「卸売業」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 卸売業とは

2025-06-12

食品卸業の営業利益率を調べてみたよ

Yahooファイナンス卸売業として登録されている上場企業のうち、主たる事業として食品卸を行っている企業ピックアッププライムスタンダードグロースなど上場先の区別はなし。数値はいずれも2024年決算

木徳神糧 2.00%

セントラルフォレストグループ 0.81%

横浜魚類 0.89%

アイスコ 1.15%

伊藤忠食品 1.22%

農業総合研究所  1.30%

創健社 1.33%

デリカフーズホールディングス 1.37%

太洋物産 1.42%

・OUGホールディングス 1.46%

三菱食品 1.49%

・ヤマエグループホールディングス 1.57%

スターゼン 2.07%

ニチモウ 2.24%

ラクト・ジャパン 2.61%

久世 2.69%

尾家産業 2.99%

・神栄 3.45%

神戸物産 6.76% (※業務スーパー店舗販売利益も含む)

コメに関して「ぼったくりじゃない」と声明を出した木徳神糧は、昨年度時点で卸売業としては上位の営業利益率を誇っていることが分かる。

それが今年度になって営業利益率5倍。単純計算10%になってしまうが、そんな利益を上げてる食品卸売業者は上場企業の中には存在しない。「ぼったくり」という評価妥当だ。

ああ売上総利益率所謂粗利率)と営業利益率の区別がつかない人は反論禁止から

2025-06-06

例えば元々100円しか持ってない人が300円貰ったら300%増!この人が言ってるのはそういう事です。元々利益率が低いまま頑張ってた卸売業者を貶めて、自分達の息のかかった業者に替えるつもりか

こういう意見をどっかで見てそのまま信じてるんだろーなー。

食品卸の利益率は大抵どこも低い。それは低くて頑張ってるんじゃなくて、薄利多売が基本のビジネスモデルから。どんどん仕入れてどんどん流す。よほどでなければ需要も読めるし在庫回転率も早い。だから利益率が低くても安定した収益を得られるビジネスなんだよ。低い所は頑張ってて、高い商売は頑張ってないなんてそんな単純な話じゃないの。

300%云々ももともと100円しか儲かってなかったわけじゃないでしょ。つまんないこと言ってんじゃないよ。

米が不足してて、卸として利益が得られないか価格つり上げて売ってるんなら仕方ないよ。コロナの時の様々な部材はそういうのが多かった。そういうのは仕方ない。

でも米はどこかにあるはずだし、卸はなぜか利益が膨大に上がってる。

仮にモノはあるのに意図的に滞らせて価格をつり上げて売って最高益叩きだしてるんだとしたら、それは問題あるんじゃない?っていうことでしょ。

https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.daily.co.jp/gossip/2025/06/05/0019070265.shtml

「社名言いませんけど米の大手卸売業者の営業利益500%ですよ」

名言いませんけどスイッチ2売れまくりなのは独占禁止法に引っかからないんですかね。車だってOEMで他メーカーでも販売してるのに

2025-06-05

anond:20250605144940

問屋転売屋の違いは、主に以下の4つの客観的観点で整理できます

✅ 1. 流通構造上の役割
観点問屋転売屋
位置づけメーカーと小売の中間位置する【正式流通業者】 商品の入手者と再販売者の間に偶発的に入る【非公式再販者】
機能物流在庫管理価格調整・販路提供需要供給のズレを突いた価格差の利用
✅ 2. 取引正規性と契約関係
観点問屋転売屋
メーカーとの関係正規取引契約がある場合が多い 基本的契約なし。一般消費者と同様に購入
再販許可 多くは再販契約に基づく 原則として再販契約なし(許可制ではないが、規約禁止されることも)
✅ 3. 取り扱う数量・スケール
観点問屋転売屋
購入ロット 大量仕入れが基本(法人向け) 少量~中量。個人複数購入して再販
在庫リスク業務上の前提。在庫管理が責務 在庫リスクを極力回避需要ありきの購入
✅ 4. 社会的認知評価
観点問屋転売屋
社会的信頼性 商習慣上の必要存在として認知場合により反感を買いやすい(買い占め・値上げ等)
法的評価正規の業種として分類(卸売業違法ではないが、プラットフォーム規約違反となる場合あり
🧩 まとめ
比較問屋転売屋
役割正規流通過程の一部 正規流通の外側で発生
契約メーカー・小売と契約あり 原則契約なし
在庫物流機能 担う 担わないことが多い
社会的評価インフラモラル的に賛否あり

2025-06-04

anond:20250602210029

矛盾してない?業務用はほとんとみんな確保済みなんでしょ?

高い値段でも手を出す卸売業者がいるのは、中外食必要を満たすためだ。

彼らに安い米を渡せれば、過熱を抑える効果はあると思わないだろうか?


実需や小売店が早い時期に産地から年間分を直接買い付ける傾向は東日本大震災あたりから年々強くなっていた。

そして6年産は、椅子取りゲームのように実需がこぞって確保に動いた。

どうしても米が欲しいところ、パンや麺では代替できないところ、つまりご飯を使う中外食にとっては高くても米は欠かすことができない。

2025-06-02

anond:20250601193509 政府備蓄米について2(補足など)

元増田です。

 

愚痴いたこもつらつら書いたし、書き方も拙かったこから、だいぶ誤解されてしまったが、今回の備蓄米についての皆さんの意見を聞いてみたかったのがこの日記を書いた目的

私自身、この業界にいながら、夏から新米時期にかけて、状況がどう転ぶのかが読めないのだ。

 

まずは、お詫びから

 

小泉米」って表現だが、マスコミで使われていた気がしたのでそのまま使ってしまった。

江藤米」、「小泉米」で区別すれば、「第1回~第3回の入札による政府備蓄米売渡」と「随意契約による政府備蓄米の売渡」の二種類が分かりやすいかと思ったからだ。

先に書いてしまった日記ブコメも多数いただいていることだしそのまま残すが、以降は使わないよう気を付ける。

 

また「おっさん体臭」という言い方に不快を感じさせてしまったようで申し訳ない。

ただ、古米臭ってのはひねた脂の臭いで、加齢臭を想起させるのは確かではあります

 

自分から古古古米をお客さんに勧めることはないし、話を聞いた当初は全く関係ない話だと思っていた。

ただ、今回は取引から問い合わせがあったので、説明会に参加してみた次第。

もちろん、取引先には古古古米の食味の問題を伝え、焼飯など限定した用途での使用に限られるだろうこと説明した。

それでも価格を選びたいとのことで、ならばやってみましょうかということだった。

 

そして補足。

 

673万トンという令和6/7年需要予測農水省資料を参考にしている。

 

https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/syokuryo/2410/241030.html

このページの「資料2 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針(案)(PDF : 841KB)」を見ていただきたい。

(今確認したら674万トンだった…)

 

需要800万トンというブコメがあったが、それは主食用以外の用途、加工用、飼料用、種籾用を含めての数字と思われる。

ここで必要なのは主食用の需要量なので、主食用以外は考えない方がよいと思う。

また、内食需要量には、今回業務用として除外されている学校病院施設での給食も含まれている。

令和3年産、4年産の30万トンの販売先は、主食需要量の45%程度である「家で炊いて食べるご飯用途限定される。

 

また、今回の随意契約での放出目的について、店頭安価に大量に陳列することで価格を押し下げる、というのは半信半疑でみている。

卸売量販店向けに確保していた米を、備蓄米があるからと他へ回すことで需給が緩くなる効果はあると思う。

ただ、備蓄米が6年産やこれから登場する7年産新米の引き立て役になってしま危惧もある。

 

今の店頭価格の高騰は玄米価格の高騰を反映しているに過ぎない。

何故玄米が高いかと言えば行き場の決まってない米が少ないから。

実需や小売店が早い時期に産地から年間分を直接買い付ける傾向は東日本大震災あたりから年々強くなっていた。

そして6年産は、椅子取りゲームのように実需がこぞって確保に動いた。

どうしても米が欲しいところ、パンや麺では代替できないところ、つまりご飯を使う中外食にとっては高くても米は欠かすことができない。

高い値段でも手を出す卸売業者がいるのは、中外食必要を満たすためだ。

彼らに安い米を渡せれば、過熱を抑える効果はあると思わないだろうか?

