はてなキーワード: コンテナ船とは
京アニは1980年代に活動し初めた。京都は海運の町の一つで、当時日本の海運産業は活発だった。
ドイツの海運会社ハパックロイド、日本郵船・商船三井・英国OCL・英国ベン・ラインズは、1970年代に共同運航の「トリオグループ」を結成し、1981年には当時世界最大のコンテナ船「Frankfurt Express」を就航させた。
しかし別のドイツ企業がハパックロイドを買収にかかった。これはおそらく、イギリスを排除する政治的戦略だった。
1997年にプロイスザーク(のち旅行社大手のTUIとなる。元鉱山会社)が、ハパックロイドを買収。同社はその他、英国旅行代理店大手を買収し新旅行社の独トーマス・クックを設立した(が「独禁法違反」で分離し別会社となる)。その後、ハパックロイドの業績が落ちこむとあっさり撤退し(2008年)、ハパックロイドはドイツが公的資金を注入したあとチリの海運会社に吸収合併された。2017年、日本郵船、商船三井、川崎汽船はコンテナ船事業を統合した新会社を発足した。
京アニが放火されたころには、分離した独トーマス・クックが破綻直前だった。
独トーマス・クックには詐欺的経営者もおり、15万人旅行客が旅行中に大破綻した(2019年9月)。会社は分割されて、オーストリア企業や中国企業に売却された。
ドイツ金融はほぼ無傷のままで、日英の経済関係を妨げたことになる。イギリスの英日議員同盟に献金していながらトーマス・クックに関われなかった経団連の限界は、京アニ放火事件で示されたのだろうか。まるでアニメや旅行社など女子供の遊びは必要ない、と宣言したかのようだ。世界規模の旅行会社に天下りするという官僚たちの夢はついえてしまったとしても、それで中国を敵視するのは逆恨みというものだ。
なお、ロシアがウクライナ戦争を続けるためイスラエルなどに原油を輸出するとき、経済制裁を受けるため闇タンカーの需要がある。霞が関にあるくみあい船舶(主にシンガポールで活動)は闇会社にタンカーを売った例があった。そうするとドイツもチリ経由で闇タンカーを売っていたかもしれない。
AIに聞いたら「横揺れに強い船」なるものは単にコンテナ船とかタイタニック号とか、単に物理的に大きくて波の影響を受けない船のことだとさ
巨大船だったら小型船が簡単に転覆する何メートルもの波を無対策で真横から受けてもなんとも無いと
小型船だからと運転が楽なわけではなく、むしろ小さい波に弱くて、
その割に乗船してる運転手が大型船ほど数いないから船は小さいほど四六時中で気が抜けなくて運転に気を使いまくって危険なんだってな
海保とかの小型船もより大きい巡視船と比較し、狭い場所で超スピード出るとコスト以外の部分ではすべて欠点で、大型船だと横から受けても大したこと無い波でも大きく揺れて居住性や安全性が低いと
貿易関係の増田が現状をまとめてくれてたので(anond:20260313174445)、自分はもう少し踏み込んで「今後50%くらいの確率で起こりうる最悪の展開」について書いてみる。電力・ガス関係の仕事をしている立場から。
先に言っておくと、これは「確実に起こる」話ではない。ただし「起こってもおかしくない」話だ。
■前提の整理
まず数字の確認から。日本の電源構成のうちLNG火力は約3割。日本のLNG輸入における中東依存度(カタール+UAE+オマーン)は約11%。「なんだ、たった11%か」と思った人は少し待ってほしい。
問題は3つある。
1つ目。カタールは世界のLNG輸出の約20%を占めるメガサプライヤーだということ。カタールが止まると「日本のカタール依存5%」の問題ではなく、世界のLNGスポット市場全体が干上がる。3月2日にJKM(日韓向けLNG指標価格)が一時40%近く跳ねたのはそのため。カタールのラアス・ラファーンもメサイードも攻撃を受けて生産停止中で、仮にホルムズ海峡が明日開いても施設が直るまでLNGは出てこない。
2つ目。LNGは石油と違って「備蓄」がほぼ効かないこと。石油は254日分の国家備蓄がある。一方LNGは事業者在庫で約3週間分しかない。なぜかというとLNGは-162℃で保存しなければならず、放っておくと気化する。大量に長期間貯めておくことが物理的に難しい。石油備蓄を放出しても、LNG火力発電所には石油を入れられない。燃やす燃料が違うので、発電設備の代替が利かない。
3つ目。これが一番深刻なんだが、LNGの調達は長期契約がベースになっていて、スポット市場で急に大量に買うことが構造的に難しい。オーストラリアやマレーシアからの長期契約分は今のところ動いているが、カタールが抜けた穴を全世界が同時にスポットで埋めようとするので、価格は青天井になる。欧州もカタールとの長期契約を増やしていた最中だったので、欧州勢との争奪戦になる。
ホルムズ海峡が1ヶ月以上封鎖された場合、まず起こるのはLNGスポット価格の異常な高騰。2022年のウクライナ危機の時にJKMは一時70ドル/MMBtuまで行ったが、今回はカタールの生産設備自体が物理的にダメージを受けている分、もっとタチが悪い。100ドル超えもあり得る。
この価格がどういう意味かというと、電力会社の燃料調達コストが数倍になる。燃料費調整制度があるので、これは数ヶ月遅れで電気料金に反映される。単純計算で家庭の電気代は今の1.5倍〜2倍。産業用はもっと厳しい。
ここまでは「高くなるけどモノはある」フェーズ。
問題は4月以降だ。3週間分のLNG在庫を食い潰しながらスポット調達で凌ぐ状態が続くと、電力会社のLNG調達が物理的に追いつかなくなるポイントが来る。
貿易関係の増田が書いてた「船の燃料(重油)自体が不足する」問題がここで効いてくる。LNGを運ぶ船の燃料は重油で、その重油は中東原油から精製する。つまり原油が入ってこないとLNGを運ぶ船が動けなくなるという、エネルギーのデッドロックが発生する可能性がある。石油備蓄を船舶燃料に回すかどうか、という判断を政府は迫られる。
夏場は冷房需要でピーク電力が跳ね上がる。2024年度の電源構成でLNG火力は約29%を占めていて、しかもLNG火力は需要の変動に対応する「調整電源」として使われている。つまりピーク時にLNGが足りないということは、ベースロード(石炭、原子力)では賄えない部分が丸ごと消えるということ。
