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【J2】クラブ別の補強ポイントについて考える。(2017年夏の移籍市場) (湘南ベルマーレ編) | | |　

湘南ベルマーレ

→　「1年でのJ1復帰」を目指す湘南は18節を終えた時点で10勝4敗4分けで勝ち点「34」。2位に付けている。首位に立っている福岡との勝ち点差はゼロ。11位の大分との差は「6」のみ。大混戦なので予断を許さない状況になっているがとにもかくにも上位争いの中心に居続けている。圧倒的な強さを見せて独走でJ2を制覇した2014年と比べると勝ち点ペースは大きく劣るが決して悪くないシーズンを過ごしている。

誤算はホームで思うように勝ち点を伸ばせていない点である。アウェイでは10試合で7勝1敗2分けの好成績を残している。アウェイ戦での平均勝ち点はJ2の場合は「10.77」。リーグ平均の倍ほどの勝ち点を稼いでおり、当然のことながら、J2の22クラブの中では最多の勝ち点を稼いでいるが、ホーム戦では8試合で3勝3敗2分け。勝ち点「11」というのはワースト7位タイ。今シーズンもホームで苦戦を強いられている。

18試合で21得点/16失点となるが得点数はワースト8位タイ。得点数は相当に物足りない数字になっている。逆に失点数は6番目に少ないのでまずまずと言える。90分あたりのシュート数は10.44本で5位タイ、90分あたりの被シュート数は8.22本で4位。「1ゴールを奪うのに必要なシュート数」は8.95本。これは山口→金沢→讃岐→千葉→徳島に次いでワースト6位となる。決定力不足に泣く試合は多くなっている。

昨シーズン限りでの退任の噂も流れた曹貴裁監督が続投となったので今シーズンも「湘南スタイル」は健在。攻守両面でアグレッシブなサッカーを見せているがボール支配率は7位、パス数は9位、クロス数は9位、ドリブル数は3位、枠内シュート数は5位、30mライン進入回数は6位、CK獲得本数は11位となる。ドリブル数はJ2の上位に位置するがその他の攻撃に関するスタッツは大半がJ2の中位レベルになる。

時間帯別の得点/失点については目立った傾向はみられない。前半は7得点/6失点、後半は14得点/10失点。J2の場合は「前半は0対0のままでもOK」というクラブが多くて前半は静かなままで終わるケースが多い。得点数も失点数も後半の方が数字がはるかに大きくなるのは自然なことである。先制ゴールを奪った回数は11回。これはリーグ2位タイとなる。11試合で9勝2分けなので負けなしが続いている。

今シーズンの湘南の弱点を挙げるとセットプレーである。18試合で7得点/9失点。得点数は9位タイなのでJ2の平均程度となるが、失点数はワースト6位タイ。結局、総失点は「16」でそのうちの9失点がセットプレーから喫しているので割合的には非常に高くなっている。空中戦に対して絶対的な強さを持っている選手がほぼいない状態。相手チームの立場に立って考えると「この点が湘南の付け入るスキ」と言える。

175センチのDF岡本拓やWBを主戦場とする178センチのDF山根視あたりを最終ラインの一角で起用するケースが多くなっている弊害とも言えるが「空中戦に強い選手」というのは今夏の移籍市場における湘南の明確な補強ポイントと言える。その他では決定力不足に泣く試合が多くなっているので「シュート精度の高い選手」というのもターゲットになってくる。補強ポイント自体は非常に分かりやすいチームと言える。

シャドーの位置でプレーするMF齊藤未やMF山田直やMF表原あたりが決定機でシュートを決められないシーンはたくさんあるのでこの位置に得点力のある選手を加えたい。ほとんど出場機会は無かったが10番を背負っていたMFシキーニョの退団が決まっており、外国人枠も空いている状態。近年は当たり助っ人を引く確率が非常に低くなっているが「数字を残せるアタッカー」を探し出したいところである。

その他ではMF高山薫が3月25日(土)に行われた5節の千葉戦(H)で怪我をして長期離脱中。「右膝前十字靭帯損傷で全治8か月」と診断されている。順調に回復した場合でも昇格プレーオフの1回戦に間に合うか？否か？なので今シーズン絶望に近い。最近はU-20日本代表のDF杉岡を左WBで起用するやり方がハマっているが、右SB/WBも左SB/WBもレギュラーを固定できていない状況。補強ポイントの1つに挙げられる。

クラブの慢性的な悩みと言えるCFはFWジネイが13試合で5ゴール。まずまずの活躍を見せているが鹿島時代から怪我に泣いてきた選手なので無理はさせられない。実績とサイズのあるFW野田とFW藤田祥もいるので「FWジネイとFW野田とFW藤田祥の3人で十分」という見方も出来るが、「自動昇格となる2位以内を目指すためにはやや心もとない陣容」とも言える。CFの補強に動く可能性はゼロではないだろう。