イギリスのSAS特殊部隊、シリアで“ISIS叛徒の様な服装で”アサドと戦闘
Stephen Lendman
2015年8月5日
8月2日、イギリスのサンデー・エクスプレス紙は、“対聖戦戦士秘密戦争で、SASはISIS戦士の服装をしている”という見出しで、こう報じた。
現在“120人以上のエリート部隊隊員が、戦争で荒廃した国におり”ひそかに“黒い服を身につけ、ISIS旗を揚げ”オペレーション・シェーダーと呼ばれるものに取り組み、ISISと戦うという口実で、シリアの標的を攻撃している。
秘密のアメリカ特殊部隊とCIA要員も、同じような形で関与している可能性がある。オバマのリビア戦争時、イギリスは、英国陸軍特殊空挺部隊(SAS)と特殊舟艇隊(SBS)要員から選抜した、数百人の特殊部隊支援グループ集団(SFSG)落下傘兵を派兵した。
約800人の英国海兵隊員と、4,000人のアメリカ海兵隊員が、突然命令が下された場合、介入すべく待機していた。
この最新の暴露記事は、2013年8月、議会が拒否したにもかかわらず、デービッド・キャメロン首相が、昨年、シリア爆撃で、イギリス戦闘機が、アメリカ戦闘機に加わることを承認したことが判明してから二週間後に報じられたもの。
少なくとも現在の秘密地上作戦の一部は、アメリカ指揮下にある、攻撃すべき標的を探すべく、地形をスキャンする為の小型無人機を発射できるピックアップ・トラックで行動するいわゆる “粉砕”部隊だ。
通信支援を行う為、250人以上のイギリス(および、おそらくアメリカ)専門家が関与していると、サンデー・エクスプレスは報じている。
イギリスのマイケル・ファロン国防長官は、“他の国々における、我々の行動・監視能力を、シリアでの攻撃に振り向けている。”と述べた。
イギリスのSAS部隊は、サウジアラビアで、反アサド・テロリストを訓練しているが、一方、トルコ、ヨルダン、カタールや、恐らく イスラエルを含め、アメリカの工作員が同じことを行っている。
アメリカとイギリスの、いわゆる“穏健”反政府派の訓練に関する主張は、海外で訓練され、武器を与えられ、アサドと戦うべく、シリア 国境を越えて送りこまれ、今や、アメリカ/イギリス、カナダの地上の秘密特殊部隊と、上空援護まで得ているISISテロリストと直接行動していることの煙幕だ。
エクスプレス紙は、イギリスのシリア国内における作戦の一環として“戦車も出動するだろう”と述べた元イギリス陸軍大将、デビッド・リチャーズの発言を載せた。
別の記事は、アメリカによる空爆が、アサド攻撃用のアメリカ歩兵として機能しているISISテロリストを援護していることを論じている。
ウオール・ストリート・ジャーナルは、もし(ありもしない) アメリカが支援する“穏健”反政府派を攻撃した場合、シリア軍への空爆をオバマが承認したと、偽って主張して、リビア 2.0の序曲の様に見えるものについて報じている。
これと別に、トルコ・マスコミは、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は「プーチンはアサドについて軟化したのかもしれない。彼はアサドをあきらめるのかも知れない」と述べたと報じた。
オバマは“プーチンが電話をしてきたが(6月末)、それがシリアについて話し合うためだった事を心強く思った”と述べた
アサド政権が、シリア国内で、益々広大な領域の支配を失いつつあり、(聖戦士)による権力奪取、あるいは、シリア政権の大敗の可能性は、差し迫っているわけではないが、日々脅威は大きくなりつつあると、彼等は感じているのだろうと思う。我々にとって、彼等と真面目な会話をする機会だ。
プーチンの広報担当官ドミトリー・ペスコフは、両大統領は、テロとの戦い、特に「イスラム国」について話し合ったとのべた。
“ロシアの見解は良く知られている”彼は説明した。“オバマ大統領との会話でも(プーチン)は繰り返して述べた”。変わってはいないのだ。
プーチンは、他国の内政に対するいかなる国による外部からの干渉に反対している。彼は、自国の指導者や議員を選ぶシリア国民や他の国民の主権を支持している。
プーチン補佐官のユーリー・ウシャコフは、“現在のシリア指導部は、「イスラム国」と対決している、本物の、有効な勢力の一つだ。”と述べた。
ロシアがアサド支援を弱めたことを示すものは皆無だ。
スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。[email protected]で彼と連絡ができる
編集者・寄稿者としての新刊は “Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”
http://www.claritypress.com/LendmanIII.html
彼のブログ・サイトはsjlendman.blogspot.com.
著名ゲスト達との最先端の議論を、Progressive Radio NetworkのProgressive Radio News Hourで聞くことができる。
放送は週三回行われている。日曜のアメリカ中部時間午後1時と、二つの録音放送だ。
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BSで、映画『黒い雨』をはじめて見た。
スミソニアンに展示されているエノラゲイの様子も放送された。
大本営広報部でさえ、「きのこ雲の下で何が起きていたのか」で、CGで悲惨な様子を表現する番組を放送した。登場したアメリカ人ジャーナリスト、グレッグ・ミッチェル氏、名前に記憶があった。下記のデモクラシー・ナウ番組に登場した方。
原爆の隠蔽:米国によるヒロシマとナガサキへの原爆投下の隠されたストーリー
2011年8月23日 (火)
そういう仕業をした国の支配層は全く反省していない。元軍人団体が心から謝罪をしたという記事が夕刊にはあったが。
NHK NEWS WEBにこういう記事がある。
ロシア 原爆投下の米非難 日米分断ねらいか
8月6日 7時49分
ロシアのプーチン大統領の側近のナルイシキン下院議長は、広島と長崎の原爆投下を検証する会議を開き、「人道に対する罪に時効はない」と述べてアメリカを厳しく非難し、日本とアメリカの分断を図るねらいもあるものとみられます。
そういう国が、安保なり、戦争法制なり、TPPなりで、素晴らしい贈り物をしてくれると思う人一体いるのだろうか?
与党政治家も高級官僚も、行動・実績を冷静に考えれば、我々ではなく、彼等の政治家、高級官僚のように思われる。しかも収入は、宗主国からのお手当てではなく、税金。
70年、税金を投入して、彼らの為の政治、官僚制度を完成させたわけだ。
『TPP秘密交渉の正体』山田正彦著 竹書房新書 34ページの一行を転記させていただこう。
各省は戦後60年間、有能な若手官僚を米国に留学させて、いつの間にか霞が関の官僚は米国と密接な関係になっている。霞が関は今や米国政府の出先機関になってしまったのではないかと思われるほどである。
この文章、
第2章 日米並行協議がTPPよりも恐ろしい
にあるもの。
山田正彦元農林水産大臣は、(TPPが漂流しても)日米並行協議がTPPよりも恐ろしいことを、2013年12月に書いておられるのだ。
大本営広報部の事前のTPP報道、あたかも、交渉がまとまるごとき、ヨイショ報道だった。蓋をあければ、大本営広報部の事前報道とは大違い。どうやら漂流の様相も見受けられる。報道というより、庶民に対するとほうもない被害をすべて見逃しての締結祈願。
241ページには、日本のメディアも多国籍企業に変われてしまったのか と見出しがある。
定価、本体838円+税
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