■ ここ最近のメニコンカップはWESTが優勢U-15世代の東西対抗戦であるメニコンカップは9月8日(日)に名古屋市港サッカー場で開催されたが4対1でWESTが大勝した。DF大屋(C大阪U-15)とFW池田(MIOびわこ滋賀U-15)がともに2ゴールを挙げる活躍を見せたが2点目と3点目のゴールを挙げたFW池田がMVPに選出された。U-15日本代表にも選出されているFW池田は日本クラブユースサッカー選手権(U-15)でも得点王に輝いている注目株になる。
FW池田は180センチとサイズに恵まれた大型フォワードでシュート精度も高い。ここに来て急激に存在感を増しているが大勝したWESTはC大阪U-15と鳥栖U-15の選手が中心だった。両チームは8月に行われた日本クラブユースサッカー選手権(U-15)の決勝戦で対戦しているがC大阪U-15から6名、鳥栖U-15からは3名がWESTのメンバーに選出されている。各チームは17名が選出されているので半分以上になる。
オールスター戦でこれだけ所属クラブが偏るのは珍しいが、普段、一緒にプレーしている選手が多くなるとプレーはしやすくなる。しかも、U-15日本代表に招集されている選手が今回のWESTにはたくさんいたので即席のチームとは思えないほどの完成度を誇ったがここ10年ではWESTが7勝2敗1分けと圧倒している。WESTが3点以上を記録した試合が10年間で7回もあることを考えると「最近はWESTが優勢」と言える。
■ 新興勢力と言える鳥栖の下部組織G大阪の下部組織は早くからDF宮本やMF稲本やDF新井場を輩出するなど名門として知られており、広島の下部組織も森崎兄弟やDF駒野を輩出するなど名門として知られているが、ここ最近はC大阪や京都や神戸などの下部組織の充実ぶりが凄まじい。ここ10年ほどに限定するとこの3チームは先を走っていたG大阪に匹敵するほどいい選手をたくさん輩出しており、関西地区は「G大阪の1強」ではなくなってきた。
関東地区や九州地区などと比べると関西地区は高校サッカーの名門校が少ない。「有望な選手がユースを選択するケースが多い。」という点も有利に働いていると思うがWESTの新興勢力は鳥栖の下部組織になる。先のとおり、今回のメニコンカップにも3人の選手が選出されており、日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会では決勝でC大阪U-15を破って日本一に輝いているがここ数年の躍進ぶりは驚異的である。
まだ鳥栖のトップチームは「下部組織の充実ぶり」の恩恵をあまり受けていない。「鳥栖の下部組織が生んだ最高傑作」と言われるFW田川(FC東京)が昨オフに流出したのは残念だったが、それでも、今シーズンは高校3年生のMF松岡大がトップチームの主力として活躍している。U-18日本代表の主力選手になるがトゥーロン国際大会のときは飛び級で五輪代表に選出されるなど東京五輪出場もノーチャンスではない。
■ 注目が集まるU-15日本代表カルテットFW田川に代わってMF松岡大が「鳥栖の下部組織が生んだ最高傑作」になりそうなほどの活躍を見せているがこれから鳥栖のトップチームは下部組織出身の選手の割合が高まって5年ほど先には「トップチームのレギュラーの半数ほどが下部組織出身者」になっている可能性は高い。昨夏にFWフェルナンド・トーレスを獲得するなど「金満クラブ」と揶揄される存在になっているが下部組織は一番の希望になっている。
パリ世代(2001年-2004年生まれ)は鳥栖の下部組織でプレーする選手がたくさん年代別代表に絡んでおり、年代別代表の主力として活躍している選手も少なくないが、今回のメニコンカップに出場したMF福井(鳥栖U-15)、MF鬼木(鳥栖U-15)、MF楢原(鳥栖U-15)はかなりの有望株である。3人ともU-15日本代表に選出されており、MF福井とMF楢原はいずれも直近のU-15日本代表に選出されている。
171センチのMF福井は下がり目の位置でプレーするパサー系の選手になる。精度の高いパスで中盤を組み立てることが出来る。今回のメニコンカップではキャプテンマークを巻いてプレーした。165センチのMF楢原はサイズには恵まれていないが運動量が多くて機動力もある。ダイナモ的な選手になるがラストパスの精度も非常に高い。動きの量と動きの質を高いレベルで備えている万能型のアタッカーになる。
■ いい循環が生まれつつある。残念ながら直近のU-15日本代表のメンバーには選ばれなかったがMF鬼木(鳥栖U-15)もこの世代の中ではトップクラスの選手だと考えられる。こちらも167センチなのでサイズには恵まれていないが極限まで頑張ることが出来る無類のハードワーカーである。鳥栖U-15のときは左ウイングの位置でプレーするが豊富な運動量と献身性とスピードを生かしてサイドを制圧しつつ、決定的な仕事をすることが出来る。
メニコンカップのメンバーには選ばれなかったが右サイドアタッカーのMF浦十藏もU-15日本代表に招集された経験がある有望株になる。トップチームと同じで鳥栖の下部組織は「攻守の切り替え」や「球際の強さ」や「戦う姿勢」などを強調して戦っている。松本監督や岸野監督がチームを率いていた頃からの伝統になるがU-15日本代表候補のMF鬼木とMF浦十藏は鳥栖スタイルを体現するサイドアタッカーである。
関西地区とは違って九州地区は高校サッカー界の名門校がたくさんある。東福岡や国見や鹿児島実業や大津など名門校で活躍することを夢見て中学年代をJリーグの下部組織で過ごした選手が高校の部活を選択するケースがこれまでたくさんあった。鳥栖U-15から東福岡高に進学して2年生のときに冬の選手権を制したMF藤川(磐田)はそのパターンになるがここ最近は「有望株の流出」も減ってきているようだ。
U-15日本代表カルテットがそのまま鳥栖U-18に進むのか?東福岡高など高校サッカーの名門校に進学するのか?は現時点では分からないが彼らのような有望な選手がそのまま鳥栖U-18に進むのであれば鳥栖U-18はさらに結果を残しやすくなる。そうなると彼らのさらに下の世代の有望株が他のチームに流出する可能性はますます低くなるのでいいことずくめである。鳥栖の下部組織はいいサイクルに突入しつつある。
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