現実的に起こりうるのは、まず企業向けの大口電力の使用制限から始まって、段階的に節電要請が強化され、最終的に計画停電に至るパターン。東日本大震災後の2011年夏に経験した「計画停電一歩手前の綱渡り」が、今度は全国規模で起こりうる。
ただし2011年と決定的に違うのは、今回は原発を「再稼働させたくてもそう簡単にはできない」ということ。現在稼働中の原発は限られており、追加再稼働には審査と地元同意が必要で、この危機に間に合う時間軸ではない。
コロナ禍との本質的な違いは、コロナは「人の移動が止まった」危機だったが、今回は「モノの根幹であるエネルギーが止まる」危機だということ。
コロナでは巣ごもりしていれば命は守れた。電気もガスもネットもあった。今回、仮に計画停電が実施されたとして、それはリモートワークも、データセンターも、冷蔵・冷凍のサプライチェーンも、病院のバックアップも全部影響を受けるということ。
都市ガスも連動する。東京ガスや大阪ガスの原料はLNGそのもの。ガスが止まると都市部の給湯・調理だけでなく、ガスコージェネレーションで自家発電している大型商業施設やデータセンターも影響を受ける。
さらに言えば、石油化学のナフサが入ってこなくなることで「プラスチック」が消える。ナフサの在庫は20日分程度しかない。医療用の使い捨て器具、食品包装、自動車部品、電子機器の筐体。プラスチックが作れないということは、ほぼすべての製造業が止まるということ。
コロナ禍では飲食や観光が壊滅的な打撃を受けたが、製造業はなんとか回っていた。今回は製造業の根幹が止まりかねない。GDPへの影響はコロナ以上になる可能性がある。
エネルギー輸入コストが激増すると貿易赤字が一気に膨らむ。エネルギー価格高騰→貿易赤字拡大→円安→輸入コスト増→さらなる貿易赤字、という負のスパイラルに入る。最悪シナリオとして1ドル200円という予測まで出ている。
日銀はインフレ対応で利上げしたいが、利上げすると中小企業が死ぬ。利上げしないと円安が止まらない。財政出動したいが、円安で国債が売られると長期金利が上がる。完全な政策のトリレンマに陥る。
地銀の話をすると、JGB(日本国債)のポートフォリオを大量に抱えている地方銀行は、金利上昇で含み損が一気に拡大する。ここにエネルギーコスト増で疲弊した中小企業の与信悪化が重なると、地銀の財務が急激に悪化する可能性がある。
■希望的な要素
一応、最悪を免れるシナリオも書いておく。
まず中国の仲介。中国もホルムズ海峡封鎖で相当困っているので、イランとの外交ルートで停戦を仲介する強いインセンティブがある。中国は既に独自の協議を始めており、これが機能すれば事態の長期化は避けられるかもしれない。
次に、米国のLNG増産。トランプ政権は化石燃料推進を掲げているので、米国産LNGの緊急増産と日本への優先供給は政治的にもあり得る。ただし米国の液化設備にも処理能力の上限があるので、すぐにカタールの穴を埋められるわけではない。
オーストラリアからの追加供給も期待できる。日本のLNG輸入の約4割はオーストラリアで、こちらはホルムズと無関係。ただしオーストラリアも長期契約ベースで動いているので、契約外の追加分をどれだけ出せるかは未知数。
あとは原発の緊急再稼働。政治的ハードルは極めて高いが、計画停電が現実になれば世論が変わる可能性はある。
■まとめ
今の状況を第一次石油危機と比較する人がいるが、あの時は「石油が高くなった」話だった。今回は「石油もLNGも物理的に入ってこない」状態が起こりつつある。しかもLNGには石油のような大規模備蓄がない。
政府の「直ちに影響はない」は嘘ではない。LNGの事業者在庫3週間分はまだある。石油備蓄254日分もある。ただし「直ちに」の先に何があるかを今のうちに考えておく必要がある。
個人でできることは限られているが、電力需要のピークを避ける行動(夏場の昼間の電力消費を抑えるとか)は意味がある。あとプロパンガスの人は早めに充填しておいたほうがいい。
これが杞憂に終わることを祈っている。
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【3/14 追記】
「LNGを運ぶ船の燃料は重油」という記述に対して「本当に専門家か?」とツッコミをいただいたので訂正する。LNG運搬船は輸送中に自然気化するボイルオフガス(BOG)を燃料に使える設計が主流で、古い蒸気タービン船は昔からそうだし、最近の新造船はDFDE(デュアルフュエル・ディーゼル電気推進)やME-GI/X-DFエンジンを積んでいてLNGと重油の両方で動く。つまりLNG船は自分の積荷を燃やして走れるので、重油が尽きたらLNGが運べなくなるというデッドロックの説明は不正確だった。申し訳ない。
ただし本筋の論点は変わらない。問題はLNG船以外の船だ。原油タンカー、石炭を運ぶバルカー、コンテナ船、これらは依然として重油(VLSFO)が主燃料で、その重油は原油から精製する。原油の供給が細ると、石炭・食料・工業資材を運ぶ船の燃料が不足して海上輸送全体がボトルネックになる。LNGだけ船が動いても、石炭火力用の石炭が来なければ電力の穴は埋まらないし、食料や化学原料の輸入にも支障が出る。エネルギーのデッドロックは「LNG船が止まる」ではなく「LNG以外の海上輸送が止まる」という形で起きる。
指摘してくれた人、ありがとう。
【3/14 追記2】
ブコメで「なぜ日本の事だけで予測をたてるのか。影響範囲はもっと広くて備蓄がない国も沢山ある」という指摘をいただいた。これは完全にそのとおりで、自分の書き方が日本視点に閉じすぎていた。
実際にはこの危機のもっと怖い部分は「日本に届くまでの途中」で起きる。日本向けのLNGや原油は、中東からまっすぐ日本に来るわけではない。マラッカ海峡を通り、シンガポールやマレーシアの沖を経由する。オーストラリア産のLNGだって、インドネシア近海を通る。この「途中の海域」と「中継港」が平常どおり機能する前提で、みんな話をしている。だがその前提が崩れる可能性を考えるべきだ。
