謀論”どころか、世界ウイグル会議の公式ウェブサイトは、ワシントンD.C. とミュンヘンを組織本部の公式所在地としており、アメリカのNEDは、あからさまに、彼等に資金提供していることを認めている。NEDは、公式ウェブサイトに、下記説明をつけて、この組織を載せている

世界ウイグル会議 人権- $275,000 -  ウイグル人の人権擁護と、効果的な人権・民主主義キャンペーンを実施する為に、ウイグル人の民主主義活動集団や指導者の能力を向上させる研修。世界ウイグル会議は、民主主義推進派ウイグル人団体や指導者の為の研修セミナーを三度開催する予定で、ウイグル人の人権擁護キャンペーン等の国際擁護活動を行っている。

FCCT討論会の“専門家連中”が、意図的に、この情報を省いたのか、それとも、こうした集団に、一体誰が実際に資金を提供しているのかに、決して目を向けなかったのかという疑問を抱いてしまう。世界ウイグル会議に加え、“灰色の狼”テロ組を、NATOと、アメリカ合州国軍自身の両方と、直接結びつける文書証拠もある。

もし、“灰色の狼”が、世界ウイグル会議の抗議行動に参加して、領事館攻撃の時に現場にいて、バンコクでの最近の爆破にも関与していれば、アメリカが資金提供している、もう一つの政治的隠れ蓑組織が、文字通り、世界中で、人々を大量虐殺しているテロリストと同盟関係にあるということになる。

アメリカ-NATOが作り出した“灰色の狼”

“トルコの汚い戦争は暴露されたが、ローマ教皇銃撃は依然不明”という題名のおそらくは忘れ去られている1998年のLA タイムズ記事が、“灰色の狼”テロ組織の創世記を明確に述べている。こう主張している(強調は筆者):

1970年代末、“灰色の狼”の武装部隊が、一連の爆弾攻撃や銃撃を行い、公人、ジャーナリスト、学生、弁護士、労組組織者、左翼活動家や、クルド人を含め、何百人もの人々を殺害した。この時期、“灰色の狼”は、トルコ軍の特殊戦争部隊の一部門である対ゲリラ組織による奨励と保護を受けて活動していたアンカラのアメリカ軍支援任務ビルを拠点とする、特殊戦争部隊は、ソ連の侵略時に、妨害活動やレジスタンスに従事すべく設置される民間非正規兵の“残置”部隊を設置する為、アメリカ顧問団から資金と訓練を受けていた。同様な冷戦対ゲリラ部隊が、北大西洋条約機構の加盟国全てに設置された。ところが、外国の敵に対して備える代わりに、こうした工作員連中は、国内の標的を狙うことが多い

この“起源”物語が、アンソニー・デイビスのFCCTプレゼンテーションでは、一体なぜ除外されていたのか、アメリカが支援するテロ組織が、アメリカが支援する傀儡政権を打倒した政府を弱体化させることを狙ったテロ爆撃に、一体なぜ関わり合いがあるのかについて、デイビス自身やFCCTや、こうした主張を、疑問も持たずに繰り返している、多数の欧米放送局から答えがあってしかるべきだ。

一体なぜ、この情報が繰り返し無視されているのかを問おうとする取り組んでも、沈黙か、BBCのジョナサン・ヘッドを含むバンコクを拠点にする著名ジャーナリストによって向けられる人身攻撃という結果になる。

2009年のニュー・アメリカ・メディア報道によれば、“灰色の狼”は、中国西部で、武装テロリストを訓練する為の訓練所を運営していたと言われており、中国の勃興を包囲し、弱体化させ、封じ込めることで“アジアに対する優位性”を維持するという、アメリカ合州国の自称“大戦略”とぴったり一致する。アメリカ依存から離脱するという未曾有の行動で、北京とのより強いつながりに向かうタイを標的にすることで、アメリカ-NATOが支援する政治・テロ組織によって遂行されている、中国とタイへの代理攻撃に共通の“動機”がはっきり浮かび上がる。

確認済みの事実として、“灰色の狼”が、アメリカ-NATOの為に、非対称戦争によって遂行される内政的・地政学的強制の手段として、何十年も機能してきたことは明らかで、中央アジアにおいて、アメリカの地政学的野望を推進する為、1980年代、アフガニスタンの山々に、アルカイダを作り出した時とよく似た、アメリカによるもう一つの国家支援テロの見本だ。

もし“灰色の狼”が、アメリカが支援していたが、打倒された、シナワット政権の為に行われた連続するテロ攻撃として最新のものに関係しているのであれば、これは実際、アメリカの“アジア基軸”が、血まみれの乱闘と化したことを示していよう

記事原文のurl:http://landdestroyer.blogspot.ca/2015/08/breaking-janes-analyst-implicates-nato.html

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「世界ウイグル会議」でネットを見ると、日本ウイグル国会議員連盟なるものがあった。名前を拝見すると戦争法案推進中枢メンバーの皆様。

手元にあった本の題名が気になり、再読した。

2章は、アジアに狙いを定めたアメリカ 

アメリカのアジア戦略にからめとられる日本 72ページ

そのまま今の状況。この本、現在刊行されていないようなので一部転記させていただく。

239ページの記事、まるで戦争法案説明(もちろん、イラクもソマリアも)

たとえば、95年2月の米国防総省による「東アジア戦略報告」に沿って発表された先の「日米安保共同宣言」も日米が共同で任務にあたるエリアを事実上、極東地域から東アジア、中東に至るまで大きく拡張している。そのエリアの某国に「有事」が発生したかどうかの判断は、あくまで米国側にある。よって、日本がその「某国」とどのような関係にあっても、米国が「有事」としたなら、有無もいえずに軍事的協力を強いられることになる。そのことが国際的貢献だというならこれはおかしい。

242ページの記事、まるでTPP説明

(GATTは)つまり、組織でありながら名目的な総会、理事会程度しか置かず、米国議会の眼をごまかす便法的組織としてスタートしたのである。
ズバリ申し上げれば、最初に集まった「各国の貿易実務者」こそが最大のポイントであり、具体的には、ユニリーバ、カーギル、コンチネンタル、ドレフュス、ブンゲ、ネスレ(ネッスル)、BSNグループなどで、いわゆる多国籍メジャーや多国籍食品メーカーこそが自分たちの商品を世界中に輸出させようとして仕組んだものだった。

245ページの記事も、TPP説明

国民は「食糧安保」の重大な意味をあまりに知らなすぎる。広大な田畑の真ん中に建っている何百坪もある農家の家構えを見て、「コイツらに補助金なんてやる必要ないよ」というかと思えば、出稼ぎでやっと最低限の生活している農家を見て、「日本の農業は集約化で大農法ができる農家以外、離農するしかないんだ」と。
そんな問題ではないのである。
輸入依存度が高まると、一つは、もし米国なりが大凶作で輸出禁止措置をとったら国家としてどうするのか。よしんば他国にカバーしてもらったとしても必ずや「条件」を出してきて日本の外交に著しい支障をきたす可能性がある。
もう一つは食品の安全である。国際的ハーモニゼイションなる食品安全基準をクリアーすればよいとされているが、その基準は日本国内の基準よりはるかに低い。以下略

書名は、「米国公文書で読み解く」日本経済最後の選択 
CFRがわかれば日本経済は手に取るように見えてくる。
金森薫著 徳間書店刊 1997年1月31日初版

2015年8月27日 (木)

欧米民主主義は絶滅途上にある絶滅危惧種

Paul Craig Roberts
2015年8月25日

イギリス労働党は、もはや労働者階級を代表していない。トニー・ブレア首相の下で、労働党は、1パーセントの臣下となった。その結果が、大衆の反乱と、民衆を代表することに専心している、欧米“民主主義”においては御法度の信念の固い労働党員ジェレミー・コービンの台頭だ。

1パーセントの資本主義者を代表することで、ブレアと同様の蓄えという報酬を得たがっている労働党ブレア派連中にとって、コービンは、あまりに本物すぎるのだ。コービンの選挙を邪魔する為に、労働党は一体何をしているのたろう?

答えは、コービン支持による彼への投票をはばむことだ。話はここで読める。
http://www.globalresearch.ca/britains-labour-party-purge-is-underway-preventing-supporters-from-voting-for-jeremy-corbyn/5471194

エジプト史上初めて民主的に選出された政権を、ワシントンの命令で打倒した、違法なエジプト軍事独裁政権は、ジャーナリストが、軍事独裁政権に反論するのを禁ずる指令を発した。要するに、ワシントンが据えつけた独裁政権が、事実を法的に禁止したのだ。

民主的に選ばれた政府が、ワシントンから少なくとも部分的に独立した外交政策をおこなうだろうと思えたので、ワシントンは、エジプト国民が選んだ政府を拒否した。イスラエルと共にアメリカ外交政策を支配しているネオコンによれば、イラン、ロシアや、中国等、独自の外交政策を持った国々はアメリカ“最大の脅威”であることを想起されたい。

エジプト軍の暴漢どもは、ワシントンの命令に従って、民主的に選出された政党の指導部全員をおおよそ殲滅した。この政党はムスリム同胞団と呼ばれた。欧米の売女マスコミでは、この政党は、程度の差はあれ、アルカイダと表現されているが、無知で、洗脳され、吹き込まれたアメリカ人に、違いが一体どうしてわかるだろう? “彼等の”政府も、売女マスコミも、決して説明するわけがないのは確実だ。

軍事独裁の指令によって、エジプトには、もはや独立したニュース報道は存在しない。ワシントンは、独裁制に満足して、不運で無力なアメリカ人納税者が支払ったお金で満杯の袋で報酬を与える。

アメリカ人は、彼等が所得税として支払っている大半のドルが、彼等自身と世界をスパイする為か、多くの国々で、人々を殺戮する為に使用されていることを肝に銘じるべきなのだ。アメリカ人納税者から得た資金がなければ、何百万人もの女性、子供や、村の長老達は、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、ソマリア、イエメン、パキスタン、ウクライナ、南オセチアや他の国々で、いまでも生きていただろう。アメリカは、世界がこれまで知っている中で最大の暴力輸出国だ。だから愛国心をはっきり主張して、誇りに思って頂きたい。あなたは世界最悪の殺人国家の下劣な国民だ。アメリカと比較すれば、ローマは臆病者だ。

フランス自身、民主主義として、崩壊しつつある様に見え、もはや自らの法律も尊重していない。World Socialist Websiteのクマラン・イラのこの報道によれば  https://www.wsws.org/en/articles/2015/08/19/fkil-a19.html、““対テロ戦争”の名目で、フランスは、標的にした個人を裁判なしの死刑にする秘密作戦の利用を劇的に加速している。フランソワ・オランド大統領は、標的になりうる人々の“殺人リスト”を持っていて、軍と諜報機関幹部と、暗殺計画を常時見直していると報じられている。

“死刑が違法の国で、憲法上の基本的権利を侵害する、この国家殺人計画は、フランス・ブルジョア民主主義の深刻な腐敗を浮き彫りにしている。フランス元帝国植民地における帝国主義戦争がエスカレートし、国内における政治危機が深化する中、国家は、アルジェリア独立運動に対する戦争や占領下フランスのヴィシー政権と関連する犯罪レベルに向かって動いている。”

違法で違憲な“殺人リスト”というアイデアをフランスの社会主義者大統領が一体どこから得たとお思いだろう? “アメリカで最初の黒人大統領”からだ、とお答えであれば、ご明答だ。

フランス国民は、人殺しで、ワシントンの手先にすぎない“彼等の”大統領に激怒すべきなのだ。しかし、フランス国民は激怒していない。偽装作戦のおかげで、彼等はおびえているのだ。フランス人は他の欧米諸国民同様、考えることを止めたのだ。

あらゆる欧米の民主主義は風と共に去った。駄目になり、一巻の終わりだ。欧米文明を規定し、偉大にしたあらゆる価値観は、権力と強欲と傲慢さによって押し流されてしまった。

地方総督が、民主主義に置き換わったのだ。

欧米文明が、終始雪のように純粋で、人類に対する罪や犯罪をおかしていない等と私は決して思わない。しかし、欧米文明の無数の不法行為にもかかわらず、改革が、下層階級の生活向上を可能にしたのは事実だ。改革は、金持ちや権力者の強欲さを制限することを可能にした。アメリカで、改革は不可能を実現した。出世階段が、下層経済階級の人々が億万長者になることを可能にした。しかも、これは実際に起きたのだ。

ワシントンの政府は様々な犯罪をおかしたが、時にワシントンは犯罪を阻止した。ワシントンの同盟国、イギリス、フランスや、イスラエルに対して、エジプトのスエズ運河から撤退しないとひどいことになるぞと言ったアイゼンハワー大統領の最後通告を想起願いたい。

現在、ワシントンは、人類に対する犯罪をおかす様、同盟諸国に強要している。NATOと、全米民主主義基金は、その為に存在している。

私の人生の期間、アメリカ人は常に自らを高く評価していた。しかし、21世紀になって、この高い評価が大跳躍し、傲慢不遜と化した。読者の方が、さほどの年配でない場合は、これに気づかれることはあるまい。しかし高齢の人間には分かるのだ。

ローマ帝国が、ローマ人の破滅で終わったのと同様、アメリカ帝国は、アメリカ人の破滅で終わるだろう。歴史から判断すると、ローマ国民はアメリカ国民より優れていたが、それでも、ローマは崩壊した。

アメリカ人は、それ以外の結果を期待すべきではない。無頓着さと、自己満足と、連座に対して支払うべき代償は高い。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/08/25/western-democracy-endangered-species-way-extinction-paul-craig-roberts/

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猟奇的殺人事件痴導洪水はとまらず、自民党別動隊の分裂なるブタの喧嘩は仰々しく報じる。同じエネルギーを、戦争法案や、TPPや、原発再稼動報道に注ぐことは決してない。それが大本営広報部のお仕事。

「戦争、紛争、全て商売だ。一人殺せば犯罪者だが、100万人殺せば英雄だ。数が聖別するのだ、諸君。」チャップリンの殺人狂時代そのまま。有名なセリフの前後の言葉も重要と思う。英語原文にはあるが、日本語字幕では省かれているのだろうか。見たのは昔、記憶がない。

Wars, conflict - it's all business. One murder makes a villain; millions, a hero. Numbers sanctify, my good fellow!

インチキ談話やら、新国立競技場やら、ロゴ問題やら、猟奇的殺人のおかげで、支持率が底をうったという。そうであれば、

日本人も、それ以外の結果を期待すべきではない。無頓着さと、自己満足と、連座に対して支払うべき代償は高い。

2015年8月26日 (水)

地域的要素のおかげで、相応の障害にぶつかるロシア-日本関係リセット

Melkulangara BHADRAKUMAR
2015年8月25日| 00:00
Strategic Culture Foundation

複雑で微妙な様子のロシア-日本関係のリセットは益々遠い先のことに見える。ロシアも日本も、リセットを望んでおり、それが両国にとって、最善の得策と見ている。

ロシアは、特に中国が入り込んでいるシベリアや極東地域開発に、主要経済パートナーとして、日本を引き寄せたがっている。日本側にとっては、ロシアとの領土紛争が、両国が第二次世界大戦後、正式な平和条約を締結するのを妨げている感情的問題だ。

プーチンが、年末日本に歴史的訪問をしそうな兆候が、年頭にあったとすれば、モスクワで予定されていた、プーチン訪問の素地を作る為の岸田文雄外務大臣の会談を東京が延期(8月31日-9月1日に予定されていた)したことで、現実を直視することになった。

東京の決定は、北方四島の一つをロシアのドミトリー・メドベージェフ首相が、週末(2015年8月22日)訪問したことを巡る‘抗議’の印と見なされている。しかしながら、これは必然的に、安倍晋三首相のワシントン公式訪問と、4月27日のアメリカ-日本防衛協力新ガイドライン発表にさかのぼる、ロシア-日本関係の目にみえる着実な悪化の最新表現にすぎない。

ガイドライン文書は、元々1979年に作成され、(ソ連)による対日本軍事攻撃時のアメリカと日本間の軍事協力の概要を決めたもので、冷戦後時代の為、1997年に改訂された。ガイドラインは二度改訂され、アジア-太平洋地域における“強引な”中国に由来する、新たな地政学に一致させられている。

ロシアの視点からすれば、アメリカが率いる作戦を世界的に支援する上で、より積極的な役割を演じるのに日本が力を入れていることが懸念事項となっている。特に、ガイドラインは、弾道ミサイル防衛、BMD分野における、アメリカ-日本協力を強調している。アメリカは、実際、BMDシステムの日本配備を開始した。

現在、全面紛争の可能性が大きくなっている北東アジアにおいて、ロシアとアメリカの権益が対立している時に、これが起きている。アメリカ-日本同盟を、地域における安定化要因として見なす様、ロシアに期待することはできない。日本のDNAのおかげで、アメリカ同盟体制に過剰に依存することなく、日本は独自の外交政策を推進してくれはすまいかとロシアは期待していようが、ウクライナ危機を巡る対ロシア経済制裁で、東京がアメリカ政府と簡単に同調した態度は、その逆を物語っている。

実際、アメリカが主催するBMD構造が極東で姿を現わしつつある恐怖がロシアを懸念させ、ロシアは軍事ドクトリンを昨年12月に改訂し、まさにロシア周辺で起きている物事に関する懸念の増大に、あからさまに言及した。ロシア軍事ドクトリン12条が、ロシアのいかなる隣国であれ、BMDハードウエアを配備できて、ロシアの領土を要求するという脅威の認識にまざまざと触れている。

ワシントンと東京は、ロシアを日本への脅威として見てはおらず、アメリカ-日本同盟は、ロシアを標的とはしていないという姿勢をとっているのかも知れないが、ロシア-アメリカ関係という現在の状態では、モスクワが気休めを信じ込むわけがない。

軍の役割(‘集団的自衛権’と呼ばれるドクトリンの中で)を拡大しようと安倍が尽力していることも、状況を悪化させている。先月、日本の衆議院を通過した論争の的となっている法案は、日本軍兵士が第二次世界大戦以来、初めて海外で戦うことを可能にすることになる。

要するに、提案されている法案は、アメリカ-日本軍事同盟において、より積極的な役割を演じて、アジアでのリバランスというアメリカ戦略の為に、もっと尽くせというアメリカの圧力に東京が屈したことを証明している。

北京とは違って、モスクワが、不安に対し強硬な発言をしてはいなくとも、不安を抱いているのは確実だ。4月以来、モスクワが講じてきた一連の措置がこの構図に当てはまる。

かくして、5月9日のモスクワでの戦勝記念日祝典は、ロシア-中国の戦略的収斂のハイライトであったことが判明する。中国国家主席習近平は、実際、主賓だった。プーチン大統領は、9月3日、北京での中国自身の祝典に出席する計画を確認した。経済関係を加速させ、痛ましい歴史を共同回想した他、両指導者は“大陸上の共通経済空間”を暗示する(プーチン)ロシアが主導するユーラシア経済同盟と、中国のシルク・ロード経済ベルトを正式に結びつけることにも同意した。

6月、セルゲイ・ショイグ国防相は、千島列島の軍事、および民間インフラ建設を加速するよう命じた。7月24日、千島列島に配備されたロシア軍は、9月までに“再軍備”予定だと彼は発表した。一方、千島列島には新たな軍事演習が計画されている。

8月始め、ロシア政府は、15億ドルという予想支出額で、今後十年間、千島列島の全体的な社会・経済的発展という連邦目標計画を承認した。ドミトリー・メドベージェフ首相は、計画は“千島列島を、住むに快適で、働くのが面白い場所という現代的ロシア領への転換を促進するだろう”と述べた。最終的に、土曜日、メドベージェフは、大いに喧伝された千島列島訪問を行った。

最近、中国共産党のタブロイド紙、グローバル・タイムズは解説でこう述べた。“彼等の(ロシアと日本の)戦略的権益は対立しており… モスクワ最大の安全保障上の脅威は、アメリカが支配する軍事同盟によるものだ。一方、日本は、この同盟で積極的な役割を演じてきた… 領土紛争は容易な解決を不可能にしている… 現在、ロシアが、日本の領土要求を満足させる可能性は益々あり得なくなっている… ロシアと日本の間には多くの構造的障壁がある。たとえ関係が... 緊張緩和することはあっても、大幅に改善することはあるまい”。

これは公正な評価だ。だがこの解説はロシアの戦略的計算を検討しそこねている。さかのぼれば、冷戦中、日本はアメリカの対ソ連海軍展開封じ込めラインを形成していた。そしてモスクワは、ソ連海軍に、千島列島を‘立ち入り禁止’地帯の一環とし、オホーツク海を、ロシアの弾道ミサイル潜水艦の戦略的海軍拠点に転換するよう命じて対抗した。

それゆえ、千島列島周辺でのロシア軍備増強には背景があるのだ。しかも、ロシアは、いわゆる北極海航路の全面的開通を見越している。2011年9月の昔、ウクライナ危機が勃発するずっと前、‘東西’のつながりが悪化する前、ロシアは、千島列島近くの海で、20隻の戦艦と爆撃機を動員し、冷戦後時代で最大の軍事演習を行った。

ロシアの北極圏政策は、千島列島を、ロシア国防と国家安全保障の前線に格上げすることを要求していると言って良いだろう。ロシアは、何としても、千島列島周辺での軍事的存在を着実に強化し、インフラと港湾施設を開発するものと予想される。

北極圏には、膨大な未開発の石油やガス埋蔵、鉱物、淡水、魚等々があると良く言われている。しかし、北極圏における強力な戦略的プレゼンスが、ロシアが世界のあらゆる大洋へのアクセスを可能にし、アメリカの封じ込め戦略に対抗する為に不可欠であることは、さほど知られていない。

ペンタゴンは、北極圏軍事インフラ開発の点で、ロシアを現在世界で最も進んだ国として評価している。プーチンが昨年12月に署名したロシア軍事ドクトリンは、軍隊、戦艦や航空機を受け入れる北極圏領土における軍事施設統合ネットワーク構築を目指している。

おそらく、モスクワはその思いをほとんど表に出さずにいるが、アメリカ-日本防衛協力ガイドラインの枠組み内でのアメリカ-日本のBMD協力を、戦略的バランスに対する脅威と見なすのは必至だ。この状況では、対日本関係の本当のリセットは疑わしくなる。

明らかに、アメリカは、極東におけるBMD配備をごり押ししている。もしモスクワが、どこかの時点で、アメリカのBMD配備によって、彼等が受ける脅威に対し、北京との結束を固めることを選べば、ロシア-日本のつながりは不穏になりかねない。

来週予定されているプーチン北京訪問は、極東に出現している戦略的再編成の重要な手掛かりとなる。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/08/25/regional-factors-make-russia-japan-reset-hit-fair-share-snags.html

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宗主国から電話をいただいて、盗聴は遺憾だと言ったという茶坊主報道。良く読むと、お詫びどころか、ちゃんといつも聞いてやっているから、このまま、TPPと戦争法案はしっかりやるんだぞ、というご指示としか解読できない。

両首脳は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉について、早期妥結を目指す方針も改めて確認した。

電話会談は米側からの要請で行われ、オバマ氏は「日米両国でグローバルな問題に共に対処していきたい」と述べた。

戦争法案を撤回できてこそ、一人前の政治家・国家。

新聞に時々載る、超一流国立大学、国際政治教授、「今のアメリカはとうてい好戦的とは言えない。」という。頭が汚れた。

政府・大本営広報部がいくらウソばかりいっても、常識ある外国人にはばれる。

イラクにおける露骨な戦争犯罪を批判できない属国。大量破壊兵器があるという真っ赤なウソで行ったイラク侵略協力を反省しない属国政府、これから、ありとあらゆる侵略戦争に参戦させられるのを拒否できるはずがない。

イラクの戦争犯罪追求中、質問途中で突然中継終了。真夜中になって、とってつけたように放送。局前抗議デモの効果だろうか?大本営広報部も与党も罪は限りなく重い。

沖縄で起きた訓練中のヘリコプター墜落事故、堕ちたのは訓練域外。政府は堕ちた場所も正確につかまず、抗議もしていない。米陸軍トップは、事故は時々起きると発言。 毎回ながら、驚くべき対米従属ぶり。

閣僚連中、どんなに露骨なウソをいって、侵略戦争で双方に戦死者がいくらでようと、その時点では現職におらず、逃げきれると踏んでいるのだろう。責任者全員逃げきれる実例は、東京電力福島原発事故を見れば歴然だが。いや、彼の祖父をみればわかる。戦犯を首相にするという倒錯した宗主国の価値観。自分の狙いを実現するのに手段はとわない200年を超える歴史が示している。

無辜の子供を二人殺害すると、電気洗脳箱の糞バエ連中、連日しつこく呆導する。一方、無辜の外国人を、これから無期限・無数に殺害しようと計画している連中は優雅な生活が送れている不思議の国アリマスの世界。

ところで、国会質問で話題のファルージャについては下記翻訳記事末尾でもふれた。貼り付けておこう。

『グリーン・ゾーン』: こわごわと提示された余りに遅すぎる疑問 2010年5月9日

『反空爆の思想』吉田敏浩著 NHKブックス1065の30ページを引用しよう。

    アフガニスタンとイラクの戦争被害者への間接的加害者である日本人

    『イラク戦争の出撃拠点』(山根隆志・石川巌著 新日本出版社二〇〇三年)によれば、横須賀を母港とする空母キティホークの艦載機はイラク戦争中、五三七五回出撃し、八六万四〇〇〇ポンド(約三九〇トン)以上の爆弾を投下した。巡洋艦カウペンスとイージス駆逐艦ジョン・S・マケインはトマホーク・ミサイルを約七〇発も発射した。三沢基地と嘉手納基地に所属するF-16戦闘機とF-15戦闘機も、クウェートにある基地を拠点にして空爆に参加した。在日米軍からイラク戦争に投入された兵員の総数は約一万人である。さらに沖縄駐留の海兵隊が二回に分けて計五〇〇〇人ほどイラクに増派され、二〇〇四年四月と二月のファルージャ包囲無差別攻撃にも加わった。
     在日米軍基地の維持経費には、日本の国費すなわち税金が使われている。提供施設地代、基地周 辺対策費、施設整備費、光熱費、水道料、労務費など、日本が負担する米軍駐留経費は年間総額六〇〇〇億円以上にもなる。つまり、日米安保条約の枠を超えたイラク戦争への出撃を認め、在日米軍基地を財政的に支えることで、日本はアメリカの戦争に加担していることになる。

「在日米軍基地や海兵隊」抑止力などではなく、帝国の世界制覇用先制攻撃の足場だ。日本語を正確に使う義務がマスコミにはあるだろう。「語彙・読解力検定」など主催する前に、自分たちの歪んだプロパガンダ言語表現をこそ改めるべきだ。

2015年8月24日 (月)

欧米マスコミがロシアについて報じるあらゆることがとんでもないウソ

Stephen Lendman

2015年8月22日

重要な真実は、組織的に抑圧されている。その代わりにあるのは、意図的な偽情報、歪曲と、真っ赤なウソだ。一体なぜ欧米マスコミが、比較すれば、街娼さえましに見える売女マスコミと呼ばれるのかという理由だ。詳細は下記。

ロシアがどのように統治されるのか、その地政学的狙いや、誰が指導者かでなく、年来の政権転覆計画が、アメリカの反ロシア政策の根底にあるのだ。以前の記事で説明した。

ワシントンは、ロシア独立主権を、親欧米派の傀儡支配者で置き換え、支配を容易にし、資源を略奪し、国民を農奴の様に搾取するために、巨大な領土を小国に分裂させるのだ。アメリカ国旗に包まれた、純粋悪辣なヒトラー風政策だ。

敵対的冷戦言辞を遥かに超える、異様な反ロシア・プロパガンダが猛威を振るっている。事実上、欧米のあらゆる大手の紙媒体も電子媒体も、足並みを揃えて、厳しい真実の代わりに、悪辣なデマ宣伝を報じている。

ありもしない“ロシアの侵略”は、プーチンを、存在上の脅威と呼ぶのと一緒に、おそらく他の何物にでもなく、アメリカ覇権の目的にとっての、最大公約数だ。

ワシントンと、そのキエフ傀儡が全て責任を負っているウクライナでの戦争について、“ウラジーミル・プーチンは真実を隠している”と、ニューヨーク・タイムズ編集者連中は主張する。

連中は、一機あるいは複数のウクライナ戦闘機のせいだというあきらかな証拠にもかかわらず、MH17撃墜を、モスクワのせいにし続けている。

その違法性や、自分達の最善の利益と常識に反し、アメリカの圧力に屈して、それを課しているEU諸国への損害を無視して“経済制裁を撤回するな”と連中は怒鳴り散らす”。

“アメリカを一番脅かしているのは誰か”と連中は自問する。そして、次期統合参謀本部議長“戦うジョー”ダンフォードが、ロシアを、ワシントンが直面している最高の“生存上の脅威”だと呼んだ言葉を引用した。

それを示す証拠は皆無で、逆を示すものは多々あるのに、議会委員会での証言で、他のアメリカ高官連中は同じことを言っている。

タイムズ編集者連中は、そんなものは皆無なので、誰も具体的に見つけていないのに、大量のロシア軍兵士がウクライナを侵略したと主張し、“ロシアの侵略”に関するとんでもないウソを推進し続けている。

5月、ブルームバーグは、(ありもしない)戦死者を隠す為、ロシアは“移動遺体焼却炉”を利用: NATOと、アメリカ高官達が語ると、法外にも報じた。

3月、元アメリカ国防次官補/現NATO事務次長(事実上の親玉) アレクサンダー・バーシュボウは、“ロシア指導部は、東ウクライナで、多数のロシア軍兵士達が戦闘し、死亡しつつあるという事実をますます隠しきれなくなっている”と、ウソをついた。

“ロシアは、移動遺体焼却炉を帯同して戦死者を隠そうとしている。彼等は、世界からのみならず、ロシア自国民に対してさえ、関与を、隠そうとしている。”

事実: ロシアの侵略など存在せず、そういう計画があるという証拠も存在しない。バーシュボウの身も蓋もないウソだ。

事実: プーチンや、セルゲイ・ラブロフや他のロシア高官は熟達した仲裁者だ。

事実: アメリカが率いるNATOと、イスラエルが終わりなき侵略戦争を支援している。彼等こそ、自分達の帝国主義的狙いを推進しながら、大量絶滅の危険を冒している、世界最大の生存上の脅威だ。

エコノミスト誌は、ロンドンを本拠とし、19世紀中期以来活動している、金持ちと、強力な利益団体の為のプロパガンダ代弁者だ。

昨年だけでも、ありもしない“ロシアの侵略”、挑発的な西部での紛争が、1962年ミサイル危機より大きな脅威となっていると主張する無数のロシアたたき記事を掲載した。

カナダ最大発行部数の全国紙(アメリカで言えば、ニューヨーク・タイムズ)、グローブ・アンド・メイルは、7月末、“ロシア侵略に直面して、対抗することが我々の義務”という題名の下記内容の右翼首相スティーブン・ハーパー論説を載せた。

“東欧と中欧の平和と安全保障を脅かしていることに対し、プーチン政権をこらしめるという我々の決意は決して弱まることはない。”

ハーパー政権は、アメリカ帝国主義戦争に協力している。2011年、カナダ戦闘機は、リビアを爆撃した。彼等は現在、ISISと戦うという口実でシリアの標的を攻撃している。

カナダ・マスコミは、アメリカ・マスコミ悪党共と同様、権力の為に、ウソをつき、人々が知るべきことを、プロパガンダで置き換えている。

オバマは、大統領になって以来、7ヶ国を爆撃したことを自慢している。“必要な時に、武力を行使することを避けたことはない”と彼は大言壮語した。

対アフガニスタン、イラク、リビア、パキスタン、シリア、ソマリアやイエメン戦争、イスラエル戦争への共犯、さらには、ベネズエラ、エクアドル、イランや、世界無数の国々における秘密不安定化工作、むき出しの侵略や、よその国々の内政に対する無法な干渉。

ロシアと中国は、アメリカ最後のフロンティアだ。アメリカの基本計画は、アメリカ覇権の野望に対する唯一の挑戦者である両国に対し、優位を主張ことを要求しており、それを実現する為、核戦争のリスクを冒そうとしている。

ありうる大量絶滅の狂気を非難するどころか、マスコミの悪党共は、この無謀さに足並みを揃えて行進し、全員を脅かしている。

スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。[email protected]で彼と連絡ができる
編集者・寄稿者としての新刊は “Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”
http://www.claritypress.com/LendmanIII.html
彼のブログ・サイトはsjlendman.blogspot.com.

著名ゲスト達との最先端の議論を、Progressive Radio NetworkのProgressive Radio News Hourで聞くことができる。
放送は週三回行われている。日曜のアメリカ中部時間午後1時と、二つの録音放送だ。

記事原文のurl:http://sjlendman.blogspot.de/2015/08/everything-western-media-report-about.html
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北方領土問題、政府や大本営報道の内容をまにうける前に『日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土』で孫崎享氏の解説をお読み願いたい。

ほぼ二年前、下記記事を翻訳した。

世界の指導的役割を担うプーチン 2013年9月13日
このPaul Craig Roberts氏記事を訳した当時、カッパドキアで日本人女子大生殺傷事件が起きていた。

一人の方は殺され、もう一人の方は重傷だった。マスコミは朝から晩迄、事件を報じていた。そこで、翻訳記事の末尾に書いた文章を一部をコピーさせていただこう。

カッパドキアの日本人大学生殺人・傷害事件、記者が現地から何やら報じている。

ブルネイでのTPP交渉、100人にのぼる大本営広報部の記者諸氏が日本からでかけたと言うが、まともな報道は皆無。報道でなく、「ヨイショ」のみ。

二人の女子大生ではなく、今生きている日本人全員に、そして、未来永劫、この列島に暮らす日本人に、大変な影響を及ぼすTPP、東電福島原発メルトダウンの真実、地位協定の真実、集団自衛権という、集団先制侵略攻撃傭兵出動の真実については、全く触れない、徹底した報道管制あるのみ。

ブルネイでのTPP交渉に、ステークホルダーとして参加された山田元農林水産大臣のIWJインタビューでは、実に恐るべき真実が語られている。

小生、交渉担当高級官僚氏でなく、山田元農林水産大臣の言葉を信じる。

大本営広報を見聞きするのは百害あって一利ないと、つくづく思う。

おかしいのは泉田知事ではなく、泉田知事がおかしいと批判する、大本営広報部のハエ諸氏だ。(諸氏を「糞バエ」と呼ぶのは辺見庸氏の至言)

そして今、少年・少女殺人事件報道一辺倒。

老いも若きも、戦争法案や、辺野古基地や原発再稼動反対の声をあげているのに、「糞バエ」諸氏は、そちらは全く放置して、終日ひたすら、猟奇的殺人事件呆導。

容疑者を、どういう神経なんでしょう?と云う「糞バエ」諸氏は、どういう神経なんでしょう?