以上が、米価の安定をうたいながら業務用を排除することへ疑問を持つ理由だ。

 

ところで、私が皆さんに聞きたかったのは、

夏の暑い、ただでさえ食欲が失せる時期に、3年産古古古米の消費がどう進むと思うか?

主食用消費の45%しかない「家のご飯」で消化しきれると思うか?

 

昨年夏の騒動による早食いから40~50万トンが不足しているといわれている。

3月以降の入札31万トンとと今回の随意契約30万トン、合計61万トンで量としては十分。

ただ、これが必要なところにピッタリはまらないと上手くいかないと感じている。

 

1. 随意契約備蓄米は順調に消費され、丁度良い塩梅になる。

 → 理想的

2. 随意契約備蓄米売れ残り小麦製品に消費は流れ、米の消費量が減る。

 → 食味の悪さから備蓄米の購入は継続されず、かといって高い米も買わずパン類、麺類の購入が増える。もったいないが需給のひっ迫が避けられるなら悪くはない。7年産新米スタートゆとりあるものになれば価格も落ち着くのではないか

3. 随意契約備蓄米は売れ残るが、米の消費量は減らず6年産や7年産がひっ迫する。

 → 食味の悪さから備蓄米リピートは少ない。高いけど6年産や7年産を買ってしまう。または家で備蓄米を炊くのを嫌い、外食の利用が増え、ひっ迫感は相変わらず。このパターンが一番マズい。

 

気が向いたらでいいので、皆様のご意見をお聞かせください。

2025-05-27

コメ農家🧑‍🌾「5キロ3000円でも安い。3500円以上じゃないと」

 通販サイト「食べチョク」を運営するビビドガーデンは23日、コメ価格高騰と供給不足を受け、契約農家111人を対象実施した調査結果を公表した。約半数が、5キロ当たり3000~3500円の価格を「安い」と回答し、消費者との受け止め方の違いが浮き彫りとなった。

 農林水産省によると、コメの集荷業者卸売業者が売買する際の「相対取引価格」(玄米60キロ当たり)で、2024年産米は同年9月時点の全銘柄平均で2万2700円だった。

 同時期の5キロ当たりの平均小売価格は3000~3500円程度だったが、調査では、この価格について「少し安い」または「とても安い」との回答が計51・8%を占めた。

 自由記述では「これまで肥料燃料費など、生産コストの上昇は価格に反映されなかった。ようやく適正価格に近づいた」「5キロ当たり3500円以上はないと持続的な生産は厳しい」との声もあった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bbf130e205c801db9116e4ac809531b918a59656


農家ップさぁ、、、

2025-05-25

anond:20250525131307

米の卸売業者が持つ在庫も減っていて深刻な状況です。

価格が高止まりするのはそのような状況から発生する当然の対処です。

米が不足している直接の原因は生産量が足りていないことです。

政府減反政策に失敗したというシンプルな話であって、米市場黒幕はいません。

(全員が清廉潔白なわけでもないでしょうが市場全体を仕切るほどの力はないです。 米業界はどこもかしこも体力を失い瀕死です。)

2025-05-09

備蓄米に関してJAが儲けてるとか言ってる人いるけど、JA農家利益を守ってるだけ

農家JAに米を納品するとJA農家に概算金を支払うのだけど、概算金と呼ぶだけあって確定した買取額じゃない

JA卸売業者に販売した額に応じてJA農家に追加払いを行う

まりJAが卸値を下げないことは米農家収入を増やすことに直結している

https://www.maff.go.jp/j/seisan/keikaku/soukatu/mailmaga/pdf/261226panfu.pdf

24年度産について、JAがなどの大手業者の集荷量が23万トンほど減ったのだけど、それは恐らくJAの追加払いのような契約にはなっていないだろう

なので23万トン分は追加払いが得られずに農家は損をしたと考えられる

であれば、25年産はJAの集荷量は元に戻る可能性が高い

そうなれば25年産の米小売価格が下がるのかというと、下がらないでしょう

JA農家利益を守るから

ちなみに、24年産の米の小売量は減るどころか増えていて20年以上前の水準になっているって話がある

高くても米が売れるなら安売りする理由はないので、25年産が豊作だとしても小売価格は高止まりすると思われる

25年産の消費量・小売量については今のところまとまった統計は発表されていないけど、国はある程度把握しているはず

参院選前に推計を出と思ってる

あと、集荷できなかった23万トンのうち12万トン前後農家が知り合いに売ったりする分として確保しているんじゃないかって説があり、それは今後も回復しないだろう

有象無象転売用に確保した量はそれほどない可能性が高い)

2025-04-27

JA「ふえーん備蓄米が送れないよぅ」

卸売業者への備蓄米出荷24%止まりJA全農、全量売り渡すのは6月以降の見通し

https://news.yahoo.co.jp/articles/0c24395ae12202ae56fedffe8912f10cb1fed55e

 

94%をJA落札

政府出荷 3月中旬

24%卸し業者に出荷 4月24日

66%が出荷目処

34%が出荷目処立たず(7万トン)

 

JA全農は、卸売業者の依頼を受け、備蓄米倉庫から出して卸売業者に配送するが、事務手続きトラックの手配などに時間を要し、2~3週間かかっているという。

 

じゃあなんで落札したの?

農水省は「変な業者が溜め込まないように大手に絞った」とか言ってたけど、JAがその変な業者なんだけど

2025-03-16

ミニマムアクセス米、SBS米に関税はかかっていないというご論法

危機的なことなのにあまりにもデマが多かったからか、大手マスコミでも解説されるようになってきました。

コメ高騰で外国産米の民間輸入が急増、高い関税払っても「十分に採算取れる」

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250315-OYT1T50048/


デマを流してるブクマカから削除申請されて消えましたが、切実なことなので修正して書き込みます

ミニマムアクセス米、SBS米に関税はかかっていないとデマを流す人がいますが、マークアップという関税相当の手数料がかかっています

店頭に並んでいる海外米、輸入米の価格関税相当を上乗せされた後の価格です。

関税がかかっていても国産米より一段安い、これは関税バリアが破れたことを意味しています

ご存じの人も多いと思いますが、WTO協定に基づいて日本海外から毎年最低限輸入しなければならない米をミニマムアクセス米といいます

日本が米に対し異常に高い関税をかけることと引き換えに譲歩した仕組みで、毎年77万トンを輸入しています

77万トンのうち主食用に輸入できるのは最大10万トンで、この最大10万トンの枠で輸入された米をSBS米と呼んでいます

SBS米は次のような仕組みで価格が決まります

このようにマークアップとは、政府買入価格政府売渡価格の差額のことで、国内価格と国際米価格の差を反映しており実質的関税役割果たしてます

そして2024年11月の入札では、初めてマークアップが上限の292円に張り付くという事態が発生して業界では大騒ぎになりました。

先週末22日に行われた今年度第3回目のSBS入札で、なんとマークアップ(売渡価格から買入価格差し引いた輸入差益)が最大のkg292円に張り付いてしまったのだ。1996年ミニマムアクセス受入れ以来、上限張り付きは初めてのことである裏返してみるとkg292円という高額の関税を支払っても海外からコメを輸入して国内販売してもビジネスが成り立つことを意味している。