ホルムズ海峡封鎖の影響を最初にまともに食らうのは、備蓄が薄い国々だ。パキスタン、バングラデシュ、スリランカあたりはLNG在庫が数日分しかない。これらの国で電力危機が起きると社会不安が一気に高まる。スリランカは2022年に経済危機で政権が倒れたばかりだ。パキスタンも政情が安定しているとは言い難い。こうした国で政府が倒れたり、秩序が崩壊したとき何が起きるか。
まず考えられるのが、中継港での政府による積荷の接収だ。日本向けのLNGタンカーがたまたまある国の港に寄港中、あるいはその国の領海を通過中に、「国家の緊急事態」を理由に拿捕・徴発される可能性だ。国際法上は当然違法だが、自国民が凍えているときに他国向けの燃料を素通りさせる政府がどれだけあるだろうか。2022年のスリランカ危機では港に停泊中の燃料船を事実上差し押さえた前例がある。
次に海賊。ソマリア沖の海賊問題は近年やや沈静化していたが、あれはアデン湾に各国海軍が常駐して護衛していたから成り立っていた話だ。各国の海軍がホルムズ方面に戦力を集中させたら、マラッカ海峡やスールー海、ベンガル湾あたりの警備は手薄になる。エネルギー危機で周辺国の治安が悪化すれば、高価なLNGや原油を積んだタンカーは格好の標的になる。
さらに言えば、日本がスポット市場で買い付けたLNGカーゴが、途中で他国に「横取り」される可能性もある。2021年にはパキスタン向けのLNGカーゴが、より高い価格を提示した欧州のバイヤーに航路上で転売されたケースがあった。売り手市場では契約のモラルが崩壊する。逆に言えば、日本が買ったカーゴが到着前に他のバイヤーに奪われることも理屈上はあり得る。
つまり、日本のLNG在庫が何週間分あるとか、オーストラリアからの長期契約があるとか、そういう計算は「海上輸送路が平常どおり機能する」という前提に立っている。その前提自体が、周辺国の政情不安・海賊・中継港でのトラブルによって崩れるリスクがある。日本の問題を日本だけで考えても意味がない、というのはまさにそういうことだ。
コンテナ船は、出発港とゴール地点の直行便ではなく、航路の途中にある港に寄港し、荷物の積み下ろしを行う。
したがって、日本に向かうコンテナ船は、その前に上海、福州、高雄、香港、ダナン、シンガポールなど、複数の港に寄港したり、寄港しなかったりする。
東アジアを通過するコンテナ船の主要な航路は、中国沿岸部を通り、東シナ海または渤海の港で折り返す。
中国が世界最大の輸出国であり、大量の工業製品が中国の港から輸出されるからだ。
韓国の仁川は、渤海からさほど遠回りせずに立ち寄れる、比較的良い位置にある。
それに比べて、日本は、場所的にあまり有利ではない。特に太平洋ベルトにある日本の港に寄港しようとすると、大量の積荷を見込める中国からかなり離れてしまい、効率が低下する。
そのため日本の港は、国際物流では、立ち寄り港ではなく終端部となりがちだ。
終端部となるということは、十分な貨物の確保がなければ、日本まで行かずに引き返すように計画を立てることを意味する。
台湾海峡が封鎖されると、コンテナ船は福州、上海、渤海に向かうために、台湾の東側を通過しなければならない。
これは、かなりの迂回となる。
これほど迂回するなら、上海から仁川、福岡を経由してフィリピンやベトナムに寄港するという選択肢も出てくる。
一方、上海は迂回路の終端となり従来の日本の地理的不利を引き受けることになるし、香港・深圳はちょっと遠回りになる。
台湾を包囲して封鎖することと、シーレーンを封鎖することとは全く意味が異なる。
コンテナ船は世界各国の港を通過するため、中国に向かう船だけを通過させることは不可能である。
台湾海峡の封鎖は、世界の工場である中国にとって、経済的な大きな打撃となる。
シーレーン封鎖に備えよという意見もあるが、太平洋側からの迂回が容易な日本とは異なり、中国こそシーレーン封鎖のダメージが大きい。
anond:20251125151208 の続編書いてみました(書いたのはGeminiだけど)
1. 台湾海峡の封鎖や有事は、迂回コストの増加に加え、海上保険の免責とP&I保険停止リスクにより、島国日本の経済に壊滅的な物価高騰を引き起こす。
2. この問題への対応は、「国際法重視」論と「集団的自衛権」論に分かれるが、どちらも力による現状変更に反対する点では一致する。
3. 特に「国際法重視」論は、フィリピンやオーストラリアなど地域の国々の国益と整合性が高く、国際的な支持を得る上で最も賢明な戦略となる。
「台湾海峡が封鎖されても、船が迂回すれば済む話なので、日本のシーレーンにはさほど影響がない」という意見を耳にすることがあります。しかし、専門家の間では、この主張は経済的にも物理的にも現実を無視していると見られています。
台湾海峡は、製造大国である日本、中国、韓国へ原材料を運び込む航路の中心です。2022年時点で、世界のコンテナ船約5400隻のほぼ半分がこの海峡を通ったというデータがあります。このルートが遮断されれば、東アジア全体のサプライチェーンに甚大な打撃を与えます。
もし台湾海峡が封鎖される事態になれば、日本のタンカーや商船は、台湾島の南側にあるバシー海峡を通る航路も使えなくなる可能性が高く、フィリピンの東側を大きく迂回し、インドネシアのロンボク海峡を経由するルートを選ぶことになります。
この迂回ルートは、通常の航路に比べて約1000海里(約1850km)、距離にして15%程度長くなります。
たかが15%の距離増と軽視されがちですが、外航海運ではこの距離の増加は、そのまま航行時間、燃料費、人件費の増加に直結します。さらに、紛争海域の周辺を航行することになるため、保険料(ウォークライム保険など)が急騰し、輸送コスト全体を劇的に押し上げます。
最終的に、この輸送コストの上昇はすべて日本国内の物価に跳ね返り、エネルギーや原材料の供給不安と相まって、日本の経済全体に大きな打撃を与えます。これが、首相が「存立危機事態」の可能性に言及する最大の裏付けとなっています。
(このあたりは https://anond.hatelabo.jp/20251125192817 も参照、類似した議論だけど削るのもダルいので残す)
この海運物流の議論において、避けて通れないのが損害保険、特に海上保険の存在です。一般に「海上火災保険」の一部とされる海上保険は、船舶に関する「船舶保険」、貨物に関する「貨物海上保険」、そして積荷が所定の港へ届かなかった損害や油濁流出、死亡事故などを保障する「P&I保険(船主責任保険)」の三つに大別されます。