日本企業工場火事報道のほうが、アメリカ軍基地倉庫爆発報道より長い不思議。

隣の家が火事になった。消火しなければいけないと、内臓のような奇怪な模型を使って彼は不思議な怪説をしたが、国内にある彼等の基地で火事が起きても、一体何が、どうして爆発したのか、教えてはくださらない。
まして、侵略戦争、どのように情報を教えてくださるだろう。

本当に重要なことは決して報じない。分析しない。
子供の頃の縁日見せ物小屋以下レベル。規模も悪辣さも大違い。恐ろしいものがあると口上を言って、子供を誘い込んでいた。出てきた友人に尋ねても、入る価値なさそうだった。
小遣いが乏しい小生、見せ物小屋に入れなかったので、間違っているかも知れない。

重要な真実は、組織的に抑圧されている。その代わりにあるのは、意図的な偽情報、歪曲と、真っ赤なウソだ。一体なぜマスコミが、比較すれば、街娼さえましに見える売女マスコミと呼ばれるのかという理由だ。

日本マスコミが世の中について報じるあらゆることがとんでもないウソ

と思いたくなる。

全部がウソをつくわけではない。

2015/08/17 元海上自衛隊員のジャーナリスト村田信一氏「自衛隊は米軍の命令で動いている子分。米軍を守るためにいる軍隊」〜戦場ジャーナリストらが安保法制後の自衛隊派遣に警鐘

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2015年8月23日 (日)

ミンスク合意破綻

Paul Craig Roberts
2015年8月18日

ワシントンによって、キエフに据えつけられた反ロシア・クーデター政権に支配されることを拒否した、ロシア人が暮らしている元ロシア領の分離派共和国への対応で、ロシア政府は失敗したように見える。ロシア政府は、これら領土を、ロシアに再編入するようにという要求を受け入れることで、危機を終わらせられていたはずだった。そうではなく、ロシア政府は、ドネツク・ルハンスクへの不干渉という外交的手法を選んだのだが、この外交が、今や失敗したのだ。キエフのクーデター政権は、ミンスク合意を守る意図は皆無で、ワシントンも、ミンスク合意を守らせる意図は皆無だった。どうやら、現実主義的なプーチンでさえも、希望的観測に屈してしまったもののようだ。

ロシア政府が、外交的理由で、支援したミンスク合意は、現在、ドネツクとルハンスク攻撃を再開する準備をしている、ずっと強力な軍隊を訓練し、装備し、動員する時間をワシントンに与えるのに役立った。もしも、これら共和国が制圧されれば、ウラジーミル・プーチンとロシア自体が、あらゆる信頼性を失うことになる。それをプーチンが自覚しようとしまいと、ロシアの信頼性は、ワシントン支配外では動く力のないワシントン傀儡のヨーロッパ諸国との外交会談でではなく、ドネツク戦線で、危機にひんしている。もしワシントンが、ウクライナで勝利すれば、ロシアと中国は、BRICSや、ワシントンの経済覇権に対する代替案、ユーラシア貿易集団は諦めざるを得なくなる。ウクライナで勝利を得て、ワシントンは、その覇権を確保つもりなのだ。

破綻したミンスク合意以前には有していた、ウクライナに対するドネツクの優位性を失ったドネツク共和国指導者は、状況説明しながら、疲れ果てている様に見える。http://russia-insider.com/en/moscows-top-man-donbass-says-all-out-war-will-start-soon-video/ri9255 恐らく彼は、シェークスピアの『ジュリアス・シーザー』で、カシアスが、ブルータスにこう語ったのを思い浮かべていたのだろう。“人間のすることには潮時というものがある、満潮にのれば、幸運にたどりつくし、潮時を間違えれば、人生のすべての航海は浅瀬に乗り上げて座礁する。”

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/08/18/minsk-agreement-failed-paul-craig-roberts/

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メドベージェフ訪問非難の大本営記事に、「ロシアは一方的にクリミアを編入した」とあった。クリミア住民投票の前に起きた、キエフでのクーデターをアメリカが画策したことも、オデッサでの反政府派住民虐殺事件もまったく報じない洗脳工作大本営。眉に唾をたっぷり塗って、読まないようにするのが最善だろう。読んで、どこまで本当で、どこまでウソか頭を使うのは人生の無駄。

ロシアが、ウクライナ・クーデター政権に、激怒しているのに、国立競技場費用にも迫る大金を黙って寄付させられた(宗主国の命令だろう)国の大本営広報部が、領土問題を云々するなど、茶番。ロシアには経済制裁をしながら、強烈なイヤガラセをしていることには全く触れない。

今後の我が国のウクライナ支援について

現下のウクライナ情勢を踏まえ,以下の通り,今後最大約1,500億円の支援を行います。

この日本からの資金、

現在、ドネツクとルハンスク攻撃を再開する準備をしている、ずっと強力な軍隊を訓練し、装備し、動員する

のに使われていない、と断言できるのだろうか。金額、さらに上積みされているようだ。

新国立競技場とほぼ同額! 2310億円をウクライナにバラまく安倍政権は壊れている

ほとんど戦争状態にある一方に大金を渡すのが、積極的平和主義を標榜する侵略戦争参戦希望国としての最初のご挨拶?ジョージ・オーウェルは『1984年』で、この状況を描いている。

    • 戦争は平和だ
    • 自由は屈従だ
    • 無知は力だ

2015年8月22日 (土)

ロシアのカフカスに目を付ける「イスラム国」

Dmitry NEFEDOV

2015年8月19日 | 00:00

エジプトの主要イスラム教当局、エジプト・ファトワ庁による最新報告によると、「イスラム国」(IS)集団は、カフカス、中央アジアと、インドネシアを新兵採用の為の場所としてみている。

この地域には、イスラム教を進行する人々が多数いる。彼等は知識が乏しく、アラブの説教師が言うことを何でも信じがちだ。集団は、中東における新たな領土獲得という主要な任務を遂行する新兵採用を狙っている。ISは、ソーシャル・ネットワークで、プロパガンダを広める為、ロシア語部隊を設置した。ISは最近、ロシア連邦内の北カフカスに、行政区画(ウィラーヤ)の設置をしたと宣言する挑発的な声明を出した。プロパガンダ部隊は、ロシアや近隣諸国から、イラクやシリアに入り込んでいる過激派のビデオを発表した。「イスラム国」イデオロギーには、社会ネットワークで、人々に語りかけ、神学教育を強化することで対抗しなければならない。これは極めて重要な任務だ。北カフカスのイスラム教宗教的権威は、まさにそれを行っている。彼等は、ファトワを出し、人々を教育し、過激派と戦うためにできる限りのことをしている。

その点で“ソフト・パワー”だけでは不十分だ。地下のテロリスト指導者や活動家に対する特殊作戦が地域で行われていると報じられている。最近、ダゲスタンのウンツクルスキー地方で、そうした作戦の一つが行われた。結果的に、隊員達は、ロシアではテロ組織として禁じられているカフカース首長国の指導者、マゴメド・スレイマノフを殺害した。ムハンマド・ハジ・アブドゥルガフロフや、サイド・アファンディ・アル-チルカウイ等の宗教指導者、現地の過激派指導者、カミル・サイドフと、一味の二人を殺害したかどで彼は告訴されていた。スレイマノフの前にカフカース首長国を率いていた元指導者アリアスハブ・ケベコフは、ブイナクスクで、ロシア連邦保安庁の特殊作戦部隊に殺害された。

ロシア南部の過激派集団は、特別な戦術を駆使している。全く同じ連中が“首長国”や“戦線”をとっかえひっかえして、活動しているのだ。彼らの主な任務は、ある地域を不安定化することだ。それは、シリア国内の過激派が用いる手法や、それほどではないにせよ、アフガニスタンやイラクで活動している過激派の手法と似ている。現在、テロ活動は、ロシアを経済的に押さえつけようとする取り組みを含め、ロシア封じ込めの手段として、ますます頻繁に利用されている。これを行う方法の一つは、北カフカスの共和国諸国に投資し、欧米に代わる、パワー・センターとして活動しようとしている潜在的な貿易、経済パートナーに圧力をかけることだ。

中東の軍事紛争は悪化している。ロシアを出て、シリアやイラクに行った連中の一部が戻りつつある。これは、ロシアを国境沿いの紛争で包囲し、カフカスで、弱点を発見するという戦略に従って活動する連中の権益に役立つ。その為に、連中は、大衆扇動や、ロシアが、対「イスラム国」闘争に、十分真摯に取り組んでいないと非難するという手段に出ている。例えば、アメリカ国務省は、そう語っている。

アメリカが率いる反「イスラム国」連合は、むしろ奇妙な戦争をしている。予期しないことが次々と続く。一方で、アメリカの無人機が、シリアを攻撃し、一方、公式には、この集団は、アメリカ合州国が戦争をしているとされる敵であるにもかかわらず、アメリカ軍とテロ集団の戦士達には緊密なつながりがあると報じられている。例えば、“アメリカのヘリコプターが、西イラクのISテロ集団支配下にある地域に着陸し、何人かのIS司令官達を乗せて、不明の方向に向けて飛び去った”。全く同じ情報源が、サラーフッディーン県の「イスラム国」支配下にある山岳地帯に“アメリカ・ヘリコプターが着陸した”と報じている。アメリカのヘリコプターは「イスラム国」に支配されている地域にしばしば着陸している。今年、アメリカのヘリコプターが、ISテロリストの司令官達を地域から連れ出す為、キルクーク南西にある「イスラム国」が支配する地域ハビジャに飛行した。地域はアメリカの航空保安施設によって、しっかり監視されている。この事実は、インターネットで得られるよう定期的に公開されている画像で確認された。

民間調査会社ストラトフォー情報幹部でCEOのジョージ・フリードマンは、注目に値することを語っている。彼によれば、「イスラム国」は、アメリカ合州国にとって、死活的重要性がある問題ではない。実際、特に、アメリカ特殊部隊が、国際テロを育成する為、実に長年行ってきた取り組みを考えれば、問題などありえない(例えば、著者が、中東、旧ユーゴスラビア、北アフリカや他の場所におけるアメリカ特殊部隊の秘密工作について書いているマイケル・スプリングマンの新刊書も参考になる)。

「イスラム国」の出現は予想を上回っている。元アメリカ国防情報局長官のマイケル・T・フリンは、かつて、ホワイト・ハウスが、シリアで活動している聖戦戦士を支援するという意図的な決定をしたことを明らかにした。

2012年8月、「イスラム国」が脚光を浴びる一年前、サラフィー・ジハード主義者、ムスリム同胞団や、地域におけるアルカイダ支部を含む寄せ集め過激派集団の中で、アメリカが支援するシリア武装反抗勢力が支配的であることは、はっきり分かっていた。中東で、様々な武装反抗勢力 (より正確にはテロ集団)を用いてアメリカが作り出した戦術同盟は、地域におけるアメリカの敵国、シリアやイラン等の国々を弱体化させるのが主目的なのだ。

現在、この不安定化戦術は、ロシアのカフカスにまで広がっている。あれやこれやのテロ集団(カフカース首長国、アルカイダやら、「イスラム国」)に対して、どのようなレッテルが使われるかは重要ではない。彼等は全て、各宗派間で署名した和平協定に違反し、伝統的な宗教の権威を損ない、武力挑発を行う為の、地域で波風を立てることを狙って画策された活動に参画するよう利用されているのだ。元フランス外務大臣ローラン・デュマが証言した様に、恐らく、アラブの春が始まる二年前に、シリアに関して、既に決定が行われていたのと全く同じような決定がなされていたのだ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/08/19/islamic-state-eyes-russian-caucasus.html

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「日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。」という言葉が談話にあったとは知らなかった。読む気力全く起きないので。

ロシアに、わざわざ喧嘩を売る異常な精神構造。宗主国の指示通りというのならわかる。

鉱害と戦った田中正造と大違い。

日清戦争当時は戦争支持派だった田中正造、日露戦争時には、反戦思想を鮮明にしている。軍事予算は、学生の留学に振り向けろともいっている。原発災害がおさまらない中、宗主国侵略戦争に肉弾を提供する愚行。
田中正造、鉱毒被害を放置したまま、戦争推進する愚を批判している。談話などと違い、110年たってもそのまま通じる、実の発言。

田中正造文集(二)谷中の思想 にある明治37年11月26日付け三宅雄二郎宛て書簡の一部を引用しよう。日露戦争は1904年(明治37年)2月8日から1905年(明治38年)9月5日。

戦争の罪悪は論を要せず。然れども真面目の志士が学文上の見解よりして、戦争は必要なりとする事ありとするも、我国の内政の如き、公盗横行の政府にして妄りに忠直の人民を殺すことを敢えてするものの戦争を奨励するに至りて言語道断なり。
現在の形勢、戦争の勝敗よりは寧ろ戦争に死するものよりは寧ろ内地に虐政に死するもの多からん。虐政に死するものもの即ち名誉の戦士なりと云わざるを怪しめり。彼の人為の大加害者あり。鉱毒地の惨状を代表せる谷中村問題の如き同国同胞人に捨てられる、そもそも何んの故なるをしらず。今にして政府は詐術の報告をなして国民を欺きて憚らず。且この窮民を虐待し、甚だしきは出兵者の父母妻子をも政府の毒手を以て殺すものなり。長次男は戦争場に敵に殺され、その父母は我崇敬する政府の毒手に殺さるるとせば、これ一戸中内外二様に死者を生じるなり。但し一般出兵軍人中窮困者あり。然れども未だ政府が手を下して軍人の父母妻子は殺さざるなり。殺さるるもの独り鉱毒地方の貧者のみなるか。
政府中官吏多し。中にはこれを怒る義憤の官吏もあるべきに今は陽にこれを見ず。議員中にこの義憤者あるべきにこれを見る事甚だ稀れなり。学士中この義憤者あるべきに御存じの如くこれまた甚だ稀れなり

2015年8月21日 (金)

日本に、中国との対決をけしかけるアメリカ 話題の国会質問に合わせ再掲載

John V. Walsh

2013年2月8日

日本は誘いに乗るのだろうか?

アフガニスタン、中東やアフリカでの戦争に、ワシントンがNATOを巻き込んだのと同様にアメリカによる中国の軍事的包囲に、日本を誘い込もうとするワシントンの企てを、John V. Walshが説明する。恐らく日本人は、中国の勃興を封じ込めようというワシントンの企みの中に、ワシントンが1930年代に日本に対して用いたと同じ政策を見いだすだろう。はたして日本は、勃興しつつある大国、沈み行く大国どちらと組むのだろう、あるいは中立であり続けるのだろうか?

彼らの破滅は要らぬ節介、身から出た錆び
権勢ある者が真剣で渡り合う中に
下賎な者が入り込むのは危険だ。

ハムレット第五幕第二場

2012年の大統領選挙戦の真っただ中の昨年10月、アメリカの代表団が密かに日本を訪れ、更に中国を訪れたが、ほとんどマスコミでは報道されなかった
代表団は“非公式”なものだったが、ヒラリー・クリントンはこれに賛同していた。しかも、この代表団を率いていたのは、帝国世界の大物二人、ジョージ・W・ブッシュの国務副長官を勤めたリチャード・L・アーミテージ、クリントン政権で、元ペンタゴンと諜報機関の幹部を勤めたハーバード大学ケネディスクール(行政大学院)名誉学長ジョセフ・S・ナイJr.だ。代表団には、オバマ政権の国務次官を勤めたジェームズ・B・スタインバーグと、息子ブッシュの国家
安全保障顧問だったスティーブン・J・ハドリーも入っていた。

代表団は、双方が所有権を主張しているいくつかの小さな島嶼を巡る日本と中国の間の緊張を和らげようという
メリカの取組みだと宣伝されていた。しかし本当にそうだったろうか?
こうした大物達の見解は一体どのようなものだろうか?興味深いことに、アーミテージとナイは、訪問に先立つ8月、国際戦略研究所(CSIS)により刊行さ
れた、彼等が議長を務めるCSISスタディー・グループによる“日米同盟  アジアに安定を定着させる(英語原文)”と題する、入念に練り上げられた成果の短い文書で部分的な答えを出してくれている。そこで提案されている戦略は、下記に概要を示す通り、中国にとっても、日本人やアメリカ人にとっても悩ましいものだ。

アーミテージ/ナイ報告は、ターゲットとする聞き手の日本人自身に対して、「はじめに」で以下の様に呼びかけている。

    “日米双方は、中国の再台頭とそれに伴う不安定要素、…..

    一流国家とは、経済力、軍事力、グローバルな視野、そして国際的な懸念に関して実証された指導力をもつ国家である。同盟の支援に関して米国側に改善点はあるが、米国が一流国家であり続けることには寸分の疑いもない。しかしながら、日本には決定しなければならないことがある。つ
まり、日本は一流国家であり続けたいのか、 それとも二流国家に成り下がって構わないのか?
日本の国民と政府が二流のステータスに甘んじるなら、この報告書は不要であろう。”(強調はJ.W)

入念にお読み頂きたい。これは、東アジアで大いに非難されるだけの正当な理由がある日本の軍国主義と国粋主義の最悪の面に対する見え透いた呼びかけだ。それが中国の過去の世界覇権と、当時の日本の目下という立場を呼び覚ます言葉“中国の再台頭’という文脈の中で行われているのだ。この不穏な訴えかけ、一体どのようなけだものを呼び起こそうとたくらんでいるのだろう?

「はじめに」で、著者達は再び、彼らの呼びかけの軍事的側面を極めて具体的に、こう書いている。“日本の自衛隊(JSDF)は、現在の日本で最も信頼されている機関であるが、時代錯誤の制約を軽減できれば、日本の安全保障と評判の向上により大きな役割を果たせる態勢にある。”(強調はJ.W) “時代錯誤の制約”とは一体何だろう?  著者達が後の方で明らかにしている様に、これはマッカーサー占領軍の庇護の下で書かれた日本国憲法第9条に具現化されている。アーミテージとナイにとって実にわずらわしい条項には、こう書いてある。

    “第9条 
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、
永久にこれを放棄する。(2) 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。”

これは息をのむほど魅力的な平和主義の声明だ。そして第9条の簡潔で素晴らしい説明はここにある。第9条は日本で非常に人気があるので、アーミテージとナイも認めているように、憲法からこれを削除するのは容易ではなかろう(1)。しかも、アーミテージとナイは、第9条が、アメリカと日本による共同軍事行動を意味する集団的自衛権を禁じていることを認めている。彼等は報告書でこう書いている。

    “しかし皮肉なことに、日本の利害の保護を必要とする最も深刻な条件の下で、我々の軍隊は日本の集団的防衛を法的に禁じられている。… 集団的自衛の禁止は同盟の障害である。”(強調は、JW。著者達は、日本の防衛でなく、日本の“利害”と言っていることに留意。)

そこで、アメリカは一体何をすべきなのだろう?
アーミテージとナイは、2011年3月11日、日本において、3-11として知られている、地震、津波と、福島の大災害に対応して、自衛隊と米軍(トモダチ作戦、英語で“オペレーション・フレンズ”) によって展開された共同救援作戦に解決策を見いだしている。そこでは、共同救援の取組みは、9条と、それが体現する精神を支持する人々に反対されることは
なかった。アーミテージとナイは、トモダチ作戦を、単に将来の共同作戦を正当化する前例として見なすよう示唆している。言い換えれば、日本国憲法は単に無視すれば良い。まさに、トルーマンが、アメリカを朝鮮戦争に突入させる為に打ち出した戦術、リビアへの介入にバラク・オバマが用いた作戦だ。単に、アメリ
カ議会のみが戦線布告できるという憲法とその要請を無視するのだ。これは、連中が頻繁に引き合いにだす“法の支配”を、アメリカのエリートが、実際どう見ているかという例だ。(トモダチ作戦が、計画立案者によって、最初から部分的にそういう風に見られていたのかどうか、いぶかしく思う。一体他のいくつのアメリカ人道的作戦に、隠された補助的な狙いがあったのだろうかと知りたくもなる。)

アーミテージとナイは、ジブチの対海賊取組みの様に、総理大臣が専断で憲法九条の禁止を無視するという、2006年の柳井委員会報告についても触れている。しかし、このレポートは、日本国憲法を覆す企みだと見なされてきた。アメリカ人専門家、ウォシバーン法科大学院のクレイグ・マーチン教授は、こうした件について、当時こう書いていた。“憲法解釈‘改訂’を進める為に、憲法外の組織を利用するという行為は様々なレベルで違法であり、最も重要なのは、それが憲法の改訂条項を回避するものだった点だ。”しかし、そうであれば、それこそまさに、アーミテージとナイがたくらんでいることなのだ。

人気が近年大きく損なわれているとは言え、9条は日本では依然人気がある。アメリカ帝国の東アジアへの“旋回”を考慮すると、この理由や、その背後の力は、入念な検討に値する。しかし日本共産党と日本社会党が、政治と社会で勢力として残り続ける限り、9条を撤廃する可能性はほとんどなく、日本を再軍国化するためには、迂回策が必要になる。第9条の下では、自衛隊の存在そのものが実際違法と見なされうるので、それがなぜ自衛隊が、かつて警察予備隊と呼
ばれたかという理由だ。アーミテージとナイは、報告書の軍事的な側面を、以下の対日本勧告で要約している。“日本の防衛及び地域の緊急事態における米国との防衛を含めた日本の責任範囲を拡大すべきである。両国共に、日本の活動領域を十分に拡張させるより強健で共有した、また相互運用性のある情報・監視・偵察(ISR)能力と作戦を必要としている。米軍と自衛隊が日本国内で平時から緊張、危機、戦争状態まで、安全保障上のあらゆる事態において、全面協力できるための法制化を、日本側の権限において責任もって行うべきだ。”(強調はJWによる。) 外交官にとって、これは、この上なく明確で具体的だ。しかも到底平和の為の計画だとは言えないがゆえに、実に厄介なのだ。

アーミテージ/ナイ報告は更に多くのことを含んでいる。日本は、フィリピン、インド、台湾と大韓民国つまり韓国をも含むフォーラムに全面的に参加するよう強く促されている。驚くべきことではないが、この点、中国には言及がない。アーミテージとナイは、日本人による征服や第二次世界大戦中の残虐行為の記憶が鮮明な韓国の国民を説得するのが困難なことは分かっている。しかしアーミテージとナイは何とかやってのけられると期待している。

報告書には経済的側面もある。インドを中国に対する破城槌として利用するという考えは、ブッシュ政権内では人気があり、イスラエルにも後援されていたが、実際には実行可能ではない。インドは、内紛、腐敗、宗教対立や、領土の広大な部分での毛沢東主義者の反乱に突き動かされている。しかも経済的に貧しい。軍事力は経済力と共に増大するので、対中国行動の為には、アメリカは、有力な地域の経済大国の支援が必要なのだ。それこそが、アーミテージとナイから見た日
本の役割だ。かくして、アメリカにとって役に立つ為には、日本は現在衰退している経済を回復させねばならない。日本の主要な貿易相手、製品の主要輸出先は中国なので、これは実際には無理難題だ。釣魚台/尖閣諸島を巡る紛争の最近の激化による中国の日本製品ボイコットで、日本は大いに傷ついたが、中国経済にはほとんど影響がなかったことで、これが明らかになった。しかし、またもやアーミテージとナイは期待を抱いている。彼らの解決策は、日本が原子力発電を回
復し拡大することだ。(アメリカ環境保護主義者達が、一体なぜこれについて発言していないのか、そして、日本の環境保護主義者は、日本に対するアメリカで孵化したこうした計画について知っているのかどうか不思議に思う)。更に、アーミテージとナイは、日本をアメリカにより惹きつける為の更なる贈り物として、北米の液化天然ガス(LNG)や他の石油製品を申し出ている。彼等はこう書いている。“米本土におけるシェール・ガス革命とアラスカの豊富なガス埋蔵
量は、日本と米国に相補的な機会を提供する。米国は2015年までにハワイとアラスカを除く48州からLNGの輸出を開始するはずであり、日本は世界最大のLNG輸入国であり続ける。1969年以来、日本は比較的小量のLNGをアラスカから輸入してきたが、特に3.11を踏まえて、LNGの輸入先を増やして多様化する必要があり、LNG取引リンクの拡大に対する関心が高まっている。”またもや、この件に関するアメリカの環境保護主義者の意見は一体どうなのかと不思議に思うことになる。

日本が東アジアで中国をしのぐという考えは、経済的に夢物語だ。アメリカと協力しようとするまいと、中国の人口は13億人で、日本は1.3億人だ。日本が長期的に中国に対する本格的挑戦者として登場するのを期待するのは、近い将来、人口3400万人のカナダが、人口3.15億人のアメリカに挑戦できるのを期待するようなものだ。しかも中国には活気ある経済、教育水準の高い労働力と、“西欧化”するまで、日本が影響を受け、見習ってきた、無視することの出来ない文化がある。

そこで、そのように巨大で強力な隣人を前にして、一体何が日本の防御になるだろう?
一つには、日本は、確かに、いかなる方向からの武力侵略も阻止する高度な技術と核兵器開発の潜在力という必要手段を持っている。もう一つは、中国が対外拡張政策をとらない実績は、中国が世界の主要海軍国であったのに、決して征服したり、植民地にしたり、奴隷をとったりしなかった1400年代にまでさかのぼれることだ。しかし日本の安全保障の大きな部分は、主権を強調した国際法を益々尊重することにある。国際法の主権の概念は、大国の掠奪からの小さな国々の
保護だ。そして、皮肉なことに、主権という考え方に対する主要な脅威は、古典的な主権の概念を損なう先制攻撃戦争と“人道的”介入をするアメリカ合州国と西欧から来るのだ。日本は、そのような大国とのお付き合い、そのような考え方を支持することには注意を払うべきだ。

日本にとって、誘惑に乗って、アメリカの東アジア構想の縁で手先になるのは馬鹿げている。日本の選挙後数週間の、中国と日本の間の外交的やりとりは、多くの日本人がこれを認識していることを示している。日本と中国は、益々、平和という構造の中で、意見の違いを何とか解決しようとしているように見え
る。我々はそう願うべきで、日本人もそうあるべきだろう。誘惑に乗ると、全責任を押し付けられる羽目になることが多いのだ。

John V. Walshには、[email protected]で連絡ができる。

記事原文のurl:www.paulcraigroberts.org/2013/02/08/u-s-goading-japan-into-confrontation-with-china-by-john-v-walsh/
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冒頭の斜体は、ポール・クレーグ・ロバーツ氏の文章。antiwar.com等の文章では冒頭ハムレットの引用があるので、追加した。

尖閣紛争、竹島紛争、ロシア空軍機南下、そして、きわめつけ、大本営広報朝刊の無い、国会中継のさなかを狙ったような北朝鮮核実験。

北朝鮮から飛来する放射能を調べるべく、軍用機が集塵機を付けて飛び立つ光景を再三みせられる。中国PM2.5の次に、北朝鮮からの放射能が恐ろしいと説教してくださる。

新橋で号外を配る姿。「おそろしい」とおっしゃる叔母様達を報じる連中、大本営広報部というより、ハーメルンの笛吹男の巨大組織。国民全体を地獄に連れ去る輩。

どう考えても、福島原発から飛び散った放射能、そして今も放出され続ける放射能の方が深刻だろう。そして農産物・乳製品・魚・水。

わざわざ核ミサイルを打ち込まずとも、原発に普通ミサイルを命中させるだけで同じ効果は得られよう。北朝鮮の核ミサイルより、原発(停止中といっても、発電を停止しているだけで、大変な熱は出し続けている)事故や、使用済み燃料プール水漏れのほうが恐ろしい。

福島原発災害問題より、尖閣問題の方が深刻なわけがないだろう。

自民党による長年の原発推進努力の結実として、膨大な国民が家も職も失い、広大な領土が失われた。それを目隠しするため、わざわざ、ことを荒立てているのが尖閣。

逃げ場の無い汚染不沈空母生活、北朝鮮の核ミサイルなどなくても十分恐ろしい。

そして、壊憲・国防軍・集団的自衛権で、国民を宗主国の鉄砲玉にする。ところが、それを称賛する多数の国民の皆様がおられる。

というわけで、またもやハワード・ジンを思い出す。

ハワード・ジン「歴史の効用とテロリズムに対する戦争」を語る から引用しよう。

それでこの心理学者は記録をとり、実際、戦争から数年後に「ニュルンベルク日記」という本を書きました。自分が書いたことを本に書いています。ヘルマン・ゲーリングとの会話を記録したのです。彼はゲーリングに、ヒットラー、ナチスがドイツ人を一体どうやってあのように馬鹿げた戦争と侵略の破滅的政策を支持するようにできたのか尋ねたのです?で、手元にそのノートがたまたまあるのですが。我々はいつも言うのですね。「たまたま、これが手元にありまして。」

ゲーリングは言っています。「もちろん国民は戦争を望んではいない。なぜ畑にいる貧しいまぬけが、自分の命を戦争にさらそうなどと望むだろう?だが、結局、政策を決定するのは国家指導者だ。国民はいつでも指導者達の命令に従わせることができる。連中に、我々は攻撃されているのだと言って、平和主義者は愛国心に欠けると非難するだけで良いのだ。これはどこの国でも同様に機能する。

私には最後の行が興味深いものでした。「これはどこの国でも同様に機能する。」つまり、ここで、彼らはナチスです。あれはファシスト体制です。アメリカはデモクラシーです。けれども、自分の国を何制度と呼ぼうと、これはどこの国でも同様に機能するのです。自分の国を全体主義国家と呼ぼうと、あるいは自国をデモクラシーと呼ぼうと、同じように機能するのです。つまり、国家指導者達は国民を、丸め込んだり、無理強いしたり、唆したりして戦争をさせることができるのです国民を脅かし、国民が危険な状態にあると言い、もしも支持しなければ、非愛国的と見なされるぞと国民を脅迫し、無理強いして。そして、これが9/11直後にこの国で本当に起きたことなのです。これがブッシュがイラクの大量破壊兵器という妖怪をよみがえらせた直後に起きて、しばらくの間アメリカ国民がこれを支持するようにさせたわけです。

ジャーナリスト達はI・F・ストーンからは学ばないのでしょうか?「ひとつだけ覚えておくように」と彼はジャーナリズムを勉強している若者に言いました。「ひとつだけ覚えておくように。政府は嘘をつくものです。」ところがマスコミはそれには注意を払わなかったのでしょう。マスコミは支持したのです。彼らは大量破壊兵器というアイデアを喜んで受け入れたのです。覚えておいででしょう。コーリン・パウエルがイラク戦争開始の直前に国連に登場し、彼によればイラクが所有するのだといううんざりするほど大量の武器を国連で説明し、大変な詳細まであげたのです。この弾筒がいくつあるか、これが何トンあるか、云々と。そして翌日、新聞報道は称賛で輝いていました。彼らは、質問してみるという、自分たちの仕事をしなかったのです。彼らは尋ねるという自分たちの仕事をしなかったのです。「どこに?あなたの証拠は何ですか?どこからそ
うした諜報情報を入手したのですか?誰と話をしましたか?あなたの情報源は何ですか?」

そして、この記事の、ナイ報告書による日本経済回復要請のくだり。

かくして、アメリカにとって役に立つ為には、日本は現在衰退している経済を回復させねばならない。日本の主要な貿易相手、製品の主要輸出先は中国なので、これは実際には無理難題だ。

円安状態に対し韓国やドイツから苦情は聞こえるが、宗主国からお叱りの声、聞こえてこないのは、参院選大勝まで頑張れと、有り難いご支援・ご鞭撻を頂いているのだろうか。

ムチと飴を絵に描いたようなお話。

「原発を維持、拡大しろ」という部分だけで、この悪魔のささやき、底が割れている。他の項目も、すべて、宗主国が自分の為を思っておしつけるご命令。属国から絞れるだけ絞りとってこそ宗主国。慈愛・恩恵を与えたいがゆえに属国を維持する帝国はない。

    • 原発再開・増強
    • 集団的自衛権
    • 憲法総書き換え
    • TPP加盟
  • シェール・ガス

トモダチなら兵士の賠償金は自分で払え!欠陥原発を売りこんだ賠償を払え!と、皆様は思わないだろうか?

数日前、夕刊に「なぜ米兵の犯罪はへらないか?」という属国記事があって驚いた。

「なぜ米軍基地はなくならないか?」だろう。

米日同盟 アジアに安定を定着させる CSIS 国際戦略研究所 日本講座 報告書 執筆者リチャード・L・アーミテージ、ジョセフ・S・ナイからの引用部分、下記のIndependent Web Journal翻訳を利用させて頂いた。ただし、原文注記の柳井報告部分、見当たらない為、拙訳。この方、またもや有識者会議に再登場されている?

