■ 久々のJ12002年以来、6年ぶりにJ1に復帰したコンサドーレ札幌。同じく昇格組の東京Vと京都はJ1での経験が豊富であるため、新鮮味は薄い。したがって、昇格3チームの中では、コンサドーレ札幌への注目度は一番高い。
2002年に柱谷監督のもとJ2に降格した札幌は、その後、資金不足もあって低迷を重ねていたが、2007年に三浦俊也新監督を招聘。リーグ制覇&J1復帰を成し遂げた。2002年当時から残っているメンバーは、DF曽田くらいだろうか。MF山瀬やMF今野はJ1に引き抜かれて、チームを巣立っていった。当時とは、まったく異なるチームとなっている。
■ 苦戦は必至?久々のJ1だが、その前評判は高く無い。もともと、タレント力は、J2レベルで見ても中位程度。三浦監督のシステマティックなサッカーがうまい具合に集合体として機能して結果を残したが、J1の中に入ると、さらに見劣りする。07年のJ2のリーグ戦で、中盤以降に失速したことも低評価の要因となっている。
果たして、コンサドーレ札幌は1年でJ1から去ってしまうのだろうか?以下で、ポイントを絞って、考えてみたい。
① 三浦サッカーはJ1で通用するのか?三浦監督は、05年と06年に大宮アルディージャの監督として、J1で「13位」と「12位」という結果を残している。当時の大宮の戦力を考えると、「よくやった」とも言えるし、「少し物足りない」という結果であるともいえる。非常に微妙な成績だった。
しかしながら、長丁場のJ2を制するための監督としては優秀であるということは過去の実績が証明している。<4-4-2>システムで、中盤にしっかりとした守備ブロックを形成して戦うスタイルが特徴で、リスクレスの堅いサッカーが持ち味である。
似たタイプのチームとして思い出されるのが、2007年の横浜FC。高木監督のもと、堅守でJ1を制したチームと似た部分は少なくない。しかしながら、異なる部分もある。
攻撃力に関していうと、J2当時の横浜FCは、昨シーズンのコンサドーレ札幌よりも破壊力を備えていた。不運にも、オフに、エースのFW城彰二が引退を決断し、MFアウグスト、FWアレモンの2人が退団したことで、J1では得点力不足が顕著になったが、J2で披露したサッカーは、攻守ともに非常に完成度が高かった。
一方、札幌が当時の横浜FCよりも優っていると思われるのが、守備力。もっというと、個の守備力である。DF曽田、DF池内、DF西嶋といった選手は、J1レベルでも十分に対抗できる守備能力を持っている。
どうしても「個の力」がJ1とJ2では異なる。横浜FCは、J1でも組織的に守ることは出来ていたが、相手のアタッカーが個人技で仕掛けてきたときに、組織では対応できなくなるケースが目立った。象徴的だったのが、第3節に川崎Fにズタズタにされて、0対6で完敗した試合。この試合で、J2で得た自信も失われてしまった。
J1で戦うには、組織力は必要だが、個の力も必要である。両チームを比較した場合、札幌の守備陣であれば、1対1の勝負に持ち込まれたとしても、何とか持ちこたえることが出来るのではないかとも考えられる。J1に昇格した当時の大宮も、その戦力がかなり疑問視されたが、守備力はJ1レベルであって、何なく残留を果たしている。
問題は攻撃陣である。そもそも、ポゼッションしようとする考えが薄いというものあるが、「つなぐ能力」は、J2でも最低レベルであった。J1では言わずもがなである。
ボールを奪ったら、まず、前線のFWダヴィとFW中山に当ててから展開するというスタイルが札幌の特徴で、J2レベルであれば、185cmのFWダヴィと186cmのFW中山の2トップの高さは脅威であって、彼らを目掛けてDFラインから放たれるロングボールに対して、5分以上の確率で競り勝つことが出来た。ただ、J1では、そうはいかないだろう。そうなった場合に、次の手が打てるかどうか?これは、疑問である。
守備力はある程度は通用するだろう。この守備力にどれだけ攻撃力を上付けできるかが残留できるかどうかのポイントだろう。もし、攻撃力不足が目立つようだと、その反動で持ち味の守備面にも悪影響が出てくるだろう。そうなると、横浜FCの最短降格記録の更新という事態も考えられる。