https://www.jacom.or.jp/column/2024/11/241126-77911.php

昨年の11月で既に、kg292円の関税相当額を支払っても輸入米の方が安い状況になっていました。

輸入米 民間企業の輸入量急増 先月1か月で昨年度1年分上回る

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250220/k10014728351000.html

米を民間輸入 卸「関税払ってもペイする」 背景に深刻な不足感

カルローズ米国ではキロ150~160円で、関税を載せても500円ほど。港からフレコンで上がる米をクリーニングして5キロ10キロの袋に詰め納品するまで、加工、保管、輸送などのコストはかかるが、国産米より一段安い。

https://www.jacom.or.jp/kome/news/2025/01/250108-78742.php

SBS米の上限である10トンでは足りないということで、kg341円の関税を払っての輸入が増加しているというニュースも増えています

関税がかかっていても国産米より一段安い、これは関税バリアが破れたことを意味しています

インフレが進もうと関税は変わらない為、価格の大半が関税である輸入米は価格が安定する点も国産米に不利に働くでしょう。

そして当たり前ですが民間輸入に上限はなく、いくらでも入ってきます

この先、米の関税が下がることはあっても上がることはないので、とても先行きが厳しくなったと感じています

デマのように、ミニマムアクセス米、SBS米に関税がかかっていないならまだ猶予はあったでしょう。

でも残念ながら、デマデマしかないのです。

2025-03-06

ミニマムアクセス米、SBS米に関税はかかっていないというご論法

デマを流してるブクマカから削除申請されて消えましたが、切実なことなので修正して書き込みます

ミニマムアクセス米、SBS米に関税はかかっていないとデマを流す人がいますが、マークアップという関税相当の手数料がかかっています

店頭に並んでいる海外米、輸入米の価格関税相当を上乗せされた後の価格です。

関税がかかっていても国産米より一段安い、これは関税バリアが破れたことを意味しています

ご存じの人も多いと思いますが、WTO協定に基づいて日本海外から毎年最低限輸入しなければならない米をミニマムアクセス米といいます

日本が米に対し異常に高い関税をかけることと引き換えに譲歩した仕組みで、毎年77万トンを輸入しています

77万トンのうち主食用に輸入できるのは最大10万トンで、この最大10万トンの枠で輸入された米をSBS米と呼んでいます

SBS米は次のような仕組みで価格が決まります

このようにマークアップとは、政府買入価格政府売渡価格の差額のことで、国内価格と国際米価格の差を反映しており実質的関税役割果たしてます

そして2024年11月の入札では、初めてマークアップが上限の292円に張り付くという事態が発生して業界では大騒ぎになりました。

先週末22日に行われた今年度第3回目のSBS入札で、なんとマークアップ(売渡価格から買入価格差し引いた輸入差益)が最大のkg292円に張り付いてしまったのだ。1996年ミニマムアクセス受入れ以来、上限張り付きは初めてのことである裏返してみるとkg292円という高額の関税を支払っても海外からコメを輸入して国内販売してもビジネスが成り立つことを意味している。

https://www.jacom.or.jp/column/2024/11/241126-77911.php

昨年の11月で既に、kg292円の関税相当額を支払っても輸入米の方が安い状況になっていました。

輸入米 民間企業の輸入量急増 先月1か月で昨年度1年分上回る

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250220/k10014728351000.html

米を民間輸入 卸「関税払ってもペイする」 背景に深刻な不足感

カルローズ米国ではキロ150~160円で、関税を載せても500円ほど。港からフレコンで上がる米をクリーニングして5キロ10キロの袋に詰め納品するまで、加工、保管、輸送などのコストはかかるが、国産米より一段安い。

https://www.jacom.or.jp/kome/news/2025/01/250108-78742.php

SBS米の上限である10トンでは足りないということで、kg341円の関税を払っての輸入が増加しているというニュースも増えています

関税がかかっていても国産米より一段安い、これは関税バリアが破れたことを意味しています

インフレが進もうと関税は変わらない為、価格の大半が関税である輸入米は価格が安定する点も国産米に不利に働くでしょう。

そして当たり前ですが民間輸入に上限はなく、いくらでも入ってきます

この先、米の関税が下がることはあっても上がることはないので、とても先行きが厳しくなったと感じています

デマのように、ミニマムアクセス米、SBS米に関税がかかっていないならまだ猶予はあったでしょう。

でも残念ながら、デマデマしかないのです。

2025-02-26

ミニマムアクセス米、SBS米に関税はかかっていないというご論法

デマを流してるブクマカから削除申請されて消えましたが、切実なことなので修正して書き込みます

ミニマムアクセス米、SBS米に関税はかかっていないとデマを流す人がいますが、マークアップという関税相当の手数料がかかっています

店頭に並んでいる海外米、輸入米の価格関税相当を上乗せされた後の価格です。

関税がかかっていても国産米より一段安い、これは関税バリアが破れたことを意味しています

ご存じの人も多いと思いますが、WTO協定に基づいて日本海外から毎年最低限輸入しなければならない米をミニマムアクセス米といいます

日本が米に対し異常に高い関税をかけることと引き換えに譲歩した仕組みで、毎年77万トンを輸入しています

77万トンのうち主食用に輸入できるのは最大10万トンで、この最大10万トンの枠で輸入された米をSBS米と呼んでいます

SBS米は次のような仕組みで価格が決まります

このようにマークアップとは、政府買入価格政府売渡価格の差額のことで、国内価格と国際米価格の差を反映しており実質的関税役割果たしてます

そして2024年11月の入札では、初めてマークアップが上限の292円に張り付くという事態が発生して業界では大騒ぎになりました。

先週末22日に行われた今年度第3回目のSBS入札で、なんとマークアップ(売渡価格から買入価格差し引いた輸入差益)が最大のkg292円に張り付いてしまったのだ。1996年ミニマムアクセス受入れ以来、上限張り付きは初めてのことである裏返してみるとkg292円という高額の関税を支払っても海外からコメを輸入して国内販売してもビジネスが成り立つことを意味している。

https://www.jacom.or.jp/column/2024/11/241126-77911.php

昨年の11月で既に、kg292円の関税相当額を支払っても輸入米の方が安い状況になっていました。

輸入米 民間企業の輸入量急増 先月1か月で昨年度1年分上回る

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250220/k10014728351000.html

米を民間輸入 卸「関税払ってもペイする」 背景に深刻な不足感

カルローズ米国ではキロ150~160円で、関税を載せても500円ほど。港からフレコンで上がる米をクリーニングして5キロ10キロの袋に詰め納品するまで、加工、保管、輸送などのコストはかかるが、国産米より一段安い。

https://www.jacom.or.jp/kome/news/2025/01/250108-78742.php

SBS米の上限である10トンでは足りないということで、kg341円の関税を払っての輸入が増加しているというニュースも増えています

関税がかかっていても国産米より一段安い、これは関税バリアが破れたことを意味しています

インフレが進もうと関税は変わらない為、価格の大半が関税である輸入米は価格が安定する点も国産米に不利に働くでしょう。

そして当たり前ですが民間輸入に上限はなく、いくらでも入ってきます

この先、米の関税が下がることはあっても上がることはないので、とても先行きが厳しくなったと感じています

デマのように、ミニマムアクセス米、SBS米に関税がかかっていないならまだ猶予はあったでしょう。

でも残念ながら、デマデマしかないのです。

2025-01-31

anond:20250131150716

おっしゃる通り、米に関しても、政府物理的に倉庫に保管しているだけではなく、卸売業者に備蓄をお願いしているケースがあります

日本の米の備蓄に関しては、政府が直接大規模な倉庫を持っているわけではなく、主に民間流通業者に対して「備蓄義務」を課し、一定量の米を備蓄させるという形になっています。米の備蓄システムは、国家的なリスク自然災害戦争など)や、食料供給不安定性に対応するためのものです。

具体的には、政府備蓄目標を設定し、それに基づいて業者必要な量を各自で確保していることが多いです。そして、その量については、普段供給状況や消費量考慮して定期的にチェックされ、古くなった分は入れ替えられるシステムとなっています

ただ、米の場合は他の生活必需品とは少し事情が異なる点もあります。米の備蓄は、例えば農家から直接買い上げたり、政府協定のもとで実施されることがあり、特定業者に一任されていることもあるため、規模や仕組みが異なることもあるかもしれません。

いずれにせよ、米の備蓄についても、「政府がすべて管理している」といった直接的な倉庫管理は少なく、各業者流通業者が担っているという部分が大きいのは確かです。

"備蓄米"って別に政府がどでかい倉庫に蓄えてるわけじゃないよね?