2013/02/03 【ブログ記事】「第3次アーミテージレポート」全文翻訳掲載

傀儡政権による、原発再稼働・増設、TPP加盟、憲法総入れ換えの背後にあるこの必読レポート、年次改革要望書同様、大本営広報部マスコミ、決して詳細を論じない。太鼓持ち大本営広報部マスコミが隠し続けている話題、この

    • 米日同盟報告書
    • TPP加盟、そして売国政党の
  • 日本国憲法壊憲案

のトリニティー、三位一体こそ、この属国に対する喫緊の危機。

国会の「未来の総理」と現総理、ロボット・お坊っちゃまTPP茶番問答、見るに耐えない。

TPPについては「例外なき関税撤廃」反対しか言わない。

関税が問題なのではないこと百も承知だろう。非関税障壁をなくせと、制度破壊を強制されるのが厄介なのに。

米韓FTAで、ISD条項がどれほど強烈か、翻訳掲載しておられる方がいる。

街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋
2013年1月31日ISD条項の罠

お二人の巨頭が提案してくださっているシェール・ガス、フラッキングという手法で採掘するそうだが、その公害、すさまじいものらしい。下記記事には驚かされた。

「食料供給システムを脅かすフラッキング」エリザベス・ロイト 訳=宮前ゆかり、荒井雅子 『世界』2013/3月号

追記:2013/2/25

2013/2/25の孫崎享氏twitter を引用させていただく。要するに、二流国の首相、CSIS第3次アーミテージレポート」を書いて、指令して下さった、ジャパン・ハンドラーの皆様のご期待どおりに何でもいたします。と「優等生」のお答えをしたにすぎない。上記記事警告通りの結果。

奴隷根性丸出しの安倍首相、安倍首相、CSISでのスピーチ次で開始。「ハムレさん。アーミテージさん、ありがとうございます。グリーンさんもありがとうございました。」そして「アーミテージさん、わたしからお答えします」で演説開始。驚愕。演説の冒頭は、重要な来客に向けて行うもの。
主な来客が、ハムレ、アーミテージ、グリーン。とても一国の首脳が行う時の主要ゲストのレベルでない。更に「アーミテージさん、わたしからお答えします」とジャパンハンドラー・アーミテージに報告の形で演説開始。全く奴隷根性露出の演説。考えてみればオバマ大統領の外交顧問だったブレジンスキーは日本を保護国と呼んだ。奴隷国・保護国、日本の伝統が見事、安倍首相に引き継がれている。そして日本国民が拍手喝采、奴隷国家日本の面目躍如

2015年8月20日 (木)

ニュージーランド: 環太平洋戦略的経済連携協定に何千人もの抗議行動

By our reporters
2015年8月18日

土曜日、提案されている環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に反対するニュージーランドの抗議行動で、25,000人以上の人々が行進した。21の都市や町での集会は、3月の反TPP抗議行動規模の三倍で、緊縮計画や、大企業や政治エリートの陰謀への反対が増大したことを示している。オークランドでは、10,000人以上が参加し、首都ウェリントンでは、5,000人、クライストチャーチでは4,000人だった。

抗議行動は、“TPP破棄!”というスローガンの下、ニュージーランド国民党政府に、交渉から撤退するよう圧力をかけることを目指す“行動週間”の頂点だった。12ヶ国の貿易大臣が、日本からチリまでの太平洋を囲み、世界経済の40パーセントを占める貿易圏を交渉している。乳製品参入を巡って一歩も譲らないニュージーランドや、自動車を巡って対立している日本とアメリカを含む鋭い対立が続く中、今月始め、交渉は行き詰まった。


ウェリントン反TPP行進の一部

ニュージーランド政府はTPPの熱心な擁護者だ。ところがニュージーランド・ヘラルドによれば、先週土曜、ティム・グローサー貿易相は、協定を早くまとめたがっている他国政府から“日本、カナダや、アメリカ合州国の厳重に保護された市場への、ニュージーランドの乳製品輸出拡大要求で屈服するよう強烈な圧力”をかけられていると述べている。

“自由貿易”協定とされているが、TPPは、実際は、協定から事実上排除されている中国に対して向けられたアメリカ“アジア基軸”の経済兵器なのだ。アメリカ・コングロマリットや、他の多国籍企業と緊密に相談しながら、協定は秘密裏に交渉されている。

アメリカは、国有企業を優遇するものを含む国別規制措置の解体と、ソフト、メディアや医薬品等の主要分野におけるアメリカ企業の“知的所有権の保護を強要している。これに合致しそこねた政府は、何百万ドルもの訴訟、あるいは、アメリカ市場からの排斥に直面しかねない。

金曜日、TPP抗議行動に対して警戒し、そばに寄らないようオークランド在住のアメリカ国民に忠告する前例の無い声明をアメリカ国務省が出したことで、交渉を巡る緊張が浮き彫りにされた。オークランドのアメリカ総領事館は、“抗議行動が平和なものを意図していても、対立的なものになりかねないので”アメリカ国民は行進を避けるよう電子メールで促した。

ニュージーランドにおける反TPP抗議行動は、過去三年間、様々な社会階層を惹きつけて拡大してきた。全ての既成政治勢力が、金融エリートによる緊縮計画の押しつけを支持している状態で、抗議行動は、全般的な政治・社会的不満の手段になる。

行進の横断幕は、医療の受けやすさ、グローバル企業の権力や強欲、“チャーター・スクール”の勃興や、地球温暖化を含む、様々な話題を掲げていた。国家秘密と、政府がTPP協定文章の公開を拒否しているが主な懸念だ。

ところが、ワシントンの対中国戦争準備増強や、深化する資本主義の世界的危機に根ざす、市場原理主義的再編への取り組みに異議申し立てをするどころか、反TPP運動主催者達は、反対を反動的な民族主義的、保護主義的方向に逸らす為、時間をかけて動いてきたのだ。TPPは、ニュージーランドの“主権”や“自らの法を制定する”権利を脅かすというのが彼等の主張だ。

抗議行動は、様々な労働組合、学者、グリーンや、マオリ民族主義者のマナ党等の統括団体である組織“我々の未来のニュージーランド(It’s Our Future New Zealand)”が主宰した。これは、TPPを、彼等自身の経済権益に対する脅威と見なしている特権的な中産階級層、現地企業や、マオリ・エリートを代表している。オークランド集会での演説の主な話題は、TPPは、何百万ドルもの金を、マオリ部族の事業に提供する、国が支援する仕組みである、ワイタンギ条約を損なうというものだった。

集会において重要な存在としての政党は、ニュージーランド国民党が率いる政府の連立与党で、反労働者階級の緊縮計画を支持しているマオリ党だ。マオリ党共同代表者のマラマ・フォックスは、厚かましくも貧者支持者のふりをし、マオリは、自分達の“主権が剥奪される”のが“どのようなことかを知っている”と宣言した。

マオリ“主権”要求の意味は、2011年にマオリ党から分裂したが、同じ資本主義志向の綱領のマナ党が詳細に述べている。マナ党のウェブ・サイトは、“現地生産よりも多国籍企業を優遇し、地域企業の支援を妨げる”自由貿易協定からの撤退を要求している。

俳優組合副委員長、テッド・リッポンは、ウェリントン集会で、三つの主要テレビ局で、放送された国産ドラマは、わずか一本だと述べた。リッポンによると、1994年の世界貿易機関の協定は、ニュージーランドが、“先住民向け”放送を除いて、現地製コンテンツ割り当てを課するのを非合法にした。リッポンは、そうした保護主義的措置を強力に擁護し、現地俳優達は“極めて裕福なアメリカ企業の為に、排斥されるのが一体どのような気分か知っている”と述べた。リッポンは、ローカル・コンテンツは“国のアイデンティティーや、自己意識や、誇り”を促進する為に、極めて重要で、TPPは“小さく、美しく、脆弱な”ニュージーランドを脅かしていると主張した。

“民主主義”と“我々自身の法律を、我々自身の国で制定する権利”の為、“武力”によって遂行された、第一次世界大戦へのニュージーランド参戦を、ドキュメンタリー映画監督のブライアン・ブルースが、戦争賛美的に言及しているのは意味が深い。実際、イギリス帝国を守る為、第一次世界大戦の大虐殺に、ニュージーランドが参戦し、18,000人以上の青年の死亡をもたらしたのだ。

オークランドやウェリントンで演説した人々の誰も、オバマ政権の対中国戦争準備におけるTPPの役割には触れなかった。彼等は、ニュージーランド軍と、諜報機関を、反中国“基軸”に組み込む動きについても、沈黙していた。これは偶然ではない。“我々の未来のニュージーランド(It’s Our Future New Zealand)キャンペーンの民族主義的視点は、ニュージーランドを、アジア-太平洋地域における自らの野望を持った弱小帝国主義国家としてではなく、“外国の”ご主人達に支配されている植民前哨基地として描き出している。

TPP抗議行動で積極的な多数の組織が、深まる社会的不満を、反動的方向へと逸らす為、反中国外国人嫌いを強烈に推進している。2012年以来、グリーンと、マナ党は、ニュージーランド労働党や、反移民のニュージーランド・ファースト党と共に、中国からの投資に反対する抗議行動に関わってきた。この活動は、ニュージーランドをより完全に戦争への動きに取り込もうというアメリカの取り組みと符合する。

ウェリントン集会の締めくくりで、高等教育組合委員長のサンドラ・グレイが、抗議行動の視点の破綻を明確に示していた。“民主主義”の為の様々な扇動的呼びかけをした後グレイは国会議事堂を指さして、こう宣言した。“これは我々の議会だ、彼等は耳を傾けるだろう。”

実際、TPPは、戦争への執拗な動きと、世界的な資本主義破綻の重荷を労働者に対して、押しつける一環だ。世界規模の計画社会主義経済を樹立する為、利潤制度や、そのあらゆる手先に対する統一世界闘争によってしか、労働者階級は、その利益を守ることができない。これには、あらゆる形の国粋主義や狂信的愛国主義を拒否し、帝国主義と戦争に反対して、世界中の労働者が団結することが必要だ。

記事原文のurl:http://www.wsws.org/en/articles/2015/08/18/nztp-a18.html
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戦争法案成立のはるか前に、防衛大臣が、アフリカでの自衛隊活動を検討させている大問題は一切報道せず、伝えるのは高校野球、猟奇的誘拐殺人事件、タイ爆弾テロ事件のみ。洗脳大本営広報部大政翼賛会。

一方、さすがに民放は、防衛大臣の「存在を知らない」から、「自分が指示した」という支離滅裂答弁を報じている。

この活動は、日本をより完全に戦争への動きに取り込もうというアメリカの取り組みと符合する。

「自衛隊を、アメリカ軍の二軍にして、世界中に出せと言われています」と与党幹部の顔に書いてあるとしか、素人には読めない。支離滅裂さの背景、宗主国の無理難題にあるだろう。

談話を巡って、アメリカの東アジア専門家三人が、ワシントンで議論、評価をして下さったという記事を夕刊でみかけた。ヘリテージ財団上院研究員、CSISの彼氏、ブルッキングス研究所研究員。書く内容を事前に細かく指示しておいて、発表後、評価するという手前味噌。

談話、もともと英語で宗主国に向けて書かれたのではという岩下俊三氏記事を拝読したばかり。

「70年談話」の内容より腹痛を懸念する。

記事は、ニュージーランドの反TPP運動に対する手厳しい意見。

大本営広報部による徹底的な洗脳のおかげで、反TPP運動が停滞し、wsws存在感が皆無な日本に対するご意見を伺いたいもの。

日本なら、人口比でいえば全国で75万人のデモ。戦争法案、反原発デモ並み動員数。
動員数の違いには唖然とするばかり。

民主党は安保法制、TPP、原発で旗幟(きし)鮮明にする -政権奪還には「昔の民主党」との決別が必要- 15.08.17 しのはら孝

実にごもっともだが、篠原氏のようなまともな考え方の民主党議員、一体何人おられるだろう。大半、所詮は自民党別動隊ではあるまいかと危惧している。

前回選挙で、山田正彦元農林水産大臣を含む、まっとうな民主党議員の皆様ことごとく落選した。一方、傀儡両与党や、異神や、解党したやつらや、将来世代を破壊する連中、いずれも自称野党、実質自民党別動隊、TPP・戦争法案賛成派がこぞって当選した奇怪な状況。

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

2015/08/11 「現在は、幕末・維新期に次ぐ第2の国難に見舞われた状態」ハワイでのTPP閣僚会合をどう見るか ~現地入りした山田正彦元農水相、内田聖子PARC事務局長に岩上安身が聞く

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2015年8月19日 (水)

だまされやすいアメリカ人、フォーエバー

Paul Craig Roberts
2015年8月17日

“次に、政治家連中は、攻撃されている国に罪をなすりつける、ちゃちなウソをでっちあげ、誰もが、こうした良心を慰めてくれるウソを喜び、それを熱心に研究し、そうした物に対するいかなる反論も検討するのを拒否する。かくして彼等は、間もなく戦争は正しかったと納得し、このおぞましい自己欺まんの後で享受できるより良い睡眠を、神に感謝するのだ。” マーク・トゥエイン

今日のNPRニュースを聞いて、かつては独立していたこのメディアが、如何に徹底的に身売りしてしまったのかを実感させられた。

マーク・トゥエインの上記の言葉も思い出した。トルコでは、ゴムボートによる、ギリシャへの航海を待って、シリア人が行列をしていると、NPRは報じている。NPR報道によれば、トルコには、200万人のシリア人難民がおり、250,000人のシリア人が殺された。NPRは、この膨大な人数の人々の殺戮や避難の原因については、何も語っていない。まるで、こうした人々の窮状が、何もない所から突然生じたかのようだ。シリアに対して、ワシントンが、ISIS、アルカイダ、トルコ、アメリカやNATOの空軍や、ワシントン傀儡の中東諸国をけしかけた事実は触れられていない。NPRの見方は、ワシントンと同じだ。アサドが辞任し、シリアをワシントンに引き渡しさえすれば、万事うまく行く。

アメリカ政府がシリアに対して行った残虐行為を恥じるあまり、アメリカ国民は、毎晩床についても、眠れないというわけではない。イラクにも。リビアにも。アフガニスタンにも。パキスタンにも。イエメンにも。ソマリアにも。ウクライナにも。セルビアにも。売女マスコミによれば、これら大惨事の全てが、アメリカが戦わなければならない闇の勢力の仕業だ。これは、ひたすら、軍安保複合体の預金残高の利益の為に、大衆感情を支配する狡猾な画策だ。

アメリカにおける、実際は、欧米中における公的論議の堕落は徹底的だ。公的機関からも、私的機関からも、信頼できる報道は皆無だ。経済報告は、アメリカがうまくいっているというイメージを維持するためのプロパガンダだ。ロシア、ウクライナや、イスラム教徒に関する報道は、ワシントンと軍安保複合体にとって、更なる権力と利益を保証する恐怖を、だまされやすい連中に吹き込む様に作られたプロパガンダだ。

アメリカ人は、今までで最も身ぐるみを剥がし易いヒツジであることを証明したわけだ。

アメリカ人のだまされやすさが、世界をハルマゲドンで脅かしているのだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/08/17/gullible-americans-forever-paul-craig-roberts/
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報道機関の名前を、某局にかえれば、そっくりそのまま。

戦争法案の核心、「集団自衛権」の相手は、基本的に宗主国。つまるところ、宗主国侵略戦争に、「切れ目なしに」いつでも、どこでも、いつまでも参戦可能にする為の仕組みだろう。とりあえずは、アフリカあたりから始めるのだろうか。

非戦憲法を解釈改憲し、宗主国侵略戦争で、血を流す意味、庶民にとっては全くないだろう。世界で重宝されたトランジスタ商人が、世界から「切れ目なしに」嫌われる死の商人になるだけ。

戦争法案が成立すれば、この記事と同じ結論になる。

日本人は、今までで最も身ぐるみを剥がし易いヒツジであることを証明したわけだ。

日本人のだまされやすさが、世界をハルマゲドンで脅かしているのだ。

2015年8月18日 (火)

ウクライナ戦争に関する、もう一つのデマ宣伝

Eric Zuesse

2015年8月17日
Global Research

以下は、アメリカ合州国では、現在のアメリカ政府によるウソに関して、あらゆる大手ニュース・サイトや、Common Dreams、Alternetや、Truthoutなど大半の‘非体制派ニュース・サイト(こうした非体制派ニュース・サイトの一部は、ロバート・パリーや少数の他の定評あるジャーナリストによる、関連する事柄について気の抜けた報道を載せている)で禁止されていることに関するものだ。

8月15日、ウラジーミル・コルニロフが、彼のフェースブック・ページに、独立した他のウェブサイトから注目を浴びつつある素晴らしい疑問を投稿した。

私は不思議に思っている。DNI[通称、ウクライナ‘反政府派’と呼ばれている]軍兵士が、退役ロシア軍人の場合、欧米はすぐさま、"ロシアの侵略"について報じる。ところが、EUの退役(退役軍人だと信じたとして)傭兵が、APU [通称、ウクライナ政府と呼ばれている]側で戦っている場合、同じマスコミは、一体なぜ "欧州連合の侵略"について書かないのだろう。

(ウクライナ内戦に関する欧米マスコミの、ロシア軍そのものが、ウクライナ内戦に参戦しているというデマ宣伝に焦点を絞っているので、これは素晴らしい疑問だ。(ウクライナで最後の本当の民主的選挙で、住民達が実際に、90%以上投票した人物が、2014年2月の暴力的なアメリカ・クーデターで大統領の座から追い出された後、分離主義地域の住民は、民主的選挙に全く参加もしていない、押しつけられただけの、キエフのウクライナ政権による侵略や、基本的にアメリカが支援する、民族浄化作戦から、自分達の家族を守っている、自ら立ち上がった一般市民の軍に対し、専門の軍事顧問を送り込んでいるのみならず)ロシア軍そのものが、ウクライナ内戦に参戦しているという、ウクライナ内戦に関する欧米マスコミのデマ宣伝に焦点を絞っているので、これは素晴らしい疑問だ。

ロシア国軍は、アメリカが引き起こしたウクライナ内戦に参戦していない。それが事実だ。それとは逆の主張は、アメリカ政府とウクライナ政府のウソ以外の何物でもない。

ウクライナ政府による、こうした旧ウクライナ地域への爆撃が、こうした住民全員を侵略者に対し、‘テロリスト’と呼んでいる政府に対し、現地の何千人もの住民に、武器を持って立ち上がらせているわけではないと、アメリカ政府は、大衆をだまして、信じ込ませようとしているのだ。

ウクライナ政府と、連中を権力の座に据えたアメリカ政府の主張にもかかわらず、ウクライナ政府は、自分達がロシアに対して戦っていると、ひたすら願っていて、アメリカ政府と、アメリカの同盟諸国に、自分達に、更なる兵器を供給してくれるよう要請し、そういうことが起きるようにしようとしている。8月15日、ウクライナ政府のサイトは、“ウクライナ軍は、飛行機、ヘリコプターとミサイルを使用したロシアとの戦争の用意はできていない - 専門家”という見出しで "軍・転換・武装解除センター理事長、ワレンチン・バドラクの言葉を引用している。この専門家によると、'クレムリンは、ウクライナ兵員の最大損失を狙っている[ウクライナが、ロシアを侵略したような場合 - 侵略は、一部のウクライナ指導者達が大いに望んでいる]が、結局のところは、クレムリンのボス達が、最新の飛行機、ヘリコプターやミサイル技術を使った戦争を引き起こすと決めることができるというのが私の意見だ。’”

もちろん、戦争が始まって以来、自らの空軍を持たない住民側の飛行機によってではなく、ウクライナ政府の飛行機によって、この地域の住民達爆弾が投下されてきたのだ。

2014年9月19日、"ロシア指導者プーチン、ロシアの一部となろうとするウクライナ分離主義者の狙いを拒絶”という見出しで、"ウクライナ分離主義者指導者達は、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンに、彼らの地域を、ロシアの一部として受け入れさせようという取り組みは、プーチン政権によって、きっぱり拒否されたと述べたと、私は報じた。そこで、'我々は自分達の国を作る。’”となったのだ。そして、それ以来、プーチンは、メルケルや、他の外国指導者達とのあらゆるやりとりで、ロシアは、この地域を、ロシアの一部として受け入れないことを極めて明確に語ってきた。彼は理由も明らかにしている。彼としては、90%以上が、ウクライナを率いるよう、中立主義者のヤヌコーヴィッチに投票した、この地域の住民は、ウクライナ国内の有権者のまま残って、オバマの2014年2月クーデターで、(ロシア隣国)ウクライナの権力の座にすえつけられた、猛烈な反ロシア人種差別主義者に対する必要な緩和要素、拮抗勢力となって欲しいのだ。

言い換えれば、ウクライナ政府は、ロシア政府と戦争をしていないのみならず、ロシア指導者ウラジーミル・プーチンも、その様な戦争が起きるのを防ぐため、できる限りのあらゆることをしている。

実際、アメリカ合州国が、2013年始めに組織して始めたクーデターで、2014年2月に、ウクライナ政府を打倒し、置き換えるまで、ウクライナに内戦は無かった。それまでずっとそうであった様に、平和だった。

オバマは、リビアを破壊し、ウクライナも破壊し、この全てを推進した、もっぱら、ロシアを征服すようという彼の執着で、今やシリアを破壊している。そして今、ウラジーミル・プーチンは、欧米‘ニュース報道’機関によって悪魔の様に描き出されている

欧米では‘ニュース’はそのようにして‘報道’される。犯罪人を守る為に(そして、罪を実際の犠牲者になすりつける為に)現実の見掛けをよくする様なことをしない、この様なサイトを除いては。

実際、対ロシア経済制裁の、あらゆる口実は真っ赤なウソだ

証拠を見たい場合、いつでも、それぞれのリンクをクリックして頂きたい。(例えば、ここでは、オバマの配下連中が、彼らのクーデターが済んだ後、実際に、ウクライナに誰を据えつけるか計画している様子が聞ける。これほどのあくどさが明らかになった後でさえ、プーチンに対して尊大に振る舞えるオバマは、大した度胸だ。)

注: ウクライナ国軍が、ロシア軍というよりも、ドンバス(有権者の90%以上がヤヌコーヴィッチに投票した旧ウクライナ地域)の住民に敗北しつつあるという現実を否定するほど、欧米プロパガンダにだまされている、様々なウェブサイトの読者から、実に多数のコメントを頂いた。それゆえ、ウクライナ人将軍がこう言っているリンクというリンク以上の説明が必要だと私は今認識している。彼の声明は、この文脈で理解すべきだ。文脈は、これだ。彼は、ウクライナ国民に、ウクライナ国軍の敗北が、ドンバス住民によるものであることを説明するため、テレビ出演したのだ。彼には、だまされているウクライナ国民にも、多少の現実をしみ込ませる必要性があったのだ。ウクライナのあらゆる問題を、ロシアのせいにする公式プロパガンダと矛盾することを避けられる限りのあらゆることを彼は説明した。彼は、国民も、彼の軍隊が、実際には、ロシアではなく、ドンバス住民に敗北していることを理解して欲しかったのだ。たとえ独裁政治においても、時には、ある程度の誠実さが必要なのだ(この場合、ワシントン発)。そこで彼は、国民に、ウクライナ国軍が、実際は、ドンバス住民に敗北したことを理解させることが必要だったのだ。この敗北の程度を明らかにしてくれる、当時のニュース報道のいくつかは下記の通り。

23.1.2015 http://rian.com.ua/columnist/20150123/362446425.html

25.1.2015 http://www.kyivpost.com/multimedia/photo/ukraine-hides-devastating-losses-as-russia-backed-rebels-surge-forwards-378321.html

26.1.2015 http://rian.com.ua/story/20150126/362589244.html

もし、ウクライナ勢力が勝利していた時に、彼がこれを言っていたなら、彼は、ドンバスを越え、更に進撃し、ロシアそのものに侵略する‘必要性’(クーデター政権指導部の非常に多くが、そうしたいと語っている)について演説していた可能性がある。だが彼は、そうではなく、国民に十分に理解される為には、ある程度、最小量の現実主義が必要な時期に、この発言をしたのだ。これは恐らく、彼が代表するアメリカ傀儡政権が望んでいた以上に、彼自身の愛国心によるものだが、彼はここで、明らかに多少の誠実さの必要性を感じていたのだ。ワシントンにいる政権のご主人達が何を望んでいるかとは無関係に、彼はある程度の真実を告げねばならなかったのだ。結局、究極的に、何とか勝利するためには、その様な勝利を実現できるようにするには、自分自身の軍隊が必要で、その家族達も少なくとも多少は現実を理解することが必要であることを彼は分かっていたのだ。ワシントンからの支援は、独力で、そういう仕事をするのに決して十分ではないことを彼は知っているのだ。

調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。

Global Researchに寄付する

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/another-big-lie-about-ukraines-war/5469542

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参議院での戦争法案審議は延期された。多くの方が熱心に観戦される野球、まったくわからないので、放送も新聞記事も全く見ずにいる。ニュースの時に見させられる顔だけは覚えるが。

「国会周辺は騒がしいが、銀座や後楽園球場はいつも通りである。私には“声なき声”が聞こえる」と彼の祖父はいった。

「国会周辺は騒がしいが、銀座や甲子園球場はいつも通りである。私には“声なき声”が聞こえる」と彼は思っているだろう。

日本でも‘ニュース’はそのようにして‘報道’される。犯罪人を守る為に(そして、罪を実際の犠牲者になすりつける為に)現実の見掛けをよくする様なことをしない一部のサイトを除いては。

2015年8月17日 (月)

プーチンは、アサドを売り渡そうと計画しているのだろうか?

Mike Whitney

2015年8月15日
" Counterpunch"

シリアにおける、モスクワの地政学的目標は、ワシントンの目標と正反対だ。この単純な事実を把握することが、戦争で荒廃した国で、実際に起きていることについてはっきり理解する為の最も容易な方法だ。

ワシントンが望んでいることは、“シリアの脱構築: 最も絶望的なアメリカの戦争用の新戦略”と題するブルッキングス研究所のマイケル・E・オハンロンによる論文で、詳細に説明されている。以下は、その抜粋だ。

“…唯一、現実的な今後の方向は、実際は、シリアを脱構築する計画かも知れない…。時間とともに、シリア国内に、より存続可能な安全保障と統治がある小さな地域を作り出す様、国際社会は動くべきだ…

こうした聖域を設置すれば、自治区は、決して再び、アサドや、ISILに支配されるような可能性に直面する必要が無くなるだろう…。

暫定的目標は、いくつかの極めて自治的な区域の連合シリアかも知れない… 連合は、国際平和部隊による支持を必要とする可能性が高い…。これらの区域を、防衛可能で、統治可能…にする為。自治区は、アサドや、後継者による支配に逆戻りすることは決してないことをはっきり理解することで、解放されるだろう。”

(“シリアの脱構築: 最も絶望的なアメリカの戦争用の新戦略“、ブルッキングス研究所、マイケル・E・オハンロン)

ISISと、シリアのバッシャール・アル・アサド大統領を当面忘れ、“自治区”、“聖域の創設”、“安全地帯”や“連合シリア”等の用語に注目してみよう。

こうしたもの全てが、シリアを、アメリカ-イスラエルの地域覇権に対して脅威にならない、より小さな区画に分けるという、アメリカ政策の主要目的を強く示唆している。かいつまんで言えば、これがアメリカの戦略だ。

対照的に、ロシアは、分割されたシリアを望んではいない。モスクワとダマスカスは、長年の同盟国であるという事実はさなおいて(しかも、ロシアは、シリアのタルトゥースに極めて重要な海軍施設を保有している)、シリアを小国分裂することは、ロシアにとって深刻な脅威となるが、その中でも、特に重要なものは、テロリストを中央アジア全体に配備する作戦用の、聖戦戦士基地が出現し、両大陸を、リスボンから、ウラジオストックに到る巨大な自由貿易圏へと統合しようというモスクワの大構想を台無しにすることだろう。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、テロの脅威を極めて深刻に受け止めているが、それこそが、何故彼が、戦闘を終わらせ、シリアの安全保障を再度確立するための交渉に、サウジアラビア、トルコ、イラク、シリア、イラン、クルドや、シリア反政府集団の指導者達を参加させようとし、昼夜兼行で、働いているかという理由だ。主に、プーチンを、世界中の他の指導者達の間で尊敬される仲裁役で、テロの広がりを止めるべくあらゆる努力を払っている人物に見せてしまうという理由から、欧米マスコミで、こうした極めて重要な交渉について、事実上の報道管制が行われていることは注目に値する。プーチンを新たなヒトラーとして描き出しているマスコミとは明らかに一致しない為、連中はこうした会談を報道から排除してきたのだ。

アメリカとロシアとの違いは相いれないものだ。ワシントンは、国民国家体制を終わらせ、新たな世界秩序を作りたがっているが、プーチンは、国家主権、自決と、多極を保持すべく、現在の体制を維持したがっている。これがロシアとアメリカ間の対決の基盤だ。プーチンは、一極世界支配を否定しており、アメリカのしつこい介入、操作や、武力侵略に対抗することができる連合を構築する為、できる限り迅速に動いている。これは決して簡単なことではなく、膨大な思慮が必要だ。プーチンは、いたる所で、アメリカ・ゴリアテと対決する為の必要な手段を持ち合わせてはいないので、戦闘を入念に選び、大半、身を潜めて活動せざるを得ず、それを彼は実践しているわけだ。

過去数カ月の間、プーチンは、シリアのドラマにおける主役全員と会談を開催し、危機解決の上で、かなり前進した。現在、主な行き詰まりの原因は、アサドが大統領として残るのか、それとも、サウジアラビア、トルコやアメリカが要求している様に、排除されるのかだ。プーチンは、多くの理由から、この結果に抵抗している。第一に、信頼できるパートナーとしての彼の評判を酷く傷つけることになるので、彼は、同盟者を裏切っている様に見なされてはならないのだ。第二に、彼としては、国際法を回避し、最終的には、将来のクーデターで、彼に対して利用されかねない“政権転覆”ドクトリンに従うわけには行かないのだ。外国の指導者達が、一体誰が“正統な”指導者で、誰がそうでないか選別することを認めるのは、リビア、イラク、アフガニスタンや、今のイエメンで明らかの通り、災厄の処方箋だ。最後に、プーチンは、これだけの規模の大問題でワシントンに楽勝を許すわけには行かないのだ。結局、アサドは権力の座を去ることになるだろうが。

すると、水面下では、一体何がおきているのだろう?

6月に、プーチンは、サウジアラビア国防大臣ムハンマド・ビン・サルマン王子と、サンクトペテルブルクで会談し、“地域におけるテロと戦う同盟を設置する為の国際的な法的枠組み”に関する作業を始めた。それから間もなく、彼は、反政府集団のトップや、サウジアラビア、トルコ、シリア、イラクとイランの高官達と会っている。目標は、2012年6月30日に批准されたいわゆるジュネーブ・コミュニケを実施することだった。要するに、ジュネーブ・コミュニケは以下を規定している。

政府と反政府派、相互の同意の下で形成されるべき、双方のメンバーを含めた、完全な行政権を持った暫定管理機関の設置

意味のある国民的対話プロセスへの、シリア社会のあらゆる集団の参加

憲法秩序と、法制度の見直し

設立された新たな制度や公職の為の自由で公正な複数政党選挙

お分かりの通り、ジュネーブ・コミュニケは、中心的課題を解決していない。つまり“アサドが留まるか、去るか”だ。この疑問は、明確に答えられてはいない。これは、もっぱら“暫定管理機関”の構成と、将来の選挙結果に依存している。

明らかに、これがプーチンが望んでいる結果だ。ラブロフが二日前この様に要約している。

“私は以前にも言っているが、ロシアとサウジアラビアは、2012年6月30日、ジュネーブ・コミュニケの全ての原則、特に、シリア軍を含む政府機関を維持する必要性を支持している。テロリストに対する効果的な戦いへの参加が、極めて重要だと私は考える。

既に申しあげた通り、危機の解決については、我々は同様な立場にあるが、意見の相違もあり、その一つは、シリア大統領バシャル・アル-アサドの運命についてだ。移行期間と政治改革の諸要因を含めて、和解のあらゆる問題は、シリア国民自身によって解決されるべきだと我々は考えている。ジュネーブ・コミュニケは、これらの問題は、政府と、あらゆる反政府勢力との間の合意によって解決されるべきだとしている。”

この声明で、プーチンが本当に望んでいるものがわかる。彼は、イラク風悪夢シナリオの再演を避ける為“シリア軍を含む政府機関を維持する”ことを望んでいる。(注: ブレマーが軍を解体した後、イラクで何が起きたか想起されたい。) もう一つの破綻した、小国に分割された、最終的には、モスクワのドアを叩くことになるだろうテロリストの温床として機能する悪の巣窟をもたらす様な力の真空状態を生み出すことを、彼は決して望んでいない。彼はそのようなものを決して望んでいない。これはロシアの目的ではなく、ワシントンの目的に役立つだけだ。

また“暫定管理機関”と“自由で公正な複数政党選挙”という考えは、アサドを犠牲にしていると見られることなしに、アサドから身を引く道をプーチンに与えている。

恐らく、これを批判して、プーチンは“友人・同盟者を売り渡している”というむきもあるだろうが、それは必ずしも正しくない。彼は、二つの相反する物事を同時に調和させようとしているのだ。彼は、同盟者に対する彼の誓約を守ると同時に、彼が戦闘を終わらせるのを支援することに彼等が同意する様に、サウジアラビアの要求を受け入れようとしているのだ。確かに多少は日和見の要素もあるが、彼に他にどのような選択肢があるだろう? 実際問題としては、彼が取り引きを素早くまとめられるか、絶好の機会がバタンと閉じるにまかせるかだ。

何故だろう?

ワシントンは、そういう合意を望んでいないからだ。ワシントンは戦争を望んでいる。もし調停者プーチンが勝利すれば、ワシントンは、シリアを分裂させ、中東の地図を書き換えるという狙いを実現できなくなる。このように表現しよう。もしプーチンが、サウジアラビアを参画させられれば、聖戦戦士集団に対する財政支援のかなりの部分が干上がり、イラクと、クルド軍の支援を得て、シリア軍は戦場で大いに成功を収め、ISISは撃滅されるだろう。

これは、一体どのようにワシントンの権益に役立つだろう?

役にはたたない。たとえ、アサドが排除されても、(ジュネーブ)プロセスは、次の大統領が、抜擢されたアメリカ傀儡ではなく、シリア国民の大多数に支持される誰かにする仕組みになっている。言うまでもなく、ワシントンはそういう考えを好まない。

この計画で唯一の問題は、プーチンが極めて素早く動かなければならないことだ。アメリカは、トルコのインジルリク空軍基地から無人機攻撃と空襲を開始する許可を、既にアンカラから得ており、つまり今後、数週、数カ月間、戦闘は激化することを意味している。トルコの強硬派レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領も、シリア北部の主権領土を盗み取り、そこを“安全地帯”と宣言する為の隠れ蓑として、アメリカによる空爆を利用している様に見える。8月11日、インターナショナル・ビジネス・タイムズIBTimes記事の抜粋をお読み願いたい。

“月曜日午後、シリア国内に「イスラム国」集団のいない“安全地帯”を作るというアメリカ-トルコ共同構想の第一段階を開始すべく、トルクメン人戦士の集団が、シリアのアザズに到着したと、北シリアで戦っている二人の兵士が、インターナショナル・ビジネス・タイムズに、スカイプで語った。戦士を載せた戦車が、南トルコから、国境のバブ・アル-サラムを経て、シリアの町アザズにはいり、ISIS、あるいは、ISILとしても知られている「イスラム国」過激派集団による攻撃の波を、マレアの町で開始し、アルカイダ過激派集団アル・ヌスラ戦線を撤退させた。

“最初、誰もが、戦車はトルコ人兵士で満員だと思ったが、トルクメン人だった。” と、反政府派戦士の一人は語った。

火曜日、IBTimesがインタビューした兵士達は、トルコ国内で訓練された、シリア国内最大の穏健派-反政府連合の一つのメンバーだ。彼等は戦闘中なので、匿名を条件に語った。シリア国内で、反政府集団の同盟関係が変化するので、もし公式に正体を明かせば、報復を受けかねないと懸念しているのだ。兵士達の一人、ある司令官は、最近、首都アンカラで、シリア北部に安全地帯を作り出すことに関するトルコ・アメリカ計画にかかわる会談にトルコ政府との参加した。” (“トルコ、アメリカ、シリアISIS禁止安全地帯: トルクメン人旅団がシリアに入り込み、アル・ヌスラ戦線は出て行っていると、兵士は語る“、IBT)

そこで、トルコによって、武器を与えられ、訓練された兵士を満載したトルコ戦車が、国境を越え、シリアに入り、彼等が、おそらくはアレッポを含む領土を片付け、占領するものと期待されているわけだ。

これは、私には侵略の様に聞こえる。読者にとってはどうだろう?

