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コンサドーレの野々村芳和社長への期待 | | |　

■　選手から社長へ・・・

スカパーのアフターゲームショーの司会を務めるなど、サッカー解説者としてトップクラスの人気を誇る元Jリーガーの野々村芳和氏が、昨年の12月20日に行われたコンサドーレ札幌の定例取締役会で、次期取締役候補に選任された。この人事は今年の3月に開催される株主総会で正式決定されて、正式に野々村社長が誕生することになる。

この件について、野々村氏は、「選手として最高の思い出をくれたコンサドーレに、このような形で戻ることができてワクワクしている。コンサドーレに関わるすべての人たちとともにいい仕事をしたいと思う。」とコメントしており、すでに、年明けからコンサドーレ札幌の経営に関わってるという。

元Jリーガーがクラブチームの社長になるのは、J2のガイナーレ鳥取の塚野真樹氏に続いて2人目だというが、塚野氏は選手としては有名ではなかった。対して、野々村氏はジェフ市原とコンサドーレ札幌で活躍した選手で、解説者としても知られているので、サッカーファンの間では、知名度は高い。財政的な問題を抱えているチームをどのように変えていくのか、経営手腕も注目される。

■　29歳の若さで引退

野々村氏のキャリアを改めて確認すると選手生活は非常に短い。慶応義塾大出身で、1995年にジェフ市原に入団して1年目から15試合に出場している。2年目は18試合、3年目は31試合に出場しており、順調に出場試合数を伸ばしてチームに欠かせない選手となったが、日本代表に呼ばれるような選手だったかというと、そういうわけではない。

市原で5年間プレーした後、2000年にJ2だった札幌に移籍すると、2000年は岡田監督の下、チームのJ1昇格に大きく貢献して、翌2001年はJ1で22試合に出場しているが、このシーズン限りで現役を退いた。結局、29歳という若さで現役を引退しているが、代表歴はなかったので、ニュースとして大きく取り上げられることはなくて、静かに現役生活にピリオドを打った。

いつ頃からだったか、記憶は定かではないが、数年前からスカパーでJリーグの試合を解説するようになって、さらにアフターゲームショーの司会を任されるようになると、知名度が飛躍的に上がって、スカパーのエース的な存在となった。野球界よりは、幾分かはマシと言えるが、サッカー界も現役時代の実績が物をいう世界なので、最初は大変だったと思うが、ジェフやコンサドーレのサポーター以外からも評価されるようになった。

■　手腕に期待したい

人気の理由の1つに挙げられるのは、解説が分かりやすいということである。試合の流れを読む力に優れていて、試合展開を端的に表現する能力に優れていると感じる。OBなので、ジェフ千葉やコンサドーレ札幌が絡んでくると、思い入れが強くなってきて、狂いが生じることもあるが、それ以外では公平で、サッカー解説者として、誰よりもJリーグの試合を観ており、知識量もトップレベルである。

また、はっきりとものを言う姿勢も好感がもたれている。なかなか取り上げられる機会のない試合中の微妙なジャッジに対しても、リプレーを見ながら白黒付けることにチャレンジして、タブーにはせずに、切れ込むことも多かった。アフターゲームショーは2011年限りで終了となって、「マッチデーJリーグ」がスタートして、永田実氏と加藤理恵氏がMCとなったが、面白みは半減した。

野々村氏は、はっきりとものをいうタイプなので、選手やクラブなどに苦言を呈することもあったが、それが嫌味に聞こえないのは、Jリーグに関して、十分すぎるほどの情報を持っていることが理由の1つであり、同じことに対して、同じ表現で批判をしていても、説得力が違ってくる。Jリーグの試合をほとんど観ていないと思われるなんちゃって解説者の批判や批評とは、比較にならないレベルである。

2004年に日本ハムファイターズが北海道に移転してから、コンサドーレ札幌は2番手となって、観客動員でも苦戦を強いられている。台所事情が厳しいのは間違いないが、それでも、北海道という広大な土地をほぼ独占できるので、他のJ2の地方クラブよりもはるかに恵まれており、北海道のサポーターが感じている以上にポテンシャルの高いクラブだと思う。野々村社長の手腕に期待したいところである。

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