それとも本当に倉庫があるの?

自分の父は、米じゃないけど、似たような生活必需品商売をやっているが、その商品政府備蓄がある

ただ、これは政府がでかい倉庫を持っててそこに蓄えているわけじゃなくて、その実態は、全国の卸売業者に、「決めた量だけ必ず在庫を確保しておいてね」という約束なのである

なので、どこに蓄えられてるかって言えばその業界の各社の倉庫なのである

そしてその契約分は政府許可がない限り品薄でも売っちゃいけないことになっている

もちろん契約は量だけなので、備蓄してて古くなって困る、とかはなくて、常に入れ替えながら在庫キープしている

そんな状態が我々の業界、というか、我が家家業だが、俺は継いでないから詳細は知らん

なので政府役人政府倉庫ガチっと蓄えて管理している、みたいなことはないので、品薄で価格高騰しているのに目の前には大量の自社の在庫があれば、一時的契約量より倉庫の中身が減っちゃってる、みたいな話は、まあ、ないとは思うけど、あったりするのだろうか、とも思ったりする

じゃあ極度に品薄になって、本当に各社がこっそり売っちゃってた日は、政府けが備蓄があるつもりで、実際はどこにも備蓄されてなかったりするんじゃね?とも思ったり

「消えたコメ」茶わん26億杯分 在庫分散、国も把握できず

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB28AKQ0Y5A120C2000000/

米のシステムが同じかは知らない

でも似たようなもんじゃないのと思っている

米が我々のやり方と違ってたら、全然違うでって訂正と解説をお願いしま

2024-12-13

anond:20241213144857

それは完全に小売に問題があるって話だよな

小売店転売ヤーと結託して商品横流しすることは、一般的に以下の理由から認められていません。

* 契約違反: 小売店は、通常、メーカー卸売業者との間で、一般消費者に対して商品販売するという契約を結んでいます転売ヤーへの横流しは、この契約違反する行為となる可能性が高いです。

* 不当な利益獲得: 転売ヤーは、入手困難な商品を買い占め、高値転売することで不当な利益を得ようとします。小売店がこれに協力することは、消費者を欺き、市場をゆがめる行為として問題視されます

* 公正な競争の阻害: 転売ヤーとの結託は、他の小売店消費者に対して不公平競争を生み出し、市場健全な発展を阻害する可能性があります

法律上問題

* 独占禁止法: 転売ヤーとの結託が、特定事業者に不当な利益をもたらし、競争制限する場合には、独占禁止法違反となる可能性があります

* 不正競争防止法: 転売ヤーとの結託が、虚偽の表示や不正競争手段に該当する場合には、不正競争防止法違反となる可能性があります

* その他の法律: 場合によっては、契約違反詐欺罪など、他の法律抵触する可能性も考えられます

なぜ横流しが行われるのか

* 高額な買取り: 転売ヤーは、小売店販売するよりも高額で商品を買い取ることを提案することがあります

* 在庫処分: 売れ残り商品を早く処分したい小売店にとっては、転売ヤーとの取引が魅力的に見えることがあります

* 人手不足: 小売店人手不足で、商品管理が徹底できていない場合横流しが行われやすくなります

横流しを防ぐために

* 厳格な商品管理: 商品の出入庫を厳密に管理し、不正流出を防ぐ必要があります

* 従業員教育: 従業員に対して、横流し不正行為いかに重大な問題であるかを周知徹底し、不正行為への関与を防止する必要があります

* 取引先の選定: 信頼できる取引先と取引を行い、不正行為に関わる可能性のある取引先との取引を避ける必要があります

* 内部告発制度の導入: 社内で不正行為発見した場合に、安心して報告できるような仕組みを導入することが重要です。

まとめ

小売店転売ヤーと結託して商品横流しすることは、法律違反し、社会的問題となる行為です。企業として、倫理的観点から、このような行為に関わらないことが重要です。

補足

* 具体的な法律適用については、個々のケースによって異なります

* 法律専門家にご相談いただくことをおすすめします。

不明な点があれば、お気軽にご質問ください。

2024-08-17

補足:趣味より儲かる本屋を残す必要性について

タイトル簡単に言えば「趣味的な本屋販売量だけでは、現在システムを維持出来ず書籍文化崩壊するから」という事になる。

これは他の経済活動でも同じで、趣味で採算度外視、あるいは薄給でもやりがいだけでやっています、と言うようなもの蔓延ってしまうと、後は滅ぶしかない。

一度滅んだ後に残存者利益が出てくると、改めて採算が取れるようになるのだが、その時は今の豊富で豊かな出版文化はなくなっているだろう。

と言うわけで、いただいた反応の中からいくつか補足としてワイの考えを述べておく。

何故客注を大事にする必要があるのか

上客、太客だから

書店顧客は、他の小売店と違い、売上の8割を2割の客が買っている、と言う極端な構造がある。色々な調査でひとりあたりの本の購入量の統計を取ると、左に大きなピーク、右に小さなピークの崩れたM字型になることが知られている。一つ目が年に数冊しか本を買わないライトユーザ。そしてもう一つが欲しい本があれば、後先考えず際限なく本を買ってしま病人である。つまりワイら。

そして、わざわざリアル書店で客注を出すような顧客というのは、大抵後者なのだ

「 客注は最速でも2,3日かかるのならば、ネット書店に勝てないのではないか」という話もあったけれども、こう言う後者顧客は、あえて意識的リアル書店を使っている。そしてお願いした本を仕入れてくれるという体験を求めている。

客注は儲からないのではないか

かに単体では儲からないが、その先にある最も儲かる「コンスタントに本を買ってくれる客」を育てる事に繋がるから


客注というのは今も昔も単体で儲かる仕事ではない。しかし、顧客サービスとしてはコスパが良いのだ。

日本書店委託販売という仕組みであり返品が自由在庫リスクがない一方で、利益率がかなり低くなっている。概ね売価の7割から8割ぐらいが仕入原価で、20%~30% ぐらいが小売店の取り分になる。ここから店の運営経費を賄うことになり、概ね原価率は9割を超える。一般食品スーパー利益目標が2割以上を指向することを考えると、利益率は低い。

そのため、一冊売る程度では全然からない。文庫本1冊注文されても仕入原価-売価が100円であり、客注対応の為に店員をひとり増やしたりすると赤字、と言うレベルである

が、当然ながら、人件費固定費に近い性質を持つのでこんなにシンプルではない。例えばコンビニ郵便はがきを売る・宅急便サービスをするのは、それらを利用するお客はついで利用を促すことが主だが、似たような性質と言えばイメージやすいだろうか。


さて、ネットの方が早いし面倒がない、と考える方の意見が多く見られており、これは事実である増田をみる様なユーザであれば尚更だろう。しかし、ネットリアル書店の間の配送期間というハンデがほぼ同じになる瞬間がある。