結論: もしプーチンが、ワシントンが、シリアを分裂させ、テロリストの温床に変えるのを防ぎたいのなら、素早く動く必要がある。サウジアラビアを参画させ、流血の惨事を終わらせ、ジュネーブ・コミュニケを実施することだ。

これは容易なことではないが、彼は正しい軌道に乗っている様に思える。

Mike Whitneyは、ワシントン州在住。彼は Hopeless: Barack Obama and the Politics of Illusion(『絶望: バラク・オバマと、幻想の政治』)(AK Press刊)にも寄稿している。同書は、Kindle版も入手可能。[email protected]で連絡ができる。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2015/08/14/is-putin-planning-to-sell-out-assad/

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翻訳を終えて、Paul Craig Roberts氏のサイトを再確認したところ、ゲスト・コラムとして、まさにこの記事が興味深いものとして紹介されていた。全く同感。

RTを読んでいると、大統領とサウジアラビア国防大臣との会談だけでなく、シリア問題関係者とのラブロフ外相の会談の記事が目立つ。一体どういうことなのか、まさにタイトルの様な疑問をもち始めていた。

国立競技場デザイン、チャラになっても揉めている。ロゴ・デザインは訴訟問題化、デザイナー別作品は盗作発覚。戦争法案、川内原発再稼動と桜島噴火予想、泣きっ面に蜂状態。

一度苦情を書いた国会議事堂周辺の警備過剰、東京新聞8月6日 こちら特報部で大きな記事が載った。大いに納得。官邸前見守り弁護団の方々も、国会周辺の抗議活動に対する警察の過剰警備に抗議する申入書を提出されたという。「抗議参加者に対するビデオ・写真による撮影は肖像権・人格権の侵害である」という。悪いことをしているつもりは皆無だが、あの撮影は実に気になる。経験上、警察の腕章をつけた人物が、参加者を堂々と撮影している。

とんでも談話も、支持率を更に低下させているという記事をみかける。
宗主国用・大企業用政策が基本である以上、支持率回復用サプライズ策、実施しがたいだろう。
時間がたてばたつほど、宗主国・大企業用政策しか考えない政党であることがバレルだけ。戦争法案に対案を出す自称野党という偽装レッテル別動隊も実態がバレるだろう。

「平和安全法制の早期成立を求める国民フォーラム」なるものの設立が報道された。
詳細を知りたくて検索ツールで見たが、そういう組織のウェブもブログも見あらたない。
今どき、ブログも、ウェブもなしで、運動が拡大するのだろうか。
いや、こうした方々の言論を喜ぶ方々、比較的ご年配で、ネットと無縁ということを分析しておられる上での結果の可能性も高い。彼等に抜かりあるはずがない。
前列にいた方々の名前を並べ入力すると、国家基本問題研究所というものに行き当たった。

「平和安全法制の早期成立を求める国民フォーラム」あるいは国家基本問題研究所、メンバーの方々、大半重複しているように見える。恐縮ながら、基本的にこういう皆様の本を拝読したことも、講演を拝聴したこともないのだが、見覚えのあるお顔の方が一人おられた。
最近たまたま参加した立派な施設での講師として、話を拝聴したのだった。
始めて講演を拝聴するので、偶然持っていた携帯パソコンで、内容を入力するつもりだった。中国との領土問題やら珊瑚泥棒やらの方向に進むので、我慢してその場に、じっと留まったものの一言も入力しなかった。講演名さえ忘れ、内容もほとんど覚えていない。
有名大企業主宰だったが、実に困った講演。出身母体を見れば講演内容見当がつく。
知人に誘われ出かけたもので、実は「講演」題名も内容も全く知らなかった。
それでも長時間、我慢してじっと座っていたのには、個人的にれっきとした理由がある。
講演後の立食パーティーで、食事を頂き、お酒を飲むのが目的だった。それで誘われたのだ。講演で我慢した分、十分無銭飲食させていただいた。飲食内容に全く不満はない。

講師の方、電気洗脳箱バラエテイ番組解説に良く登場されているのに気がついた。

憲法擁護派団体が講演を企画すると、役所が共催を降りたり、場所を貸さなかったりするようだが、大企業がスポンサーについたこうした洗脳工作、やりたい放題では、世論の方向、庶民にとって好ましい方向に行くはずがないだろう。

もしも再度さそわれたら、是非とも立食パーティーのみ参加させていただこうと思う。

2015年8月15日 (土)

ベトナムとのアメリカの毒性‘パートナーシップ’

アメリカのベトナム戦争は、公式には、40年前に終わったとはいえ、この東南アジアの国は、アメリカ軍が残した恐るべき遺産と、いまだに戦っている。先週、アメリカのジョン・ケリー国務長官は、ハノイ滞在中に、二国がいかに“修復し”、新たな“パートナーシップ”構築しているかを褒めたたえた。

ケリー国務長官は、戦争終結から20年以上後の、1995年8月のアメリカ・ベトナム“国交正常化”から20周年について演説した。

“修復から構築へと移行するのに、20年以上かかりました。今後20年で、我々が一体何を実現できるか考えてみてください”とケリー国務長官は述べた。

アメリカ人外交官による“修復から構築へ”というのんきな説明は、アメリカのベトナム戦争による毒の遺産とともに暮らす約300万人のベトナム人に対して続いている恐怖と矛盾している。この人数は、アメリカの集中爆撃と地上戦で、戦争中に亡くなったベトナム人の総計とほぼ同数だ。

1961年から、戦争が終わる3年前の1972年までの間に、アメリカ軍は、合計757億リットルの極めて有毒な除草剤を、当時の南ベトナムに投下した。ニューヨーク・タイムズは、影響を受けた面積は、“およそ、マサチューセッツ州の広さ”、約27,300平方キロ・メートルだと報じた。これは当時の南ベトナム全領土15パーセント以上に等しい。

こうした枯れ葉剤で最も有名なものは、ベトコンと呼ばれる南ベトナム武装反抗勢力に対する、木による目隠しや、食料供給を絶つ目的で、アメリカが、飛行機や、海軍の川船から森林や作物に散布した、エージェント・オレンジだ。

ベトナム・エージェント・オレンジ被害者協会 (VAVA)によるとこうだ。“300万人以上のベトナム人が枯れ葉剤の後遺症を未だに患っている。2012年、枯れ葉剤に関連する健康問題を患っている赤ん坊が報告されているが、これは第四世代の被害者が現れたことを意味している。”

VAVA副理事長のトラン・スアントゥーは、被害者が苦しみ続ける限り、そして新たな症例が現れる限り、“戦争はまだ終わっていない”と語る。

南ベトナム全土へのアメリカの化学薬品散布による健康被害には、うんざりするほどの、癌、腫瘍、新生物、皮膚病や、先天性出生異常がある。

現在29歳のトラン・ティ レ フエンは、1975年に戦争が終わってから、10年以上後に生れた。彼女は、アメリカ軍が、オペレーション・ランチ・ハンドとして知られる、主力のエージェント・オレンジ飛行を運用していた中部ベトナムのダナン近くに暮している。トランは、ねじれて、痩せ細った不自由な両足の為、生れて以来、寝たきりだ。母親はこう語る。“色々な病院に行きましたが、治療をしてくれる病院は皆無でした。”

2013年まで、ほぼ10年間、VAVA無毒化プロジェクトを指揮してきたデンマーク人のベンテ・ピーターソンは、筆者に、エージェント・オレンジの毒で、家族全員が倒れた無数の例を回想してくれた。彼女は、特に息子を三人育てたのに、結局全員、違う癌で亡くなるのを看取るしかなかった、悲劇的なベトナム人退役軍人を覚えている。

人口比で言えば、ベトナムにおける現在の多数のエージェント・オレンジ被害者は、約1000万人のアメリカ人が、同様な命を脅かす病で苦しんでいるのと同じことになる。同様に、エージェント・オレンジの毒性に屈した何千人ものアメリカ軍退役軍人は、除草剤を製造した化学製品会社(モンサント、ダウ) から補償金を受け取っているが、ベトナム人は、ワシントンからいかなる賠償金も受け取っていない。まさに同じ裁判所が、1984年もの昔に、補償金を受け取れるようアメリカ人退役軍人に有利な判決を下しているにもかかわらず、ベトナム人被害者達が起こした集団訴訟は、アメリカ裁判所で繰り返し却下されており、最新のものは、2009年,アメリカ最高裁によるものだ。

ワシントンは、ベトナムにおける除草剤の使用は、故意に民間人を標的にしたものではないと主張している。それゆえ、エージェント・オレンジを、化学兵器としては利用しなかったと主張している。しかし、これは、何百万エーカーもの作物や森林に無差別に散布された、広範な住民が汚染されるであろうことを十分に知りながらの、ひねくれた言葉遊びのように思える。また工業分析は、1957年という昔に、ベトナムで、アメリカ軍が用いた除草剤が、極めて有毒で、発癌性のあるダイオキシンを微量に含んでいることを示していた。アメリカ人科学者や市民の反戦運動によって表明された健康への危険を巡る世論の圧力で、エージェント・オレンジ作戦は、1972年に公式に中止された。

2012年、アメリカ議会は、ベトナムの汚染された地域の汚染除去に、とうとう約4000万ドル割り当てた。全額が実際に振り向けられたか否かはまた別の問題だ。ベトナム全土の汚染除去の為のより現実的財政コストは、何十億ドルにものぼるだろうが、しかもこれは、被害者の適切な医療に必要な何十億ドルを含んでいないのだ。これまで、ダナンの元アメリカ空軍基地は、土壌や近辺の水路で、部分的な無毒化を行った。だが、何十もの、いわゆるダイオキシン“ホット・スポット”は、南ベトナム全体とカンボジアとラオス国境近くに散らばっているのだ。

マングローブの植え直しと、アメリカの枯葉作戦で破壊された高原地域に関与しているベトナム森林科学技術協会のファン・ツー・ボイは、“破壊された環境を回復するには何世紀もかかるでしょう”と語っている。

ベトナム、国民、環境を破壊してから40年後、ワシントンの“汚染除去”支援は、ベトナムに、エージェント・オレンジを散布するのに使われた208リットル入りドラム缶の一つにしか見えない。何百万人もの被害者や、これから何世代もの子供達にとって、これは全く不十分な賠償だ。

先週のジョン・ケリー訪問に関するベトナムの報道を丹念に読むと、アメリカが本当に懸念していることが分かる。ケリーは“修復”について語ってはいるが、戦争被害者の窮状や、ワシントン が直接的な医療支援を提供すべきものについては、ごくわずかしか触れなかったと報じられている。アメリカ国務長官にとって、ずっと重要だったのは、どうやら、他の東南アジア諸国11ヶ国と、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を実現しようという願望のようだ。ベトナムは、アメリカにとって、意図的にその貿易協定から中国を排除しているTPPを強固にする為の鍵と見なされているのだ。

ケリーは、ベトナム指導者達に、ワシントンはベトナムに対する武器輸出制限解除の方向で動いていると語り、中国との海上領土紛争で、アメリカがベトナムを支持することを熱心に繰り返した。

ベトナムに残した負の遺産を無毒化するのを支援するという、遅ればせながらのアメリカの動きは、2011年、ヒラリー・クリントンがアメリカ国務長官だった時に始まった。この動きは、今後、中国を最大の地政学的ライバルとして標的にするつもりであることをワシントンが合図した、オバマ大統領の下での“アジア基軸”政策とも同期していた。以来、ワシントンと北京間の緊張は着実にエスカレートしている。

だから、ケリー国務長官が、ベトナムとアメリカが“修復から、パートナーシップの構築”へと素早く動く必要性を語る際は、アメリカの本当の狙いは、対中国の地政学的計算上、ベトナムの協力をとりつけることにあると推論して間違いなかろう。

ベトナム指導部は特恵貿易特権やアメリカ戦艦の提供を喜んでいるかも知れない。だが、何百万人ものエージェント・オレンジ被害者達が証明している通り、ワシントンとのパートナーシップとされるものは、結局は有害なパートナーシップであることがわかるだろう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/08/15/america-toxic-partnership-with-vietnam.html

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てんこもり作文談話。染みだす侵略戦争積極参加意思表明の悪臭。

嬉々として戦争法案成立のお約束を英語演説する彼氏を、スタンディング・オベーションで歓迎した宗主国議会、一体どれほどありがたい代物か、考えるまでもない。

金も血もおっしゃる通り、いくらでも、いつまでも、どこへでも、提供いたしますというお目出度いカモ・ネギ属国傀儡に喜んで喝采しているだけ。

ワシントンとのパートナーシップとされるものは、結局は有害なパートナーシップであることがわかるだろう。

【岩上安身のニュースのトリセツ】安倍談話はやはり村山談話の否定だった!浮かび上がる「積極的平和主義」と「TPP」の正体 〜単なる米国の「属国宣言」に過ぎないという本質と本音

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2015年8月14日 (金)

西暦460年のローマ状態 解決不能

Paul Rosenberg

2015年8月11日
"FREEMANSPERSPECTIVE "

次のアメリカ大統領選挙時期がやってきたが、政治という下水に、時間と資金を注ぎ込み、永遠に敗北し続けようと、多数の人々が列に並んでいる。

この体制は直しようがない。「以上終わり」だ。西暦460年のローマと同じなのだ。支配者連中は、ローマと同様、ウソつきか、精神異常か、酔っぱらいか(今日では麻薬中毒)… その三つ全てなのだ。

“ローマ帝国崩壊”は、もちろん我々が学校で学ぶものより遥かに複雑だったが、長年衰退してゆく中、ローマは終始、改革して、救おうとする善意の人々で満ちていた。そして、ちなみに、中でも、ローマ体制をなんとか維持しようと懸命に頑張った人々がゴート人だった。彼等はローマを機能させ続けようと懸命に努力したが… 彼等も失敗した。

これについてはっきりさせておこう。支配階層が、ある点を越えてしまうと、改心させることは不可能になる。現代の欧米は、その点を越えてしまったと私は考えている。

    • 中央銀行連中が独占権を簡単に明け渡す等と我々は本当に信じているのだろうか?
    • 何百兆ドルもの債務が何の影響もなしに精算できると本気で期待しているのだろうか?
    • 政治家連中が権力を手放し、我々を虐待したことを謝罪するなどと本当に信じているのだろうか?
    • 議会を我が物にしている大企業が、自分達が豊かになれるゲームを放棄するなどと、我々は本気で考えているのだろうか?
    • “おや、不法な捜索や押収を禁止する合衆国憲法修正第4条は実に明快で、我々がしているあらゆることは違反している… だからここにいる全員全員首で、最後に出る人は明かりを消してください”とNSAが言うだろうなど誰が真面目に信じているだろう?
    • 軍産複合体が戦争奨励をやめたり、商業マスコミが国家称賛をやめたり、地方の保安官が警官を凶暴なけだものに訓練していることをわびたりするなどと信じている人などいるだろうか?
  • 公教育制度が、全ての費用を支払ってくれる国への称賛をやめるだろうなどと、本当に信じているのだろうか?

 

まだ延々続けられるが、言いたい事は明らかだと思う。この体制は、本格的に改革することを決して許さないのだ。この体制を直そうとするのは、ずっと前に亡くなった遺骸を生き返らせようとするようなものだ。

欧米を支配している体制は崩壊する。

より広範な欧米文明が崩壊するかどうかは我々次第だ。我々は文明を内在化させているだろうか? それとも、これは全て我々がたどってきたパターンにすぎないのだろうか?

多少の補強

この状況を評価するのは、率直に周囲を見回すだけで十分だと思う。ここで“悲観論者”役を演じるつもりはないが、多少の補強もあって良いだろう。そこで、西暦460年より少し前に、ローマ帝国で暮らしていたサルビアンという名の人物の文章から引用することにしよう。

経費が実感できなかったので、誰も国家支出について考えず、誰も国家損失について考えなかった。国家自体も、既に入手がほとんど困難になっていたものを、いかにして散財するかを追い求めてていた。既に限界を超えた富の山は、つまらないことにまで溢れ出ていた。

どこかで聞いたように思われないだろうか? サルビアンはこう続けている。

現在の状況について、一体何が言えるだろう? かつての豊穣は去ってしまった。以前の資源は消え去った。我々は既に貧困にあえいでいるのに、我々は浪費をやめようとしない。

サルビアンから、更に引用しよう。

国家が余りに酷い時代に遭遇しているので、不道徳にならない限り、人は安全ではいられない。

この最後の文章を念頭において、ジョン・コーザイン、ロイス・ラーナーや、ヒラリー・クリントンをお考え願いたい。

次に、ジュリアン・アサンジ、エドワード・スノーデンやチェルシー・マニングをお考え願いたい。

6人のうち一体誰が真実を語っているだろう? 彼らのうち一体誰がウソをついているだろう? 自らの行為で苦難を味わっているのは誰だろう? 味わっていないのは誰だろう?

未成年の少女達を追いかけることに没頭しているイギリスのエリート連中はどうだろう? 連中は一体いつ獄に送られるのだろう?

我々は、こうした体制が、正義と何か関係があるふりをし続けるべきなのだろうか? ある時点で、それは、ばつの悪いことになるのではあるまいか?

前にも書いたが、1960年代当時、私の周囲は、体制を改革し、生活を良くしようと尽力する善意の人々に満ちていた。そして現在、彼等が解決しようと献身したのと全く同じ問題が現代の問題だ。戦争、貧困、福祉、人種差別や、警察の蛮行、全く同じリストだ!

50年間の彼らの努力は全く無駄だったのだ。我々は無駄な作業を続けるべきだろうか? 何も達成できないことを称賛するのは、ある時点で、ばかげたことになるのではあるまいか?

たとえ…

この最後の点を明らかにすることが極めて重要だろうと思う。

たとえ、この体制が、あと一世紀崩壊しないにせよ、この体制内で行うことは全て無駄になる。

地球上の良識ある人々は、この蛮行よりも遥かに良い目にあうのに相応しい。

つい先頃、この考えを意識しながら、友人にこう書いた。

てっぺんから一番下まで腐れきっているので、“適切な時期”を待っている体制内“善玉”がいるなど私はもはや信じない。もうおしまいだ。

私は参加しない。私は連中を見放した。連中の政治には、決してエネルギーを浪費しない。人類にはもっと良い運命があるはずだから、良いものを建設する上で、自分の役割を果たすつもりだ。

この体制が最後に崩壊する際、私は決し涙は流さない。それはむしろ解放だ。

今後、私は新しいことを築き上げるが、過去のものからは絶縁する。

友人は、良い人物で、同意してくれた。

世界の善良で生産的な人々には、彼らのあらゆる動きを支配しようとする虐待的な支配者連中より、ずっとまともなものがふさわしく、しかも我々には十分それが可能だ。だが、現体制の権力者からの許可を待つのはやめるべきだ。連中が、連中の許可を得ずに行動することを許すことは決してない。

我々は自ら決断し、何かより良いものを作り始めなければならない。我々にはそれが可能で、この体制は、我々の努力に値しないのだ。

今や、始める好機だ。

Paul Rosenberg - www.freemansperspective.com

記事原文のurl:http://www.freemansperspective.com/wont-be-fixed/

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世界史にもうといので、ローマの滅亡といわれてもよくわからないが、属国民としては、宗主国、そういう状態にあって欲しいものだと思う。

記事に対するコメントで日本に触れているものがある。下記のような意味。ご参考まで。

東に位置する西欧たる日本は、枯れ葉の様に崩壊しつつある。

Paul Craig Roberts氏の記事『トランプを大統領に』冒頭に、ジェラルド・セレンテの言葉が引用されている。

トレンド・ジャーナルの今号で、ジェラルド・セレンテは、8人のアメリカ大統領候候補者達(彼が発行した時点の)を、“うそつき、腰抜け、変人と、ばか者”と表現した。

民を殺す国・日本 足尾鉱毒事件からフクシマへ』大庭健著 筑摩選書をよみ終えた。日本支配層の「構造的な無責任」 題名の足尾鉱毒事件から、フクシマにとどまらず、原発再稼動、TPP、戦争法案にいたるまで、しっかり続いている、と思う。

202ページ

国家による共同体の破壊

足尾は、国家による諸共同体の権能の、こうした吸い上げの極致でもある。その際立った象徴が、国家による堤防の破壊である。谷中村は、もともと川が氾濫しやすい沃土地帯に堤防をめぐらせてできた村落であり、堤防の護岸は、村民の絶対的ともいえる義務であった。ところが足尾の鉱毒で上流の山が禿山となって以来、村はしばしば大洪水に襲われ、一九〇二(明治三五)年には二度の洪水で堤防が決壊する。しかし県つまり内務省は、復旧工事を行わずに全村耕作不能の状態を放置し、やむなく村民は自力で水留めを行う。県は、翌春になって村民の要請によって工事にとりかかるが、「誰が見てもおざなり」で、堤防は工事途上のまま流失し、その翌年に再び復旧に着手するが、今度は、あろうことか従前からの護岸を削りとってしまう。
堤防が決壊に瀕した時には、真夜中であれ人手を出して共同で護岸にあたることは、村落で生きるかぎり、いわば絶対的な義務であった。しかし国家は、そのようにして村人が仮留めした堤防を守るどころか、むしろ削りとって、村落を氾濫に任せたのである。これはまさに、国家による共同体の破壊が行き着くところまで行った、極め付きの光景である。
 しかも、うんざりさせられることに、話はこれだけでは終わらない。時あたかも日露戦争直後であり、国家は、国民に兵役を要求した代わりに、戦死者には「名誉の戦死」という称号を、遺族にはなにがしかの弔慰金を与えた。谷中村からも五十数名が徴兵されたのだが、そのうちの一人の戦死者遺族に対して、国は、立ち退きの合意書に署名しないかぎり弔慰金を支払わない、という挙に出たのである。
洪水にさらされた村落共同体では、村のために護岸に協力するのが、いわば絶対的な義務であったが、あたかもその義務の延長上であるかのように、農民兵士は「お国のために」、見も知らぬ外国へ出征した。しかし、その堤防は国家によって削られ、あまつさえ召集されて戦死しても、国家の意のままに退去しないかぎり、支払われるべき弔慰金も支払われない。古河鉱山という一営利企業は「強兵」のための「富源」だとする国の政策によって、村落共同体はここまでの犠牲を強いられる。明治の日本は、ときには徹底的に村落共同体を掘り崩すことをつうじて、国民国家になりえたのだった。

TPPで農業から、医療に到るまで、国の全てを宗主国大企業にさしあげ、福島原発事故をさしおいて、戦争法案で、被害者家族をも、侵略戦争に出征させるであろうこの国、100年たっても構造は変わらない。満州を企画経営した祖父と、国丸ごとを宗主国の満州にした孫の違いはあるけれど。

日露戦争に徴兵され、出征時、そうした理不尽な扱いを弾劾する、出征見送り人への「答辞」を読み上げた神原勘之丞がいる。 (リンク先、ウクライナのISIL: ユーラシアに解き放たれたアメリカの“混乱の手先”の末尾に、その答辞を掲載した。)

神原勘之丞の末娘による講演「谷中村から移住した父神原勘之丞と私の戦争体験」は、8/30第43回渡良瀬川鉱害シンポジウム 10:00 野木町エニスホール大ホール『田中正造と野木の人々』の午後の部。

上記記事の筆者の決断、具体的に、どういうことなのか良くわからない。それは、『民を殺す国・日本 足尾鉱毒事件からフクシマへ』の著者の対策も同様。誠実であれば、簡単に提示できるわけがない。

255ページにはこうある。

見殺しにされる可能性に由来する不安を和らげ、レミングさながらの集団自滅を防ぐには、少なくともその勢いを弱めるには、どうしたらいいのだろうか。私には一般論として語れるような確たる提案はない。それでもしかし、これまでの考察から言えることは、こうである。原子力ムラを典型とする官産政学の複合体の独走を製肘し、その独走を支えてきた国家教の威圧に屈しないためには、国家-国民という縦の統合関係とは異質な、社会における水平的なコミュニケーションと連帯が不可欠である。

談話に屈しないためには、国家-国民という縦の統合関係とは異質な、社会における水平的なコミュニケーションと連帯が不可欠である。

下記はそうしたコミュニケーションと連帯の例だろうか?

8月5日(水)の山田正彦氏・内田聖子氏のハワイTPP閣僚会談緊急報告会の様子が映像アーカイブで見られる。大本営広報部とは全く違う報告。1時間53分。
https://www.youtube.com/watch?v=f75RdsNKo1k

2015年8月13日 (木)

資本主義の社会的費用

Paul Craig Roberts
2015年8月11日

事業の全費用を負担している企業は、たとえあったにせよ、ごくわずかだ。企業は費用の多くを、環境や、公共部門や、遥か遠くの第三者に押しつけている。例えば、現在、コロラド州の鉱山から、約1100万リットルの毒性廃水が流出し、二つの川を下り、ユタ州やパウエル湖に向かって流れている。これらの川に頼っている、少なくとも7都市の水道システムが停止している。廃棄物は、民間企業が放置したもので、廃棄物は、環境保護庁が誤って流したというが、これは本当かも知れないし、鉱山をかばっているのかも知れない。もしパウエル湖貯水池が汚染されてしまえば、第三者が負担する鉱山の費用は、鉱山操業時の総生産金額を越える可能性が高い。

経済学者は、こうした費用を“外部費用”あるいは“社会費用”と呼んでいる。鉱山は、汚染物質を生み出すことで、利益を得たが、汚染物質の費用は、利益の分け前を得ていない人々が負担する。

規制されている資本主義でさえ、こういう風に機能しているのだから、野放し状態の資本主義がいかに酷いものか想像できよう。その結果、我々がいまだに苦悩しており、更に問題が起きるだろう、規制されない金融制度のことを考えるだけで良い。

全く逆の膨大な証拠があるのに、政府の干渉から解放されれば、最高の製品を、最安の価格で生産して、消費者に貢献するのだという資本主義に対する連中の夢想的な概念に、リバタリアン連中は、しがみついている。

そうであればよいのだが。

進歩主義者も、リバタリアン連中のロマン主義に対応する彼等なりのものを奉じている。進歩主義者は、政府を資本家連中の強欲から国民を守る白い騎士だと見なしているのだ。

そうであればよいのだが。

誰もが、そして何より確実に、リバタリアン連中や進歩主義者達は、ジェフリー・セントクレアの著書、Born Under A Bad Sky (2008)を読むべきだ。セントクレアは、魅力的な作家で、彼の本は、多くのレベルで有益だ。もし、アメリカ西部の川でボート体験をしたり、危険な急流に挑戦したり、蚊やガラガラヘビの中でキャンプをしたりという経験がなければ、セントクレアの本で、まるで体験しているかのごとく、こうした人生の側面を体験でき、同時に、国立公園局、農務省森林局や土地管理局における腐敗によって、製材企業、採鉱企業や牛の牧場主達が、国有林や国有地を略奪することで金儲けをする結果になっているのかも学ぶことができる。

採鉱業者、製材業者や牧場経営者に与えられる公的助成金は実に法外で、公共の利益 連邦準備金制度理事会や財務省が“大き過ぎて潰せない銀行”に与える助成同様有害だ。

進歩主義者もリバタリアンも、原生林伐採や、絶滅危惧種や希少種の生息地破壊をする製材会社に助成する為、農務省森林局が、一体どの様に、前人未踏の森林に道を建設しているかに関する、セントクレアの説明を読む必要がある。公共から、民間の手へと、富を移転する為に、一体どのようにして、より価値がある国有地と、価値の低い土地が交換されているのかを、我がロマン主義者達は、学ぶ必要がある。牧場経営者達に、国有地の利用を認めていることが、生息地破壊や、川岸や、水生生物の破壊をもたらしていることを、彼等は学ぶ必要がある。連邦の監督官庁のトップそのものが、国民の為にではなく、私企業の為に働く、製材、鉱業や、牧場経営者の工作員であることを理解する必要がある。上院議員や下院議員連中は、軍安保複合体、ウオール街や、イスラエル・ロビーによって買収されているのと同時に、連中は、鉱業、製材や、牧場の権益にも買収されていることを、あらゆる信念のアメリカ国民が理解する必要がある。

この構図中に、公共の利益は皆無だ。

二大貯水池、ミード湖とパウエル湖は、満水時の39%と、52%だ。アメリカ合州国西部が依存している巨大な湖は、干上がりつつある。パウエル湖は、今や、砒素、鉛、銅、アルミニウムとカドミウムを含んだ、約1100万リットルの廃水流入に直面している。汚染された川の氾濫原にある井戸も危機にさらされている。

川をオレンジ色に変えた汚染物質は、コロラド州、アニマス川から、シルバートン デュランゴを通って、ニュー・メキシコ州、ファーミントンのサン・フアン川へと流れ、更にパウエル湖とミード湖へ流入するコロラド川へと流れ下る。

この全ての被害が、たった一社の資本主義鉱山によるものだ。

昨年11月、クリス・スチュワート下院議員(共和党 ユタ州)が、彼の法案を下院で成立させた。スチュワートは、資本主義の為に、いやな仕事をこなす人物だ。彼の法案は“資格要件を満たす、自立した科学者達が、環境保護庁(EPA)に助言するのを防ぐべく作られている。有資格の学者達は、該当する科学的専門知識を持っているか、いないかわからないが、彼らの雇い主が聞きたがっていることを、EPAに語ることで給与上の恩恵を受ける業界関係者に置き換えられるのだ。” http://www.iflscience.com/environment/epa-barred-getting-advice-scientists

スチュワート下院議員は、これは科学的事実と業界利益の釣り合いの問題だと語っている。

おわかりいただけただろう。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/08/11/social-cost-capitalism-paul-craig-roberts/

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本の山から『原発はやっぱり割に合わない 国民から見た本当のコスト』大島堅一著を発見。104ページに、「原発の社会的コスト」がという見出しがある。

日本航空123便墜落事故から30年。
辺野古移転問題協議の当日、沖縄で、米軍ヘリ墜落。
沖縄国際大学米軍ヘリコプター墜落事件は、2004年8月13日
しかも今回は、陸自中央即応集団エリート隊員が搭乗していたという驚き。

IWJ 8/12夕方5時からの岩上安身氏による日本共産党小池晃副委員長インタビューは圧巻。大本営広報部の洗脳番組と雲泥の差。戦争法案成立に先立って、自衛隊内で、今後の方向性を研究しているという、とんでもない状況むき出し。

今日にも早速、昨日の小池議員インタビューの模様を、19時から再配信します! 見逃した方はぜひ、この再配信をご覧下さい!配信はCh1です!

【Ch1はこちら】
http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1

 再配信も見逃してしまった、もう一度見返したい、という方は、IWJの一般会員であれば1カ月、サポート会員であれば無限に、いつでも動画アーカイブをご覧になることができます。また最近は、動画を全て観切る時間がないという人のために、動画とともにインタビューのテキスト要旨も、記事に掲載しています。こちらも会員の方であれば、全編ご覧になれます。

 これからも小池議員インタビューのように、タイムリーかつ大手メディアが報じない取材、中継を届け、本来ならば全国民が知るべき大事な情報を可視化するために尽力していきます。ぜひ、会員となってIWJの活動を直接支えていただくとともに、IWJの膨大なアーカイブを知的堪能していただければ幸いです!

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Paul Craig Roberts氏、社会的費用については、類似題名や同名記事でも触れておられる。趣旨は必然的に似ているが、内容は当然違っている。

今回のコロラド州汚染水流出、「足尾鉱毒事件」そっくり。ただし、あちらの鉱山は、Gold Kingという金鉱山。今はゴーストタウン。谷中村の人々や田中正造のような人物が活動されたかどうか全く知らない。

田中正造といえば、最近、文学座により『明治の柩』がアウルスポットで上演されたが、今度は劇団東演による『明治の柩』が、紀伊國屋ホールで上演される。11/27-12/4 切符前売り開始は9/24。

コスト高をきらった営利企業の怠慢によって、事業所周辺の環境が汚染され、田畑には毒物が浸みこんで荒廃し、広大な村落は廃村と化し、一世紀たっても森林は再生せず、禿山だけが異様に目立つ.....。これは、たんなる寓話でもないし、さりとて東フクシマ・東電事故の周辺地域の未来図でもない。いまから一世紀以上も昔、足尾・古河銅山の鉱毒によって周辺の村が廃村となったあとの、現在の風景である。68ページ

にもかかわらず監督官庁は、古河という一企業の利潤の消滅を、国家の富源の喪失にすり替え、古河の経営の継続を「公利」と言い募ったのである。96ページ

上記は新刊、筑摩選書民を殺す国・日本 足尾鉱毒事件からフクシマへからの引用。

2013年6月3日の資本主義の社会的費用の記事翻訳にも、末尾に余計なことを書いた。一部貼り付けさせていただく。

「社会的費用」という言葉、名著『自動車の社会的費用』宇沢弘文著、岩波新書を思い出す。これだけは手元にある。『環境破壊と社会的費用』(K.W.カップ著)という本を昔読んだ記憶がある。あるいは宮本憲一『環境経済学』。
年代から想像すると、著者が触れているのは、同じK.W.カップでも『私的企業と社会的費用―現代資本主義における公害の問題』あたりだろう。

  • 足尾鉱毒の社会的費用、古河銅山の利益を越えていただろうか?
  • イタイイタイ病の社会的費用、カドミウム生産の利益を越えていただろうか?
  • 水俣病社会的費用、チッソの利益を越えていただろうか?
  • アスベストの社会的費用、メーカーの利益を越えていただろうか?
  • 原発の社会的費用、原発、燃料製造元、電力会社や政治家の利益を越えること余りに明白。
  • 兵器の社会的費用、当然、軍需産業の利益を越えるだろう。

そういう膨大な社会的費用をものともしない多国籍企業に国家支配をまかせるのがTPP体制だ。膨大な社会的費用を合法化するとんでもない怪物。

中略

IWJ

2013/04/16 「事故コスト、事実上は国民負担」―原発ゼロノミクスキャンペーン・シンポジウム 原発ゼロノミクス~脱原発のコストと経済性~

2015年8月12日 (水)

“お互いに有利な”ものから“巨大ハズレ”と化したアメリカ-サウジアラビア石油協定

F. William Engdahl

New Eastern Outlook
2015年8月8日

一体誰が、こんなことになると予想しただろう? オバマ政権も、連中の聡明な地政学シンクタンク・ネオコン戦略家連中も、決してそうではない。

9月11日、ジェッダ会談中の昨年9月の、サウジアラビアの病んでいるアブドゥッラー国王と、ジョン・ケリーとの華々しい“お互いに有利な”提案は単純だった。1986年に、ワシントンが、サウジアラビアに、供給過剰の時に、世界で石油価格を崩壊させる為、世界市場をあふれさせる、ある種“オイル・ショック”をするよう説得し、大成功した国務省-サウジ合意の再現だ。1986年には、ドル権力掌握を維持する為に、石油輸出収入に大いに依存しているぐらついているソ連を破壊するのに成功した。

だから公表はされなかったが、ケリーとアブドゥッラー国王は、2014年9月11日、サウジアラビアは、その石油の力を、今日、プーチンのロシアを跪かせる為に使うことに同意した。

当時、実に素晴らしい考えに見えたことは疑いようがない。

翌日、2014年9月12日、ぴったりの名前をつけた、アメリカ財務省のデビッド・S・コーエン財務次官率いるテロ・金融インテリジェンス局が、巨大エネルギー企業ガスプロム、ガスプロム・ネフチ、ルクオイル、スルグトネフトガスとロスネフチに対する新たな対ロシア経済制裁を発表した。この制裁は、アメリカの石油会社が、沖合や北極の石油やガスで、ロシア企業とのジョイント・ベンチャーへの参加を禁じている。

当時、ルーブルが急速に下落し、ロシア大企業が、期末決算の為、ドル集めに奔走する中、世界石油価格の崩壊がプーチン支配を終わらせるはずだった。それが明らかに、現在ワシントンでなら、政治家として通じる脱け殻の魂連中が考えていたことだ。ビクトリア・ヌーランドは大喜びで、デビッド・コーエンの財務省金融テロ部隊の新たな金融戦争兵器の正確さを称賛した。

2014年7月、アメリカ国内石油価格の基準価格、ウェスト・テキサス・インターミディエイトWTIは、一バレル、101ドルで取り引きされていた。シェール石油の大当たりがブームで、1970年代以来はじめて、アメリカが、石油の主役となった。

今年1月、WTIが46ドルまで低下すると、事態の様相は一転した。ワシントンは自ら墓穴を掘ったことに気がついたのだ。

債務過剰のアメリカ・シェール石油業界は、下落する石油価格で崩壊寸前であることに連中は気がついた。当時のアメリカ・シェール石油業界の迫り来る破産倒壊連鎖反応を、人為的に安定化させる為に、舞台裏で、ワシントンと、ウオール街は共謀していた。その結果、石油価格はゆっくり上昇を始め、2月には、53ドルになった。ウオール街とワシントンのプロパガンダ機関は、石油価格下落の終わりを語り始めた。5月迄に、価格は、62ドルまでジワジワ上昇し、ほぼ全員が石油価格回復が進行中だと確信していた。いかに彼等が間違っていたことか。

不満なサウジアラビア

9月11日のケリー-アブドゥッラー会談(ブッシュ一家 2001年9月11日の出来事や、それを巡るサウジアラビアの関与を隠蔽しているという疑惑の雰囲気を考えると、実に奇妙な日付を選んだものだ)以来、サウジアラビアでは、絶対君主制の二つの聖なるモスク守護者の新たな老いゆく国王サルマン王が、死去した老アブドゥッラー国王の後継者となった。ところが、石油大臣は、あいかわらず79歳のアリ・ヌアイミだ。ケリー提案を、同時に、型破りなアメリカ・シェール石油産業の産出増加という市場に対する拡大する挑戦を全滅させるのに利用する千載一遇の機会を見いだしたのは、他ならぬアリ・ヌアイミ石油大臣だったと報じられている。サウジの世界石油市場支配に対するアメリカ・シェール石油の“かく乱”を消滅させると固く決意しているとアリ・ヌアイミは繰り返し述べている。

サウジアラビアは、彼らの石油王国に対するアメリカ・シェール石油の侵入だけを不快に思っているわけではない。数カ月のうちに、イラン経済制裁解除を実現させる可能性がある、イランとオバマ政権の最近の合意に、サウジアラビアは激怒している。実際サウジアラビアは、ワシントンへの怒りでわれを忘れるあまり、サウジアラビアは、地域における-シリアで、レバノンで、イラクでの、イラン支配力の増強と見るものと戦う為に、究極の敵、イスラエルとの同盟すらあからさまに、認めている。

こうしたこと全てが相まって、近しい湾岸アラブ同盟諸国の支援を受けたサウジアラビアは、1月、シェール石油会社破産の波が起き、ワシントンとウオール街の操作で止められるまで、石油価格を更に崩壊させ、アメリカ・シェール石油との競争を片付けると堅く決断したのだ。そういう日は間もなくやってくる可能性がある。その様な結果を受け入れる余裕がほとんどない時期に、世界中の金融体制にとって意図しない結果として。

ウオール街の銀行、モルガン・スタンレーの最近のレポートによると、原油市場の主役であるOPEC石油産油諸国は、既に溢れた世界市場に、衰える兆しもなく石油供給を積極的に増やしてきた。報告の中で、モルガン・スタンレーは、あからさまな警戒感を持って述べている。“OPECは、過去四カ月だけでも、世界供給に、150万バレル/日を加え…石油市場は、現在800,000バレル/日の供給過剰だ。これは、石油市場における現在の供給過剰は、もっぱら2月以来のOPEC生産増加によるものであることを示唆している。”

ウオール街銀行報告は、不安にさせるような調子で述べている。“我々は、OPECは削減しないだろうとは予想していたが、そのような急激な増加を予想しなかった。”要するに、ワシントンは、サウジアラビア対する戦略的影響力を完全に失ったのだ、王国は、1945年、アメリカ石油メジャーを、独占的に呼び入れる、フランクリン・ルーズベルトの取り引き以来、ワシントンの属国と見なされてきた。

アメリカ-サウジ対話の断絶が、最近6月18日、サウジアラビア副皇太子、国防大臣、サルマン国王の息子、ムハンマド・ビン・サルマン王子がサンクト・ペテルブルクを訪問し、ウラジーミル・プーチン大統領と会談するという新たな次元をもたらした。会談は、両者によって綿密に準備され、ロシアによる王国での平和な原子力発電所建設と、ロシアの先進的軍事機器提供、ロシアの農業、医薬品、物流、小売りや、不動産部門へのサウジの投資を含む100億ドルの貿易協定が論議された。サウジアラビアは、現在、世界最大の石油産出国で、ロシアがそれに続く二位だ。いかなるレベルのサウジ-ロシア同盟であれ、ワシントン国務省立案者の戦略教科書には全く見当たらない。…ちくしょう!