海上保険の基本構造は、戦時や海賊による被害の場合、保険金の支払いが免責されるという点にあります。この免責を解除し、戦争・海賊リスクをカバーするためには、保険料を大幅に増額した特約を付けなければなりません。
台湾海峡で有事が発生した場合、中国は台湾の補給を妨害するため周辺海域を必ず管理下へ置こうとします。これは尖閣諸島を含む先島諸島や南沙諸島周辺だけでなく、米国が作戦を公開しているように、日本の先島諸島やフィリピン周辺も戦時下に陥る可能性が高いことを意味します。
そうなると、一部で迂回路と目されているロンボク・マカッサル海峡も戦時下となり、結果的に日本の西方海路全体で海上保険が効かなくなる可能性が著しく高くなります。
当然、戦時・海賊特約を付けた場合のコストは、最終的に小売価格に転嫁されます。ただでさえ物資不足による物価高騰が予想される中で、この保険コストの急騰は、日本の大都市圏を中心に目が回るほどの物価高騰を記録する原因となります。
さらに深刻な問題は、P&I保険です。P&I保険は、大型船の場合、国際的な取り決めや日本の国内法により、加入していなければ外国の港に入港できないという義務付けがあります。
この保険自体が、紛争リスクによって機能しなくなる事態が最も恐ろしいのです。
国際的な船主責任相互保険組合は、既にロシアとの取引を停止するという厳しい措置を取っており、中国による台湾侵攻の際にも、同様の厳格な規制が行われる可能性が極めて高いと見られています。
これは、「戦時特約を付けるから加入させてほしい」と中国側から打診されても、組合側がそれを拒否することを意味します。しかも、船舶の国籍(船籍)が中国でなくとも、中国が関わっていると判明した時点で海上保険が解約されるという非常に厳しい措置が取られる可能性があり、これは事実上の海上封鎖に近い効果を生みます。
これらの複合的なコスト増と保険機能の麻痺は、島国である日本が豪州や米国からモノを輸入しようとしても、輸送距離の長さによるコスト増と相まって、台湾有事による日本の物価暴騰を不可避のものにするのです。
物流ルートの途絶だけでなく、日本企業が中国に生産拠点を集中させていること自体が、台湾有事の最大のリスク源となっています。
中国大陸で製造された部品や最終製品を日本国内で組み立てるサプライチェーンは非常に複雑です。台湾有事による中国沿岸部の港湾閉鎖や、輸出入規制の強化、さらに中国国内での生産停止は、日本の製造業全体に即座に打撃を与えます。
リスクを回避するために中国からの生産拠点の移転(デリスキング)を検討している企業は多いですが、その実行は極めて困難です。専門家による試算では、主要な製造業が中国から日本や第三国へ拠点を移す場合、初年度だけで約13兆7000億円という巨額のコストが発生すると見られています。
この巨額のコストと代替地の確保の難しさゆえに、多くの企業がリスクを認識しながらも、身動きが取れない「手詰まり」の状態に陥っており、これが日本の経済的な脆弱性を高める要因となっています。
台湾海峡の安定を確保しようという議論は、大きく分けて二つの主要な論調に分かれます。一つは「国際法規の遵守」を最優先する論(A)、もう一つは「集団的自衛権の行使」を安全保障の核に据える論(B) です。
この二つの議論は、「中国の行動をどう非難し、どう対応するか」という点で根本的に異なります。
| 項目 | 国際法(UNCLOS)優先論 (A) | 集団的自衛権(平和安保法)論 (B) |
|---|---|---|
| 戦略的な目的 | 外交的な正統性を確保し、国際的な包囲網を作る。 | 物理的な抑止力を確保し、日米同盟の一体性を高める。 |
| 中国への非難 | 国際法違反(航行の自由の侵害)だと強く訴える。 | 日本の存立危機事態を引き起こす脅威だとして非難する。 |
| 政治的な影響 | 「一つの中国」論争から距離を置けるため、中国の国内問題化を避けやすい。 | 集団的自衛権の「発動要件」がクローズアップされ、国内の政治論争を再燃させやすい。 |
台湾海峡の安定は「日本の命綱」: 紛争が起きれば日本の安全保障上、最も深刻な脅威になるという認識は共通しています。
法的な準備の必要性: どちらの論調も、台湾海峡での事態が「存立危機事態」に該当する可能性を否定しておらず、必要であれば平和安全法制に基づいて行動する枠組みは必要だと考えています。
力による現状変更は絶対反対: 中国の軍事的な威圧や「内水」化の主張は、国際秩序への一方的な挑戦であり、断固として阻止すべきだという点では意見が一致しています。
日本が「国際法規の遵守」に軸足を置くことは、単に外交的な建前ではなく、フィリピン、インドネシア、オーストラリアといったアジア太平洋地域の主要な国々から最も強い支持と連携を引き出すための、極めて現実的で賢明なロジックです。
フィリピンは南シナ海で中国との領有権紛争を抱えており、国際法を自国の主権を守るための**唯一の「盾」**としています。
メリット: 日本が「国際水域での航行の自由」と「UNCLOS(国連海洋法条約)の普遍性」を主張することは、フィリピン自身が中国に対抗するための根拠を強くすることに直結します。
地域の安心感: 「集団的自衛権」ばかりを強調すると日米同盟の都合と見なされがちですが、「国際法」を核にすることで、「日本は地域の秩序を守るために行動している」という大義が生まれ、地域の国々の安心感につながります。
ASEAN(東南アジア諸国連合)のリーダーであるインドネシアは、米中間の対立に巻き込まれないよう「中立性」を最も重視しています。
歓迎する点: 日本が「平和的解決」と「国際法の尊重」を前面に出す限り、インドネシアは日本の立場を地域の平和と秩序を守る「安定志向の柱」として歓迎します。
警戒する点: 集団的自衛権の発動のように軍事的な介入の色が濃くなる論陣は、ASEANの結束や中立性を乱すものとして警戒される傾向があります。
オーストラリアは、日米豪印のQuadやAUKUSを通じて、地域秩序維持に積極的に関与しており、日本の立場を最も強く支持します。
