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【J1】池内明彦レフェリーのPKの2つのジャッジについて (サガン鳥栖 vs 柏レイソル) | | |　

■　アウェイの柏レイソルが逆転勝利

2017年のJ1は2月25日(土)に開幕戦が行われたがベストアメニティスタジアムで行われたサガン鳥栖 vs 柏レイソルは0対1で迎えた後半に3ゴールを奪った柏が3対1で勝利した。前半38分に新加入のMF原川の直接FKが鮮やかに決まってホームの鳥栖が先制に成功するが後半3分にMFクリスティアーノのPKで柏が1対1の同点に追いつくと後半29分にもFWディエゴ・オリヴェイラがPKを決めて逆転に成功した。

さらに後半33分にはMFクリスティアーノの素晴らしいクロスから途中出場のMF武富が合わせて3点目を奪った。「4-2-2-2」を採用して外国人トリオを揃ってスタメン出場させた柏だったが、MFクリスティアーノは1ゴール1アシストの活躍。FWディエゴ・オリヴェイラもPKで逆転ゴールを記録して、仙台から加入したFWハモン・ロペスも後半開始早々にエリア内で仕掛けてPKをゲット。3人ともゴールに絡んだ。

注目を集めている外国人トリオが揃ってゴールに絡むプレーを見せたが、彼ら以上に目立ったのは後半の早い段階でFWハモン・ロペスに代わって登場したMF武富だった。豊富な運動量で攻撃を活性化されるだけでなく、後半27分にはエリア内でファールを獲得してPKをゲット。さらには後半33分に自ら3点目のゴールをマークした。「長男が生まれたばかり」というMF武富が逆転勝利の立役者になったと言える。

■　試合の行方を大きく左右した2つのPK

途中出場で2ゴールに絡んだMF武富、1ゴール1アシストのMFクリスティアーノあたりはMOM級の活躍を見せたが、彼ら以上に開幕戦で目立ったのは池内明彦主審だった。前半にMF原川の直接FKが決まって1対0とホームの鳥栖がリードして迎えた後半に柏に2つのPKを与えた。同点ゴールと逆転ゴールにつながるPKだったので池内レフェリーの判定が勝敗の行方を大きく左右したのは間違いないところである。

主審がPKを宣告したり、レッドカードを提示したり、オフサイドでゴールを取り消すなどの重大なジャッジが下されたときは、当然のことながら、「正しいジャッジだったのか？」、「誤審ではなかったのか？」としばらくの間、騒がれることになるが、問題のシーンを何度が映像で確認した上で感じたことをあれこれと議論することは観る側のジャッジに対する理解が深まることにつながるので決して悪いことではない。

日本サッカー界においてはナイーブな判定が起こったときは隠そうとする傾向が強い。また、どちらか片方だけの意見を取り上げて「誤審だった。」という前提で話を進めるメディアも少なくないが、隠そうとしたり、一方的に審判員が悪いと決めつけることは適切な対応とは言えない。「審判員の能力には限界がある。」ということを全ての人が理解した上で建設的にジャッジのことを議論するのは大切なことである。

■　やや厳しかった2つ目のPKのジャッジ

1試合の中でどちらか片方のチームにだけ2つのPKが与えられるのはかなり珍しい話なので鳥栖側にはフラストレーションの溜まるジャッジだったのは間違いないが、後半1分のFWハモン・ロペスのPKに関しては「受け入れるしかないジャッジだった。」と言える。エリア内で仕掛けたFWハモン・ロペスがシュートを打つ素振りを見せたことでDF吉田豊の対応が後手に回った。左手で倒す形になっているのは確認できる。

一方で後半27分の2つ目のPKに関してはかなり厳しかったと言える。右サイドからMF伊東純がファーサイドにふんわりとしたクロスを上げたが、鳥栖の右SBのDF藤田優が柏の選手2人(MF武富とMFクリスティアーノ)を1人で対応せざる得ない状況になっていた。FWディエゴ・オリヴェイラの突破から始まった柏のチャンスシーンだったが、かなり左右に揺さぶられてしまったのでゴール前でマークのズレが生じていた。

リプレーを見るとジャンプをしたMF武富に対してDF藤田優が後方から競る形になった。DF藤田優の後ろにはMFクリスティアーノがいたので両者をマークしなければいけなくなったDF藤田優は気の毒に感じるが、ボールにプレーするよりも相手のMF武富に腰やお尻あたりでチャージする形になった。ボールにプレーしようとせずに相手選手にチャージしようとするプレーに見えたことが印象を悪くしたと考えられる。

ボールを軌道を見るとMF武富が頭に当てるのはほぼ無理な状況だった。後方から飛び込んできたMFクリスティアーノもあそこの位置からゴールを狙うのはほぼ無理。中央に折り返すのも難しい体勢や角度だったので「DF藤田優が周りの状況をしっかりと把握できていたら・・・。」、「リスクを冒す必要性はなかった。」と言えるが、ファーサイドが数的不利な状況になっていたので考える余裕が無かったと言える。

それでも鳥栖側にとっては厳しいジャッジであり、柏側にとってはややラッキーなPKのジャッジだったと言える。鳥栖側が文句を言いたくなる気持ちは良く分かる。個人的には「このくらいの攻防はOKにするべきではないか？」と思うが、近年のJリーグはボールに対してプレーする意思が見られないときはファールになる傾向が強い。DF藤田優が後ろ向きでMF武富に競りに行った点が良くなかったのは確かである。

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