サウジアラビアが引き起こしたOPEC石油による供給過剰が、石油価格を押し上げようとするアメリカの脆い企みを挫いてしまった。イランとの合意が、供給過剰に輪をかけ、そして、世界第二位の石油輸入国、中国が、中国経済が減速する中、輸入を削減するか、あるいは、少なくとも、増加しない可能性があるという恐怖で、価格下落は更にたきつけられた。石油市場時限爆弾は、6月最後の週に爆発した。アメリカのWTI石油価格は、少なくとも多くのシェール石油生産者が、しばらくは何とかやりくりしていられるレベルの一バレル60ドルから、7月29日の49ドルで、四週で18%以上の下落という下落傾向だ。

モルガン・スタンレーは警鐘を大きく打ち鳴らし、もし、ここ数週間の傾向が続けば“今回の下落は、1986年のものよりも遥かに厳しいものとなろう。それ以前の15年間、急激な下落は無かったので、現在の下落は、過去45年間以上の中で最悪だ。もしそうなれば、このサイクルの次段階の指針になるような我々の経験は皆無で…実際、分析可能な歴史には何もない可能性がある。”と述べている。

‘オクトバー・サプライズ’

10月は、アメリカのシェール企業融資を繰り越すか、あるいは、価格がゆっくりと回復するであろうという(これまでのところ)希望で、返済を繰り延べし続けるという、銀行による決断の次の重要な時期だ。もし強く示唆されている様に、9月に、2007年にアメリカ不動産市場で世界金融危機が勃発して以来、8年間で、はじめて連邦準備金制度理事会が、アメリカの利子率を上げれば、大変な負債があるアメリカのシェール石油生産者は、新たな規模の災厄に直面する。シェール生産者達が、キャッシュフローを最大化しようと、しゃにむに試みているので、過去数週間まで、アメリカ・シェール石油生産量は最大のままで、皮肉なことに、自らの終焉となる、世界的石油供給過剰の種をまいている。

アメリカのシェール石油会社が、昨年11月以来事業を継続できていて、破産宣告しないでいる理由は、連邦準備金制度理事会が継続しているゼロ金利政策のおかげで、銀行や他の投資家達が、いわゆる“高利回り”債券市場で、より高い金利を求めることがある。

1980年代当時、マイケル・ミルケンと彼の詐欺師仲間が、ドレクセル・バーナム・ランバートで、最初に作り出した際、今、シェール石油企業でそうなっている様に、状況が悪化すると、ジャンク(くず)になるので、ウオール街は、これを適切にも“ジャンク・ボンド”と呼んだ。最近のUBS銀行報告はこう述べている。“全体的な高利回り市場の規模は倍増した。近年、より上り調子に発行されていた部門、エネルギーや金属鉱業等では、負債残高が、三倍から四倍になっている。”

ごく最近のWTI石油価格低下が、10月まで毎週続いたとすると、こうした高利回り、ハイリスクのジャンク・ボンドを何十億ドルも売り出すパニックになりかねない。ある投資専門家はこう語っている。“小口の大衆が、集団脱出へ向かい始めれば、ファンド・マネージャー連中は、非流動性の二次的企業債券市場に直面することを強いられようが、市場に深さがなければ…大安売りの火付け役となる可能性がある。”

問題は、今回は、2008年とは違い、連邦準備金制度理事会には動く余地がないことだ。金利は既にほぼゼロ金利で、連邦準備金制度理事会は、アメリカの銀行パニックの連鎖反応を防ぐ為に、何兆ドルもの銀行の不良債権を購入した。

ワシントンで全く議論されていないオプションの一つは、わが国の資金支配を、民間銀行家集団にまかせた1913年の破滅的な連邦準備金制度理事会法を、議会が廃止し、憲法が意図していた様に、腐敗したウオール街銀行家の仲介無しで、債権を発行し、連邦債務を売ることができるアメリカ合州国政府が完全に所有する国立銀行を創設することだ。同時に“アメリカ合州国の基盤を、そしてその延長として、世界の大半での世界準備通貨としてのドルの役割を破壊する金融混乱の背景にいる大き過ぎて潰せない”銀行の6行なり、7行なりを完全に国有化することも可能だ。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”独占記事。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2015/08/08/us-s-saudi-oil-deal-from-win-win-to-mega-loose/

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「日航123便墜落事件」から30年

小生も、ずっと同じ疑問を感じている。
官民一体の隠蔽作業ではという疑問を。

櫻井ジャーナル 2015.08.11
日航123便が群馬県に墜落した10年後、米軍の準機関紙に掲載された記事が日本政府に与えた影響 

「報道が一斉に同じことを言う場合、とんでもない背景がある」と小生は思い込んでいる。

石油価格下落で、火力発電コストは大きく下がっている。

再稼動を擁護した、ゆゆしき学者氏、「火力発電は、CO2を排出する。原発は排出しない。」といっていた。

「火力発電は、放射性廃棄物を生成しない。原発は放射性廃棄物を生成する。」

CO2とは違い、放射性廃棄物は何万年もお守りをしなければならない。自分達数世代の生活を楽にするため、後世の人々に恩恵皆無のゴミだけ押しつけるという勝手な論理、ゆるされないだろう。

脱原発を決めたドイツ、スゥェーデン企業から訴えられている。

「期待できるはずの利益を、ドイツの法律でそこなわれた」という論理のようだ。これはすなわち、TPPのISDS、企業による国家訴訟調停条項。

日本のマスコミ(小生、大本営広報部と呼んでいる)のTPP報道、一斉に同じことを言っている。素晴らしい!推進せよ!と。

内容が全て秘密にされているものを、素晴らしい!推進せよ!といえる理不尽さ。

もうそれだけで、ジャーナリズムではない。TPP推進600社の洗脳・宣伝機関。かなりの資金が流れ込んでいるのではと疑りたくもなる。

森田実氏、郵政選挙の際、5000億円もの金がアメリカから、日本のマスコミ管理に投入されたと指摘しておられる。

2006.10.31(その1)
森田実の言わねばならぬ[457]

内容が全く秘密のものを、一斉に、「良いものだ」と叫ぶ堕落した洗脳業者に、一桁上の資金が流れ込んでいるのであるまいかと、疑ってしまう。ドイツの一流マスコミ編集者が、ドイツの著名ジャーナリストは皆アメリカに買われていると告白したではないか。

“ドイツ政治家はアメリカ傀儡”ドイツ人ジャーナリストはアメリカ支持記事を書くよう強いられている

STOP TPP!!市民アクション」に、今回の交渉についての報告が掲載された。大本営広報とは全く違う内容。

TPP閣僚会合報告(7月28〜31日)

昨日の午後2時すぎ、このハワイ閣僚会合現場にでかけられた山田正彦元農林水産大臣と、PARCの内田聖子氏のIWJ岩上安身氏によるインタビューをYoutubeで拝見した。

拝見しながら、暑さの中、激怒した。三人の方がおかしなことを言われたからではない。三人の方は、日本政府、自民党、官僚達のとんでもない売国行為を指摘しておられるだけ。戦争法案とTPP。

まっとうなTPP報道、IWJと、日本農業新聞で読める、と思い込んでいた。この番組を見るまでは。

岩上安身氏の爆弾発言に驚いた。彼が日本農業新聞に寄稿した記事が掲載を拒否されたのだという。どこぞの組織は、モンサントの危険な農薬を率先して販売している為、その問題点に触れる記事は掲載しないということのようだ。

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

【特集】IWJが追ったTPP問題

そして、今日は、昨日衝撃的質問をした日本共産党・小池晃副委員長インタビュー

【Ch1】17:00頃~「岩上安身による日本共産党・小池晃副委員長インタビュー」
視聴URL: http://iwj.co.jp/channels/main/channel.php?CN=1

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2015年8月11日 (火)

ヨーロッパを破壊するアメリカ

Eric ZUESSE
2015年8月7日 | 08:00
Strategic Culture Foundation

リビア、シリア、ウクライナや、ヨーロッパの周辺部や端にある他の国々で、アメリカのバラク・オバマ大統領は、不安定化政策や、爆撃や他の軍事援助を追求し、何百万人もの避難民を、こうした周辺地域から、ヨーロッパへと追い出し、移民排斥という極右の火に油を注ぎ、周辺諸国のみならず、遥か北ヨーロッパに到るまで、ヨーロッパ中で、政治的不安定化をもたらしている。

2015年8月3日「オフ-ガーディアン」の“シリア内のオバマ‘安全地帯’は、この国を新たなリビアに変えることを目指すもの”という見出しの記事で、シェイマス・クックは、オバマが、トルコの為、これまで法的強制力のなかった、シリア上空の飛行禁止空域でのアメリカによる航空支援を承認したと報じている。アメリカは、これから、シリア領土の広大な部分を占領したISISを含む過激派イスラム集団を標的とする、シリアのバシャール・アル-アサド大統領の、あらゆる飛行機を撃墜することになる。

クックはこう報じている。

“トルコは、シリア戦争が始まって以来、オバマに、この飛行禁止空域を要求してきた。紛争中ずっと、そしてここ数カ月間も、議論されてきているが、真の狙いは常にシリア政府だった。そして、突如、飛行禁止空域が実現しつつある - トルコがずっと望んでいたまさにその場所に - ところが、適切な名前 '反クルド・反シリア政府派用安全地帯”の代わりに、 '反ISIS' 派の安全地帯というレッテルを貼られている。

ニューヨーク・タイムズは、 7月27日こう報じている。"この計画は、比較的穏健なシリア武装反抗勢力が、アメリカと、おそらくはトルコの航空支援を得て、領土を得ることを目指している。”ところが、タイムズは、(いつも通り)お上の速記役で、アメリカ政府情報筋から(そして、アメリカ政府の宣伝活動の為に)こう報じている。“比較的穏健”を定義しそこねているが、全てのシリア“比較的穏健な武装反抗勢力”集団は、ISISと協力して、彼等が、そこにいるあらゆる非イスラム教徒を見つけ出し、斬首し、時には、人質に取って身代金を要求するのを手伝っている。アサドの下、シリアは聖職者支配国家ではなく、信仰の自由を享受しているが、アサド支配に反対するシリア反政府派は全て、非宗教主義と無縁だ。今やアメリカは、これまで以上に、明らかに、反アサド、親イスラム主義者寄りだ

シーモア・ハーシュは、ロンドン・レビュー・オブ・ブックスで、2014年4月17日に報じている。2011年のオバマ政権によるリビア爆撃作戦は、オバマが既に、リビアで、まんまとしでかした様に、サリン・ガスを、リビアから、シリアのアル=ヌスラ戦線へと移動し、一般市民に対する毒ガス攻撃を引き起こすのを手助けし、アメリカ政権が、アサドの罪になすり付けて、シリアを爆撃する口実とするという広範な計画の一環だった。二人の独裁者、カダフィとアサドは、ロシアと同盟しており、特にアサドは、カタールのガス供給にとってではなく、ロシア・ガス供給輸送ルートとし、ロシアにとって重要だった。 カタールは、ヨーロッパに対する最大のガス供給国としてのロシアの立場にとって、主要な潜在的脅威なのだ。

国際関係の、そして軍事政策のオバマの第一目標は、ロシア打倒であり、ロシアの政権転覆を強いて、ロシアをアメリカ帝国の一部にし、ワシントンの支配に抵抗する主要大国でなくすることだ。

2011年に、アメリカがリビアを爆撃するまで、リビアは平和で繁栄していた。2010年、一人当たりGDP (収入)は、IMFによれば、12,357.80ドルだったが、我々がリビアを爆撃し、破壊した年、2011年には、わずか5,839.70ドルへと急落した。(ヒラリー・クリントンがこう大言壮語したのは有名だ。“来た、見た、彼は[カダフィ]死んだ!”) (しかも、アメリカの同盟国サウジアラビアとは違って、一人当たりGDPは、驚くほど平等に分配されており、教育も医療も公営で、全員が享受できていた。貧しい人々さえも。) より最近、2015年2月15日、NPR記者のレイラ・ファデルは“油田を攻撃されている、リビアの経済的将来性は暗い”と全段見出しで報じた。“生産担当の人物が、将来が暗いことを知っている。 '我々は生産できない。我々は生産の80パーセントを失っている。' と、リビア石油公社総裁ムスタファ・サナッラは語る”のを彼女は公表した。ワシントンの指示により、2011年以降、IMFのリビアのGDP数値報告は信頼できなくなり、現地の状況は、迅速に正常に復帰した(正常以上に良くなった。2012年、一人当たり13,580.55ドル GDP)だとしているが、誰もがそれがウソであることを知っている。NPRでさえも、実際、それは真実ではないと報告している。2012年、リビアの一人当たりGDPを、不合理にも、23,900ドルと、CIAは推計し、(彼等は、その年以前の数値は全く示していない)、リビアの一人当たりGDPは、その後、ごく僅か落ちたと言う。アトランティック・カウンシルは、2014年1月23日付けの、リビア経済に関する最新の体系的報告に、“リビア: 2014年、経済崩壊に直面”という見出しを付けて、少なくとも事態を正直に説明しようと努力しているが、公式推計で信頼できるものは皆無だ。

リビアは、ヨーロッパにとって大問題だ。何百万人ものリビア国民が、リビアの混乱から逃げ出している。彼らの中には、地中海を渡り、南イタリアの難民キャンプにたどり着く人々もいる。ヨーロッパの他の場所に避難している人々もいる。

そして、今やシリアは、ロシアを征服する為に破壊されつつあるもう一つの国なのだ。プロパガンダ活動があからさまな、ニューヨーク・タイムズですらも、その‘ニュース’報道で認めている通り、"トルコも、シリア武装反抗勢力も、シリアのバシャール・アル-アサド大統領打倒を最優先事項と考えている。”そこで、ロシアの同盟者バシャール・アル-アサドを打倒し、彼の非宗教政府を、イスラム教政権と置き換える為に、アメリカ爆撃機が、シリアの一部に、飛行禁止空域を設けたので、 '反ISIS'云々は、うわべだけなのだ。PRであり、プロパガンダなのだ。大衆は、ロシア打倒なぞより、遥かにISIS打倒を期待している。ところが、アメリカ支配層のものの見方は違うのだ。彼らの狙いは、アメリカ帝国の拡大だ -彼等自身の帝国拡張だ。

同様に、2014年2月、オバマは、‘イスラム・テロに反対する’やら、だまされやすい連中をけむに巻くのに、アメリカ政府が良く使う文句の様なインチキ偽装の代わりに、‘民主主義’デモというインチキ偽装によって、ウクライナで、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチの中立的な政権を打倒し、猛烈な反ロシア、人種差別主義者-ファシスト、つまりナチス政府を、ロシアの隣国ウクライナに、アメリカが据えつけ、支援した。アメリカが侵略し破壊するまでは、リビアが平和だった様に、アメリカとトルコが侵略し破壊するまでは、シリアが平和だったのと同様、ウクライナも、アメリカがクーデターをしでかし、ナチスを据えつけ、民族浄化作戦を実施し、ウクライナも破壊してしまう前は平和だったのだ。

カダフィ打倒前のリビア、あるいは、アサドを打倒しようという現在の取り組み前のシリア、あるいは、より最近では、ウクライナの民主的に選出されたヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領の見事な打倒と同様、全てが、ロシア打倒を目指しているのだ。

オバマや他のアメリカの保守派、帝国主義者に、押しつけられた惨状を、ヨーロッパの全てが、共有している事実は、ワシントン DCの権力者にとっては、ほとんどどうでも良いことだが、万一、彼等にとって、何か意味があるとすれば、それはおそらく、この広範な作戦の魅力的な側面だろう。中東の国々のみならず、ヨーロッパの各国を弱体化させることによっ、オバマの対ロシア戦争は、アメリカが引き起こす混沌と破壊が終わった後、アメリカが“最後まで生き残った男”になるのを確実にするのだ。

結果的に、例えばアメリカ国際戦略からすれば、対ロシア経済制裁が、ヨーロッパ諸国経済に大変な損害をもたらしているという事実は、悪いことではなく、良いことなのだ。

あらゆる競技で勝利の道は二つある。一つは、自らの能力を向上させることによるものだ。もう一つは、何としてでも競争相手の能力を弱体化させることによるものだ。アメリカ合州国は、現在、もっぱら後者の戦略に依存している。

調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/08/07/us-is-destroying-europe.html

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天皇と軍隊』、新聞に上映情報が載ったためだろうか?大変な人気。東京で、長期間上映されないのは残念だが、全国各地で上映が決まっているようだ。語りはフランス語。2010年制作のものゆえ、当然、ドイツやフランスの人々はとうの昔に見ている。

今の時点で、字幕付きで本格公開となったのは余りのタイミング。

大本営広報部は、決して放映しないだろう。孫が、手先のように報道機関を活用している姿は大叔父の佐藤栄作直伝。佐藤は退任記者会見で、「
新聞記者は出て行け、偏向している新聞は嫌いだ、私は直接国民に語りかけたいんだ」
と言って、記者たちを追い出した。あれ以来、大本営は、直接国民に語りかける為の手段。

無用悪、原発再稼動を推進中。昼間のテレビで、御用大学教授が、原発や他の方法による発電費用のインチキな比較表を示し、再稼動を正当化していた。何万年ものゴミ対策費用については全くしらんぷり。「有識者」でなく、ゆゆしき者。

とんでも議員落選運動が沸き起こっているという。現地在住でないの実態はわからない。

麻生太郎財務相は6日、自民党麻生派の会合で、同派所属の武藤貴也衆院議員がツイッターで安全保障関連法案の反対デモをする学生団体を「利己的」などと批判した問題を念頭に「政府与党の議員の立場を踏まえて発言してもらわないと。自分の気持ちは法案が通ってから言ってくれ。それで十分間に合う」と語った。

ナチス手法を推奨するだけのことはある。恐ろしい政治家。

「国民は、政府の暴走に反対する立場を踏まえてすぐに行動しないといけない。自分の気持ちを、法案が通ってから言っても、それでは全く手遅れ。」ということと翻案理解している。

OLDsという戦争反対抗議が、年寄りの原宿・巣鴨で行われているという。川内原発稼動反対や、議員落選運動の現場には行けないが、そちらなら、可能かもと思う。

2015年8月10日 (月)

広島原爆投下に関するアメリカの残酷な論理は70年続いている

Finian Cunningham

2015年8月4日
"SCF"

日本の迅速な降伏をもたらし、太平洋戦争を終わらせる為、原子爆弾の広島と長崎への投下についての、もっともらしい軍事的必要性を、たとえ受け入れたにせよ、無警告空爆を受けた二都市における一般市民死亡者数の恐怖は、「目的の達成は手段を正当化する」とされるものに関する気掛かりな疑問を思いおこさせる。

だが、もし、アメリカのハリー・トルーマン大統領や彼の政権が喧伝した公式の軍事的論拠が、でっちあげであることが分かったらどうだろう? つまり、70年前の1945年8月6日と9日、広島と長崎に原子爆弾を投下した本当の理由が、大日本帝国を打ち破り、アメリカ軍兵士の命を救うこととほとんど関係がなかったら? 本当の理由が、アメリカによる戦後の世界覇権画定をソ連に警告する為の、ワシントンによる、計画的かつ冷酷な、むき出しの軍事力の実演だったとしたらどうだろう?

そうなれば、アメリカ公式説明が我々に信じ込ませようとしてきた結論より、遥かに酷い、極めて恐ろしい結論に到ることになる。なぜなら、それは、200,000人もの日本人一般市民を絶滅させる行為が、ひたすら政治的な狙いの周到に準備された大量虐殺事件であることを意味するからだ。あるいは言い換えれば、アメリカ合州国がおかした言語に絶する国家テロ行為だ。

アメリカによる対日本原子爆弾投下の本当の狙いに関して長年憶測がされてきた。1995年1月、ニューヨーク・タイムズはこう報じた。“実際、歴史学者達の中には、原爆投下は、戦時の敵日本を狙ったものというより、戦時の同盟国ソ連を狙って、戦後の対立関係に対する警告として行われたのだと主張する人々がいる”。

無頓着な曖昧な表現で、ニューヨーク・タイムズは、一体なぜ原子爆弾が投下されたのかについて、自ら一部認めた身の毛もよだつ意味あいを徹底的に追求することはしなかった。もし公式のアメリカの計算が、実際、ソ連に対する“戦後の対立関係に対する警告”だったならば、行為は、速やかに戦争を終わらせるという道徳的要請とは無関係な、弁解の余地のない政治的決断となる。それは上述の通り、究極のテロ行為だったことになる。

ガー・アルペロビッツ教授は、トルーマン政権は、実際 ソ連に対する政治的兵器として、原子爆弾を使用する決断をしたのだという説得力のある主張を、何十年間もかけて、まとめ上げたアメリカ人歴史学者の一人だ。

‘原子爆弾使用の決定’の筆者は、こう書いている。“大半のアメリカ国民は、事実を知らずにいるが、益々多くの歴史学者が、今や、アメリカ合州国は、1945年に日本に対する戦争を終わらせる為に、原子爆弾を使用する必要はなかったことを認識している。しかも、この根本的判断を、陸軍、海軍と、陸軍航空隊、三軍すべてのアメリカ軍部幹部指導者達の圧倒的多数が、戦争が終わった後、長年表明してきた”。

当時のアメリカ陸軍大臣ヘンリー・L・スティムソンや、ドワイト・アイゼンハワー将軍や、統合参謀本部のウィリアム・D・リーヒ提督等の軍指導者達は、日本に対する原子爆弾の使用に、はっきりと反対していたことをアルペロビッツはあげている。アイゼンハワーは、それは”全く不必要”だと述べる一方、リーヒこう言っていた。“広島と長崎におけるこの残酷な兵器の使用は、日本に対する我々の戦争において何の物質的支援にもならなかった。日本は既に敗北し、降伏しようとしている”。

これは、極めて重要なポツダム会談(1945年7月17日-8月2日)から、日本への原子爆弾投下までの三週間における、秘密の政治的意思決定を暗示している。その期間中に、トルーマンと側近達は、秘密裏に、当時は戦争同盟国だったソ連を、これ以降、戦後の、敵にすると決めた様に思われる。冷戦が形成されつつあったのだ。

ポツダム会談前の何カ月もの間、アメリカとイギリスが、ロシア指導者ヨセフ・スターリンに、ナチス・ドイツ打倒後、すぐに太平洋戦争に参戦するよう訴えていたことを銘記しよう。第三帝国が、1945年5月に打ち負かされてから、二カ月後、三大連合国間のポツダム会談で、赤軍を日本に向けて移転させるという、スターリンによる待望の確約を勝ち取った。ソ連は、8月15日に、太平洋戦争に公式に参戦する予定だった。後で分かったことだが、スターリンは予定されていた攻勢より一週間早く8月8日に、赤軍に満州進撃を命じていた。

ポツダム会談中に、ハリー・トルーマンが私信で上機嫌で書いた通り、ソ連のこの約束は“ジャップは、おしまいである”ことを意味していた。

ところが、ポツダム会談開始のわずか一日前、7月16日のニュー・メキシコ州の砂漠における、アメリカ合州国による最初の原子爆弾実験成功は、引き返し限界点だった。このすさまじい新兵器で、ソ連の太平洋戦域への参戦無しに、原子爆弾投下によって、対日戦争を終わらせられることを、アメリカの立案者達は速やかに理解したに違いない。

しかし、アメリカの主要目的は、太平洋戦争それ自体を終わらせることではなかった。アメリカとイギリス軍幹部と諜報部隊は、ロシアが対日戦争に参戦するだけで、日本の降伏を促進するだろうと確信していた。しかも、アメリカの日本本土上陸は、1945年11月まで実施しない予定だった。

当時、アジア-太平洋におけるソ連のいかなる前進を制限することが、この政権の懸念だったので、トルーマン政権が日本に対する新たな核兵器使用を急いでいたことは明らかに思える。赤軍は満州と朝鮮半島のみならず、日本本土をも占領しようとしていた。

軍事的価値の無い、二つの大都市、広島と長崎は、かくして、完膚無きまで打ちのめされていた日本に対してではなく、ソ連に対する、最もうっとりとするようなテロ行為を実演する現場として選ばれたのだ。日本への原爆投下は、それゆえ、アメリカの公式説明が主張するように、太平洋戦争の最後の行為ではなく、むしろ、発生期冷戦における、ソ連に対する、アメリカによる最初の残虐行為だったのだ。

これにより、恐ろしい出来事の、全く違う犯罪的側面を明らかにすることになる。原子爆弾攻撃は、地政学的ライバルとなる恐れがあるモスクワを恫喝するというひたすら戦略的な理由による意図的な大量虐殺行為と見なすことができるためだ。

70年後、アメリカ支配エリートのこの残酷な論理が、いまだに続いていることを、歴史が示している。ほぼ四半世紀前に冷戦が公式に終焉した後も、ワシントンが、核兵器備蓄を捨てる意図は明らかに皆無だ。実際、バラク・オバマ大統領の下で、アメリカ政府は、それぞれが、最初に日本に投下された原子爆弾の何倍も強力な、約5,000発の核弾頭備蓄の性能を高める為に、今後十年間で、3550億ドルを費やす予定だ。

しかも、ワシントンは、つい今月ペンタゴン幹部を通して、ロシアと中国は戦略上最高の敵だと公式に宣言した。

2002年の、弾道弾迎撃ミサイル制限条約からのアメリカの一方的離脱と、続行しているアメリカ・ミサイル・システムのロシア国境と太平洋への拡張と、中国に対する挑発的な言辞は、ワシントンに内在する生来の好戦的意図の証明だ。

70年前の最初で、しかもたった一度の核兵器使用で、広島と長崎でのホロコーストを引き起こしたアメリカの論理は、今日まで続く残虐な論理だ。核兵器は、70年前と同様、いまだにロシアに向けられている。

平和な国際関係は、このアメリカ独自の残酷な論理を完全に暴き出し、根絶することによってしか実現されまい。

Strategic Culture Foundation

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/08/02/america-barbaric-logic-hiroshima-70-years-on.html

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岩手県知事選挙の立候補云々は目にするが、埼玉県知事選挙、大本営広報部ほとんど報じない。自分で四選禁止といっておいて出馬した人物が勝利した。自民党・公明党推薦でないだけ、よしとするべきかもしれない。

与党ファシスト議員の暴言というか本音には驚かない。小物であれ、親玉であれ。同様に有名タレントやら、IT企業やら、整形医やらの「有名人」の愚劣な発言にも驚かない。

そういう発言を是とする知人を悲しく思う。

「非核三原則を持った日本がアメリカの為に核を運搬するなどというありえないことをいって不安をかきたてるのはやめてほしい。」という民主党批判だという不思議な自民党幹部発言。

憲法9条を勝手に解釈改憲し、「集団自衛権」という、宗主国の侵略戦争参戦を推進し、世界中いたるところに、派兵する法案を制定しようとしている連中が言っても説得力皆無。

知人に教えていただいた詩、二編。

「灰が降る」 三好 達治

灰が降る灰が降る
成層圏から灰が降る

灰が降る灰が降る
世界一列灰が降る

北極熊もペンギンも
椰子も菫も鶯も

知らぬが仏でいるうちに
世界一列店だてだ

一つの胡桃をわけあって
彼らが何をするだろう

死の総計の灰をまく
とんだ花咲爺さんだ

蛍いっぴき飛ぶでなく
いっそさっぱりするだろか

学校という学校が
それから休みになるだろう

銀行の窓こじあける
ギャングもいなくなるだろう

それから六千五百年
地球はぐっすり寝るだろう

それから六万五千年
それでも地球は寝てるだろう

小さな胡桃をとりあって
彼らが何をしただろう

お月さまが
囁いた 

昔々あの星に
悧巧な猿が住んでいた

『ヒロシマというとき』 栗原貞子

〈ヒロシマ〉というとき

〈ああ ヒロシマ〉と

やさしくこたえてくれるだろうか

〈ヒロシマ〉といえば〈パール・ハーバー〉

〈ヒロシマ〉といえば〈南京虐殺〉

〈ヒロシマ〉といえば 女や子供を

壕のなかにとじこめ

ガソリンをかけて焼いたマニラの火刑

〈ヒロシマ〉といえば

血と炎のこだまが 返って来るのだ

〈ヒロシマ〉といえば

〈ああ ヒロシマ〉とやさしくは

返ってこない

アジアの国々の死者たちや無告の民が

いっせいに犯されたものの怒りを

噴き出すのだ

〈ヒロシマ〉といえば

〈ああヒロシマ〉と

やさしくかえってくるためには

捨てた筈の武器を ほんとうに

捨てねばならない

異国の基地を撤去せねばならない

その日までヒロシマは

残酷と不信のにがい都市だ

私たちは潜在する放射能に

灼かれるパリアだ

〈ヒロシマ〉といえば

〈ああヒロシマ〉と

やさしいこたえが

かえって来るためには

わたしたちは

わたしたちの汚れた手を

きよめねばならない

(『ヒロシマというとき』一九七六年三月)

2015年8月 9日 (日)

長崎原爆投下70周年 : 教会と国家にとって歓迎されざる真実

Dr. Gary G. Kohls
Global Research
2015年8月4日

70年前、(19458月9日) 全員キリスト教徒の爆撃機乗組員が、“ファットマン”、プルトニウム原爆を、日本の長崎に投下し、何万人もの無辜の一般市民を瞬時に殲滅させたが、彼等の中でも不釣り合いなほど多数が日本人キリスト教徒だった。この爆発は、更に、キリスト教徒以外の無数の犠牲者達に、爆発や、とてつもない熱や、放射能によって致命傷を負わせた。

1945年、アメリカは、世界でも最もキリスト教徒の国(つまり、目には目をという報復の支持者で、他国を軍事的、経済的に搾取するアメリカを教会が支持し、山上の垂訓として教えられているイエスの倫理を、心から、教えたり、忠実に守ったりしそこねている国を、キリスト教と呼べるとすればだが)だった。

皮肉なことに、午前11:02に、浦上天主堂上空で原爆が爆発するまで、長崎は、日本最大のキリスト教都市だった。浦上天主堂は、東アジア最大のキリスト教大聖堂だった。

長崎への原子爆弾投下後、浦上天主堂の残骸中に横たわ
る放射線を浴びた十字架

洗礼と堅信礼を受けた、このキリスト教徒航空兵達は、致命的な突然のトラブルがいくつもあったにもかかわらず、戦時の命令に一字一句従い、業務を能率的に行い、軍人としての誇りをもって、任務を完遂した。1945年の大半のアメリカ人なら、もしボックスカー乗組員の立場になっていたら、まさに同じことをしていただろう。そして、もし、我々が、地上で、原爆が引き起こした人々の苦難を実際に目にせず、聞かず、臭いを嗅がなければ、そして後に、英雄として処遇されるのであれば、遡及的に、一般に、戦争犯罪と見なされるようになったものに参加したことに、精神的苦痛もほとんどなかったろう。

実際、戦争の歴史において、あの極悪非道の大量破壊兵器使用は、後にニュールンベルク裁判で、国際的な戦争犯罪、人類に対する犯罪として定義された。

もちろん、任務当時、乗組員がそれを知る方法など皆無だった。原爆が実際に爆発した後で、自分達が関与したことに若干の疑念を感じたことを認めている乗組員もいる。しかし、彼等の誰一人として、犠牲者達の恐るべき苦難を、実際、間近で直接見てはいない。“命令は命令”で、戦時には、不服従というものは、厳しく罪を問われ、即決処刑される可能性があり、乗組員は命令に従ったのだ。