それが「新刊である新刊の発売日は統制が進み、現在ではネット書店ではフライング発売はほとんどない。

習慣的に本屋に行き、あるいは新刊が出ると、とりあえず自店で購入してくれる顧客をどれだけ確保できるかが店の成否に繋がるのである

そして、たくさんある書店の中から自店を選んでもらうには、価格統制がされている書籍では「体験」を育てるしかなく、客注とはそのための重要な機会なのだネットで買えばすぐに届くし、そうでなくてもコンビニコピー機で注文すれば早い事を知りながら、あえて書店を使う顧客を捕まえるチャンスなのだ

物流ではネット書店に勝てないのだからイベントやフェアを重視するべきだ

これはほとんどの場合間違っている。利益はでない。と言うのは、以下の様な性質があるためだ

この状況で、店頭型のフェアを増やす

  • 「本」という括りでは指向が広すぎて「フェア」などを開いても販売数量はほとんど増えない
  • 特定作家激推しフェアなどを開いても、その店に来る顧客の数は決まっているため、全体の販売額に繋がらない。
  • しかし、物流には負担をかける。例えば○○フェアをするからそのフェアに関する本を集めてくれ、というような依頼になるのだが、上記の通り販売量は期待できない中で結局返品になるからである。そして、データ的に今までフェアをやるからとたくさん仕入れても返品されていると言う実績が積み重なると、発注拒否されることが起きる。
    • こういった状況を「フェアをやろうと思ったのに取次が入荷させなかったからできなかった」と言うように言われがち。しかし、まずはその前に売上げの実績を立ててください、と言う事になる。今の取次は出版社はシビアデータを見て、返本やロスが出ないように配本するためこういうミスマッチが増えている。さら書店ちゃんデータを見て自店が持つ強みを伸ばすフェアをやるならば入荷されると思われるのだが。

またイベントを開くと

しかし、これらを承知の上で、上客を得るために実施するのは悪い事ではない。

が、それはいつもちゃんと本が買える、要望に応えてくれるという基礎があってこそであるので、そこを蔑ろにしたままやってもよくない。


さらに言うと、いつもちゃんと本が買える、と言う事に対して、イベントを開催するというと言うことは対立してしまうことがある。

本屋とは、ものすごい指向に幅があることを扱っているのが通常だから指向に合わないイベントをやっていると邪魔に感じることすらあるので結構気をつけなければならない。イベント顧客をゲットと繰り返したら、そのイベント指向自分にあわないと、居心地が悪く感じて顧客が離れてしまうと言うとは、残念ながらよくある話なのだ

大手書店が専用のスペースを設けるなどして、かなり気を遣っているのはこのためである

出版社や書店がフェアやイベント消極的だ、という事ではない。売れない事が問題なのだ。売れずにやりがいだけを消費してしまって持続性がないことが問題なのだ

Amazon楽天ヨドバシがあるから書店はいらないだろ

これはそう。

でも、Amazonの一番早い便でも半日であることに比べると、本屋店頭で買うのは見てすぐ実物を手に取れるので最速だし、本を読みたい欲を一瞬で満たしてくれるのはメリット

ん?電子書籍?  んん?ヨドの店頭受け取りだと30分でいける?  まぁそれはそう。

即配サービス使っても2,3日かかるの時間かかりすぎじゃね?

Amazonやヨドと比べられるとそれはそうなんだが、これでも他の小売業界向けの卸としてはめっちゃ早い。

Amazonやヨド、紀伊國屋などが取次在庫ありの場合、即配サービスより早いのは、彼らは自社で取次の倉庫まで取りにいっているからです。そこまでの出荷は一緒です。

それから大都市圏だと、午前中に出した客注が当日出荷になって翌日に届くことも仕組み上あります

パターン配本うんぬんかんうん

新刊の配本のうち8割以上が既にパターン配本でなくなっているので、認識がだいぶ古い。

パターン配本の批判が強まり出版社が指定した配本が行われるようになった。

が、結果から言うと、返本率が増加し出版社も在庫を抱える事になった。

そこで現在、取次は出版社や書店積極的データを開示し、配本を支援するシステムを用意して提供するようになった。取次のパターン配本だけに頼るのではなく、自分たちでも判断してもらおうと言う事である

これによって、中小出版社側もその注文に乗っかって大丈夫かと言うことをシステム的に判断するようになりつつある。


この状況で本が来ないと言うのは、出版社が数を減らしていると言う事だ。

結局は自分の店で売れるものは入荷するが、売りたいだけで売れそうにない本は入荷しないというだけ。出版社はベストセラー倒産などしたくはないのです。


ただ、最近買い切りの条件で注文数そのまま出荷する取り組みをやっている所も無いわけではないが、広がってはいない模様。

取次各社が、生き残らせる書店の取捨選択をやっている可能

これはもう間違い無い。

一般小売で考えると、趣味でやっていてきちんと経営していない店相手であると、卸売業者普通ここまで付き合わないが、取次という業態、あるいはその出自から考えて、半公共団体のようになっている面があるから今まで付き合ってたわけだが、それが限界に達しているのが今だ。


利益率という点では、実は取次の取り分(仕入原価-卸売価格)は書店よりもさらに低く、5~10%程度だと言われている。ここから経費が引かれて利益率になるとすると、一般卸売業者利益率の半額程度になってしまうと言う状況だ。

統計に寄れば、書店販売額は立地と坪数でほぼ決まると言われている。好立地の所では、ひと坪あたりの月商が13万円だという。仮にこれで15坪の小規模書店とすると、約200万円の売上げになる。さて、この書店から取次が得られる粗利(諸経費を一切含まない)は20万円が最大と言う計算になる。アルバイトひとりも雇えない金額だ。ここから人件費運送費、配達比、様々なリスク費用システム費用などを支払って利益になる訳がない。


取次が利益を上げるには、仕組み的に規模の商売を追求する一方で、流通コスト削減(これには返本率を下げる、と言った活動も含む)ぐらいしかやりようがない。小さな書店商売できる様に支えるのはほとんどボランティアである

儲かっていたころは良かったが、限界が近付く中、少なくとも黒字になること、自社が用意したサービス(即配や、データリブ経営を行うシステム提供など)をきちんと使いこなしてくれる事を条件に、それ以外の自然淘汰を止むなしと考えているのはそうなのだろうと思われる。


この取次の利益率が固定されている中で、一般流通流通スピードを上げろと言うのは無理だ。物流コストが上がりすぎているからだ。中小書店への配送を維持しつつコストをどう下げるか、そのためにはサービス水準を下げることもやむを得ないだろう。

そのような状況下で、その代わりに用意した早く配達するサービスも、追加で送料を負担せよと言うことも難しいと言われ、さらに即配サービスについて暴利を貪っているかのように言われるなどの状況で、手の打ちようがないことも理解してほしいところだ。

取次は多くの書店親会社でもないし、経済的合理性を考えた時には付き合う必要は全く無いのだから純粋に儲けるだけなら小規模書店を全部捨てた方がよいぐらいの状況だ。

電子書籍になるから印刷書籍はいらない

そう考えている人は少数派でかもしれない。市場の動きは違うようだ。

まず、ユーザー数、習慣的に有料の電子書籍を購入するユーザは30%~40%ぐらいが限度で、これ以上は伸びないことが知られている。

日本統計も、アメリカヨーロッパなど先に普及した統計などを見てもこの傾向で、電子書籍市場はほぼこれで大きな変動なく推移すると言われる。

また、販売量としても、雑誌を除く印刷書籍販売量はじわりと減っているが大幅な減少がみられない。特にコミックスを除くと、ここ10年ほどは横這い程度だ。

電子書籍が増えている、好調だ、という事の正体は、雑誌の減少と、それを補う電子コミックの伸びによるもの電子書籍印刷書籍を置き換えると言う動きにはなっていないのだ。もちろん数十年単位ではわからないが、ワイは現在の話をしているつもり。

志がある書店に対してこのような言い草は失礼ではないか

具体的にどこの書店のことを言っているのか分からないのだけれど(少なくともワイの文章特定書店念頭に置いたものではない)

勝手にどこかの書店を想定して、事実説明に対して、勝手に怒る方がよほど失礼では?

