■ リオ五輪は最終日リオ五輪は最終日を迎えた。手倉森JAPANがGLの初戦でナイジェリアと対戦して4対5で敗れたのは現地時間の8月4日(木)だったので2週間ほどしか経過していないがはるか昔の出来事に思えるほど。男子サッカーが1勝1敗1分けで決勝トーナメント進出を逃したのは非常に残念だったが、水泳・体操・レスリング・柔道・卓球・バドミントンなどで日本勢が活躍。日本中がメダルラッシュに沸いたと言える。
現段階ですべての競技が終了しているわけではないので(一応は)暫定の数字となるが、日本は12個の金メダルを獲得した。これは16個を獲得した1964年の東京五輪、2004年のアテネ五輪に次いで歴代3番目の多さとなる。さらには銀メダルを8個、銅メダルを21個獲得しているが、金・銀・銅を合計したメダル総数は41個。これは過去最高だった2012年のロンドン五輪を上回って史上最高の数字となった。
最近で言うと女子のレスリングが採用されたり、女子ラグビーが正式種目に採用されるなど、単純に実施される競技の数自体が1964年の東京五輪あたりと比べると増えていることもメダル数増加の理由の1つだと思うが、それでも金メダル数ではアメリカ・イギリス・中国・ロシア・ドイツに次いで6番目。メダル総数でもアメリカ・中国・イギリス・ロシア・ドイツ・フランスに次いで世界で7番目なので立派な成績である。
各競技の競争力が上がってきていることに関しては各々のスポーツでいろいろな理由があると思うが、
・国が必要なお金を費やして選手や団体をバックアップするようになった点。
・4年後の東京五輪を見据えた強化が順調に進んでいる点。
・科学的なトレーニングが導入されて精神論が幅を利かせることがなくなった点。
あたりはどのスポーツにも共通する話なのではないかと思う。さらに男子プレーヤーに限定する話であるが、野球人口が減って来て「フィジカルエリート」と呼ばれる人たちが他競技を選択するようになっているのも大きいと思う。小学生や中学生で野球を選択する子供の数は10年ほど前から明らかに減ってきているので「フィジカルエリート」の他競技への進出は今後はますます増えていくと考えられる。
■ 日本勢のメダルラッシュに沸いたリオ五輪今回のリオ五輪は手倉森JAPANの3試合はもちろんいろいろな競技を楽しむことが出来た。時間的な問題があるので生中継を見続けることは難しい。リアルタイムで競技を見ることはほぼなかったが、五輪中継のほとんどを録画して「いいシーン」、「面白そうなシーン」をピックアップして(早送りをしながら)視聴した結果、最終的には日本の選手がメダルを獲得した場面のほとんどをカバーすることができた。
「これだけ多くの競技を楽しめた五輪は過去になかった。」と思うほどリオ五輪は存分に楽しむことが出来たが、日本の選手がメダルを獲得した競技に限定すると
・【金メダル】 体操男子団体 (内村・山室・田中・加藤・白井)
・【金メダル】 内村航平 (男子・体操 個人総合)
・【銅メダル】 錦織圭 (男子・テニス シングルス)
・【銀メダル】 卓球男子団体 (水谷隼・吉村真晴・丹羽孝希)
・【銅メダル】 卓球女子団体 (福原愛・石川佳純・伊藤美誠)
・【銀メダル】 吉田沙保里 (女子・レスリング53kg級)
・【金メダル】 バドミントン女子ダブルス (高橋礼華・松友美佐紀)
・【銅メダル】 荒井広宙 (陸上・男子50km競歩)
・【銀メダル】 陸上・男子4×100mリレー (山県・飯塚・桐生・ケンブリッジ)
あたりが特に印象に残っている。もちろん、メダルが全てではないし、例えばメダル圏外の7位という順位でも「世界の中の7位」と考えるととてつもなく大変なことである。考えてみると小学生だった頃、50メートル走であったり、ソフトボール投げであったり、走り幅跳びといった分野で「クラス1位」になるだけでも大変だった。「クラスで4番目」くらいでもまあまあ満足できたことを考えると次元の違う話である。
日本代表として五輪に参加できることだけでも大変に名誉なことなので、国の代表として五輪という舞台を戦った選手はすべてリスペクトされるべきだと思う。「国を背負って戦う。」というプレッシャーと「4年に一度の舞台である。」というプレッシャーは想像を絶するものがあるが、その上ですべての選手に伸し掛かる大きなプレッシャーに打ち勝って結果を残すことが出来た選手は正当に称えられるべきだと思う。