整合性: 日本の「国際法重視」論は、オーストラリアが掲げる**「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」のビジョンと完全に一致**します。
共通のメッセージ: オーストラリアは、台湾海峡の議論が「日米同盟vs中国」という二項対立ではなく、「国際秩序の擁護者vs 力による現状変更を試みる勢力」という構図になることを望んでおり、日本の国際法論は、このための共通言語を提供します。
これらの周辺国の視点を踏まえると、日本が台湾海峡の安定確保について論陣を張る際、「国際法規を無視して封鎖するなら許さんぞ」というロジックは、以下の点で優れています。
普遍的な大義の確保: 「日本の国益」だけでなく、「国際社会全体の普遍的な価値(航行の自由)」を守るという大義名分を得られる。
外交的な立場強化: 中国の政治論争(一つの中国原則)から距離を置き、対中非難における国際的な連携と正当性を最大化できる。
地域の安心感: 武力行使の議論(集団的自衛権論)に偏るよりも、「法の支配」を強調することで、地域諸国の安心感と外交的な支持を得やすくなる。
日本が取るべき安全保障上の姿勢は、「国際法という盾を構え、法の支配を尊重しないいかなる力による威圧にも、日米同盟と国際連携をもって対抗する」という複合的なものであるべきなのです。
結局のところ、台湾海峡をめぐる議論は「日本が中国に勝てるか負けるか」という勝ち負けの論争に終始すべきではありません。日本の戦略的なゴールは、武力による「現状変更を極めてコストの高いものにする」ことに尽きます。航行の自由への国際法的な批判、P&I保険停止という経済制裁、そして迂回コストによる経済的打撃は、すべて中国が台湾に手を出す際に支払わなければならない代償のリストを長くするものです。国際連携によってこの「現状変更コスト」を最大化することが、唯一、戦争という最悪のシナリオを回避し、地域の安定を保つための現実的な戦術的ゴールとなるでしょう。
※追記
この増田は、特定の企業を非難、攻撃するために書いていません、あくまでファンが外から見た話です
仕事柄、造船に関わることはありますがそれは、図面通りの物を造るという仕事で業界を俯瞰することはありません
例えば、下に出てくるJMU(Japan Marine United)は、今年の6月に今治造船の傘下に入りました
今治造船は、ぼくが増田で書いている大手造船が本当に大手だった頃、中堅と呼ばれるような規模の会社でした
それが今や日本最大の造船会社になり、IHI、住友重機、日立造船、JFEと錚々たる面子をルーツに持つJMUを傘下にしたのです
そんな今治造船の主力は、バラ積みやコンテナ船です、結果を見れば中韓と競争してでも貨物船に集中し巨大化の波に乗るのが正解だったんです
じゃあ、なぜこの増田に今治造船の話が出て来ないか、それは、ぼくの好みの船を造っていないからです
マニアやファンとの意見と言うのは往々にして業界のためにならないし、業界を語ることも出来ません、興味のないことに注意を向けないからです
これはそんな増田です、この増田は業界を反映していません、ぼくの好きな特殊な作業船をいっぱい造って欲しい、そして、出来たら日本企業がいいなってそんな話です
SEP船は(Self Elevating Platform)の略であり海底に向け足をビューンと伸ばして着底したらドーンと船体を海面より上に持ち上げる
船体が海と接しておらず、かつ足で海底に固定されているため波浪の影響を軽減しつつ作業が出来る作業船、一般的に水深60mぐらいまで対応できる
このSEP船、これまで日本には2018年に完成した五洋建設のCP-8001しかなかった
そんな中、2022年に清水建設のBLUE WIND、2023年に大林組・東亜建設の柏鶴、五洋建設・鹿島建設・寄神建設のCP-16001が完成し計4隻となる
| CP-8001 | CP16001 | BLULE WIND | 柏鶴 | |
| 基本設計 | GustoMSC | GustoMSC | GustoMSC | JMU |
| 昇降装置 | GustoMSC | GustoMSC | GustoMSC | 三菱重工 |
| 能力 | 800t | 1600t | 2500(1250)t | 1250t |
| 自航能力 | ✖ | ✖ | ○ | ✖ |
| 建造 | JMU | PaxOcean | JMU | JMU |
GustoMSCはオランダの造船会社Werf Gustoをルーツに持つ、オフショアプロジェクトで世界的なシェアをもつ会社で今はアメリカのNOV(National Oilwell Varco)の傘下、NOVのルーツはUSスチール
Werf Gustoは、日本や韓国との競争に負けて再編、閉鎖されたがオフショアに活路を見出していた
日本のJMUで建造されているものの基本設計はGustoMSC、SEP船の特徴である昇降装置もGustoMSCに頼っていた中
柏鶴は、オランダのHuisman製クレーンを使用しているものの基本設計からJMUが担当しておりほぼ国産と言っていいSEP船である
Huismanは海上や港湾で使われる大型クレーンの世界的な企業で世界最大の起重機船 Sleipnirの10000t×2のクレーンもHuisman製
日本に洋上風力発電の波が来たことで高い技術力を持ちながらも経験や実績不足から海外に頼らざるを得ない状況が改善されていくかに見えていた中での三菱商事の撤退
作業船好きなマニアに衝撃が走った、夢見た国産化の道が、造船立国日本の復活が途絶えてしまうのではないか
SEP船の建造費用は数百億円かかりBLUE WINDは約500億、近年は大型化に拍車がかかり3000tクラスの吊り上げ能力をもつものもあり1000億がみえている
20フィートコンテナを20000個以上積める、24000TEUのコンテナ船で1隻当たり330億ぐらいであり、SEP船は単価が高い
コンテナ船は同じものを何隻か造ることでコストダウンしているため単純比較は出来ないが、中韓との単純な価格競争に巻き込まれづらい利点もある