日本を降伏しにくくさせる

それは、原爆が広島を滅ぼした8月6日から、わずか3日後のことだった。長崎での原爆投下は、ファシスト軍事司令部が、いかに名誉ある降伏をするか議論すべく、天皇との会議を始めたばかり- すでに何ヶ月も前から、戦争に負けたことを理解していて、それゆえ戦争を終わらせる方法を模索していた東京における混沌、混乱のさなかに行われた。両国の軍と民間人指導部は、もう何カ月も、日本が戦争に負けたことを知っていた。

降伏に対する唯一の障害は、連合国諸国が、日本人が神と見なしていた天皇裕仁が、日本における名目上の長の立場から排除され、恐らく、戦争犯罪裁判にかけられる可能性を意味する、無条件降伏を主張していたことだった。この要求は、天皇を神と見なしている日本人にとって、耐えがたいものだった。

ソ連は、その一日前、8月8日に、40年前の(ロシアにとって)屈辱的な日露戦争で、日本に奪われた領土を奪還することを狙って、日本に対し、戦争を宣言し、スターリンの軍隊は、満州を前進していた。ロシア参戦は、ロシアより、アメリカに降伏するほうがずっとましだと考えている日本にとって、戦争を早急に終わらせる為の強い動機となった。そして、もちろん、アメリカは、いかなる戦利品も、ロシアと分け合いたくはなく、ロシアに対して、アメリカが、この世界における新超大国だという初期の冷戦メッセージを送りたがっていた。

ロシア参戦は、 7月16日、ニュー・メキシコ州での原子爆弾実験成功を知る前に、トルーマン大統領が奨励したものだった。

だが今や、トルーマンと彼のブレイン達は、スターリンの助けなしに、原子爆弾で日本を降伏させられるのを理解した。それで、ソ連と戦利品を分け合う意図は皆無だったアメリカは、アメリカが地球上の新たな超大国だという初期の冷戦メッセージをロシアに送りたかったので、天気が良く、原爆が利用可能になり次第(実際は、四発目の原子爆弾を製造する為に使える核分裂物質はもはや無かったが)原子爆弾使用の方向で進めるようトルーマンは、爆撃機司令部に命じたのだ。

長崎を標的にする決定

 

1945年8月1日が、日本爆撃ミッション派遣の一番早い日時であり、ワシントンD.C.の標的委員会は、通常のUSAAF(アメリカ陸軍航空軍)焼夷弾攻撃作戦(1945年前半、基本的に無防備の60以上の日本都市を焦土と化す為に、ナパーム弾を用いていた)から除外されるべき、比較的無傷の日本都市リストを、既に作り上げていた。

ハリー・トルーマン大統領 (左)

焼夷弾攻撃から守られる都市のリストには、広島、新潟、小倉、京都と長崎が含まれていた。この比較的無傷な5都市には、焼夷弾爆撃攻撃は許されなかった。これらの都市は、マンハッタン計画が始まって以来、アメリカ中の研究所や、製造工場で、研究され、開発されている“新機軸”兵器の潜在的標的として、保護されるべきものだった。

 

皮肉にも、8月6日と9日以前には、これら5都市の住民達は、他の都市の様に爆撃されない自分たちは幸いだと思い込んでいた。広島と長崎の住民達は、自分達が、何万人のも生ける人間モルモットが暮らす都市全体の大量破壊を引き起こす新兵器実験による更に酷い大量殺りくを一時的に免れているのにすぎないことを全く知るよしもなかった。

トリニティー実験

最初で、唯一の原子爆弾実地試験は、冒涜的なことに(明らかにキリスト教用語の)“トリニティー=三位一体”というコード名がつけられていた。この実験は、原爆投下に先立つこと三週間、1945年7月16日に、ニュー・メキシコ州アラモゴルドでおこなわれた。結果は見事に壊滅的だったが、爆風は、不運なコヨーテ、ウサギ、ヘビや他の砂漠の害獣を絶滅させただけだった。アラモゴルドの、プルトニウム原子爆弾は、長崎原爆と同じものだった。

トリニティー実験では、予期せず、後に“トリニタイト”と呼ばれるようになった、膨大な量の新たな鉱物をもたらしたが、これは原爆爆破地点上空の太陽温度の二倍もの強烈な熱によって生み出された溶岩塊だった。

1945年8月9日午前3時、(ボックスカーという“洗礼名を授けられていた”)超空の要塞B-29が、ルター派とカトリックの従軍牧師の祈祷と祝福を受けて、南太平洋のテニアン島を離陸した。

重い貨物を搭載した飛行機が離陸する前、すんでのところで滑走路からはずれるところだったが(搭載していた原爆は重さ10,000ポンド)、一次標的の小倉に向けて北上した。ボックスカーのプルトニウム原爆は、ウィンストン・チャーチルにちなんで“ファットマン”というコード名を付けられていた。三日前に広島を焼いて灰にした原爆、リトル・ボーイは、最初はシン・マン(=痩せ男) (ルーズベルト大統領にちなんで)と呼ばれていた。

長崎は日本の軍事参議院が、再度降伏条件について議論をしている最中、灰にされた。

次の会議を 8月9日午前11時に開催する予定だった、東京にある日本の軍事参議院は、広島で一体何が起きたのか、全く理解していなかった。それで、メンバー達には、降伏問題に関する緊急性を高める意図はなかった。軍事参議院は、会議を行いながら、長崎で一体何が起きているかより、もっぱらロシアの宣戦布告を懸念していた。

だが、それは既に遅過ぎた、軍事参議院メンバーがやってきて、御前会議に向かう頃には、歴史の流れを変える機会はもはやなかった為だ。無線封鎖をして飛行しているボックスカーは、既に、日本南部の諸島に接近し、第一目標の小倉に向かっていた。乗組員達は任務を遅らせてしまう可能性のある予想された台風と雲を切り抜けることを願っていた。

ボックスカー乗組員は、必ず目視照準をした上で、原爆を投下するよう指示されていた。しかし小倉は雲に覆われていた。そこで、都市上空の雲の上で、原爆投下の為の飛行を三度試み、エンジン四基中一基のトラブルを経験した後、貴重な燃料も消費した為、爆撃機は二次目標の長崎に向かった。

長崎キリスト教の歴史

長崎は、日本のキリスト教史上で有名だ。長崎は、日本で最大のキリスト教徒の集中地だった。浦上天主堂は当時の巨大教会で、12,000人の洗礼を受けた信者を擁していた。

長崎は伝説的なイエズス会宣教師フランシスコ・ザビエルが、1549年に伝道教会を建てた場所だ。長崎のカトリック教共同体は拡大し、ついには続く数世代、繁栄した。ところが結局、日本にとって、ポルトガルとスペインの商業権益が、日本を搾取していることが明らかになった。やがてわずか数世代で、全てのヨーロッパ人と、彼等の外国宗教は国外追放された。

1600年から1850年まで、日本では、キリスト教徒であることは、死罪に値した。1600年代初期、信仰取り消しを拒否した日本人キリスト教徒は、磔刑を含め、言語に絶する拷問を受けた。大量磔刑を行った後、恐怖政治支配は終わり、あらゆる観察者にとって、日本におけるキリスト教は絶滅したかに見えた。

ところが、250年後に、マシュー・ペリー准将の砲艦外交が、沿岸の島を、アメリカ貿易の為に開放させた後、長崎には、政府には全く知られず、地下潜伏した形で、洗礼を施された何千人ものキリスト教徒達が暮らしていることが発見された。

この屈辱的な発見の後、日本政府は新たな粛清を開始した。ところが国際的圧力の為、迫害は止められ、長崎のキリスト教は地上に出現した。1917年には、政府から何の援助も受けずに、復興したキリスト教共同体が、長崎の浦上川地区に、壮大なセントメアリー大聖堂を建立した。

キリストの名において、キリスト教徒を殺害するキリスト教徒

9300メートル上空から確認可能な、長崎に二つしかない陸標の一つ(もう一つは、連合諸国の海上封鎖の為、原材料も不足していた、三菱の兵器工場複合体)である巨大な天主堂が、ファット・マン原爆の爆心地となったのは皮肉の極みだ。

午前11:02、木曜朝ミサのさなか、何百人もの長崎キリスト教徒はゆだり、蒸発し、炭化し、あるいは天主堂上空500メートルで爆発した、焼けつく放射能の火の玉へと消えた。間もなくきのこ雲から降った黒い雨が、多数の長崎の神道信者、仏教徒やキリスト教徒の入り交じった亡骸を包んだ。長崎の黒い雨の神学的含意は、あらゆる宗派の神学者達の心をひるませるに違いない。

長崎キリスト教信者の死者数

大半の長崎のキリスト教徒は、爆破から生き残れなかった。ゆるしの告解に出席していた全員を含め、6,000人が即死した。12,000人の教会員のうち、8,500人が原爆の結果として亡くなった。他の多くの人々も極めて致死的な全く新しい病気になった。放射能疾患だ。
近隣にあった三つの女子修道院と、キリスト教女学校が、黒煙となって消滅するか、炭の塊と化した。何万人もの無辜のキリスト教信者ではない人々も即死し、更に多くの人々が、致命傷を負ったり、治療もできないほど負傷したりした。犠牲者の子孫の中には致命的なプルトニウムや、原爆が生み出した他の放射性同位元素によって引き起こされる、継代悪性腫瘍や、免疫不全を患っている。

ここで、本記事の重要点の一つをあげよう。日本の帝国主義政権が、200年間にわたる迫害でできなかったことを(日本キリスト教の破壊)、アメリカのキリスト教徒は、数秒でなし遂げたのだ。

第二次世界大戦以来の数十年間で、キリスト教が、ゆっくりと復興した今でも、日本人教会信者数は、総人口のわずか1%というものでしかなく、キリスト教礼拝への平均出席者は、わずか30人と報じられている。戦争末期における長崎の絶滅が、一時は活気に満ちていた教会を、損なってしまったことは確実だ。

第509混成部隊のカトリック従軍司祭、ジョージ・ザベルカ

ジョージ・ザベルカ神父は、第509混成部隊(首尾よく原子爆弾を標的に送り込むことが唯一の任務である、アメリカ合州国空軍の1500人の兵士集団)のカトリック従軍司祭だった。ザベルカは、現代の教会が戦争について教えてくれることと、初期の平和主義的な教会が殺人という暴力について教えていたこととの間の矛盾を最終的に認めるに至った数少ないキリスト教指導者の一人だった。

ザベルカが従軍牧師を解雇されてから数十年後、彼は結局、組織的大量虐殺、つまり現代の戦争を、宗教的に正当化することで、自分も教会も深刻な倫理的、神学的過ちを犯したという結論をだした。彼は結局、(自ら述べているとおり)、私の敵、私の国の敵は、新約聖書の価値体系によれば、神の敵ではなく、むしろ神に愛されている神の子であり、それゆえ、愛の神の信者として、私により愛されるべきである(殺されるべきではなく)ことを理解するようになった。

ザベルカ神父が、標準化された、暴力に寛容なキリスト教から突然転向したことで、ミシガン州デトロイトの聖職者会議も180度転換した。マーチン・ルーサー・キング同様に、福音非暴力という真実に誠心誠意力を注ぐことを固く決めた彼は、余生を、軍国主義や、人種差別や、経済的搾取等の暴力を含む、あらゆる形の暴力への反対を、はっきり発言することに捧げることにした。ザベルカは、原爆投下50周年には、長崎を訪問し、犯罪で、自らがはたした役割を、涙ながらに懺悔し、許しを請うた。

同様に、第509混成部隊のルター派従軍牧師、ウィリアム・ダウニー牧師(元ミネソタ州、ミネアポリス福音ルーテル派教会)は、国家の為の殺人に参加して、心理的障害を負った兵士をカウンセリングしながら、後に、一発の銃弾によるものであれ、大量破壊兵器によるものであれ、あらゆる殺戮を非難するようになった。

戦闘経験者が、一体なぜ、自分たちの魂を破壊した戦争を祝福する宗教を奉じる必要があるだろう?

ダニエル・ハロックの重要な本、Hell, Healing and Resistanceで、著者は、1997年に、仏教徒僧ティク・ナット・ハンが率いた仏教徒の瞑想について語っている。瞑想は、戦闘で心に傷を負ったベトナム戦争退役軍人という、ベトナム戦争後の忌まわしい現象に対処することを目指すものだった。ハロックは書いている。“あきらかに、仏教は、制度化されたキリスト教には見いだせない何かを提示してくれている。しかし一体なぜ、退役軍人が、自分達の魂を破壊した戦争を祝福した宗教を奉じなければならないのだろう? 彼等が、穏やかな仏教の僧を頼って、実際、大半がキリストの真実であることを聞こうとするのも不思議ではない。”

ハロックの発言は、新たな信者の募集と、既存信者の維持が、同等に重要と見なしているかに思えるキリスト教指導者に対し、目を覚まさせる警鐘に違いない。アメリカが極めて軍国主義化した国家だという事実が、特に、戦場で経験した、心的外傷となる恐怖ゆえに、信仰を失ったかもしれない退役兵士達(特に困窮した、ホームレス)に向かって、福音書に書かれた非暴力の真実を教え、説教するのを困難にしている。

私は、何百人もの精神的に心に傷を負った患者(特に戦闘で精神的痛手を受けた退役軍人)に対応した元医師なので、あらゆる形の暴力が、心や、体や、脳や、精神を、回復できないほど傷つけ得ることを知っている。しかし、戦闘で精神的痛手を受けるタイプのものは、事実上、完全治癒は不可能だが、予防可能だという事実ゆえ、予防が極めて重要になる。

戦闘によって引き起こされるPTSDに関する限り、1グラムの予防は、実際、1キロの治療に値する。殺人暴力行為(そして魂を破壊する戦闘PTSD)の防止上、キリスト教会が貢献すべき、そして貢献が可能なのは、非暴力主義イエスの倫理が、その存在で最初の3世紀間、平和主義の教会を確かに導いた様に、信者達に対し、そういうものに加わらないようにという助言だ。

こうした暴力を経験することは致命的で、うつる場合さえある。暴力、養育放棄、虐待や、結果とし起きる心的外傷の病が、軍人や非軍人家族にさえ広がるのを私は目にしてきた。最初の犠牲者から、第三世代、第四世代にまでわたることもある。そして、それは、被爆者(広島と長崎の原子爆弾で、長い間苦しんでいる生存者達)や、その子孫達の経験であり、第二次世界大戦に限らず、あらゆる戦争で、殺人行為を体験した戦士-加害者(そして、彼らの犠牲者)の経験だ。

戦争の大量虐殺におけるキリスト教教会の役割は一体どうあるべきか?

何年も前に、ある出版されていない退役軍人省の研究を読んだことがあるが、そこにはベトナム戦争時代の兵士の大半は、派兵されるまでは、キリスト教会の積極的信者だったが、PTSDを患って帰還した場合、信仰コミュニティーに復帰する比率はゼロに近づいたとあった。先に引用したダニエル・ハロックの上記反省メッセージがなぜそうなるかを説明している。

それゆえ教会は、少なくとも、戦争の問題について沈黙することによって、原始教会が理解していた、実際“私に従いたい人々に、暴力は禁じられている”と言ったイエス教義の核心の一つを教え損なうことで、イエスの倫理教義に反し、殺人暴力行為を促進しているように見える。

それゆえ、青年信者に対し、信仰や魂を破壊する戦争の現実を警告するのを控えることで、教会は“あらゆる教会が行っている信者維持”戦略を、直接むしばんでいる。長崎の隠された歴史は、アメリカのキリスト教にとって、貴重な教訓になる。

ボックスカー乗組員と指揮命令系統

ボックスカー爆撃機乗組員達は、あらゆる戦争同様、徴兵されたか、自ら入隊した兵士として、長く、複雑で、全く匿名の指揮命令系統の最下位にあり、上司達は指揮命令系統の部下達に絶対服従を要求する。ボックスカー乗組員達は、汚れ仕事をすることに、誰一人として道徳的な責任を感じない他の組織によって、概念化され、設計され、資金提供され、製造され、装備された致死兵器の“引き金を引く”よう命じられていた。あらゆる戦争に当てはまるが、引き金を引く兵士達が、通常、殺人行為を責められる対象になるので、それゆえ彼等は戦後、罪悪感を抱くことが多く、それが戦闘で引き起こされるPTSDの大半を占めている。一方、兵士達の道徳に責任を負う、それぞれの宗教の従軍牧師達も、罪悪感を共有していよう。両方の集団は指揮命令系統の最下位にあるが、いずれの集団も、自分達が殺そうとしている“敵”が一体誰か、あるいは何故なのかを知らずにいる。

国家の為に殺人をしながら、同時に、しかも非論理的に、非暴力主義者イエスの教えに忠誠を誓うことを明言する倫理について必要な論議を、この文章が促進する様に願いたい。

あらゆる国家安全保障機関、軍産複合体、戦争で金儲けをする大企業による、民族主義的、人種差別的、軍国主義的な狙いや、過去1700年間にわたって、洗礼されたキリスト教徒が、キリストの名において、他のキリスト教徒(キリスト教信者でない人々は言うまでもなく)を進んで殺害するのを可能にしてきた、キリスト教以前の、目には目をという報復教義を、イエスの教えを知っていた初期教会指導者達は、拒否していた。

長崎の隠された歴史は苦闘するアメリカ・キリスト教にとって教訓的であるに違いない。

コール医師は、職業生活最後の十年間、総合的な精神医療を実践した引退医師。彼は診療で、(基本訓練と戦闘を含む)暴力行為の際、心理的、神経学的、および/あるいは、精神的外傷を受けた退役軍人(そして民間人)の恐ろしい心理的な影響を数多く扱った。

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/the-70th-anniversary-of-the-bombing-of-nagasaki-unwelcome-truths-for-church-and-state/5466919
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戦争法案、TPP推進の中、 第47回思い出のメロディー、大政翼賛会「らしく」ないエピソードがもりこまれていた。摩文仁の丘で、沖縄の米軍攻撃で家族を失った方を前に、夏川りみが「さとうきび畑」を歌った。新たな「岸壁の母」時代にまっしぐら。そういうことをして下さった国の侵略戦争に、これからついてゆく。余りに悲しい属国。

イスラエルから女性歌手を招いての「ナオミの夢」。唐突に思えた。

日本が対米戦争を始めるのを、アメリカ指導部はじっと待っていたに違いない。100%勝利するのがわかっていた以上、戦勝後の植民地政策の大筋を十分研究していただろう。思いがけない、中国やソ連の興隆で、過酷な植民地化方針を一時ゆるめ、資本主義の飾り窓にしたてて下さったのだろう。ソ連崩壊後、日本は食べごろの肥えた豚に戻った。以来、本来の植民地政策は激化し、いよいよその大団円を迎えている今。TPPも戦争法案も、日本の国家としての主権放棄が核心にある。

学会員で、農業をしておられる方が、戦争法案反対署名を集めておられる様子が民放で放送された。あまりのまともな発言に驚いた。そういう方もおられるのだ。

信濃町では、学会ではないように見える母親の方々が、プラカードを持って覚醒を呼びかけた記事を見た。母親の方々よりずっと多い警察官の皆様が警備している画像があった。

同じ方の同様趣旨記事、以前、二件ほど翻訳した。

1945年8月9日の長崎爆撃 キリスト教会と国家についての歓迎されざる真実 2014年8月 8日 (金)

1945年8月9日長崎爆撃: 無検閲版 2013年8月 9日 (金)

そして、以下は、上記の1945年8月9日長崎爆撃: 無検閲版 につけた後書きの写し。

 

Nagasakigz

長崎の爆心地

Nagasakikietamouhitotsuno

以前『ナガサキ消えたもう一つの「原爆ドーム」』平凡社版を読んで、目からウロコ体験をした。長崎の遺跡と、広島の遺跡のあまりの違いを、現地で見て驚いた。アメリカ都市からの碑があるのを不思議に思った。そうした疑問が本書で解けたのだ。自分たちが破壊したキリスト教教会の悲惨な遺構を、残させな
いよう強烈に働きかけた宗主国キリスト者達の懐柔工作。北村西望の平和祈念像の手前にある各国から贈られた像の中に、なぜアメリカのセントポール市からの像があるのか、意味がようやくわかった。

Stpaulnagasaki

うれしいことに、その名著が文春文庫化され、しかも、福島原発事故を受けた読みごたえのある追記まである。税込み価格683円。

新刊『忘却のしかた、記憶のしかた 日本・アメリカ・戦争』ジョン・W・ダワー著の第五章 被爆者─日本人の記憶のなかの広島と長崎 を今読んでいる。

イエズス会といえば、『イエズス会の世界戦略』高橋裕史著、講談社選書メチエ、と、『武器・十字架と戦国日本 イエズス会宣教師と「対日武力征服計画」の真相』高橋裕史著、洋泉社刊を興味深く読んだ。この文章の著者の表現にある

ポルトガルとスペインの商業権益が日本を搾取していることが明白となり

だけでなく、軍事的な動きも確かにあったことが検証されている。『武器・十字架と戦国日本』あとがきの一部を引用させて頂く。

 昨今、短期的な利益ばかりに振り回され、物事を長い目で考え、その価値の将来における有用性を省みないという愚かな価値観が、日本社会と大学における研究をも支配している。
 そのような社会の風潮にあって、実利主義や功利主義者がもっとも攻撃の対象としているのが歴史学を始めとする人文諸学である。現在の日本に見られる、行き過ぎた実学至上主義には、必ずや鉄槌が下される時期がやってくることはまちがいない。
 
未来への指針は、過去から謙虚に学び、反省することから始まる。それを怠った典型例が、現在も継続中の某電力会社による原子力発電事故であることは、述べるまでもない。また、無節操にひとつの価値観や考えを極端に重視し、それを至上主義化してしまった結果、取り返しのつかない事態がもたらされていることは、我国や他国の歴史が雄弁に証明しているところでもある。歴史を侮る者は、歴史に泣かされることを忘れてはならない。

朝刊記事、「東電福島事故、誰も起訴されない」という。

またしても「津波は予測できなかった」というガセ見出し。

先月刊行された島村英紀著『人はなぜ御用学者になるのか--地震と原発
原発学者のみならず、地震学者も多かれ少なかれ、原発村の中にとりこまれている様子が描かれている。ご本人が一流の地球物理学者なのだから、間違いはない。書評はここで読める
中に、様々な事故調査委員会についての的確な寸評もある。

国会事故調のみが、津波でなく、地震そのものが原因である可能性を想定し、現場検証もしようとしたが、現地調査は東電の妨害で果たせなかった。

状況から判断すれば、「地震そのものが原因である」ことを実証されては困るからだろうとしか思われない。そういう妨害工作を、体制護持機構である検察も、大本営広報部も決して追求しない。

過ちはくりかえしますから。

プロパガンダを信じておられる方々は、岩波書店『世界』2013年9月号掲載の日本国憲法は最高級のレシピ本!内橋克人×アーサー・ビナード(シリーズ 内橋克人の憲法対談)を是非お読み頂きたいと思う。実に読みごたえのある記事。

「原爆投下のおかげで終戦になった」というお話は、戦争犯罪の原爆投下を正当化するための宗主国のプロバガンダ。

実際は「プルトニウム爆弾を長崎に投下するまで、対日戦争を終わらせなかった」ことが、プルトニウム爆弾開発の歴史的事実に基づいて、日本在住のアメリカ人によって明確に語られている。広島型のウラン原爆はいわば旧式なものであり、本当の原爆は、長崎に投下されたプルトニウム型。実際に世界の大半の核兵器は、プルトニウム型。

そして、原子力発電所というものは、実体は、長崎に投下されたプルトニウム型爆弾の材料、「プルトニウム製造装置」とでも呼ばれるべきもの。

2015年8月 8日 (土)

平和と繁栄の為の処方箋

Paul Craig Roberts
2015年8月5日

“我々に何ができるのか?”という質問が多く寄せられる。 平和と繁栄の為の処方箋は下記の通りだ。

繁栄は平和に貢献しうるので、繁栄から話を始めよう。政府は、見込みのない経済見通しから目をそらせる為に戦争を始めることもあり、国内の政治的安定性も、同様に繁栄に依存している可能性がある。

繁栄への道

アメリカ合州国が、繁栄の道に戻る為には、中流階級を復活させ、出世階段を元通りにしなければならない。中流階級は、富者と貧者との間の、緩衝として、国内の政治的安定に貢献していた。出世階段は、強い決意を持った人々が、貧困から這い上がって成功することを可能にする安全弁だ。世の中全体の所得上昇によって、消費者需要が生まれ、それが経済を駆動した。アメリカ経済は、第二次世界大戦後の時期に、そういう形で機能した。

中流階級を再建するには海外移転された雇用を国内にもどさなければならない、独占を廃止し、規制を復活させ、責任を負う支配のもとに、中央銀行をおくか、廃絶するかだ。

雇用の海外移転は、中流階級を犠牲にして、資本所有者と資本管理者を裕福にした。高賃金の製造業や産業の労働者達や、ソフトウェア・エンジニアリングや情報技術等の、移転可能な専門サービス雇用に向けて教育された大学卒業生も生計を失った。残った雇用が、小売り店員、病院の雑役係、ウエイトレスや、バーテンダー等の国内サービス雇用でしかない経済では、同等の賃金の仕事は探しようがない。現在の収入損失は、退職者の社会保障を補完していた医療給付や私的年金の損失により、更に一層ひどくなる。かくして、雇用の海外移転は、現在、将来、両方の消費者所得を低下させる。

アメリカ中流階級の雇用は、企業が課税される方法を変えることで、国内に取り戻すことができる。アメリカ市場で売られている企業製品に対する付加価値が、国内によるものか、海外によるものかを基本にして、企業所得に課税するのだ。国内生産では、税率が低くなる。海外生産された製品の税率は高くなる。海外で生産することで得られるコスト削減が相殺されるように税率を設定できよう。

自由市場主義の経済学者連中によって、長い間、シャーマン反トラスト法は死文化したと攻撃された。自由市場主義の経済学者連中は、市場には自己修正機能があるのだから、反独占法規は不要で、非効率なものを守る役にしかたたないと主張した。たくさんの伝統的な中小企業は、フランチャイズや、“大規模小売店”に独占されてしまった。家族経営の自動車部品会社、工具店、レストラン、紳士服店や、婦人服店は締め出されてしまった。地方商店街に対する、ウォルマートの破壊的影響は伝説的だ。全国規模の企業が、地方企業を廃業に追いやったのだ。

独占には、経済的影響以上のものがある。6つの超巨大企業が90パーセントのアメリカ・メディアを支配してしまった為、分散し独立したマスコミは、もはや存在しない。ところが、民主主義そのものは、政府に責任を負わせるようにするマスコミに依存している。米国憲法修正第1項「言論の自由」条項の目的は、政府を制御することだが、現在、マスコミは政府のプロパガンダ省として機能している。

AT&Tが規制された独占企業だった頃、アメリカ人は、より良く、より安価な通信サービスを享受していた。通信サービスの自由化は、サービスが低劣で、料金の高い、規制されない多数の地方独占企業を生み出すことになった。AT&Tの安定性ゆえに、同社の株は“寡婦と孤児”信託基金、年金や、資産維持にとって理想的な“優良株”だった。現在、そのような、リスクのない株など存在しない。

金融規制緩和で、独占に拍車が掛かった。“市場は自己調整する”し、政府規制は有害だという連邦準備金制度理事会議長アラン・グリーンスパンの主張は、2007-2008年の金融危機で粉々にされた。規制緩和は、銀行が慎重な行動をやめるのを可能にしたのみならず、途方もない集中化も可能にし、アメリカには“大き過ぎて潰せない銀行”ができた。資本主義の長所と、正当化の一つは、効率の悪い企業は失敗し、倒産するというものだ。ところが、今存在しているのは、公的、あるいは連邦準備金制度理事会の助成によって、破綻させないように維持しなければならない銀行だ。金融規制緩和の結果の一つは、資本主義の作用から巨大銀行を保護することだったのは明らかだ。規制から銀行を解放することが、資本主義の破壊を招く結果となり、自由市場主義経済学者が敗北したのは皮肉なことだ。

連邦準備金制度理事会が、ゼロ、マイナスの実質金利で、大き過ぎて潰せない銀行を支援するコストは、預金者や退職者達にとって壊滅的だ。アメリカ人は、7年間、貯蓄に対する利子を受け取っていない。家計をやりくりするには、彼等は貯蓄を取り崩さざるを得ない。しかも連邦準備金制度理事会の政策は、連邦準備金制度理事会が生み出した流動性で、人為的に株式市場を押し上げ、債券市場でも同様なバブルを引き起こしている。国債の高値は、債務の増加と、債務を破綻させずにおくために印刷されている紙幣と矛盾する。ドルの価値自体、日本とEUの量的緩和に依存している。

繁栄の為の明らかな必須条件として、金融の安定性を取り戻す為、大銀行は、分割すべきであり、投資銀行と、商業銀行の違いを復活させるべきだ。

クリントン政権以来、大多数の財務長官は問題を抱えた大手銀行元幹部で、連中は、自分達の公的地位を、アメリカ経済でなく、自分達の銀行の為になる様に利用した。しかも、巨大銀行幹部連中は、連邦準備金制度理事会の主要活動部門であるニューヨーク連邦準備金制度の理事だ。結果的に、ごく少数の大銀行が、アメリカの金融政策支配している。この陰謀団は解体すべきであり、連邦準備金制度理事会に責任を取らせるようにするか、廃絶すべきなのだ。

この為には、政治から、金を取り除くことが必要だ。ごく少数の強力な私的権益集団が、連中の選挙献金で、選挙結果を支配する能力は、民主主義に対するのろいだ。一年前、共和党支配の最高裁判所は、金持ちは、自分達の利己的権益の利益になるよう、政府を政治選挙献金で買収する憲法上の権利を持っていると裁定した。

連中は、人身保護令状に、憲法上の権利を全く認めておらず、それゆえ、アメリカ国民の無期限拘留を禁じていないと判定したのと同じ共和党判事達だ。連中は、どうやら自己負罪に対する憲法上の禁止を認めようとせずに、拷問を容認した共和党判事達だ。連中は、適正手続きを放棄し、アメリカ政府が、アメリカ国民を暗殺することを認めたのと同じ共和党判事達だ。

政治生活に対する金の支配を排除するには、革命を必要とする可能性がある。繁栄が1パーセントだけの為のものでない限り、民主主義に対する最高裁判所の攻撃は覆すべきだ。

平和への道は困難だ

平和を取り戻すのは、繁栄を取り戻すことより一層困難だ。繁栄は、平和の前提条件となり得る、平和には、経済と外交政策における変更が必要だ。

平和を取り戻すことが、とりわけ困難なのは、アメリカが、イスラム教テロリストや、国内の過激派や、ロシアに脅かされている為ではない。こうした“脅威”は、特別利益集団の為に画策されているでっち上げなのだ。“安全保障の脅威”は、軍安保複合体にとって、更なる利益と、更なる権力をもたらす。

でっち上げの“対テロ戦争”は、14年間継続中で、膨大な支出で戦うべき、更なる“テロ”を生み出すことに成功している。共和党は、どうやら、社会保障やメディケア給与税で払い込まれたお金を、軍安保複合体に流用するつもりの様だ。

三週間ですむ“簡単なこと”と約束されたイラク問題は、過激な「イスラム国」が、イラクとシリアの半分を支配する14年間の敗北と化した。欧米支配に対するイスラム主義者の抵抗は、アフリカや、イエメンや、サウジアラビア、ヨルダンに広がり、石油産出首長諸国は、いつ何時落果しかねない完熟果実だ。

中東で、瓶から精霊を出したワシントンは、ロシアとの対立、そして、その延長として、中国との対立に取りかかった。14年たっても、アフガニスタンで、タリバンを打ち負かせなかった政府にとって、これは大事だ。

ロシアは敗北に慣れた国ではない。しかも、ロシアには、膨大な核戦力と、いかなるアメリカ/NATOによる侵略にも耐える広大な領土がある。どの国より遥かに広大な土地を持つ、完全武装した国にけんかを売ることが、基本的な戦略的感覚の欠如を示している。だが、それこそ、ワシントンがしていることなのだ。

歴史が、世界に対して覇権を行使するよう、ワシントンを選んだというネオコン・ドクトリンに、ワシントンが全力で取り組んでいるがゆえに、ワシントンは、ロシアに因縁をつけているのだ。アメリカは“例外的で、必要欠くべからざる”国で、ワシントンの意思を世界に押しつけるべく選ばれた一極大国だ。

このイデオロギーが、アメリカ外交政策を支配しており、それを守る為、戦争を必要としているのだ。1990年代、ポール・ウォルフォウィッツが、ウォルフォウィッツ・ドクトリンを、アメリカ軍と外交政策の教義にした。ドクトリンの最も大胆な部分にこうある。
“我々の第一目標は、旧ソ連地域であれ、他の場所であれ、かつてソ連が引き起こしていた規模の脅威をもたらす新たなライバルの再登場を防ぐことだ。これは新たな地域防衛戦略の根底にある主要な考え方であり、統合的に管理すればグローバル・パワーを生み出すのに十分な資源がある地域を、いかなる敵対的勢力にも支配させないよう、我々の尽力を要求するものだ。”

冷戦時の、Committee on the Present Danger(当面の危機に対する委員会?)の元メンバーとして、こうした言葉が何を意味しているか私は説明できる。“かつてのソ連による脅威”とは、世界の一部で、一方的なアメリカの行動を阻止するソ連の能力だ。ソ連は、至る所ではないが、一部の場所では、アメリカの一方的行動に対する抑制だった。ワシントンの意思に対するこうした抑制が、脅威と見なされるのだ。

“敵対的勢力”というのは、BRICS (ブラジル、ロシア、インド、中国と、南アフリカ)が主張している様な独自の外交政策を持った国だ。イラン、ボリビア、エクアドル、ベネズエラ、アルゼンチン、キューバと、北朝鮮も、独自の外交政策を主張している。

これは、ワシントンにとって、許容するには余りの独立だ。ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、最近こう述べた。“ワシントンはパートナーを求めてはいない。ワシントンは属国を求めている。”

ウォルフォウィッツ・ドクトリンは、ワシントンの意思に従わない政府を、ワシントンが始末することを要求しているのだ。それが“第一目的”なのだ。

ソ連が崩壊した結果、ボリス・エリツィンが解体されたロシアの大統領となった。エリツィンは従順なアメリカ傀儡だった。ワシントンは、新たな属国に慣れてしまい、ウラジーミル・プーチンがロシアの隷属状態を続けてくれると期待して、中東戦争に没頭した。

ところが、第43回ミュンヘン安全保障会議で、プーチンはこう述べたのだ。“単極モデルは、今日の世界では、受け入れられないのみならず、不可能だと思う。”

プーチンは更にこう続けた。“国際法の基本原則に対する一層の軽視を、我々は目にしています。そして、独立した法的規範は、実のところ、益々、ある国の法制度に近づいています。ある国とは、もちろん、何よりもまず、アメリカ合州国は、あらゆる方法で国境を踏み越えた。アメリカが他の国々に押しつけている、経済、政治、文化、教育政策に現れています。さて誰がこういうものを好むでしょう? これで満足しているのは誰でしょう?”