結局取次が問題だ・取次こそが癌だ

おそらくはちゃんと内容を読んでいないし、構造理解できてないからこういった結論になるのだろうと思うのであまり説明しても仕方が無いのかなと思いながら、なのだけれど、以下は一応認識しておいていただきたい。

趣味でやっている・やってないにかかわらず、取次が消えたのに、中小書店が残ると言うことはない。

同時に出版社の多くも吹っ飛びますこちらは中堅どころまで存在できなくなる。

Amazonヨドバシ紀伊國屋も維持できなくなります特にAmazonは取次を通さなイメージを持っている人も多いようだが、実際には取次在庫への依存度は高いまま。

もちろん数十年単位での緩やかな変化の先にはありうると思うが、この話は現在の話をしているつもり。

出版業界なんて残さなくていい、町の書店なんていらない、滅ぼしてしまえばいいと言うなら、Not for youですね。それこそ客じゃないのでお呼びじゃないです。客目線で話をしているので。自分が客じゃないと言う認識をしてほしい。

取次を挟まず、委託販売を外して買い切りで買えばいいじゃない

それは、そう。

ただその場合でも- 出版社側にそれに対応するリソースがないので

  • 物流コスト、送料が無茶かかって利益が飛んでしまう(取次の物流コストは徹底的に下げられている)
  • 出版社側が想定していない動きである為、結局売価が一緒になったりする
  • 小規模書店がやる程度の規模では、結局出版社側で行動を変える要員にならない。

と言う事で、基本は大手に頑張ってもらうしかないと思っています

2024-08-03

暇空さんが名誉回復する方法

パチンコあたりの賭博三店方式を突けばいいと思うよ。

景品卸売業者と景品交換所ね。

まあ、あの人ソシャゲ関係者いかパチンコ業者に近い人間絶対やらないだろうけど。

2024-01-27

九州の女だけど、九州差別やめてほしい

Twitter蔓延九州差別辟易としてる

27歳女性九州まれ育ち、九州在住

Twitterで定期的にバズっている、非常識男尊女卑思考で凝り固まった九州男児を成敗するスカッジャパンストーリー

それに追随するように湧く、九州は知能も低く昭和価値観で止まっている地獄のような場所というヘイトスピーチ

なんなんだよ、Twitterで書かれる一個人事象地域を括って偏見差別を振りかざさないでよ

かに男尊女卑価値観が未だ続いてる地域かもしれない、自分だって疑問を抱いて苦しむこともあった

男尊女卑に苦しむ人のツイート共感だってした

だけどそれを見た"九州より優れてて賢くスマートな都会人"が知ったような口で九州侮辱されると本当に頭にくる

一緒にするなと偉くて賢い人に怒られそうだが

黒人黒人コミュニティ自分達のことをニ●ーと呼び合うことを是とし

白人がそう呼ぶことへ怒り差別とする気持ちが少しわかる気がする

女性差別は反対するのに嬉々として地方差別するリベラルな人々、自称フェミニストたちはその構造おかしさに気づいていない?

大学生の頃、ジェンダー論とフェミニズムを少し学んでその思想に助けられたのに、ど田舎九州に住む野蛮人死ね、と刃を向けられた気分だ

差別反対を表明する人たちが平気で田舎差別しないでよ、味方じゃなかったの?

データ統計に基づいて論理的問題提起しているのならありがたいが

Twitter蔓延九州男尊女卑エピソード、結局一個人出来事を大きく取り上げて"九州男児"ってわかりやすくかつラベリングしてバカにしてるだけじゃないか

友達のお母さんが九州出身で〜友達彼氏九州人で〜って…

ほぼ他人エピソード勝手にわかった素振りしないでよ

挙句の果ては"会ったことはないけど娘が付き合ってるのが九州男児で〜今すぐ別れなさいって言ってるんだけど〜…"と

あの、実際に会ってないんですよね?彼を"九州出身"というフィルターだけ通して見て

娘さんが選んでお付き合いしてる人を無碍にしていいんですか、あなたは娘さん自身を信頼してないんですか

会って嫌な思いをして不安になるなら分かるけど…イメージだけで差別するなんて稚拙すぎませんか

九州女性男性問題提起してるなら何も思わないし、建設的に話し合えたらいいって思うよ

Twitter賑わせてるのは九州に住んでない人が簡単に殴れるターゲットとして九州人を揶揄して遊んでるようにしか感じない

かに九州は男は仕事、女は家庭の価値観が根強いんだと思うよ

正月は私の母方の祖父母の家に集まるし

女は台所、男は酒盛りだよ

でも、祖父母を見てたら簡単に"九州男尊女卑の遅れた土地"って切り捨てられないよ

祖父昭和一桁年生まれだが、掃除洗濯は勿論するし、魚を捌いて刺身を拵えてくれた、祖父の作るだし巻き卵は甘くて美味しくて大好きだった

食事が済んだら食器をすぐ台所へ運び、黙々と洗い物をしていた

祖母祖父創業した小さな会社経営方針を大きく改善して指揮をとっていたし、祖母判断不動産投資運用を行なっていた

曽祖母シンママだったが卸売業を営み働き祖母を育て上げた

一人でも食べていけるように、と祖母高校へ進学させた

伯父だって正月には料理を奮って作ってくれるし、帰省の際は祖父母のためにいつも食事を作ってる

優生思想帝国主義??関東圏内に生まれなかった、本州からも離れた九州の"土人"は平気で侮蔑していいの…?

Twitterで"模範的モラルを持つ人"と挙げられがちな欧米エリートと関わったことあるけど、強烈なレイシズムミソジニーを感じたよ

パリ第一大学卒業した自称フェミニストエリートフランス人だったけど、店で料理サーブしてくれた女性が親切だったことをあげて「自分白人から優遇してもらえる、日本人白人が来てくれて嬉しいからね」って平気で言ってたし

男女の友情なんてない、男は女とヤリたいから親しくするだけ」と吐き捨てたよ

東京まれ東京育ちの早稲田大学卒業男性女性をモノのように扱ってたよ

彼らを一括りにして都会の男はミソジニーレイシストだ!と言うつもりはありません。

これは彼ら個人問題から

もちろん、九州だって嫌な価値観の人らがいるよ、嫌な思いもした

でも「女性」で一括りに差別され悲しい思いをした人たちが、「九州」を一括りにして侮辱していいって思えないよ

#さすが九州とか、#Q州のハッシュタグで綴られているツイートがあまりも粗雑で悲しくなる

それに私が出会った中で1番ジェンダーに対してフラット女性尊重してくれると感じた男性九州まれ九州育ちだった

九州文化風習男尊女卑増長してる論を語るならば、もっと冷静にデータ分析を持って問題提起して欲しい

かに九州男性に傷つけられた女性だってたくさんいる思う

そのような方が九州男児を過剰に否定し拒絶する気持ち理解できる

でも、そのラディカルさが手を取り合うべき人同士の分断を産んでしまうことに深い悲しみを覚えている

低俗田舎バカにする文脈があまりに多くて悲しい

出身地は選べないのに

家族そばにいたいか九州にいるだけなのに

私はフェミニズム否定しません

しろ賛同しています

フェミニズムオリエンタリズムを一緒くたにし出身地における差別をしないでください

あえて、"都会の人"と再三括りましたが、都会の人が皆九州差別してるとは思っていません

未熟な人間なので、私も無意識差別をしているかも知れない

それでも、この世の全ての差別に反対の姿勢でいたいです

追記

沢山の反応をいただいて驚いてます共感、疑問共にいただけて嬉しいです。

まとめると、男女差別に反対しながら地域差別肯定しないでほしいということです。

九州男女差別が無いと言いたいのではありません。

男尊女卑価値観根深く残ってるのは事実だと思います

しかし、それに対しての抗議の声が自浄作用として働けば良いですが、地方特定地域への蔑みと差別内面化したものが多いことが悲しいのです。

男尊女卑の反例として私の家族を挙げてますが、それが九州価値観だと一般化したいわけでもありません。

ステレオタイプイメージで、特定地域を括り侮蔑することは差別助長するのではないかと思っています。(これは九州に限ったことではないです)

