■ ホームゲーム前節、コンサドーレ札幌に敗れて4位に転落した湘南ベルマーレ。ホームでファジアーノ岡山と徳島ヴォルティスと続く2連戦の初戦である。
ホームの湘南は<4-1-2-3>。GK野澤。DF臼井、ジャーン、村松、島村。MF田村、寺川、坂本。FW菊池、田原、中村。MFアジエルは怪我のため欠場。MF田村が出場停止から復帰してスタメン。左サイドバックはDF島村。
対する岡山は<4-2-3-1>。GK真子。DF玉林、野本、木村、野田。MF竹田、喜山、青木孝、妹尾、保坂。FW三木。GK李彰剛はベンチスタートでGK真子が9試合目のスタメン。
■ 3対1の勝利試合の立ち上がりからフルパワーの湘南は、何度か決定的を逃した後の前半12分に先制。中央でうまくボールを受けたMF寺川のスルーパスからFW菊池が裏のスペースに抜け出してゲット。MF菊池の今シーズン初ゴールで湘南が先制。さらに、前半38分もMF中村のパスからFW田原が決めて2対0とする。前半は2対0で終了。
後半になると、岡山はMF竹田に代えてMF川原を投入。後半9分には、そのMF川原がシュートを決めて1対2に1点差に迫る。これで勝負は分からなくなったが、押されていた湘南は後半28分に途中出場のMF鈴木のセットプレーからオウンゴールを誘って貴重な追加点。
結局、後半は苦しんだが湘南が3対1で勝利。昇格争いに踏みとどまった。
■ 代役の菊池が先制ゴール勝ったり負けたりと不安定な戦いが続いている湘南は、14試合連続で1得点以下の試合が続いていたが、7月19日の福岡戦以来の複数得点で勝利。大黒柱のFWアジエルがいない中、チーム全員が頑張って、貴重な勝利を勝ち取った。
大きな先制ゴールを奪ったのがU-18日本代表のMF菊池。高校2年生だった2008年シーズンは14試合で2ゴール。MFアジエル不在の終盤戦でレギュラーポジションを奪取したが、反町監督に代わってチームスタイルが変わったこともあって、今シーズンは、9月下旬まで全く出番が回って来なかったが、ここに来て、昨シーズンに続いてMFアジエルが離脱。この穴を埋めるべくMF菊池が起用されていて、3試合目のスタメンでゴールをマークした。
物おじしない性格と柔らかいドリブルが武器であるが、その反面、ハードワークするタイプではなく、その点が開幕からずっと使われなかった要因であると考えられるが、この日は早い時間に先制ゴールを奪ったということもあって、後半の最後に交代するまで、しっかりと戦った。
■ J2通算100勝目この勝利で反町監督はJ2通算で100勝目。同じく、チームとしてもJ2でホームゲームで100勝目とダブル記念日なった。反町監督はアルビレックス新潟の監督時代にJ2の3年間で76勝32敗24分け、今シーズンの湘南では、43試合で24勝10敗9分けという成績を残している。
熾烈な昇格争いは5チームに絞られた感じはするが、C大阪、仙台、甲府にはJ1昇格の経験があるが、湘南はJFL時代の1993年にJリーグに昇格したことはあるが、レギュレーションも違うので未経験といっていいほどである。
C大阪にしても、仙台にしても、ここ数年、何度か昇格を逃してきているので、勝ち方を知っているチームかといわれるとそういうわけでもないが、湘南はそれ以上に未知の部分が多い。したがって、こうなってくると、反町監督の経験が必要となる。苦い思い出も含めて、何度か新潟時代に昇格争いを経験しており、反町監督の真価が問われることにもなる。
■ 11年ぶりのJ1の舞台へ・・・湘南はこれで3位の甲府との差は「1」のみ。また、5位の鳥栖との差は「5」となった。
残りは7試合。まず、46節にアウェーで鳥栖と対戦し、さらに49節にはアウェーで甲府と対戦する。この2試合が重要なのは間違いないが、それ以外の試合でも全て勝つつもりで戦わないと、昇格が遠ざかってしまう。
MFアジエルを欠いており、戦力的にはやや厳しいが、精神的なタフさでは他のどのチームにも負けてはいない。MFベッチーニョ、FW野口、DF名良橋、DF岩本輝、MF中田英といったきらびやかなタレントを擁して、かつて、Jリーグの舞台で旋風を巻き起こしたベルマーレのJ1復帰を願っているサポーターは、ベルマーレサポーター以外にも多いはず。
今シーズン、3位以内に入ってJ1再昇格が決定すると、実に11年ぶりとなる。何ともドラマチックで、感慨深い昇格劇となるはずである。
■ チーム力を付けるファジアーノ敗れはしたが、岡山の頑張りも光った。前半に2点ビハインドとなったが、チャンスの数は互角で、ボール回しは湘南よりもスムーズであった。
ガンバ大阪からやって来たFW三木がしっかりと前線で起点になって、右MF青木孝と左MF妹尾がドリブルで仕掛けて、MF保坂が神出鬼没な動きで相手を混乱させる。各々の能力がうまく融合していて、攻撃に迫力が出てきた。
8勝24敗11分けで現在16位という結果だけ見ると、不本意なシーズンのように見えるが、シーズンが進むにつれて力を付けてきており、上位チームも侮れない存在になっている。MF喜山を含めてレンタル組が多いので来シーズンの展望は立てられないが、我慢して手塚監督が作って来たチームが、ようやく競争力を付けてきた。
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