プーチンが、アメリカ一極大国に対するこの根本的な挑戦発言をした際、ワシントンはアフガニスタンとイラク侵略の失敗に気を取られていた。任務は完遂されなかったのだ。

2014年には、ワシントンが中東で、結婚式や、葬式、村の長老や、子供達のサッカー試合を吹き飛ばしていた間に、ロシアが、ワシントンの支配からの独立を実現し、ワシントン一極大国に対する手ごわい挑戦者として立ち現れたことに、ワシントンの頑固な支配者連中も気がついた。プーチンとロシアは、ワシントンの傲慢さにうんざりしたのだ。

ロシアの明白な勃興で、ワシントンは、中東からロシアの脆弱性へと方向転換した。長い間、ロシアの、そしてソ連の一部だったウクライナは、ワシントンの工作によるソ連崩壊の後、ロシアから分離した。2004年、ワシントンは、オレンジ革命で、ウクライナをとりこもうとしたが、ウクライナをワシントンの手にいれるのに失敗した。その結果、ビクトリア・ヌーランド国務次官補によれば、ワシントンは、その後の十年間、キエフ街頭に出動させられるNGOの育成と、ワシントンの権益を代表する政治指導者達の育成に50億ドルを費やした。

ワシントンは、2014年2月、画策した“抗議行動”でクーデターを開始し、更に暴力を利用して、民主的に選出されたヴィクトル・ヤヌコヴィッチ政権の打倒と逃亡をもたらした。言い換えれば、ワシントンは、新しい国における民主主義を、民主主義が根を下ろせる前に、クーデターで破壊してしまったのだ。

ロシアに安全保障問題をもたらし、ヨーロッパとロシアとの拡大し続ける経済的、政治的関係を断ち切る為に、対“ロシア侵略”経済制裁も正当化する為、ウクライナを掌握するつもりのワシントンにとって、ウクライナ民主主義などどうでも良かったのだ。

この無謀で、無責任な核戦争に対する攻撃を開始しておいて、ワシントンは、やむを得ず誤りを認め、譲歩するだろうか? ネオコンに支配されたマスコミが、それを許すだろうか? 89%のロシア国民に支持されたロシア政府は、欧米の一部となるコストとして、隷属的地位になるのを拒否することを明らかにした。ウォルフォウィッツ・ドクトリンの含意は、ロシアは破壊されねばならないということだ。

これは我々自身の破滅を意味する。

平和を取り戻すために一体何ができるだろう? EUは、NATOを放棄し、ワシントンは、ロシアよりも大きな脅威だ宣言しなければならないのは明らかだ。NATOがなければ、ワシントンは侵略の隠れ蓑を失い、ロシアを包囲する為の軍事基地も無くなってしまう。

“世界に冠たる”イデオロギーを奉じているのは、ロシアではなく、ワシントンだ。オバマは“アメリカは例外的な国だ”というネオコンの主張を支持している。プーチンは、ロシアについて、そのような主張はしていない。オバマの主張に対するプーチンの対応は“神は我々を平等に造られた”だった。

平和を取り戻す為には、政府の外交政策職と、マスコミの、ネオコンを解任しなければならない。これはつまり、ビクトリア・ヌーランドを国務次官補から解任すべきこと、スーザン・ライスを、国家安全保障顧問から解任すべきこと、サマンサ・パワーをアメリカ国連大使から解任すべきことを意味している。

フォックス‘ニューズ’、 CNN、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストや、ウオール・ストリート・ジャーナルから、戦争を商売にするネオコンを解任しなければならず、自立した意見の持ち主が、戦争宣伝者の彼等に代わるべきなのだ。

明らかに、こうしたことの一つとして起きまいが、ハルマゲドンを避けたいのであれば、起こさなければならない。

平和と繁栄の為の処方箋は、理にかなっている。問題は、我々が、これを実施できるか否かだ。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

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記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/08/05/prescription-peace-prosperity-paul-craig-robert/
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新国立競技場問題、大切だろう。国のかたちがすっかり変えられてしまうTPP、遥かに重要だろう。話題の重要さと、報道の量と質、大本営広報部では必ず反比例する。

今、与党が強力推進しているのは「戦争と窮乏の為の処方箋」。

戦争と窮乏の為の処方箋は、理にかなっている。問題は、我々が、これを阻止できるか否かだ。

ウォルマートの破壊的影響の伝説、もちろん日本にも適用されている。

TPP秘密交渉の正体』山田正彦著 29-30ページ

その後、USTRは日本に対して二国間での通商交渉を強引にしかけてきた。
1994年、宮澤喜一内閣の時に始まった米国からの日本に対する「年次改革要望書」を受け入れてきたことは日本にとって痛かった。その代表的なものは、2000年小泉純一郎総理の時に、構造改革の一環として大店立地法を受け入れたことだ。米国としてはウォルマートなどの大型店舗が、全国を制覇して各国に進出するにあたって、日本にまず門戸解放を求めてのことだった。中略
日本は大店法を受け入れて、ダイエー、イオンなどの大型店舗が郊外にできるようになると、次々に専門店、米屋、酒屋、魚屋、肉屋が潰れていった。
 その動きは早かった。いつの間にか地方の商店街がシャッター通りになってしまった。

戦争法案と、TPP。大本営広報部、戦争法案には、多少は冷静な報道をしているかに見えるが、TPPになると、大政翼賛会そのもの。
根拠のないTPP推進論、戦争法案に対する政府泥縄説明と良い勝負。

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

TPP関連主要記事リスト

国会討論の与党回答、国民の反応など全く気にしていない。「ひたすら、宗主国の気にいっていただけるか否か、だけを考えて発言している」と考えると、支離滅裂さ、辻褄があう。

はだしのゲンはピカドンを忘れない』中沢啓二著 岩波ブックレットから引用させていただこう。1982年7月23日 第1刷発行 53-54ページ。

戦争を推進した連中が、政・財界にのうのうとのさばって、依然として政治を牛耳っている。彼らは、常に安全な場所に身を置いて、人々に命令ばかりしている。だから、戦争のむごさ、原爆のすさまじさがわからないのです。日本人全体の中に、戦争責任の問題意識が、まったく薄らいでしまっている。戦争で甘い汁を吸って味をしめている人々がいるから、また軍備だ、国を守るために戦争をやれといいだす。「死の商人」どもにとっては、戦争ほどもうかる商売はないのです。
ですから、今からでも遅くはない。やつらをたたき落とさなくてはいけないと、私は思います。

四年前に見た映画について書いた記事。はだしのゲンが見たヒロシマ・原発切抜帖・ひろしま・あしたが消える日

2015年8月 7日 (金)

イギリスのSAS特殊部隊、シリアで“ISIS叛徒の様な服装で”アサドと戦闘

Stephen Lendman

2015年8月5日

8月2日、イギリスのサンデー・エクスプレス紙は、“対聖戦戦士秘密戦争で、SASはISIS戦士の服装をしている”という見出しで、こう報じた。

現在“120人以上のエリート部隊隊員が、戦争で荒廃した国におり”ひそかに“黒い服を身につけ、ISIS旗を揚げ”オペレーション・シェーダーと呼ばれるものに取り組み、ISISと戦うという口実で、シリアの標的を攻撃している。

秘密のアメリカ特殊部隊とCIA要員も、同じような形で関与している可能性がある。オバマのリビア戦争時、イギリスは、英国陸軍特殊空挺部隊(SAS)と特殊舟艇隊(SBS)要員から選抜した、数百人の特殊部隊支援グループ集団(SFSG)落下傘兵を派兵した。

約800人の英国海兵隊員と、4,000人のアメリカ海兵隊員が、突然命令が下された場合、介入すべく待機していた。

この最新の暴露記事は、2013年8月、議会が拒否したにもかかわらず、デービッド・キャメロン首相が、昨年、シリア爆撃で、イギリス戦闘機が、アメリカ戦闘機に加わることを承認したことが判明してから二週間後に報じられたもの。

少なくとも現在の秘密地上作戦の一部は、アメリカ指揮下にある、攻撃すべき標的を探すべく、地形をスキャンする為の小型無人機を発射できるピックアップ・トラックで行動するいわゆる “粉砕”部隊だ。

通信支援を行う為、250人以上のイギリス(および、おそらくアメリカ)専門家が関与していると、サンデー・エクスプレスは報じている。

イギリスのマイケル・ファロン国防長官は、“他の国々における、我々の行動・監視能力を、シリアでの攻撃に振り向けている。”と述べた。

イギリスのSAS部隊は、サウジアラビアで、反アサド・テロリストを訓練しているが、一方、トルコ、ヨルダン、カタールや、恐らく イスラエルを含め、アメリカの工作員が同じことを行っている。

アメリカとイギリスの、いわゆる“穏健”反政府派の訓練に関する主張は、海外で訓練され、武器を与えられ、アサドと戦うべく、シリア 国境を越えて送りこまれ、今や、アメリカ/イギリス、カナダの地上の秘密特殊部隊と、上空援護まで得ているISISテロリストと直接行動していることの煙幕だ。

エクスプレス紙は、イギリスのシリア国内における作戦の一環として“戦車も出動するだろう”と述べた元イギリス陸軍大将、デビッド・リチャーズの発言を載せた。

別の記事は、アメリカによる空爆が、アサド攻撃用のアメリカ歩兵として機能しているISISテロリストを援護していることを論じている。

ウオール・ストリート・ジャーナルは、もし(ありもしない) アメリカが支援する“穏健”反政府派を攻撃した場合、シリア軍への空爆をオバマが承認したと、偽って主張して、リビア 2.0の序曲の様に見えるものについて報じている。

これと別に、トルコ・マスコミは、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「プーチンはアサドについて軟化したのかもしれない。彼はアサドをあきらめるのかも知れない」と述べたと報じた。

オバマは“プーチンが電話をしてきたが(6月末)、それがシリアについて話し合うためだった事を心強く思った”と述べた

アサド政権が、シリア国内で、益々広大な領域の支配を失いつつあり、(聖戦士)による権力奪取、あるいは、シリア政権の大敗の可能性は、差し迫っているわけではないが、日々脅威は大きくなりつつあると、彼等は感じているのだろうと思う。我々にとって、彼等と真面目な会話をする機会だ。

プーチンの広報担当官ドミトリー・ペスコフは、両大統領は、テロとの戦い、特に「イスラム国」について話し合ったとのべた。

“ロシアの見解は良く知られている”彼は説明した。“オバマ大統領との会話でも(プーチン)は繰り返して述べた”。変わってはいないのだ。

プーチンは、他国の内政に対するいかなる国による外部からの干渉に反対している。彼は、自国の指導者や議員を選ぶシリア国民や他の国民の主権を支持している。

プーチン補佐官のユーリー・ウシャコフは、“現在のシリア指導部は、「イスラム国」と対決している、本物の、有効な勢力の一つだ。”と述べた。

ロシアがアサド支援を弱めたことを示すものは皆無だ。

スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。[email protected]で彼と連絡ができる
編集者・寄稿者としての新刊は “Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”
http://www.claritypress.com/LendmanIII.html
彼のブログ・サイトはsjlendman.blogspot.com.

著名ゲスト達との最先端の議論を、Progressive Radio NetworkのProgressive Radio News Hourで聞くことができる。
放送は週三回行われている。日曜のアメリカ中部時間午後1時と、二つの録音放送だ。

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/british-sas-special-forces-dressed-up-as-isis-rebels-fighting-assad-in-syria/5466944

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BSで、映画『黒い雨』をはじめて見た。

スミソニアンに展示されているエノラゲイの様子も放送された。

大本営広報部でさえ、「きのこ雲の下で何が起きていたのか」で、CGで悲惨な様子を表現する番組を放送した。登場したアメリカ人ジャーナリスト、グレッグ・ミッチェル氏、名前に記憶があった。下記のデモクラシー・ナウ番組に登場した方。

原爆の隠蔽:米国によるヒロシマとナガサキへの原爆投下の隠されたストーリー
2011年8月23日 (火)

そういう仕業をした国の支配層は全く反省していない。元軍人団体が心から謝罪をしたという記事が夕刊にはあったが。

NHK NEWS WEBにこういう記事がある。

ロシア 原爆投下の米非難 日米分断ねらいか
8月6日 7時49分
ロシアのプーチン大統領の側近のナルイシキン下院議長は、広島と長崎の原爆投下を検証する会議を開き、「人道に対する罪に時効はない」と述べてアメリカを厳しく非難し、日本とアメリカの分断を図るねらいもあるものとみられます。

そういう国が、安保なり、戦争法制なり、TPPなりで、素晴らしい贈り物をしてくれると思う人一体いるのだろうか?

与党政治家も高級官僚も、行動・実績を冷静に考えれば、我々ではなく、彼等の政治家、高級官僚のように思われる。しかも収入は、宗主国からのお手当てではなく、税金。

70年、税金を投入して、彼らの為の政治、官僚制度を完成させたわけだ。

TPP秘密交渉の正体』山田正彦著 竹書房新書 34ページの一行を転記させていただこう。

各省は戦後60年間、有能な若手官僚を米国に留学させて、いつの間にか霞が関の官僚は米国と密接な関係になっている。霞が関は今や米国政府の出先機関になってしまったのではないかと思われるほどである。

この文章、

第2章 日米並行協議がTPPよりも恐ろしい

にあるもの。

山田正彦元農林水産大臣は、(TPPが漂流しても)日米並行協議がTPPよりも恐ろしいことを、2013年12月に書いておられるのだ。

大本営広報部の事前のTPP報道、あたかも、交渉がまとまるごとき、ヨイショ報道だった。蓋をあければ、大本営広報部の事前報道とは大違い。どうやら漂流の様相も見受けられる。報道というより、庶民に対するとほうもない被害をすべて見逃しての締結祈願。

241ページには、日本のメディアも多国籍企業に変われてしまったのか と見出しがある。

定価、本体838円+税

2015年8月 6日 (木)

悲しき原爆記念日

Brian CLOUGHLEY | 04.08.2015 | 00:00
Strategic Culture Foundation

1939年9月1日、第二次世界大戦開始の日、アメリカ大統領フランクリン・D・ルーズベルトは“フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド政府 、および、イギリス国王閣下”に書いた書簡で、“戦時中、無防備の人口密集地の一般市民に対する情け容赦ない空爆が、過去数年間、地球上の様々な場所で猛威を振るい、何千人もの無防備な男性、女性や、子供達の手足を失わせたり、死亡をもたらしたりして、あらゆる文明人男女を不快にさせ、人類の良心に深い衝撃を与えた”と述べていた。

空爆による一般市民の大虐殺に、当然の様に彼は愕然とし、呼びかけた国々が、“アメリカ軍は、同じ戦争法規が、全ての敵にも、きちょうめんに遵守されるだろうことを期待して、いかなる場合にも、いかなる状況でも、民間人や無防備の都市の空爆を企てることは決してしない決意を確認する”要請を受け入れることを望んだのだ。

日本の都市広島を、1945年8月6日に、そして三日後に、長崎を破壊し、合計100,000人以上の“無防備の男性、女性や子供達”を死亡させ、核科学者ロバート・オッペンハイマーに、ヒンズーの宗教的、哲学的な文書バガバット・ギータの“「今、われは死となり、世界の破壊者とはなれり。」を引用させた、原子爆弾爆発の70周年を、今年迎える。

原子爆弾開発は、1939年に始まったが、三年後のマンハッタン計画で本格的に動きだした。ルーズベルト大統領が、民間人を含め、2,403人を殺戮した日本のアメリカ真珠湾攻撃の丸二カ月前、1941年10月9日に、計画を承認していたのは実に興味深い。その後のアメリカによる宣戦布告は、戦争に勝利するあらゆる手段に一心に取り組んで、最終兵器を開発するという結果となった。

原子爆弾爆発の前ですら、第二次世界大戦に加わった主要な国々が、壊滅的打撃を与えることを何とも思っていなかったのは明らかだった。イギリスは、自分達の“狙いは、それゆえ二つ、つまり、(i) 破壊と、(ii) 死の恐怖をもたらすこと”だと考え、その狙いの為、ドイツの都市を情け容赦なく爆撃した。ロンドンに対して、1940-41年に、空爆を開始し、30,000人を死亡させた、昼夜をとわない60日間連続空爆をしたのはドイツだというのがその理由づけだった。

爆弾ピンポンという死のゲームで、戦争をする国々は、敵に大損害を与える、より致命的な方法を追い求めていたのだから、こうしたどの国々でも、自国政府の行為に同意しないような国民を見いだすのは困難だっただろう。こうして、マンハッタン計画は巨大な弾みを得て、専門能力と組織の効率の驚くべき発露で、科学者達が原子爆弾を設計し、製造したのだ。

情報通の人々が、破局的企てとなりうると考えていた、原爆プロジェクトについて、ルーズベルト大統領が、ハリー・トルーマン副大統領に全く何も話していなかったのは驚くべきことだ。最初の爆弾は、1945年7月16日に、ニュー・メキシコ州アラモゴルドで実験され、原爆の開発に関わった科学者達の懸念を引き起こし、そのうち70人が、原子爆弾の使用は、“想像を絶する規模の荒廃の時代”前触れとなりうる可能性があり、これらの新たに解放された自然の力を、破壊の目的で使用する前例を作る国は、想像を絶する規模の荒廃の時代”に道を開いた責任を負わねばならない可能性があると指摘する書簡を、ルーズベルト大統領に送った。

彼らの書簡は決して大統領に到達することが許されなかった。大統領は書簡の存在を全く知らなかったが、いずれにせよ、原子爆弾は不可欠だとさえ確信しており、軍の核開発に対する姿勢に、深刻な疑念を抱いていたオッペンハイマーに、“敵が何を計画していようとも、アメリカ科学は挑戦する能力がある”と書いた。1945年8月に爆弾投下命令を出した大統領は、ルーズベルトが亡くなった翌日の1945年4月13日にプロジェクトの存在を知ったハリー・トルーマンだったが、どのような結果になろうとも、爆弾は使用される予定だったのだ。

エリック・シュロッサーの啓発的著書『コマンド・アンド・コントロール』に書かれている通り、原子爆弾が使用される数カ月前、驚くほど激しい対日空爆が行われていた。例えば、1945年3月9日夜、“アメリカ爆撃機は、ナパームとゼリー状ガソリンを含んだ2,000トンの爆弾で、東京を攻撃した... 大火災から生じる旋風が、数時間のうちに、東京の四分の一を破壊した。約100,000人の民間人を殺害した... “トルーマンが、“地球上で、これまで見たこともない様な、破滅の雨が空から降ることになる”と冷淡に日本に警告した以上、もっとひどいことが起きるはずだった。

空爆を受けていない日本の大都市はそう多くなく、最終的な犠牲者を選ぶのは容易ではなかった。ヘンリー・スティムソン陸軍長官が、京都は日本の芸術と歴史にとって極めて重要な主要な文化の中心だと指摘した為に、京都は、原爆爆撃対象の4都市から外され 、代わりに長崎が選ばれた。そのような決定によって、人間の運命は決定されるのだ。何万とも知れぬ京都市民は救われたが、長崎の39,000人は、死ぬべく運命づけられた。

最初は広島で、8月6日に“大火災から生じた旋風が都市を飲み込み”、66,000人が死亡した。標的リストの二番目は小倉だったが、恐ろしい運命のいたずらで、都市は煙と、もやに覆われており、爆撃機は長崎に方向転換させられ、おぞましくもファット・マンと名付けられた二発目の原爆が、8月9日に投下された。

対日本戦争はそれで終わったが、この二都市を破壊する間に、8月8日、ドイツの都市ニュルンベルクで、来るべき国際軍事裁判による、ドイツ人戦犯裁判用の指針を含む憲章が、勝利した同盟国の署名によって承認されていたことは記憶されるべきだ。 二重基準の憂慮すべき例として、裁判官達は“以下の行為、あるいはそのいずれも、国際軍事裁判の管轄権内の、そこに個人的責任がある犯罪である... (b) 戦争犯罪: つまり、戦争法や、戦争の慣習法違反。その様な違反... 都市、町や、村の残酷な破壊を含むべきこと”と言われていたのだ。“一般市民や無防備の都市の空爆を企てる”ことは不快感を催す、というルーズベルト大統領の言葉を含んではいなかったが、そのような攻撃は戦時国際法に反することが明らかにされていた。

ニュルンベルク憲章がドイツ人戦犯の有罪判決を導いたが、トルーマンが“空からの破滅の雨”と呼んだ “死となり、世界の破壊者”が日本に猛烈な勢いで降り注いだ、まさにその時にニュルンベルク憲章が署名されたのは、おぞましい偶然の一致だ。

これはつまり、正義は戦勝国だけのものであることを示している。

実に悲しい記念日だ。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/08/04/sad-nuclear-anniversary.html
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新刊『歴史とプロパガンダ 日米回線から占領政策、尖閣問題まで』有馬哲夫著
第三章 原爆投下は必要なかった 作られたアメリカの公式見解

「アメリカ公文書館の歴史資料から、驚愕の対日プロパガンダの実態を解明する」と帯にある。公式文書によって、公式見解が否定されるわけだ。

第四章は、占領軍のブラックな心理的占領

168-169ページの記述、非常に気になる。恐縮ながら該当部分、転記させていただこう。

 戦後70年もたったのだから、そろそろ占領軍の心理戦の呪縛から抜け出さなければならないのだが、そのためにはまず、占領軍が自分たちに心理戦を行ったのだ、自分たちは洗脳されたのだということを認識し、自分たちの歴史観は歪んでいるのだということを自覚しなければならない。
 さいわい最近の若者を見ると、占領軍の心理戦の呪縛から比較的自由になっているようだ。なかには「ネットウヨ」と呼ばれるグループがあるが、筆者にはマスコミに巣くっている病的自虐史観の老人たちよりはよほど健全に見える。彼らが「ウヨ」とされるのも、占領軍の心理戦によって日本人の歴史観の中心線がかなり左にずれてしまったからなのではないか。

そして、

第五章 国家誕生と同時に始まった中国の侵略

第六章 米中・日中国交正常化と尖閣列島

プルトニウム爆弾の意義については、アーサー・ビナード氏の講演を拝聴して、目からウロコ体験をしたことがある。例えば、下記記事をどうぞ。

〈すべては長崎から始まった〉アーサー・ビナード講演会 2013/10/25

2015年8月 5日 (水)

ロシアと中国内のワシントン第五列

Paul Craig Roberts
2015年8月3日

ロシアと中国が、両国内で活動している“民主主義志向”や“人権”団体が、アメリカ国務省や、ワシントンが組織する一連の民間アメリカ財団によって資金提供されている破壊工作組織だということを理解するのに、20年かかった。こうした非政府組織(NGO)の本当の狙いは、アメリカ覇権に抵抗することが可能な両国を不安定化させて、ワシントンの覇権を推進することだ。

ワシントンの第五列は、ヨセフ・スターリンが生まれた国ジョージアや、何世紀も、ロシアの一部だったウクライナ等の旧ロシア諸国で、“カラー革命”をなし遂げた。

プーチンが前回、選出された際、ワシントンは、その第五列を使って、プーチンが“選挙で不正をした”と主張する何千人もの抗議行動参加者を、ロシアの街頭に溢れさせることができた。このアメリカのプロパガンダは、国民の89%が大統領を支持しているロシアでは何の効果もなかった。残りの11%は、ほとんどが、プーチンは、欧米の攻勢に対して甘過ぎると考えるロシア人だ。この少数派も、プーチンを支持している。彼等は、プーチンに、もっと厳しくしてほしいだけなのだ。ワシントンが、反逆的な工作員に変えることができている実際の比率は、人口のわずか2-3パーセントだ。こうした裏切り者は、金と引き換えに、自国を進んでアメリカの属国にしようとする“西欧志向派”“大西洋統合主義者”だ。もちろん、彼等には金が支払われている。

だが、その第五列をモスクワの街頭に繰り出すワシントンの能力は、無頓着なアメリカ人や、ヨーロッパ人には効果がある。現在、多くの欧米人は、プーチンは選挙で不正工作をし、大統領の座を、ソ連帝国再建と、欧米粉砕に使うつもりだと信じ込んでいる。欧米を粉砕するのは、さほど困難なことではない。既に欧米は、自分をかなり粉砕している。

金持ちになることに夢中の中国は、ワシントンのいいカモだった。ロックフェラー財団は、大学で、親米派の中国人教授を支援している。中国で操業しているアメリカ企業は、支配的政治階級の親族が任命され、高額な“役員給与”を支払われるぜいたくな“役員会”を設置している。これで、中国の支配階級の忠誠心を損なえる。

中国の支配階級を金で丸め込めたと期待して、ワシントンは、この抗議行動が中国国内に拡散することを期待し、アメリカの金で買収された支配階級は、危険性にすぐには気がつくまいと、香港NGOに抗議行動を開始させた。

ロシアと中国は、ようやく理解したのだ。ワシントンが“脅威”と見なす両国政府が、外国が資金提供するNGOに、これほど長く寛大だったのは驚くべきことだ。ワシントンの第五列に対するロシアと中国の寛容が、アメリカ・ネオコンを大いにつけあがらせたのは確実で、それが世界を紛争状態へと大いに近づけた。

だが、良く言われる様に、あらゆる良いことには終わりがある。中国は、とうとう、ワシントン破壊工作に対する自衛を始めていると、Sakerは報じている。http://www.vineyardsaker.co.nz/2015/07/30/chinas-ngo-law-countering-western-soft-power-and-subversion-by-eric-draitser/

ロシアも、防衛を始めている。http://www.globalresearch.ca/kicked-out-of-russia-moscow-challenges-washingtons-orwellian-national-endowment-for-democracy/5466082

こういう記事もある。http://www.globalresearch.ca/why-russia-shut-down-national-endowment-for-democracy-ned-fronts/5466119

我々アメリカ人は、傲慢ではなく、謙虚になる必要がある。アメリカの生活水準は、恵まれている1パーセントを除けば、20年間、長期的に低落していることを、我々は認めることが必要だ。もし、地球の生命を継続したいのであれば、アメリカ人は、サダム・フセイン、カダフィ、アサド、イエメン、パキスタンや、ソマリアが、アメリカに対する脅威ではなかったのと同様、ロシアも中国もそうではないことを理解する必要がある。アメリカに対する脅威はもっぱら、世界に対する覇権、アメリカ国民に対する覇権という狂ったワシントンのネオコン・イデオロギーにこそある。

この傲慢な狙いが、アメリカと、その属国諸国を核戦争へと向かわせるのだ。

もし、アメリカ人が覚醒することがあれば、自分達の抑えが効かない政府に対して、何かできるだろうか? 第一次世界大戦と、二次世界大戦の壊滅的な結果を経験したヨーロッパ人は、そうした戦争で、ヨーロッパが被った信じがたい損害も、核戦争の損害と比べれば極めて小さなものであることを理解することができるだろうか、?

もしEUが、知的で、自立した政府であれば、いかなる加盟諸国も、アメリカの対弾道迎撃ミサイルや、いかなる他の軍事基地を、ロシア国境近くのいかなる場所に受け入れることをEUは、絶対に禁じるだろう。

ワシントンで活動している東ヨーロッパのロビー集団は、もはや存在しない組織であるソ連に復讐したがっている。この憎悪はロシアに伝わっている。ウォルフォウィッツ・ドクトリンを読み損ね、ワシントンが、世界を支配するつもりであること、そしてそれにはロシアと中国に勝利することが必要であることを、理解し損ねている以外の何も、ロシアはしていないのだが。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/08/03/washingtons-fifth-columns-inside-russia-china-paul-craig-roberts/
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Russia Todayで、ロシアで、著名アメリカNGOの活動を規制する記事をみたばかり。

この国では、第5列は誰だろう?
資金は提供いただかず、国民の税金でまかなっているのだろうか?

悩まずとも、電気洗脳箱のスイッチをいれるだけで尊顔を拝見できそう。

新・100年予測 ヨーロッパ炎上
冒頭で、I ヨーロッパ例外主義 という見出しをみて 「アメリカ」の間違いではといぶかったのだが、最後の方に、近未来日本の状況を示す文があった。

邦題、英語とかなり違うのではないだろうか。Flashpoints The Emerging Crisis in Europe

396ページ

イギリスに危機が訪れるとしたら、それはEUからではないだろう。危機はアメリカから訪れる。ヨーロッパでの地位を保つために利用しているはずのアメリカが危機の原因になるのだ。イギリスはヨーロッパ内の大国の一つにすぎないが、アメリカは世界の超大国である。イギリスはヨーロッパとアメリカとを天秤にかけているが、イギリスはアメリカにとって地域の一部分にすぎない。にもかかわらず、一定の影響力を持てたのは、アメリカにとって「有用」だからだ。今後もその影響力を失いたくないと思えば、アメリカが何か紛争に関わる度にそれに追随しなくてはならない。自らの身を守るために積極的にどこかの紛争に関与する、イギリスはそんな世にも珍しい国家になっている。

397ページ

イギリスにとっての紛争の火種は、世界中のどこになるかはわからない。歴史をみればそれは当然のこととも言えるが、今のイギリスが特殊なのは、紛争に巻き込まれる場合には選択の余地なく巻き込まれてしまうということだ。

イギリスを、日本に、ヨーロッパを、アジアに、変えれば、ぴったり?

小林恭子の英国メディア・ウオッチ
【安保関連法案】「反対の声が将来に歯止めをかける」ー孫崎享氏に聞く

にも、上記イギリスとアメリカの軍事活動に似た質疑応答がある。

ー日本として海外派兵ができ、アメリカと一緒になってやることができるようになる状態というのは、これはいいことなのだろうか。

 いや、非常に悪い。

 一番簡単なことは、行く理由がないからだ。

2015年8月 4日 (火)

権力狂エルドアン、トルコ最高指導者となる企みで、戦争開始

Mike Whitney

2015年7月31日
"Counterpunch"

トルコ大統領レジェップ・タイイップ・エルドアンは、先月の選挙で、トルコ最高指導者になる企てに失敗した。そこで、彼は、トルコを戦争に引きずりこんで、自分の人気をあげ、11月の選挙で楽勝する可能性を高めようとしている。

一日前に推計100人のクルド人を殺害した後、木曜早く、トルコの爆撃機が、北イラクにあるクルド拠点に猛攻撃を加え続けた。十分な議席を獲得し損ねた後、エルドアンは、議会憲法を改訂する為、クルド民兵との和平協定を破り、最近の攻撃を行った。野心的なエルドアンには、大統領に無限の行政権を与え、エルドアンを事実上のトルコ皇帝にするよう憲法を劇的に変える為に、330人の議員が必要だ。彼の計画は、未曾有の13パーセントもの得票を勝ち取った、親クルド派の国民民主主義党(HDP)に妨害された。HDPは、トルコ帝国の皇帝になるというエルドアンの夢の実現を断固阻止するつもりだ。現在のシリアとイラクのクルド人に対する戦争は、今年の秋にも行われる可能性がある選挙で、エルドアンを“首位に立たせる”為に民族主義感情をかき立てることを狙ったものだ。

ハフィントン・ポストには更にこういう記事がある。

“先月、彼の党が与党の多数派を失って間もなく、エルドアン大統領は、トルコの安全保障に脅威である、危険なテロリストが、隣国シリアにいることに気がついた … シリアとイラクで、ISISテロリストと戦ったり、アメリカ合州国の軍事作戦に協力したりするつもりというより、エルドアンの本当の狙いは、自分の支配力を強固にして、以下の、虫のいい目的を実現することだ。

1) トルコ大統領は、万一、彼の与党が、8月末までに連合政権を編成しそこなえば、11月に新たな議会選挙を行わなければならなくなることに気がついた。そこで、ISISとクルド戦士に大胆な行動をすることで、トルコの有権者が、議会で多数派を取り戻すのに必要な、あといくつかの議席を彼の政党に与えてくれるのではあるまいかとエルドアンは期待している。

…トルコ大統領の利己的な対テロ・エセ戦争は、トルコや近隣諸国いたるところでの紛争のエスカレーションという悲劇的な結果を招きかねない。もしアンカラが本当に聖戦戦士に反撃するつもりがあれば、ISISや他のテロ集団に武器をあたえたり、煽ったりするのではなく、ずっと昔にそうしていたはずだ” (ISISと戦うふりをして、トルコの私欲を追求するエルドアン、ハフィントン・ポスト、Harut Sassounian)

更に、コロンビア大学人権研究所のディビッド・L・フィリップスによる記事がある。

“エルドアンは、新たな選挙の為に、工作しているのだ。彼は、13.1%の票を獲得し、初めて国会の議席を得るであろう親クルド派政党国民民主主義党(HDP)の評判を落とそうとしているのだ。エルドアンは、AKPが、憲法を改訂し、行政上、皇帝の様な大統領を確立するのに十分な支持を得られなくさせた、HDPの躍進に激怒している。報復として、エルドアンは、HDP議員の議員不逮捕特権を撤廃すると脅している。PKKを支援しているかどで、HDPを閉鎖するとまでほのめかした。” (トルコの暗い未来、ディビッド・L・フィリップス、「ハフィントン・ポスト」)

彼自身の政治権力を強化するというだけの狙いで、エルドアンはクルド人との戦争を開始したと、我々は言っているのだろうか?

