■ ペトロヴィッチ監督の就任が確実札幌は33節を終えた時点で11勝15敗7分けで勝ち点「40」。12位に付けている。このあたりは僅差なので「10位・11位・12位・13位」の可能性を残している。最終節はホームの鳥栖戦となるがJ1でのクラブ史上最高成績は岡田武史監督時代の2001年の11位なので「クラブ記録」を更新する可能性がある。とにもかくにも「J1残留」が今シーズンの目標だったが中位でシーズンを終える可能性が高まっている。
2018年は「J1定着」に向けて大事なシーズンになるが2年半チームを率いて素晴らしい成績を残した四方田監督に代わって前浦和のペトロヴィッチ監督の就任が確実な情勢となった。7月29日(土)に行われたJ1の19節の札幌 vs 浦和戦(@札幌ドーム)で敗れた試合の翌日に監督を解任されているので札幌は因縁の相手である。こういう情報は全く流れていなかったので多くの人が驚く「まさかの監督人事」になった。
四方田監督がしっかりとチームの基礎を作ったことが「2016年のJ2優勝」と「2017年のJ1残留」につながったのは間違いないところである。これだけ結果を残した監督なので「当然、2018年も四方田監督がチームを率いることになる。」と思っていたので意外な選択だった。今回の監督交代に関しては肯定的な意見もあるが否定的な意見もある。「ハイリスク・ハイリターンな監督人事」ということが出来る。
■ 独特な「ミシャ式のサッカー」いきなり出てきた話なので冷静に考えるのは難しいところであるが何だかんだでペトロヴィッチ監督は人を惹き付けるパワーを持った監督である。とにかく攻撃にエネルギーを注ぐタイプの監督であり、広島時代も浦和時代も攻撃的なサッカーでサポーターを魅了した監督である。来シーズンの札幌に対する注目度が一気に高まるのは確実である。良くも悪くも一般的なファンの強い関心を集めることになる。
「ミシャ式」と言われる独特なスタイルを用いる監督なので戦術が大幅に変わるのは確実である。システムは札幌も「3-4-2-1」を採用することがほとんどなので高確率で変わらないだろう。札幌は「3バックでの戦い」に慣れたチームなので「4バックをメインに戦ってきたチーム」よりはチーム作りがスムーズに進むだろう。今オフ、「ミシャ式のサッカーに合った選手」をどこまで獲得できるのか?は興味深い。
広島時代ならびに浦和時代のチーム作りは大いに参考になるが就任当初の広島は「(ユース)黄金世代の若手」がたくさんいた。最も大きな期待を集めていたFW前田俊は伸び悩んだがMF柏木、DF槙野、MF高萩、DF森脇などが主軸に成長した。能力が高いだけでなく早い段階からプロの世界で活躍できた超・有望株がゴロゴロいる稀な世代であり、相当に特殊なチーム事情だったことは考慮する必要がある。
あれだけユース育ちの逸材がゴロゴロいたら自然と彼ら中心のサッカーに切り替わっていく。札幌も優れた下部組織を持っており、1994年生まれの世代(1995年の早生まれの選手も含む)は3年生の時にJユースカップを制するなど黄金世代と言われて大きな期待を受けていたがMF神田(愛媛FC)、DF堀米悠(新潟)はチームを離れており、MF中原彰(G大阪)は修行中。MF深井一(札幌)はケガに悩まされている。
■ 広島ならびに浦和との相違点は・・・。大きな期待を受けたこの世代の選手が「札幌のトップチームの主力」になれていない点はクラブにとっては誤算と言えるが広島時代のペトロヴィッチ監督はたくさんの若手を育てた。対照的に浦和時代は出来上がった選手を獲得して軸に据えることが多かった。2012年の浦和の監督に就任するタイミングでMF阿部勇とDF槙野を獲得できたのは大きかったがその後はGK西川やDF森脇など教え子を積極的に獲得した。
結局のところ、
・当時の広島ほどスーパーな若手がいない点
・浦和ほどの資金力とブランド力は無いので他クラブの主力を買いあさることは出来ない点
は相違点になる。外国人選手に注目すると「FWジェイ、MFチャナティップ、GKク・ソンユンの3人は残留濃厚」と報じられている。他にはDFキム・ミンテとMFマセードとFWヘイスがいて、さらに大怪我をして抹消中のMFジュリーニョもいる。タイ出身のMFチャナティップは「提携枠」になるので「外国人枠」や「アジア枠」にカウントされないのは大きいが「たくさんいる外国人をどうするのか?」も注目に値する。
「ミシャ式のサッカー」にはFW興梠のように前線で起点になれる選手が必要になってくるがキープ力が高くてアシスト能力も高いFWヘイスは「ミシャ式のサッカーに合った選手」のように思う。ただ、外国人枠はカツカツの状態。今シーズン限りでチームを離れる可能性もある。単独でサイドを突破できる右WBのMFマセードもフィットしそうな雰囲気があるが「より上のレベルの選手」を引っ張ってくる可能性もある。
■ どんな選手を補強できるのか?ペトロヴィッチ監督が広島時代ならびに浦和時代に実際に指導した教え子を獲得することは十分に考えられる。もちろん、DF槙野やGK西川やMF柏木やMF阿部勇やFW興梠やMF青山敏やDF遠藤航といった「J1屈指の選手」を強奪するのは札幌の資金力やブランド力を考えるとほぼ無理であるが「その下のレベルの選手」であれば可能性はある。早く戦術をチームに浸透させるためにも監督を理解した選手が欲しい。
浦和と広島がシーズン途中で監督を交代させて「ミシャ式のサッカーを諦めたこと」は今オフの移籍市場で札幌にはプラスに作用するだろう。浦和の堀監督は「4-1-4-1」、広島のヤン・ヨンソン監督は「4-2-3-1」を採用ケースが多くなっており、監督交代によって出番を失った選手や持ち味を出しにくくなった選手は浦和にも広島にも何人かいる。札幌がそういう選手に声をかけたら獲得に成功する可能性はある。
具体的に名前を挙げるとやはりDF森脇である。右SBや右WBでもプレーできるが「ミシャ式のサッカーの右CB」が天職と言える選手である。他には仙台に期限付き移籍中のFW石原直、何度か日本代表に招集されているがFC東京で良さを出し切れているとは言い難いMF高萩、ドリブラーのMF駒井、ストライカーのFW李忠成あたりは(獲得に成功するかどうかは別として)ペトロヴィッチ監督がクエストしても不思議はない。
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