地方都市、男女、老若、貧富、さまざまな属性を無数に分けることができますが、属性に対する決めつけは差別の始まりになる危うさがあるのではないでしょうか。

問題に対して慎重に話し合い、それぞれの場所解決していく必要があると感じています

2023-09-15

◯◯年に無くなる仕事一覧

2020年に無くなる仕事2013年

レジ係、銀行融資担当者プログラマースポーツ審判不動産ブローカーレストランの案内係

保険審査担当者動物ブリーダー電話オペレーター給与福利厚生担当者娯楽施設の案内係、チケットもぎり係、カジノディーラーネイリスト

クレジットカード申込者の承認調査を行う作業員、集金人、パラリーガル弁護士助手ホテルの受付係、電話販売員、仕立屋(手縫い)、時計修理工

税務申告書代行者、図書館員の補助員、データ入力作業員彫刻師、苦情の処理・調査担当者、薄記、会計監査事務員

検査、分類、見本採集、測定を行う作業員、映写技師カメラ撮影機材の修理工、金融機関クレジットアナリストメガネコンタクトレンズ技術者殺虫剤の混合、散布の技術者

義歯制作技術者、測量技術者地図作成技術者造園・用地管理作業員建設機器オペレーター訪問販売員、路上新聞売り、露店商人塗装工壁紙張り職人

 

増える仕事

フリーランス

 

2020年に無くなる仕事2015年

レジ係、電車運転士車掌通訳新聞配達員レンタルビデオガソリンスタンド卸売業者、小規模農家

生保レディ、教員交番警察官コピーFAXプリンター関連、証券不動産ブローカー、金型職人

 

2025年に無くなる仕事2015年

レジ係、電話営業員、タクシー運転手、手縫い裁縫師、法律事務所事務員不動産ブローカーデータ入力

医療事務員、保険契約の審査員、モデル不動産仲介業者コールセンター保険営業員、飛び込み営業

 

2030年に無くなる仕事2016年

電話販売員データ入力銀行融資担当者金融機関窓口、簿記会計監査レジ係、料理人球児、理髪業者

 

2030年に無くなる仕事2018年

レジ係、路線バス運転者一般事務員銀行窓口係、倉庫作業員スーパー店員ホテル接客

宅配便配達員警備員機械組立工、プログラマー、税務職員行政書士税理士機械修理工

公認会計士司法書士証券外務員、翻訳家住宅不動産営業員、メガネ技術販売員

 

2033年に無くなる仕事2023年

電話マーケティングスポーツ審判モデルカフェ店員事務員ネイリストタクシードライバー

 

あとで増やしておく

2023-01-18

台湾日本産イチゴ残留農薬が引っかかる理由

はてブとかではあまり話題にならないっぽいんだけど、台湾向け輸出イチゴが向こうの残留農薬検査に引っかかってニュースになった。基準値生産事情との両方をカバーする説明が今回に限らず見当たらないのでどこかに説明を書いとこうと思った。

増田イチゴを輸出したいと地元農家に言われて技術面を中心にいろいろ検討したことがある普及指導員。

  

長くなったので要約すると

・南の国ではイチゴマイナー食べ物であり、安全性評価が進んでいないため極めて安全側に寄った残留基準が設定されていることが多い。

イチゴほとんどの場合、輸出専用の生産ではなく国内基準準拠生産をしているため、基準の違いに引っかかりやすい。しか国内向けよりも雑な対応をしているのも事実

1月後半〜2月は高品質なのに国内相場が割安なことが輸出の動機となっている、つまり今のイチゴは買い。

  

台湾日本産イチゴ農薬残留超過が出た。それだけではなく、あまりに頻度が高いので台湾当局はついに日本産イチゴの全ロット検査を決定した。

記事にあるように、もともと超過が頻繁なため抜き取り検査割合が引き上げられていたにもかかわらず繰り返したためだ。

1/3付のニュース

https://news.yahoo.co.jp/articles/ce6f0d52c02403ab2ebf420b6fa87145d5ed4632

https://japan.focustaiwan.tw/society/202301030007

先週書いたものを寝かせていたら1/17にも出ていた。またフロニカミド。

https://japan.focustaiwan.tw/society/202301170005

  

農薬残留基準値残留検査問題

農薬残留基準値は国が品目(農産物の種類、タマネギニンジンジャガイモみたいな区別で、メークイン男爵みたいな「品種」ではない)ごと、農薬成分ごとに決めていて、残留基準値が定まっていない農薬は一律で検出されてはいけない。

基準値は国ごとに違う。日本場合は760の品目に対して様々な農薬残留基準値が決まっている。日本における米のように食文化的に重要かつ国内栽培農薬を使いたい品目は、効率的栽培をしつつ生産物を毎日大量に食べても安全になるラインがよく検討されている。一方外国からたまるっきり未知の野菜果物は、リスク評価に基づいて基準値検討されるまではどの農薬も検出されてはいけない。近年輸入するようになって安全評価が進んでいない品目は、かなり安全に寄った基準になる。

東南アジアにおけるイチゴ食文化もあまりないマイナー品目扱いなので、ほとんどの農薬成分に関して評価されていない=検出されてはいけない設定になっているか、とても安全に寄った数字になっている。また、重要な品目ほどその国での安定栽培必要農薬をきちんと精査して基準設定するが、暖かい国ではほとんど栽培していないので、栽培必要農薬について使いつつ安全基準を考える動きにもあまりならない。

  

外国台湾基準値

イチゴは輸出品目として有望視されており、農水省は諸外国残留基準値を調べて公表している。

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/attach/pdf/zannou_kisei-185.pdf

https://www.maff.go.jp/j/shokusan/export/zannou_kisei.html

この通り、日本より厳しい国は多い。

台湾はその中でも日本基準に合わせた基準値改定をしてきた。

輸出相手国の残留農薬基準値対応した 生果実いちご)の病害虫防除マニュアル平成27年のため農薬情報は古い)にその動きが書いてある。

https://www.maff.go.jp/j/syouan/syokubo/boujyo/pdf/ichigo_shousai.pdf

台湾では生果実いちご)の生産はあるが、主要作物ではないことから日本から残留農薬基準値に対する要望を受け入れられる余地がある。2015年2月12日には台湾の生果実いちご)で違反事例が最も多かったシフルメトフェンの基準値国内基準と同じ2ppmに変更された。 輸出用の出荷量が国内消費に比べて圧倒的に少ない生果実いちご)では、輸出向け専用に生果実いちご)を生産することは困難であることから台湾等に対して引き続き残留農薬基準値の変更を求めていくことが重要と考えられる。

  

生産側の農薬使用ニーズとのずれ

今回の農薬はフロニカミド(商品名ウララDF、多分アブラムシとコナジラ対策)とシアンラニプロール(商品名ベネビアOD、多分アザミウマ対策)で、どちらも台湾残留基準値のもの日本よりかなり低い。