そう、それこそまさに我々が言っていることだ。これは権力欲の強い誇大妄想狂の話であって、クルド民兵に対する戦いの話ではなく、確実に、ISISに対する戦いの話では無いのだ。イギリスの、「インデペンデント」のこの文言が指摘している通り、実際、エルドアンは、ISISの最大の友人だった。

“2011年以来、シリアでのジハード運動の拡大にとって、880キロものシリア-トルコ国境を、あちこちに移動する能力が、極めて重要なことは疑いようがない。シリアに押し寄せた何千人もの外国人志願兵のほとんど全員が、トルコから来ている。トルコ語や、アラビア語を話せない連中でさえ、国内を横断するのにほとんど困難はない。多くの点で、トルコは、ISISや、アル=ヌスラ戦線に対し、安全な避難所を提供して、パキスタンが、支援として、アフガニスタンのタリバンに、安全な避難所を提供しているのと同様な役割を演じている。”“アル=ヌスラ戦線が率いたシリア人反政府派の攻勢は、トルコ国内の作戦本部が陰で糸を引いたとされており、トルコ、サウジアラビアとカタールの間の緊密な理解の結果だった。” (スルチの自爆攻撃: 自爆攻撃は、トルコが、シリアの紛争に巻き込まれつつあることを示している、インデペンデント、Patrick Cockburn)

「フロント・ページ」にはこういう記事がある。

“トルコと、AKP政府は、いかなるテロ組織とも、直接、あるいは間接のつながりを持ったことがない”という、アフメト・ダウトオール首相の主張は、昨年11月の、トルコを、 ISILや、アル-ヌスラ戦線に密輸された兵器の主要経路だと特定した国連安全保障理事会の分析支援監視チーム報告と真っ向から対立する。

6月始めの国務省のブリーフィングでも、トルコは過激派組織、主にISILに加わる為にシリアに集まった、22,000人以上の戦士の主要経路だと述べられていた。他にも無数の情報源がある” (奈落の底へ落ち込むトルコ、ロバート・エリス、フロント・ページ)

権力を強化し、トルコの最高指導者になるという企みの為、エルドアンは全力を尽くしており、それこそが、彼が一体なぜ、親クルド議員(HDP)から、訴追免除資格を剥奪して、トルコの厳しい対テロ法の下で、犯罪人として起訴しようとしている理由だ。(二週間前のスルチでの自爆攻撃以来、政府の大規模捜査網で、これまでのところ、1,300人以上の大半クルド民族主義支持者と、左翼が逮捕された。こうした人々の誰一人、いまだに罪に問われてはいない。政府は、対ISIS戦争を行っているふりをするのをすっかりやめた。一斉検挙は、明らかに政治的動機によるものだ。)

トルコ日刊紙、ヒュッリイェトに掲載された記事で、統計学者のEmer Deliveliは、“エルドアンは、政治権力の為に戦争を挑発しているのだろうか?”と問うている。 彼はこう言っている。

““政治的安定性指標が史上最低”を示した後、“私の分析では、実際、AKP(エルドアンの党)の支持率は、政治的暴力事件が増大した後、増えている。”… “レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が、政治権力の為に戦争挑発していることを証明することはできない… しかしながら、いずれの陰謀論も、実際は、同じ主題の変種だ。エルドアンは、全権を握る大統領になる為に必要なことはなんでもやっている。そして、このように証拠がつみあがれば、“もし~だったらどうか”と考えずにはいられなくなる(エルドアンは、政治権力の為に、戦争を挑発しているのだろうか? 「ヒュッリイェト」)

エルドアンは、国内の支持率をあげるために戦争を始めた、最初の指導者というわけではなく、最後の指導者でもないだろう。ただし、それは、同様に危うい戦略で、特に、彼の一貫性のない利己的政策は、既に彼の支持基盤だった幅広い階層の有権者から敬遠されている。外交政策誌のこの文言をお読み願いたい。

“過激イスラム主義者の脅威を理解し、それに基づいて行動しているエルドアンの弱みは、治安第一の右翼の中に新たな支持者を勝ち取っていないことだ。彼の独裁的な、イスラム主義なスタイルは、左派の支持を失っている。クルド票については、そう、彼は忘れることが可能だ。歴史は、一見無敵の指導者達でも、静かに、あるいは、さほど静かにではなく、去ることを強いられる可能性があることを示している。強大なオスマン帝国さえも、結局、永遠には続かなかった。新オスマン帝国がそうならない理由はない。” (振れる皇帝の危険なギャンブル、「外交政策」、Leela Jacinto)

エルドアンが短期的に直面している最大の脅威は、トルコ国民が彼がたくらんでいることを見抜いて、11月選挙でしかるべく投票することだ。だが、それには、国民の支持を得るために、攻撃を止めなければならなくなる、クルド民兵側の自制が必要だろう。

クルド人が、エルドアンの様に権力に酔いしれた右翼狂信者を打倒できる唯一の方法は、平和に機会を与えることだ。つまり、得票計算がおわるまでは。

Mike Whitneyは、ワシントン州在住。彼は Hopeless: Barack Obama and the Politics of Illusion(『絶望: バラク・オバマと、幻想の政治』)(AK Press刊)にも寄稿している。同書は、Kindle版も入手可能。[email protected]で連絡ができる。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2015/07/31/power-mad-erdogan-launches-war-in-attempt-to-become-turkeys-supreme-leader/

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大本営広報部の「時事公論」予想通りのとんでも番組。

なんとでも解説できるだろう。具体的なメリットには一切ふれない。日本企業のメリットが、日本の庶民のメリットになるだろうか。

強制的に視聴料を取られて、洗脳されるのではかなわない。

この話題に関連すると思い、貧しい中『新・100年予測 ヨーロッパ炎上』を無理をして購入し、ただただ我慢して読んでいる。図書館に購入を希望しても、ブログには間に合わない。

宗主国支配層が何を考えているのかを語っているのを読み取る為と思って、既刊の文庫本を二冊、我慢して読んだ。ウクライナ・クーデターの背景、文庫本を読むと、宗主国がしかけたであろうことは想像できる。

その続きで、これから何をたくらんでいるのかを知りたくて我慢して読んでいる。

宗教の歴史や、ドイツとロシアの過ちやらを延々書いてある。父親・家族の亡命の歴史。43ページにはこうある。

父親が住みたかったのは、自らは強くて、しかも隣国が強くないという国だった。

そして、47ページ。

アルベール・カミュは「犠牲者にも加害者にもなりたくない」と言っていた。父に言わせれば、カミュのこの考えは妄想でしかないということになる。彼の経験からすれば、人間は犠牲者になりたくなければ、加害者になるしかなく、この二つ以外の何かになることはできない。

宗教であれ政治であれ、小室直樹氏の本を読むような感動、驚き皆無。不快になるばかり。ミニ・ブレジンスキー氏ということだろうか。

収入と無関係に、読みたくない本を、買わなければならないことがある。買うのは何とか我慢できるとしても、読むのはつらい。

傀儡政権や宗主国幹部の本を、貧しい財布で購入し、読む必要がなぜあるだろう。順番を待っているわけには行かないので、やむを得ない。

こうした本を読む前に、『アメリカン・ドリームという悪夢―建国神話の偽善と二つの原罪』を読むべきだろう。

読む価値、言及の価値がないと思う発言・書籍、まず借りたり、購入したり、言及する気力はない。今回は例外の一つ。何度も例外はありそうだ。

「第14章 ヨーロッパの縁のトルコ」という部分を読みたくて購入したのが本音。

2015年8月 3日 (月)

TPP閣僚会議まとまらず - ニュージーランド政府は撤退すべき時期

2015年8月1日、土曜日 4:57 pm
ジェーン・ケルシー教授

2015年8月1日

TPP閣僚会議はまとまらなかった。キー首相とグローサー貿易大臣は撤退すべき時期だ。

オークランド大学のジェーン・ケルシー法学部教授によると‘マウイでの環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)“最終”閣僚会合はまとまらなかった。もう一日延長することを選ばなかったことが、手詰まりが深刻で、解決困難な可能性があることを示しています’。

‘マウイでは全員、お互いのせいにしています’とケルシー教授は語る。‘しかし手詰まりになった根本的原因は、ほとんど全てのTPP参加国における国内の反対です。’

‘医薬品価格を上昇させ、各国政府が管理する権利を制限する様な協定は、自分達の国益にはならないと人々は考えています。’

‘交渉を秘密のとばりで覆っても、政治家達は、自国内で売り込めないような最終協定に署名できないことは分かっています。’

グローサー貿易大臣の営業活動は今週一層困難になるだろうと、ケルシー教授は言う。

長年拒否を続けてきた後、彼と首相は、医薬品は実際ずっと高くなること、TPPが、外国投資に対するより厳格な制限を阻止し、TPPの下では、外国投資家が、実際、ニュージーランドを訴え、勝訴する可能性があると、とうとう告白した。

‘こうした告白が、TPPの政治的代償を引き上げ、貿易大臣はうわべを飾り立てた協定を受け入れることができなくなったのです。彼は野望を、当初の“完全自由化”から、乳製品で何か“商業的に意味のある”ものへと引き下げたにもかかわらず、それさえ実現できなかったのです。’

ほとんど時間切れ状態だ。アメリカのファスト・トラック法のおかげで、アメリカが従うべき手順は複雑になっている。アメリカの消費者団体パブリック・シチズンは、絶対必要な最小期間は、約3ヶ月と計算している。[1]

よりありそうな線表では、もし交渉が9月までにまとまらなければ、議会が、TPPに投票するのは、最速で2016年1月で、この時期、成立は、政治的により困難になる。アメリカ大統領選挙の年なのだ。選挙活動中に政治的に面倒な協定に投票するというのは、ヒラリー・クリントンや、他の民主党議員や、多くの共和党議員達が一番したくないことだ。

‘今週、マスコミ報道の高まりや、ニュージーランドでの議論が、労働党の強硬な姿勢や、ワイタンギ審判所の主張とあいまって、政府に損切りさせ、撤退させるような十分な圧力を生み出すと良いと思います’とケルシー教授は語っている。

‘少なくとも交渉再開前に、協定文章と、はっきり説明されたオプションを見て、開かれた民主的な形で議論可能な独自の包括的な費用対効果分析をする必要があります。’

‘私や他の人々は、開示を進めることを狙って、公的情報法の下で、貿易大臣の文書公開拒否に対する司法審査手続きを、来週早々申請します。’

[1] http://www.citizen.org/documents/TPP-vote-calendar.pdf

Scoop Media

記事原文のurl:http://www.scoop.co.nz/stories/PO1508/S00006/tppa-ministerial-fails-time-for-nz-govt-to-cut-losses.htm
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宗主国の盗聴に、傀儡政権は一言も文句を言わない。メルケル首相は、いちおうは怒った。この一事をもってしても、この国が世界最大の属国であること証明終わりだろう。

朝刊、またしても、TPP推進論、一辺倒。正気だろうか。他の新聞も推進論。

大昔、テレビ、新聞による小選挙区制推進の猛烈なキャンペーンを驚きながら見ていた。
人気キャスター達もこぞって賛成した。
それまで某「ジャーナリスト」を、まともと錯覚していた自分を恥じた。本を読んだことを恥じた。

敗戦後、A級戦犯として処刑された人々はいるがを、戦争推進の報道をした人々は、全く責任をとっていない。むのたけじ氏のように、戦後退社した人はまれだ。

小選挙区制によって、わずかな得票で、大多数の議席を得られていることが、今の悲惨な政治をもたらしているが、小選挙区制推進の猛烈なキャンペーンを行ったマスコミ関係者が頭を丸めたり、反省の弁を公表した話、ほとんど聞かない。

新聞もテレビも、自分達が推進した小選挙区制こそ、今の悲惨な政治体制をもたらした大きな要因の一つであり、早急に改めるべきだということは決して言わない。とんでもない業界。

大本営広報部は、戦前も戦後も、深刻なインチキ商品を売り込んで、責任をとらない。

全く同じ洗脳プロパガンダが、またしても、TPPで、繰り返されている。

「秘密法案」、最後の段階になって、アリバイ的に反対を表明したイカサマ氏連中、TPPが極秘で進められていることについては、全くふれない。

「秘密法案」に本当に反対であれば、TPPの秘密主義を、まず批判すべきだろう。

内容が秘密のものを、一体どうして「推進すべき」と自信をもって社説に書けるのだろう。

すると、反対を主張するケルシー教授、きがふれているのだろうか。同様の発言をしておらロリー・ワラック女史もそうなのだろうか?

成立しても、しなくても、内容は4年間秘密だという。一体何のために秘密にするのだろう?

国民に秘密にする条約で、国民の為になったものがあるだろうか?

大本営広報部、ジェラルド・セレンテやポール・クレーグ・ロバーツ氏のいう「売女マスコミ」、名前通りと思わざるを得ない。素人は、有名作家と違って、潰さなければいけないなどと思ったことは一度もない。単に連中が一斉に言うことは丸ごと信じないで疑うよう思っているだけ。

例えば、下記の話題、さんざん素晴らしいことのように報じられた。

焦点の日米協議で、和牛の関税の取り扱いで進展があった

日本の和牛がアメリカ市場を席巻できるかのような雰囲気を感じるが本当だろうか?(個人的には、アメリカ出張時、日本では食べられないだろうとばかりに、大きく堅い牛肉ステーキを食べさせられるのが苦痛だった。あるいは巨大なピザ、巨大な清涼飲料。食事に関しても、価値観は全く共有できずにいる。自由な時は、極力日本料理や中華料理に行くことにしていた。)

農業超大国アメリカの戦略 TPPで問われる「食料安保」石井勇人著、新潮社刊の、93ページ以降を読めば、この和牛の一見明るい様な話題も、嬉しい話どころか、恐怖鳥肌もの。

霜降り和牛を米国で生産

という見出しで、アメリカでは、和牛の遺伝子解析も行われていることが書かれている。

テキサスA&M大学、ローゼンタール研究所のステファン・スミス博士の研究の目的の一つは

「日本の霜降り和牛を米国でどこまでつくれるのか、輸出に向けてどこまで改良できるかだ」

日本では「米国が和牛を輸出する」というのはまったくの想定外だ。

しかし、米国では「高級和牛」の生産に向けた研究が着実に進んでおり、その経済効率性や技術力から、将来米国産の「和牛」が国際市場を席巻する可能性は、否定できない。

96ページにはこうある。

日本では一種「芸術」の域であり、高級和牛の生産者の間では「秘中の秘」として伝承されてきたことが、テキサスA&M大学では学術として科学的、組織的に研究されているのだ。また伊藤ハムなど食肉会社は、将来の関税撤廃を見越して和牛の「現地生産」の研究を支援している。以下略

このあたりの情報全てわかった上で、交渉担当者(実際は御用聞きではと懸念する)は交渉の場なる所にでかけ、与党幹部や大本営広報部、バラ色のTPP推進論をふりまく。

もちろん、この本、牛肉だけを扱っているわけではない。TPP賛成の方々、ここに書かれているアメリカ農政の実情、戦略をご存じの上でだろうか?

一方、ご自身が畜産を経験された山田正彦元農林水産大臣、反TPP訴訟を率先しておられる。 農業だけ守るためでないことは、著書「TPP秘密交渉の正体」を一読すればわかる。

TPP交渉差止・違憲訴訟の会

この会のwebには、最新ニュースとして、下記記事が掲載されている。ご一読の上、TPP反対を訴えて多数派になり、TPPを推進しているウソつき自民党政治家や、今の大本営広報部の言い分と、下記記事、どちらがより真実かご判断願いたい。

ウィキリークスが公開した国有企業に関するリーク文書:日本語訳と分析

2015年8月 2日 (日)

国際原子力機関の支援を得て、原発事故被害者を強制帰還計画で危険にさらす日本政府

Kendra Ulrich
2015年7月22日 13:44
GreenPeace

2011年3月に始まった、福島第一原子力発電所における、この時代最悪の原発事故は、依然として、何十年も解決されないだろう継続中の危機なのだ。放出された膨大な放射性物質の大半は、この時期の卓越風によって太平洋に運ばれた。ところが、3月15日と16日の夜には、風向きが変わり、膨大な量の放射性物質を内陸にもたらした。福島県、特に破壊した原発敷地の北西方向が、酷く汚染された。

日本政府は、2017年3月までに避難命令を解除する狙いで、除染の取り組みを進めている。ところが、グリーンピースの調査で、衝撃的なことが判明した。安倍政権による計画の主要対象の一つ、飯舘では、放射線量レベルは、チェルノブイリ周辺の30km立ち入り禁止区域内部のものに匹敵する。更に驚くべきことは、既に“除染された”はずの住宅周辺でさえ、そうだったのだ。

日本政府が、何万人もの、原発事故被害者や除染作業員に対して、そのようなことをする動機は一体なんだろう?

この疑問に答えるには、まずは、飯舘についての基礎知識を理解することが重要だ。飯舘村と呼ばれている場所には、実際には、面積200 km2の、森林に覆われた丘陵や、山や、湖、田畑や、住宅が散在している。飯館村は破壊した福島第一原子力発電所の北西28 - 47 km、地上に最も大量の放射性降下物が落ちた経路上に位置している。

安倍政権は、ウェブ上で、政府は飯舘を“除染している”と述べており、環境省ウェブでは、森林の100%が既に除染されているとまで言っているが、いくつかページを調べてみると、飯舘の面積約1/4についてのみ語っていることがわかる。

言い換えれば、飯舘村200 km2のうち、56km2だけが、除染対象なのだ。そのわずかな部分のうち、最も焦点を当てられているのは、田畑、公道両側、10-20 m幅の森林と、人々の住宅周辺直近の狭い部分だ。

対象とされている森林の限定された範囲ですら作業は終わっておらず、少なくとも一年、あるいはそれ以上は続くのだ。

現場を見た際に、深い印象を与えるのは、道路沿いのこの幅10-20mの森の林床で土をかき集め、草の葉を手で刈っている労働者の大群だけでなく、鬱蒼とした、青々とした森林が見渡す限りかなたまで広がる、広大な山また山の巨大さだ。

作業員達が気の毒に思えてくる。彼らの集中的な取り組み、入念な作業、献身的な姿勢にも感嘆する。彼等は防護服をきて、ブーツ、手袋、マスクとゴーグルをつけ、うだるような暑さの中で働いている。彼らの目さえ見えない。しかも彼等は、ほとんど何の影響も無いことの為に、厳しい肉体労働をしているのだ。こうした労働者の大半は、南相馬などの、原発事故のおかげで、農業、林業、漁業やサービス業の仕事を失った他の被災地の住民だ。だから、多くの人々は自分達の元の住まい近く、放射能で酷く汚染された地域で働いているのだ。

実に超現実的だ。そして、痛ましいことだ。

2011年3月27日、グリーンピースの飯舘での放射能調査で、極めて高いレベルの汚染が見つかり、我々は組織として、6000人以上の住民の緊急避難を、日本政府に至急提言することとなった。その時点まで、飯舘村住民は、避難は不要だと言われていた。避難は4月22日まで始まらなかった。しかも、事故が始まってから8週間後の6月始め、1200人以上の人々が飯舘にとどまっていた。その結果、飯舘村の人々は、福島県民全員の中で、最も放射能を被曝した。

飯舘は、それ以来、福島の話題で象徴的地域となった。大規模な原発災害は、原発敷地周辺の、狭い“緊急時計画”区域には限定されないことをを、日本人や国際社会に、常に思い出させてくれている。影響は広範囲にわたり、地域社会を丸ごと破壊し、人々の日常生活を壊し、取り返しがつかないのだ。

福島第一原子力発電所で、三基の原子炉炉心がメルトダウンし、原子炉建屋が爆発してから四年以上たっても、日本国民の大半は、いかなる原発再稼動にも反対のままだ。電力業界や安倍政権による地方自治体への膨大な圧力にもかかわらず、主として、多数の国民による反対のおかげで、日本では、ほぼ二年間、原発は全く稼動していない。

しかしながら電力業界は極めて強力で、安倍政権は彼等とすっかり結託している。

国民の反対を弱める為の取り組みとして、安倍は、原発事故を '正常化' させるため、原発推進政策を推し進めている。もし国民を、この時代で最悪の原発事故から5年もしない時期に、住民は更なる健康リスクなしに、帰宅して、事故前の通りの生活に戻れると説得できれば、原子炉再稼動に反対している大多数の日本国民に対する強力な論拠になる。

原子力産業に対する事故の影響を最小化する取り組みを支援しているのが、その設立趣意書上、原子力発電推進が業務である国際原子力機関(IAEA)だ。2011年の早い時期から、国際原子力機関は、住民に対する放射線リスク軽視しようとつとめていた。実際、国際原子力機関は、現在の安倍による、事実上の強制帰還政策の基盤を築き、正当化をしたと言える二種類の書類を作成した。

この神話創生には、福島県民、特に飯舘村住民を、原子力産業の犠牲にする必要があるというのが現実だ。これは、ひたすら不法であるのみならず、彼らの人権侵害でもある。

彼等は既に、地域の他の住民達よりも、遥かに多くの放射能を浴びている。意図的に、飯舘村住民、特に女性と子供達を、線量率が、年間20ミリシーベルトにも及ぶ様な地域に帰るよう強いるのは、彼等に、重大な、受け入れがたい、しかも不要なリスクを負わせることになる。

結局、これは、原発事故後に続く混乱ではない。これは、これらの地域の無駄で、効果のない除染と、人間の健康へのリスクという点で、どれだけの犠牲を払おうとも、酷く汚染された元の住まいに住民達の帰還を強制するために考え抜かれた計画だ。

正常に戻ったという神話を生み出すことへの注力による安倍政権の強制帰還政策のとんでもない不公正に加え、高価で効果のない除染に膨大な金額を投入して、政府は避難させなかった汚染地域を完全に無視している。現在、汚染された地域で暮らしているこうした住民達の放射線リスクを減らすという緊急な必要性に対処することよりも、飯舘の様な場所に幻想を作り出し、日本国民を、そして世界を、あざむくことに、政府は関心を持っているのだ。

福島県や、特に飯舘の人々が受けた被害は、元に戻せず、取り返しがつかないということは明らかだ。福島第一原発事故によって、彼らの地域社会と暮らしは破壊され、予見できる将来に帰還できる見込みは無い。

我々グリーンピースは、最低限、以下を要求する。1) 飯舘の避難命令を解除しないこと 2) リスクに関する全面的かつ正確な情報を得た後で、帰還することに決めた人々に対する課税控除と政府支援 そして、3) 彼らの生活、財産、地域社会、精神的苦痛や、もたらされた健康上のリスクといった損失を、彼等が選んだ生き方を追求するべく前進する為に自立できる様、完全に補償すること。

福島第一原発災害の被害者達を、その多くを5年近くも、狭い仮設住宅に押し込んで、不安定な状態に放置しているのは、非人道的だ。政府が、彼等に対して持っている経済的影響力によって、こうした住民達に、それ程酷く汚染された地域への帰還を強いることは、ひどい不正だ。福島の被害者達にしかけられているプロパガンダ戦争で、国際原子力機関が日本政府を支援することは、それなりにあっただろう信頼を損なうのみならず、日本国民に対する犯罪の共犯者となることを意味しよう。

ケンドラ・ウルリッヒは、グリーンピース日本のシニア・グローバル・エネルギー・キャンペイナー。

記事原文のurl:http://www.greenpeace.org/international/en/news/Blogs/nuclear-reaction/Fukushima-nuclear-victims-forced-resettlement-Iitate/blog/53584/

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Greenpeace日本語版には、まだこの記事、日本語版が載っていないので、誠に勝手ながら掲載させていただく。Greenpeaceからの削除依頼を頂き次第、消去する。

現時点の最新記事は下記。

2015/07/21 プレスリリース:グリーンピース放射線調査、福島県飯舘村で除染後も高い放射線量を測定 村の75%は高濃度に汚染された森林、政府に2017年3月の避難指示解除の見直しを求め

安倍首相「最終合意まで全力」=TPP交渉

2015年8月1日(土)16時17分配信 時事通信

安倍晋三首相は1日午後、環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合で大筋合意に至らなかったことについて、「あと1回会議を開けばまとまるところまできたと報告を受けている。最終的に協議が合意するまで全力を尽くしたい」と述べ、最終合意に向け努力する考えを示した。東京都内で記者団の質問に答えた。

という記事から、TPP、とんでもない代物であると思わない方がおられれば残念。大本営報道洗脳工作の犠牲者。

大本営広報部、大政翼賛会、新聞もテレビも、本当のことは決して報じない。もしも、報じれば、IWJの岩上安身氏のように、即座に、その番組から下ろされる。

虚報洗脳がお仕事。

辺野古基地、戦争法案、アホノミクス、原発再稼動・輸出という具合に、日本国民を不幸にする一連の宗主国命令だけを積極的に推進する人物・勢力が「TPP」に限って、日本国民を幸福にする策を推進するわけがない。

「坊主にくけりゃ袈裟まで憎い」というわけでは全くない。

TPPにまつわる様々な情報を、客観的にご検討いただきたい。

原発関連記事の翻訳は、毎回多数の方にお読みいただいている。
TPP関連記事では、そうではない。

問題の深刻さと、抗議行動の大きさ、必ずしも正比例しない。
TPPに関する本当の情報を大本営広報部が報道管制し、ヨイショ報道しかしない為だろう。
ところで、政党の大きさと悪辣さ、三大政党については、ほぼ正比例。

ドイツが原発撤退を決めると、スゥエーデン企業が、損害賠償を訴えた。
TPPのISDC条項、政府や国民が、国民の被害を理由に、投資家や企業を訴えることは認められていない。
投資家、企業が、彼らの想定した収益が、国家の法律改正などによって、実現できなくなると思えば、投資家・企業、わけのわからないインチキ法廷に訴えでることができる。上訴なし。

品不足のバターが手にはいりやすくなるやら、牛肉や豚肉が安くなるやらという目先で釣っておいて、とんでもない目にあわせる仕組み。

「朝三暮四」

まともな記事は、大本営広報部でない組織から得るしかない。

【特集】IWJが追ったTPP問題

日本農業新聞では、記事の続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

2015年8月 1日 (土)

ニュース報道の不調和

Paul Craig Roberts
2015年7月29日

マイケル・D・シャーが、“アメリカで、最も悪名の高いスパイの一人”と表現した、イスラエルから金を貰って、働いたスパイ、ジョナサン・ポラードが、終身刑を赦免された。政府自身が、あらゆる人を、あらゆる場所でスパイしているのに、誰であれ、スパイのかどで禁固刑にするアメリカ政府にしては偽善だと思う。アメリカ人全員 下院と上院議員を含め、議会職員、軍当局者、ワシントンの密接な同盟国の指導者達を含め外国政府や、外国企業はスパイされている。ワシントンのスパイ活動から逃れられる人間は皆無だ。

ワシントンは、自分達の世界中でのスパイ活動は害を及ぼさないと主張する。それならば、たった一人の、海軍諜報機関に雇われた民間人ポラードによる、限られたスパイ活動が、一体どうして終身刑にされる程の害を与えられるだろう? NSAの終身刑を期待しているのは私だけではない。

この件で、気になるのは、釈放されたのが、外国の為にスパイをしたポラードだということだ。対照的に、アメリカ人のために、スパイ活動をしたマニングとスノーデンは幽閉され、マニングは連邦刑務所で、スノーデンはロシア亡命中だ。ジュリアン・アサンジ、ジャーナリストとしての仕事をして、彼に漏洩された文書を新聞に渡したことで、ロンドンのエクアドル大使館に閉じ込められている。

もし、イスラエルのためにスパイをしたポラードの釈放が可能なのであれば、アメリカ人の為にスパイ活動し、アメリカ政府の違法活動や、アメリカ人の自由に対する、ワシントンの違法活動の危険な影響を報じた、マニングや、スノーデンや、アサンジも当然そうなってしかるべきと思える。ポラードは、アメリカにとってではなく、イスラエルにとっての英雄なのに、釈放されたのは、ポラードなのだ。マニングや、スノーデンや、アサンジはアメリカにとっての英雄なのに、幽閉され続けている。

* * *

オランダなり、ヨーロッパなり、マレーシア旅客機、MH-17墜落調査の責任を負っている連中は、報告を発表できずにいる。それは何を物語っているのだろう? 事実は、ロシアのせいだというプロパガンダを裏付けていないのだと私は思う。もしもロシアのせいだという証拠が何かあれば、ずっと前に報告が出されていたはずだと確信して良い。ロシアだけが、調査の証拠要求に従って、手持ちのあらゆる証拠を引き渡した。ワシントンは、旅客機が撃墜された瞬間、その真上にいたスパイ衛星の情報公表を拒否しており、キエフは、旅客機に経路変更を指示し、戦闘地帯上空を飛行するようにさせた旅客機との通信の公表を拒否している。

公表されずにいる報告書の代わりに、ロシアのせいだという結論を出したとする“漏洩”がマスコミ報道に埋め込まれる。こうした“漏洩”は、あちこちでニュースになるが、捜査官達がインチキ漏洩を否定しても、マスコミは決して同じように報じることはない。

どうやら、オランダには、まだわずかながらも品格が残っているようだ。ワシントンは報告を阻止はできても、完全に改ざんすることはできない。そこで今やワシントンは、期待している結果を得る狙いから、旅客機墜落に関する国連の国際法廷設置を推進している。

一体なぜロシアは、あらゆる入手可能な情報を自由に見られるようにして、ヨーロッパ各国政府を招いて、調査を行わないのか、不思議に思わずにはいられない。旅客機の残骸は、ロシアに友好的な領土に墜落した。もし、ロシアが調査を行っていれば、透明性が得られていただろう。そうではなく、現状あるのは、公表できない報告であり、ワシントンは、自分達が完全に支配できる新たな調査を要求している。ロシアが濡れ衣を着せられるのを避ける為、ロシアは今日(7月29日)の国連決議で拒否権を行使せざるを得なかった。今や、旅客機に対する攻撃に自分達が共謀していることを隠し、マレーシアに対する公正に反対している欧米が声をそろえて、ロシアを非難している。どこかの時点で、ロシア政府は、欧米を信頼しているのは間違いで、ロシアが欧米の善意に頼っていると ロシアに不利なことになりかねないことを悟る必要がある。

* * *

アメリカでは、2009年6月以来、経済回復なるものが続いていることになっている。職をみつけられず、ありもしない職を探すのをあきらめ、インチキな5.3%の失業率で示されている失業者に数えられないでいる何百万人もの“求職意欲喪失労働者”にそういう話をしてみるが良い。

最高値からさほど遠くない株式市場が、景気回復の証拠として利用されている。ところが、株式市場は、大企業による自社株買い戻しと、連邦準備金制度理事会が金融体制に注ぎ込んでいる流動性資産で維持されているのだ。わずか6社の合計増加分が、S&P 500指数の時価総額増加分を上回っていると、ウオール・ストリート・ジャーナルのダン・ストラムピットは報じている。どういうことだろう? わずか6社、アマゾン、グーグル、アップル、フェースブック、ギリアドと、ウォルト・ディズニー社だけが分かち合っている景気回復があるだけなのだ。

活発な回復の様に聞こえるが

今年の第2四半期、アメリカ経済は1.4%縮小した。第2四半期、耐久消費財の発注から、何年も前に行われて、現在の経済状況を反映しない民間航空機の発注を引くと、年間で減少している。第2四半期、新規住宅販売は、7.3%下落した。それでも、ウオール街は、希望や回復を大々的に宣伝している。

* * *

大統領選挙に出馬している共和党阿呆連中の一人マイク・ハッカビーは、イラン核エネルギー計画で、アメリカがイランと合意したのは“かまどの扉へと向かうイスラエル人の行進”だと表現している。言い換えれば、ハッカビーによれば、オバマは、第二のホロコーストを開始したのだ。

リバタリアンの希望、ランド・ポールとて、イスラエルにこびへつらう点では、ハッカビーにひけをとらない。https://www.youtube.com/watch?v=8bOeYFUphWo

私の提案はこうだ。仲介者は省こうではないか。ネタニヤフか、シカゴのギャンブル王、シェルドン・エデルソンを、アメリカ大統領に選んで、おしまいだ。

イラン合意についてのこの説明が、もし正しければ、イラン人の1パーセントが、欧米の1パーセントと手を結ぶ為に、イランを売り渡したことを意味している。http://www.counterpunch.org/2015/07/24/making-sense-of-the-iran-nuclear-deal-geopolitical-implications/

* * *

ビル・クリントンもイギリス貴族院も同じだ。大量虐殺や戦争犯罪ではなく、セックスこそ処罰に値する罪なのだ。http://www.rt.com/uk/310828-lord-sewel-video-resign/

* * *

いまだに政府を信じて、騙されやすいままで、弱体化しつつある進歩派やリベラルについては、これをお読み願いたい。http://www.globalresearch.ca/gmo-labeling-laws-ditched-the-passage-of-the-dark-act-shows-the-arrogance-of-us-politicians/5464711 拙訳はこちら。DARK法成立は、アメリカ政治家の傲慢さの証し 廃棄されたGMO表示法

この件は、一体どう考えたら良いのだろう? http://www.globalresearch.ca/is-the-medical-pharmaceutical-regulatory-cartel-assassinating-physicians-seven-doctors-have-died-under-suspicious-circumstances/5464663

* * *

先日、BBCのマスコミ売女、ウィル・グラントが、キューバ新聞グランマを見下すような発言をするのを聞いた。ワシントンとロンドンの代弁者であるこのマスコミ売女が、キューバ人ジャーナリストに、欧米との関係が正常化されたのだから、グランマは、欧米のプロパガンダ方針に従わなければいけない、さもないと、ジャーナリズム界の、のけもののままになるぞと言ったのだ。キューバ人ジャーナリストは、自分達の品位を擁護すべく努力はしたが、外国旅行や、外国での会議や、受賞の魅力が、キューバ革命と結びついた新聞の終焉を告げるであろうと感じざるを得ない。もちろん、キューバ革命そのものは終わっており、外国から殺到する資金がキューバを再建し、大企業支配で、外国企業にとって儲かる国にするだろう。

* * *

オバマは、最近、エチオピアを訪問し、そこで彼はエチオピア政府に、ジャーナリストの権利侵害に対して警告した。オバマ大統領が、アメリカ人ジャーナリストに同じ共感をもっていさえすればいいのだが。ところが、オバマは、アメリカ人ジャーナリストを、内部告発の情報源を密告しないと、起訴するぞと脅しているのだ。

* * *

最近トルコで自爆テロ事件が起きた。自爆テロ事件は、トルコがなんとしてもやりたかったことを実行するための偽装作戦なのだろうか?

テロ爆破攻撃は“治安”部隊の仕業であることが多い。テロ爆破攻撃は、治安部隊が評判を落としたいと考えている連中に、責任をなすりつけるために行われる。ロシア皇帝の秘密警察は、労働運動家達を逮捕する為に、爆弾攻撃を利用した。オペレーション・グラディオで明らかにされた様に、共産主義者のせいにして、選挙で彼らの得票をおしさげる為、欧米諜報機関がヨーロッパの女性や子供達を爆弾攻撃したのだ。

偽装攻撃は、歴史上、良くあることだ。政府の秘密の企みが曝露されるのを防ぐ為、そうした偽装攻撃をあばく人々は“陰謀論者”というレッテルを貼られる。国民がだまされやすいことが、政府の成功を許している。

Paul Craig  Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリップス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTThe Neoconservative Threat to World Orderが購入可能。

ご寄付はここで。https://www.paulcraigroberts.org/pages/donate/

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/07/29/incongruities-news-paul-craig-roberts/

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Paul Craig Roberts氏の指摘通り、Wikileaksが、NSAの盗聴活動を報じている。

さくらんぼ輸入政策まで盗聴してくださっている。まさにTPP。

「TPP、大詰めが近い」ヨイショ大本営報道の洪水。「○×の物価が安くなる」一辺倒。

「集団自衛権」などという愚劣パシリ政策を進める傀儡政権、先の戦争で死亡した日本兵の大半が、原因は餓死だったことを知っているはず。

核汚染ATM不沈空母、金をたかられ、基地をおかれ、標的にされ、兵士まで駆り出されるが、自国の食料生産をないがしろにして、安全保障などありうるだろうか?

宗主国は、武器弾薬の点で、世界最大の死の商人であると同時に、圧倒的な農産物を売ったり、売らなかったりで、相手国の生死を決められる死の商人でもある。そして、医薬品、医療保険で、人の生命を種に稼ぐのが商売の国だ。

そもそも、TPPは、農産物関税問題が本題ではないことを、大本営広報部、全く解説しない。バターの品不足ばかり。

「ニュージーランド排除」など、始めから想定内だろう。アングロサクソンの国は、独自に発言・行動する自由があるのだろうか?うらやましい。AIIB加盟騒ぎを思い出す。

交渉の「先行きを不安視する」むきもある、やら、交渉の長期化をあやぶむきもあるやら、とんでも説教の大本営広報部電気洗脳箱。

傀儡政権がクーデター的に推進している戦争法案と同じ、「大企業クーデター」協定など成立しないことこそ庶民の幸。

とはいえ、まともな場面もまれにはある。「安全保障関連法に反対する学生と学者の共同行動」に参加したあと、大本営広報部ラジオ番組に出演された水島朝穂早稲田大学教授の話はわかりやすかった。戦争法案推進派、大東文化大学浅野善治教授の説明、素人には詭弁にしか聞こえない。二人の話のあと、当然のようにTPP宣伝ニュースになった。

今日の安全保障関連法に反対する学生と学者の共同行動の様子もリアルタイム画像で伝えているIWJには、日刊IWJガイドという文字によるレポートもある。

【IWJブログ】「法的安定性は関係ない」発言の礒崎総理補佐官、言い訳にならない言い訳の裏に日本会議の思惑?(日刊IWJガイド7月31日号より)

岩上安身責任編集 – IWJ Independent Web Journal

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