五輪の前に一通りの予習はしたが、正直なところ、「こういう選手もいたのか・・・。」と感じた選手も多かった。初めて名前を知った選手も少なくなかったが、それでもいろいろな背景を見聞きすると感情移入することができるようになる。「愛国心」という言葉は最近はマイナスの意味で語られるケースが多くなっているが、同じ時代に日本で生まれ育ってきた選手を見ると自然と応援したくなる気持ちが芽生えてくる。
■ もっとも印象に残ったのは男子・体操すでに挙げたとおりで多くのメダル獲得のシーンが印象に残っているが、あえて1番を挙げると男子の体操団体と個人総合は熱くなった。フィギュアスケートなどにも同じことが言えるが、採点競技は日本の選手が好成績を残すためには「ライバルの選手がミスをすること。」が近道。ちょっと複雑な心境で競技を見守ることになるが、特に個人総合に関しては両者が力を出し尽くした素晴らしい戦いだった。
バドミントンの女子ダブルスも印象に残っている。バドミントンの試合をTVで真面目に観たことがなかったのでほとんど知識がなかったが最後の攻防は引き込まれた。最後に日本のペアが5連続ポイントを獲得して金メダルを獲得したが、「さすがにこれは無理だろう。」という状況から大逆転で勝利を飾った。体操やレスリングも「逆転での金メダル」が多かったので、メダルの獲得の仕方もドラマチックなものが多かった。
男女の卓球も印象深い。同様に卓球という競技を真剣に観たことはこれまではほとんどなかったが「卓球の面白さ」を感じることが出来た。他のいくつかの競技の選手にも当てはまる話だと思うが、彼らあるいは彼女たちは「卓球という競技の未来」を背負って戦っている。「卓球をメジャー競技にしたい。」、「卓球の面白さを伝えたい。」という使命があるが、日本中にこれ以上ないほどアピールできたのではないか。
復活を果たした男女の柔道なども良い戦いを見せてくれたが、最後に挙げたいのは銀メダルを獲得した「陸上・男子4×100mリレー (山県・飯塚・桐生・ケンブリッジ)」。バトンパスの技術の高さも銀メダルの理由と言われているが、「単純な短距離のスピードで日本人選手が世界のトップレベルにあること」を示すことが出来たのは日本のスポーツ界全体にとっては非常に大きい。リオ五輪のハイライトの1つだと思う。
★ 現在の投票数 → 492票
→ 投票したいシーンを選択してから左下の「投票」のボタンをクリックしてください。
→ 最大で15個まで投票することができます。
→ 「コメント」のところは何も書かなくてもOKです。(投票可能です。)
→ 記事内容に関係のないコメント(政治的な内容も含む。)はご遠慮ください。
関連エントリー
2016/08/01 【男子サッカー】 独自基準で選んだ日本代表(1992年-2016年)の名勝負・ベスト30 (上)
2016/08/02 【男子サッカー】 独自基準で選んだ日本代表(1992年-2016年)の名勝負・ベスト30 (中)
2016/08/03 【男子サッカー】 独自基準で選んだ日本代表(1992年-2016年)の名勝負・ベスト30 (下)
2016/08/06 【Jリーグ】 歴史的な強さ ~2016年の川崎フロンターレが達成するかもしれない5つの偉大な記録~
2016/08/07 【J1】 クラブ別の2016年の夏の選手補強の評価 (ベガルタ仙台・鹿島アントラーズ・浦和レッズ編)
2016/08/07 【J1】 クラブ別の2016年の夏の選手補強の評価 (大宮アルディージャ・柏レイソル・FC東京編)
2016/08/07 【J1】 クラブ別の2016年の夏の選手補強の評価 (川崎フロンターレ・横浜Fマリノス・湘南ベルマーレ編)
2016/08/08 【J1】 クラブ別の2016年の夏の選手補強の評価 (ヴァンフォーレ甲府・アルビレックス新潟・ジュビロ磐田編)
2016/08/11 【J1】 クラブ別の2016年の夏の選手補強の評価 (名古屋グランパス・ガンバ大阪・ヴィッセル神戸編)
2016/08/13 【J1】 クラブ別の2016年の夏の選手補強の評価 (サンフレッチェ広島・アビスパ福岡・サガン鳥栖編)
2016/08/22 J3+(アンテナ) ・・・ 人気のあるサッカーサイトの最新記事 (4つ)
- 関連記事
-