② 面白いサッカーが出来るのか?三浦監督のサッカーは、「面白くないサッカー」といわれる。確かに、当事者はともかく、第3者から見れば、「つまらないサッカー」といわれるのも仕方ない。
この点に関して、三浦監督はシーズン終了後に、「面白いサッカーで勝てるとは限らない。J1昇格のためには、このサッカーしかないと思っていた。」と語っている。有限実行で結果を残したことは評価できる。ただ、それ以外のプラスアルファが少ないサッカーであるというのも事実である。
「面白いサッカーをしても勝てなかったら意味が無い。」という理屈も通る。しかしながら、エンターテイメントとしてサッカーを見せている限り、「魅せるサッカー」をすることも、プロとしての仕事である。三浦監督の「勝つためにこのサッカーを選んだ。」という言葉は嘘ではないだろうが、「このサッカーしか出来ないのではないか?」という疑念もある。「多くの引き出しから、このサッカーを選んだ」のか、「このサッカーしか出来ないから、このサッカーをしているのか」は、ずいぶんと異なる。
「ヴァンフォーレ甲府のように面白いサッカーをしていてもJ2に落ちてしまったら意味が無い」という考えも理解できるが、どうせなら、他サポからも、「コンサドーレのサッカーは面白い。」と言われるようなサッカーを披露して欲しいと思う。また、そういう意識チェンジが無いと、いくら大サポーターに囲まれているとしても、苦戦は必至である。
J1復帰シーズンで鍵を握るのは、三浦監督だろう。従来のサッカーを踏襲するのであれば、苦しいシーズンになるだろう。指導者としての彼の成長が、不可欠である。幸いにも、札幌には、FWエメルソン、MF山瀬、MF今野、FW新居、FW相川、FW石井と、MF今野を除くと、アタッカー陣にタレントが生まれる土壌がある。現チームにも、MF藤田以外に、MF岡本、MF西といったタレントが出現している。
苦しいシーズンになると思うが、北のチームが健闘を見せると、J1はさらに盛り上がることになるだろう。果たして・・・。
Q1. コンサドーレ札幌はJ1に残留できると思いますか? ・できると思う。
・できないと思う。
・分からない。
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このコメントは管理者の承認待ちです
じじさん コメントありがとうございます
やさしさに包まれたコメントに感動しましたw
絶対に。絶対に。絶対に。アハハ
その戦術目と千里眼 尊敬申し上げます
J3ファンより
敬具
>>> 魔女の宅急便さん
どうもコメントありがとうございます。やっぱり、三浦サッカーとオフの補強に対する評価の高さではないでしょうか。新外国人FWノナトもなかなかいい選手という評判ですし。(2chのコンササポの集団投票があったからではないですよ。絶対に。絶対に。絶対に。 )
じじさんの思い込みのコメントとだいぶちがうようですが
この途中経過について分析してください
コンサドーレ札幌はJ1に残留できると思いますか?
[投票期間] 2008/01/22 ~ 無期限 [投票数] 221票
できると思う。
(179票/81.0%)
できないと思う。
(41票/18.6%)
分からない。
(1票/0.5%)
>>> FS攻略!さん
どうも、コメントありがとうございます。確かに、残留はかなり厳しいと思います。守備力は何とかJ1でも通用かもしれませんが、どうやって得点を奪うのか、見えてきません。三浦監督が、攻撃的なタレントを使いこなすことが不得意なように思えるのも、マイナスですね。
コンサは≪今年の昇格組で残留する筆頭≫でしょう
攻守がかみあえばサプライズもあります
ビッグネーム好きの素人サッカーファンにはわからないと思いますが。
このチームは戦術の成熟を目指してすでに今キャインプインしてます
昨年のJ1上位チームも、ここの予想スレのようになめてかかると
痛い星を落とすことになりそうです
≪守備は世界サッカーのトレンドです≫
我URAWAもその意味で日本一のチームと自負してますが。。。
私はかなり厳しいと思っています。
大宮>札幌>横浜Fってところじゃないでしょうかね。
私の中では降格最有力候補です。。。
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