日本は、世界の建造量において中国の48%、韓国の28%に次いで15%と世界3位の座を維持しているものの価格競争に晒されるコンテナやバラ積みなど貨物船が主力で苦労している
三菱重工のように大型客船に解決策を見たケースもあったが炎上し沈没(比喩)、祖業の造船を分社化し商船から撤退という結末を迎える
Werf Gustoらに勝ち世界の頂点に立った日本は、韓国、中国に追い立てられた時FPSO(floating production storage and offloading)に手を出した
FPSOは、石油プラットフォームから石油を受け取り炭化水素の生産、処理を行ったり一時的に石油を貯蔵したりする船舶
石油プラットフォームと違い移動が可能で、パイプラインを陸地まで引く必要がないなどの利点がある
しかし、これは失敗だった
FPSOに手を出した日本の大手造船は赤字を叩き出し撤退、今は現代重工など韓国の企業がシェアを持っているが利益を出せていない
FPSOの設計は、基本的に欧州の企業が手掛け、アジアは製造のみを担当していることが多く、欧州が設計、アジアが血を吐きながら生産、欧州が運用という状況が続いてる
だからこそ、柏鶴は希望だった、外国に旨い所を持っていかれない、国内だけで完結することが出来る未来
しかし、三菱商事の洋上風力発電撤退ということで国内の洋上風力発電の勢いが小さくなれば、この未来も危うくなる可能性がある
世界最大の起重機船Sleipnirを建造したのはシンガポールの国営エネルギー開発企業Sembcorp Industriesだが
1985年に建造され一時、世界最大の起重機船だったThialfを建造したのは三井造船であるものの今世界一の船舶に日本が建造したものはない
日本の造船の技術力は高い、それは間違いないが中韓は安さだけでやっているのではなく技術力があり日本より実績がある
世界最大の半潜水式の重量運搬船BOKA Vanguardは現代重工
世界最大の積載量を誇るコンテナ船Evergreen Aシリーズは、サムスン重工と中国船舶集团有限公司
個人的に最も好きな作業船で世界最大の船舶の一つPioneering Spirit全長382m、総トン数40万tはHanwha Ocean(大宇造船海洋)が建造
石油プラットフォームをそのまま持ち上げることが出来るリフト能力が最大60000t、スカイツリーの総鉄骨重量が36000t、レインボーブリッジの総鉄骨重量が48000tだからイカレテル
最近では、バージョンアップして石油プラットフォームを海底に固定してるジャケットを引き上げる能力も獲得しこちらが20000t、イカレテル
なお、上であげた世界最大の船舶たちの設計は欧州がやっている、アジアは手足でしかない、もちろん手足も重要だがやはり頭は自前で欲しい
ちなみにベルギーのJan De Nulが所有する世界最大のSEP船Voltaire吊り上げ能力3200tは中遠海運集装箱運輸が建造、クレーンはやっぱりHuisman
中遠海運集装箱運輸は傘下に川崎重工との合併企業を持っている、日本の大手造船が赤字で苦しむ中、川崎重工が堅調だったのはこれがあったからだが良いのか悪いのかは分からん
兵庫県知事が炎上してるのは港湾利権に手を付けたからだ、という棘が話題になっているが、それ自体は他愛もない陰謀論だ。
更に「大企業グッドウィルが潰れたのも港湾利権の闇」とかいう陰謀論の重ね掛けにもなっている。
このグッドウィルが潰れた理由と経緯はちゃんと認識されて居ないしWikipediaなどにもちゃんとまとめられていない。どこかで書きたかったので説明するよ。
表面的には東和リース社への二重派遣がトドメとなって派遣業免許を取り消されたと世間に認識されている。
でも結論から言うと戦後労働行政の2本の柱であった建築と港湾への違法派遣を行っていたのが大問題だったのだ。
でも事件の背景とGW社(グッドウィル)の成り立ちと労働行政の来歴を説明しないと意味が判らないはずなので、どうしても長くなるが説明する。
>「売上8000億円のグッドウィルが一発廃業」港湾利権は地面師が可愛く思えるレベルでやばかった
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/togetter.com/li/2433890
戦後労働行政で建築(土木)と港湾は特別な扱いになっていて特に手厚く労働者が保護されている。これはこの二つが前近代的な雇用形態になっているという事と、ヤクザの問題だ。
終戦後~90年代まで、行政は縦割りのセクショナリズムが強く、職分を超えて協調的に仕事をするという事が少なかった。だがヤクザが絡むと別で、ヤクザ対策は国策と言っていい。
ヤクザなんか追い出せばいい、そう思うかもしれないが、それは今だからそう見えるのであって、昔はヤクザとカタギの線引きが難しい職業というのが沢山あった。線引きをしたのは警察で、今は警察の長年の活動後であるからヤクザとカタギの職業がきっちり分かれているのが当然に見えるのである。
そして建築と港湾はそもそもその職分からヤクザが生まれたりしていた業界なので特に不可分だった。
建築土木は請負構造になっていて、仕事の元請けが熊谷組や大成建設のようなゼネコン、その下に○○組のような中小の建築会社、設備会社があって、職工はその中小土建に直接雇用される。つまり実作業をするゼネコン社員は居ない。現場にいるゼネコン社員は監督か設計である(事務所で躯体完成後の図面を書く)。
因みに〇〇組などの会社社員は自社の事を「組」と言ったりする。
これからも判る通りに、ヤクザと出発点は同じだった。片方は裏社会、片方は資本主義に順応して分化してきたものだ。
そして戦後の時点では元請けゼネコン以外の土建はヤクザと未分化の所が多かった。
これらの中小土建の職人も社員という訳ではなかった。仕事を請け負った土建会社は親方に仕事を投げる。親方の下には親方に喰わせてもらっている弟子の職人が居るので彼等が仕事をする。
また土工(所謂ドカタ)など単純労働系の職分だと日雇いの人夫を使う(人夫は差別用語らしく変換候補に出ない)。朝6時頃に手配師のトラックかハイエースが来る場所というのがあり、そこで待っている人間をピックアップして各現場に送る。山谷が有名だが東京だと高田馬場と新大久保間の今は西戸山タワーホームズがある場所も有名で、早朝の山手線から見えた。
仕事が終わる時間に迎えに来て賃金を払って終わり。雇用期間は当日だけ、その日払い。
この手配師は親方だったり親方に雇われてる人間だったりするのだが、この親方は一人頭いくらで請け負って、そこからピンハネして日雇いに渡す訳だ。
そしてこの手配師にしろその上の土建にしろヤクザの舎弟というのが多かった。
そうなると日雇い労働者としては普通の会社の福利厚生というのが受けられない。特に怪我をしたり障碍者になったりした場合ヤバいことになる。
コンテナ船が一般化するまで、内航(国内航路)にしろ、外航にしろ船で貨物を持ってきたら沖仲仕の世話になった。主に手作業、時にクレーンや台車を用いて貨物の荷卸しをする荷役人夫が沖仲仕である。
昔の貨物線は船底から船倉で、そこからクレーンを用いて手作業で岸壁に貨物を下ろし、それを次に載せる船や貨物列車に載せる為の集積所に運搬する。船に載せるのも同じだ。
ただ、付けられる岸壁には限りがあるし、岸壁使用料を港湾長(都府県)に支払わなきゃならない。この金額は結構高い。
そこで艀(はしけ)を使う荷役が一般化した。艀はただの四角く平たい台船で、動力船に引っ張られて移動する。沖仲仕が船から艀に貨物を下ろし、一杯になったら次の艀を付け、とやって列車みたいに幾つも繋げて次に載せる船に付け、貨物を載せ替える。因みにF1カーなどのサイドポンツーンのポンツーンとは艀の事だ。
この場合、艀が資本であり、艀を持っている人間が親方となって沖仲仕を使役するという形になる。
で、この沖仲仕だがやはりヤクザと不分明であった。特に戦前から戦後すぐまでは土建と同じようにドヤ街近くでピックして人を集め艀や岸壁に分配していた。
この沖仲仕の親方から巨大暴力団になったのが山口組だ。これ以外にも港湾近くにはヤクザの組や右翼団体が多く、その事務所は陸の上だけでなく係留されたボートハウスにある事も多かった。
港湾近くには「〇〇水上警察署」という警察署があるが、これはその名の通り、こんな訳で事件やトラブルが頻発する港湾の水の上を管轄する警察である。現場が艀や船の上なのでパトカーはおまけで、主な移動手段はパトボードであった。
この事情は海外でも同じで、ギャングというのは沖仲仕の班を指していたが、そこから犯罪者集団化したものが現れたので、犯罪/虞犯集団の事を指すようになった。
沖仲仕も土建と似た構造と利害関係にありヤクザとの関係も似ている。
そこで労働行政の重点項目になった。目的は日雇いが多い労働者の保護、特に労災時の保護と、ヤクザからの切り離しである。
その為に日雇いは原則禁止となった。しかし船会社や倉庫会社が艀の親方に仕事を発注し、その親方が人夫を連れてきていてそれが日雇いという体なのであまり効果はない。
だが沖仲仕のこの構造は一気に無くなって殆ど解消してしまったのだった。それが
コンテナ化へのシフトで、人力での積み下ろしからコンテナ輸送に切り替わってしまった。荷主が倉庫でコンテナに入れて埠頭に輸送し、岸壁ではそのコンテナをガントリークレーンでコンテナ船に積む。
すると必要な人手はクレーンオペと場内の車両誘導整理、フォークリフトでのコンテナ移動がメインとなった。これらは日雇い人夫に出来る仕事ではない。故に手配師も必要が無い。
という事で、沖仲仕の保護の為の労働行政特別扱いの根拠というのはかなり解消してしまったのだ。
だが、行政としては別にそれによって困ったことが発生しているでもないのに前例主義を止めるつもりはない。
だからこの労働者保護、使用者から見たら規制はまだ生きていて現用である。これが大事なポイントだ。
また解消されたとは言っても、港湾内倉庫でコンテナ移し替え(海コンから鉄道コンテナなど)のような仕事はまだあり、そこでは沖仲仕時代と同じ作業が行われている。
更に、今では一般的な港湾労働者が居るのは、港湾長が管理する埠頭近辺だけだが、元の規制趣旨から言って規制対象域はもっと広範囲に及び、明白な区切りはない。これも大事なポイントだ。コンテナ化で港湾長管理域だけに労働が集約されたにすぎないからだ。
書類上では子供が10人生まれてることにするという異次元的な筆使いとか
コンテナ船が来るたびに何故かいろんな背丈の子供達が増える異次元的な移民政策とか
科学技術を使って人間を合成できるようにする異次元的な遺伝子操作とか
機械工学を爆発的に発展させてアンドロイドを増産しまくる異次元的な技術発展とか
国民の意識をスピリチュアルにさせて別次元に霊的な子供が沢山いるからOKみたいな異次元的なオカルト解決とか
なんか光速を越えた物質を何かしら上手いことして時間遡行して子供を沢山産ませる異次元的な時間操作とか
多次元解釈をうまいこと何かしらして別次元の日本国民を大量に発生させて異次元的なマルチバース解決とか
そんな感じかなぁ
露骨にニワカ出して言ってるのに気付いてないのがとてもかわいいのだが日本に生産設備が戻ってくること自体は円安じゃなくても確定的である(ただし諸制限がある)
一番デカいのは
日本企業が金出さないくせに口うるさいのでもう受けたくないというわけだ。中国企業や韓国企業の方が金は出すし口うるさくない
中国企業の人件費の高騰は2010年代前半から始まってそれでベトナムに生産移したのにあっという間に「金払いの悪さ」が問題になった
というのが「コロナ前の話」
次に大きいのは
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF276MJ0X20C21A1000000/
これが2021年1月の発言だからつまり2020年以前のデータを見て言っている
・新型コロナでサプライチェーンが寸断された結果海外生産を当てにしにくくなった
表向き流通はそれなりに戻ってるが元通りにはならない。いつまたこなくなるかという恐怖は残る
また2020年から国は国内生産設備回帰に金を出しているhttps://www.meti.go.jp/covid-19/supplychain/index.html しょぼすぎて笑うが出さないよりはマシだ
こんな感じで国内生産設備回帰は「とっくに始まっている」円安で動き出すのはかなり遅い方だ
ネックになるのは日本企業が働き手として期待する若年人口の少なさと海外との流通が国際規格に全然追いついてないというあたり
