■ J1の第17節J3の第19節。10勝3敗4分けで勝ち点「34」。J3の首位を走るFC琉球はホームの沖縄県総合運動公園陸上競技場でY.S.C.C.横浜と対戦した。Y.S.C.C.横浜は5勝5敗7分けで勝ち点「22」。8位に付けている。「悲願のJ2昇格」を目指すFC琉球は現在4連勝中。1試合消化が少ない2位の鹿児島との差は「4」。初のJ2昇格に向けて好位置に付けている。ホームで勝利すればクラブ史上初の5連勝達成となる。
ホームのFC琉球は「4-1-4-1」。GK朴一圭。DF西岡大、増谷、瀧澤、徳元。MF小松駿、中川風、枝本、富樫、富所。FW和田凌。千葉U-18出身で阪南大でプレーした大卒ルーキーのFW和田凌は7試合で5ゴール2アシスト。得点源となって好調なチームを牽引している。飛躍のシーズンになっているMF富樫は17試合で9ゴール。J3の得点ランキングで2位タイに付けている。これまでは4ゴールが自己最多だった。
対するアウェイのY.S.C.C.横浜は「4-2-3-1」。GK浅沼。DF大泉、宗近、中西、西山峻。MF土館、後藤京、河野諒、奥田晃、吉田明。FW北脇。攻撃の中心となるMF奥田晃はトップ下とも、2トップの一角とも言える微妙なポジションを取る。FW北脇、MF奥田晃、MF三沢、DF大泉の4人が4ゴールを記録してチーム内得点王になる。スピードスターのFW北原はベンチスタートになった。湘南の下部組織出身となる。
■ 終了間際にY.S.C.C.横浜が追いつく。試合はチャンスシーンの多い展開になった。序盤はミスが目立ったFC琉球だったが前半35分に大卒ルーキーのFW和田凌が抜け出して決定機を迎える。しかしながら、ポスト直撃。大チャンスを逃した。Y.S.C.C.横浜は前半45分にFW北脇に決定機が訪れたが決められず。前半はFC琉球が9本、Y.S.C.C.横浜が8本のシュートを放つなどゴール前のシーンが多い展開になったが0対0で終了。ハーフタイムに突入する。
後半も同じようにどちらもなかなかチャンスを生かせなかったが後半18分にCBのDF増谷のスルーパスから抜け出したMF富樫がシュート。最初のシュートはキーパーのGK浅沼が阻止したがこぼれ球を自ら押し込んでホームのFC琉球が先制に成功する。MF富樫は今シーズン10ゴール目となった。高卒4年目のMF富樫は過去3年間のJ3での通算成績は54試合で6ゴールだったが得点力が大幅にアップした。
終盤になると視界が遮られるほどの強い雨と風の中で試合が行われるようになった。1点リードのFC琉球は風下。ロングキックやクリアボールがほとんど飛ばない状況になった。1点を追うY.S.C.C.横浜は後半42分に裏に飛び出したボランチのMF後藤京が見事なダイレクトシュートを決めて1対1の同点に追いついた。大黒柱のMF後藤京は2ゴール目となった。試合は1対1のドロー。ともに勝ち点「1」を獲得した。
■ MF富樫は2桁ゴールに到達FC琉球は目前に迫っていた5連勝はならず。連勝は「4」で止まった。勝ち点「2」を失う形になったが終盤はFC琉球にとって厳しい条件になった。それでも集中力を切らすことなく守っていたが失点シーンだけはMF後藤京の動きを捕まえきれなかった。MF後藤京にダイレクトでパスを出したのはFW北原だったがいいパスだった。最後のMF後藤京のシュートは難易度が高かったがさすがに技術の高い選手である。
Y.S.C.C.横浜は5勝5敗8分けとなった。勝ったり負けたりを繰り返しており、波に乗ることはできないが、地道に勝ち点を積み上げており、1つの目標であるクラブ史上最高順位に向けて悪くない位置にいる。ボランチのMF後藤京が攻守の要になるが「強いパス」、「スピードのあるパス」の割合が高いのは今シーズンのY.S.C.C.横浜の大きな特徴といえる。MF奥田晃など受け手となる選手の技術の高さも目に付く。
J3で最多の得点数を記録するFC琉球はゴールシーン以外にも決定機は沢山あった。とくに売り出し中の若手のFW和田凌には3度・4度と決定機が訪れた。これを決められなかったのが響いた。大卒ルーキーのFW和田凌にゴールは生まれなかったが抜け目のない動きでたくさんチャンスに絡むことが出来るのは魅力と言える。171センチ/72キロなので太目に感じるが動きはシャープで見た目以上にスピードもある。
ゴール量産中のMF富樫は区切りの2桁ゴールに到達した。2015年は9試合でノーゴール、2016年は18試合で4ゴール、2016年は27試合で2ゴール。ゴールを量産するタイプではなかったので「覚醒」に思えるが、実際には昨シーズンもこのくらいの数字を残しても何ら不思議はなかった。技術とアイディアを高次元で兼ね備えた選手でゴールを量産していることでゴール前でも落ち着いてプレーできるようになった。
MF富樫という選手はかなり前の段階から「J3でプレーする選手の中では屈指の有望株」と言われていたが数字が伴うようになったのでその価値は飛躍的に高まった。22才という若さも彼の魅力と言える。今シーズン、J3でプレーしている選手の中では「最も価値の高い選手」と言えるだろう。チームをJ2昇格に導くことが出来ればその価値はさらに高まる。明らかにJ3レベルの選手ではなくなってきている。
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