■ 昇格争いに絡めなかった3チーム千葉・甲府・新潟というJ1経験が豊富なクラブは開幕前は当然のことながら「J1昇格候補の1つ」に挙げられたがまさかの低迷。千葉は14位、甲府は9位、新潟は16位。厳しいシーズンになった。甲府はシーズン途中で吉田監督が退いて上野監督を招聘。新潟もシーズン途中で鈴木監督が退いて片渕監督が就任。どちらも監督交代後は成績が向上したが昇格争いに参加できるほどのV字回復を果たすことは出来なかった。
千葉も、甲府も、新潟も、いずれも戦力的には十二分にJ1昇格が狙える顔ぶれだったことを考えると何ともふがいないシーズンになってしまったがいい選手は少なくないので今オフは主力の流出の心配をしなければいけない。3チームとも資金力はJ2の中では屈指なので横浜FCや大宮や東京Vのような「J2の上位クラブ」に主力を引き抜かれることは考えにくいがJ1のクラブに目を付けられると見通しは暗くなる。
特に危ないのは新潟だろう。若くてポテンシャルの高さを評価されている選手は多い。大卒ルーキーのMF渡邉新は1年目からJ2で35試合に出場して10ゴール2アシストを記録。即戦力として活躍したがノビシロも大きい。「J2でプレーする若手のアタッカーあるいはストライカーの中では屈指の有望株」と言えるので多くのJ1のクラブが関心を寄せるだろう。状況次第では争奪戦に発展しても不思議はない。
もちろん、新潟県出身で新潟ユース育ち。高卒でトップ昇格は出来ずに大学を経由してプロ契約を結ぶことが出来た選手なので「アルビレックス」に対しては特別な感情を持っている選手だと思うが、昨今の移籍市場は「ユース出身の選手」はもちろんのこと、「大卒1年目の選手」が他クラブに流出することも珍しくなくなっている。数年前であれば全く考えられないような移籍が頻繁に起こる時代に入っている。