働き手の少なさは賃金上昇圧力になると期待して空港や港湾のコンテナ処理能力不足は10年計画ものなので3,4年先あたりに深刻な問題となっていると思われる(いや実は既に深刻ではある)
今後主流になる超大型コンテナ船が入れるのが横浜しかないというあたりで自体の深刻さを想像してもらえるだろうかhttps://toyokeizai.net/articles/-/330669?page=2
商船三井、今日は寄り付きで窓を開けての大幅下落。50DMAから一旦緩やかに上げるが上げきれずに落ちる展開を想定していたので予想外だった。しかし、大きな出来高を伴って50DMAを割り込んだら売ると決めていたので寄り付き3420で再度ショート。
ショートポジションを取った後で知ったが、今日下落した理由は日本郵船社長の発言が昨晩報道されたことによるらしい。
日本郵船の長沢仁志社長は日本経済新聞の取材で、「2022年末に向けてリセッション(景気後退)が避けられない。コンテナ船の狂乱も今年いっぱいで平時に戻る」と述べた。そのうえで世界経済が今後失速し、高騰する新造船の価格も下落する可能性も踏まえ、「発注は慎重にみていく」と投資を抑える考えを示唆した。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC225080S2A820C2000000/
会社の業績の行く末を一番よく知っているであろう社長がバブル終了のお知らせと言ったなら、そりゃあバブルは終わるわ。
追記:
去年は大変でした。今年も大変になっていますが、マスコミが客寄せに使う分かりやすい「ショック」とは言えない、構造転換といえる変化が起きています。
昨年は、施主が得られるはずだった、住宅ローン減税での還付分を木材を筆頭に値上(2.5倍程度)したコストで吹き飛ばされた方を複数見てきました。
相場を舐めていた建設会社と設計事務所が、適切な積算ができない、材料の調達が間に合わない。その失敗を費用増や工期延長という結果から、施主から時間と資金を奪っていく様を見てきました。
施主はローン上限一杯借りるのに、「住宅価格の中で木材価格は1割内だからそこが上がっても問題ない」みたいな報道が昨年あって、実際にそう話すメーカーがいたのであっけに取られたのを覚えています。
「2つの」とタイトルにあるように、注目を浴びている北洋材(ロシア)より先に、北米にて2021年晩秋に一つの法案が通りました。この法案は150年生以上の立木伐採を規制するものです。日本国内で建てられる住宅、特に注文住宅では、窓枠やドア枠に良質な無垢材を使用します。この部分に使用される無垢材は、米栂、スプルース、米松、米ヒバ、Wオーク等、北米原産材を使用しますが、昨今の居室空間の大型化、サッシの大型化から要求される木材に、150年生以上の天然木(オールドグロス材)を使ってきました。しかし2021年の規制により、現地大手製材会社Mが法案に合わせ生産を停止し、日本の輸入量が昨年対比50~80%減になりました。そして底が抜けた円安。
この法案、SDG'sによる持続可能な森林資源を保護していく理念で制定されました。が、ソロバン勘定をする先進国なので、良質天然木の売却益<CO2排出権の売買益、になったと思います。この状況は、カナダ政府が政策転換しない限り持続していく状況です。
2021年の材料争奪戦は、無尽蔵の購買力がある北米が北米産材だけでなく、欧州材にも手を出し、各国のロックダウンにより輸出入港が制限され、検疫により迅速な荷役が出来ずコンテナ船の渋滞が混乱に拍車をかけました。翌年(2022)の材料調達計画は各社、それぞれの考え方で、西欧の既存仕入先との関係強化をした所、内地材の調達を強化した所、ロシアに多額の投資を行った所がありました。昨年の記事では、末尾で素敵なパートナーと茶化しましたが、契約主義と民主主義の西欧文化圏から外れた、力を信奉する権威主義の国との貿易がいかに難しいか、通商の途絶という最悪の形で現れました。主な貿易樹種は、赤松、カラ松、タモ、ナラ、カバ、既にカラ松を使用した合板(ラーチ合板)が国内需要に対して供給が足りず国内産丸太価格が上昇。仕上材であるタモは夏以降欠品や高騰による仕様変更を迫られると思います。今秋のプレカット市況は昨年と同じ状態になるかもしれません。
64年の木材自由化以降、石炭と同じように良質な海外産材が出材コストの安さと共に日本に普及していきました。より「適材適所」になった材料選択の自由さに、日本の杉と桧は平成不況の中で製造コストも押さえつけられ、信じられないかもしれませんが、直近まで構造用木材価格は60年代の相場より10%程度高い程度の金額で取引されていました。この環境が不自由な貿易環境の中で改善されるかもしれません。カラ松や杉の丸太価格が上がっており、より適切な利益が国内の森林組合や製材会社に回る形になりなりそうです。2021年は無くなった海外産材の需要を何とかカバーしようと増産を行っています。まだ「ショック」と形容される内容でしたので、設備投資に踏み切れる訳もなく、需要家から色々言われながら各設備が残業をしたと考えると、黙々と増産に励んでいた方々には頭が下がります。2010年代、各地域に50億前後の中規模製材工場が建設され、改善された生産設備が上手く稼働できたのがショックで済んだ一翼を担っていますが、自給率30~40%の現状で仮に30%の増産をしたとしても、50%台にしか届かないので、足りない海外材の代替には設備投資が必要な状況です。また、杉は加工性が高く構造材から仕上材に幅広く使える利点があり、昔から建築用材として使われた歴史がありました。杉の学名は「日本の隠された宝」という名前もついていますが、昔の長屋のような間取や平屋建てならともかく、洋化された生活空間による住宅においては、広い空間を保つ梁の強度が足りず、仕上材も柔軟な加工性が仇となり、非常に傷つきやすく正確に内部造作に加工するのが難しい、水に弱い、和風内装の不人気という側面もあります。世界中の木材から、使用用途に応じた強度や耐久性、質感の選択をしている適材適所かつ現代のノックダウン方式住宅製造では、杉単体で立ち向かうには難しく、集成材でのコスト革新が待たれるところです。