フロニカミドは台湾向けイチゴでよく引っかかる成分だ。天敵カブリダニを導入している状況で利用できる。似たようなシチュエーションで使う剤としてピメトロジン(商品名チェス)があり、これも台湾向け輸出で残留超過が多い剤だったが、基準値が引き上げられた。しか国内ではチェスからウララシフトする傾向がある。栽培地の状況と輸入国基準が噛み合っていない。

ベネビアも上市からまだ10年経っていない剤で、それ以前のジアミ系統(プレバソンなど)については台湾側はそれなりに基準値引き上げをしてくれているが、ベネビアの基準値改訂されていない。

手間のかかる検討を経て妥当残留基準値が設定される過程を後押しするのは農薬を使いたい生産者(と売りたい農薬メーカー)の希望なので、生産が活発でない国ではどうしても使用農薬の変遷に遅れる。

  

台湾特有検査事情

今回は基準値の違いが主な原因だろうが、台湾に関しては検査手法の違いもある。

台湾イチゴ農薬に関してさまざまな安全性評価を進めてくれており、基準値だんだん改定されている。しかし、台湾残留検査流通状態検査するとして対象にヘタを含める。日本は可食部つまりヘタを除いた部分で検査する。台湾に関しては基準値が同じでもこの差で引っかかることがある。

イチゴの花の中心部、丸い黄色いところ(花托)が膨らんで実になる。農薬は面積あたり一定量が付着するので、花のうちに散布された農薬は実が大きくなってから散布された農薬よりずっと少ない量が付いている(肥大希釈)。

実が赤くなるころには表面にただの水でもついてほしくないので、収穫の直前にはあまり農薬散布をしない。なので大きくなったイチゴの実本体にかかっている農薬の量は、同じ表面積の葉よりずっと少ない。

しかし花の時点でガク(=ヘタ)は既に出来上がっていて、肥大希釈が効かない。しかも輸出するような立派な実になる花はガクも立派だ。台湾向け出荷ではどうしてもこれがネックになる。

  

販売側の問題と輸出体制

基準クリア保証は難しいが、せめて誠実にやってほしい

これら基準の違いはとっくにわかっていることで、やや難しいが対応可能だ。なのに基準超過を繰り返し、ついに全ロット調査まで基準を厳しくされてしまたことは、手間のかかる残留基準値見直しをやって買おうとしてくれている台湾消費者への不義理だと私は思う。

国内向けにはきちんと対策していても、輸出では基準超過を出し続け評判を落として来たのが日本産イチゴ輸出体制だ。今回国内向けにも使用している産地ロゴがしっかり写った荷姿の写真ヤフーニュースにまで載ったことはそれなりに衝撃だと思う。輸出での不手際が最も恐れている国内評価の下落に繋がる。

輸出で残留基準値を超過しても、いまのところ「その商品が廃棄になる」くらいしか直接的なペナルティがない。国内では出荷回数に対して検査回数が圧倒的に少ないので、流通済みのものに遡って影響する。後は消費者取引先が離れるという社会的制裁ペナルティだ。

実際に数年前に自分対応した件でも「その国の基準値を下回ることを誰が保証するのか(あるいはしないのか)」について曖昧だった。

日本基準を守るためには、農薬登録制度、地域の防除暦、すぐ参照できる使用記録、出荷組合による自主検査と何重もの仕組みがあるが、輸出先の基準について日本基準並みの保証はできない。しかし先に挙げたような農水省技術情報から農薬の使い方を検討し、輸出向けの残留検査をするなどはできる。

輸出はJAなど出荷組合が直接海外需要者と取引する場合もあるが、卸売業者を経由する場合ほとんどだ。卸売業者が買って海外需要者に販売する形式になる。もし基準値超過があれば、取引現場では卸売業者の評判が下がっていくのだろう。しかし今回ネットニュースパッケージ掲載されてしまったように、社会的制裁部分を被るのは生産者だ。

そもそも制裁がなくとも消費者への誠実さがあるべきだ。卸売業者は、台湾に売るなら台湾の人が求める基準合致するもの責任を持って仕入れるべきだし、生産者も台湾行きだとわかっているならきちんと基準クリアするような栽培をするべきだ。どちらも国内向けなら絶対基準値超過を避ける動きをするだろう。なのに台湾向けとなるとやってしまうのは、台湾消費者の軽視ではないか

  

輸出専用イチゴほとんど栽培していない

イチゴの輸出に関して、絶対に輸出で商売していきたい、と思っている産地はほとんどない。

イチゴは花がいくつもついた枝(果房)を1本出し、花が実になって収穫でき、その間にまた次の果房が出てくるというふうに収穫の小さなピークを繰り返す。1011月ごろに1番果(最初の果房)の出荷が始まりクリスマス年末高値シーズンがある。その後早ければ1月に2番果の出荷が始まる。(市場では定植のずれや1.5番があるので販売連続する。)

2番果の最初の実は大きいし、大抵の産地で味がいい時期だが、国内行事もなく相場はいまいちだ。この時期の実を外国で高く売りたい、気温が低くて痛みにくいし、春節商戦に間に合えばなおよし、という事情イチゴ輸出を後押ししている。

そんな調子なので完全に輸出に的を絞った栽培などはごく少なく、基本的日本向けの残留基準値対応した栽培から、それぞれのレベルで「気をつけている」のが日本産輸出イチゴだ。2番果のみ台湾向けならまだ防除体系(何の病害虫に対して、いつ頃どのような農薬を使えばよいか)の組み立てができるが、1番果の輸出や2番果でもより厳しい香港などに出すとなるとほとんど有機栽培のような防除になる。きちんと「輸出用の畑では収穫予定の◯日前を過ぎたらこ農薬は使わない」など決めているところもあるが、そうではない産地が多いので頻繁に残留基準値超過が発生してしまう。日本産農産物安全であり、日本基準を守っていれば十分という誤った感覚はよく指摘されるところだ。

  

今は輸出したいくらい割安で美味い

完全な余談だが、前述したように輸出したいくらい割安なので、今の時期のイチゴは買いだ。

ネットで見かける1番果がいちばん美味しいというのは近年の秋の高温からすると無理があると思う。1番でも2番でも果房の最初の方が大きくて味がよく、後の方になると小さくて美味しくないのだが、1番の頂果が肥大する頃は気温が高く消耗しがちだ。

冬の天気が悪い地域では日照不足で味が落ちる傾向は確かにあるが、冬に天気がいい地域なら今が最高だろう。選ぶなら単純に大きい方が美味い。同じ大きさならヘタが立派なのがいい。酸味は品種差によるところが大きいが、好み次第なところもある。

  

農薬についてはきちんと安全性検討された結果の基準値が設定されていてそれで十分だ。さらイチゴしか食べないとか基準値が想定する以上の摂取量を予定している人のためにお伝えすると、自分が見てきた農薬散布が少ない冬の自主検査結果では使用した農薬でも検出限界以下まで下がっているものが多い。(これを過信して輸出して事故を起こすわけだが。)

また、イチゴ場合は葉裏にくっついて汁を吸う害虫ダニの天敵であるカブリダニの利用が基本技術になっているため、畑に天敵ダニが投入される秋以降はそいつらが死なない程度の毒性の農薬しか使えない。今回引っかかったウララDFとベネビアODは、天敵ダニを生かしつつ天敵ダニが食べない種類の害虫を退治するための殺虫剤だ。というわけでイチゴカロリー源に生きてもそう問題は発生しないだろう。

  

そんなわけで、私は1月に入ってからイチゴを大量に食べている。こちらでも栽培が増えた「恋みのり」は着色しにくい品種特性があり、色が理由で割安になっているものが多く手に入る。酸味やイチゴらしい香りが弱いという欠点はあるが、空洞果がほぼ発生せず重量があり、色がいまいちでも甘みが強いので腹いっぱい食べたい人におすすめだ。もちろん他品種も今がいい時期だ。ぜひ今買ってほしい。

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん